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吉村昭の『海の祭礼』を読んだ。吉村昭の本もかなり読んでいるのだが、『海の祭礼』はまだ読んでいなかった。ペリー来航の5年前、鎖国中の日本にあこがれたアメリカの青年ラナルド・マクドナルドが単身ボートで利尻島に上陸する。長崎の座敷牢に収容された彼から本物の英語を学んだ長崎通詞・森山栄之助は、開国を迫る諸外国との交渉のすべてに関わって行く。私は、この本を読むまでこのような人物や事件のことは全く知らなかった。ラナルド・マクドナルドが白人とインディアン系の混血であることなどの背景から、白人がインディアンを迫害しているアメリカのその時の状況に耐えきれず、日本というモンゴリアンの国にあこがれを持ったこと、そして最初の英会話のできる人物を作り出して帰国したことなど、たくさんの事実を学んだ。遭難してアメリカで生活し学んだ中浜万次郎なども吉村昭は描いている。すでに亡くなった作家だが、もっと多くの仕事をしてほしかったと思う。
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