小津安二郎監督の『東京物語』をDVDで鑑賞した。先日、山田洋次監督の『東京家族』のラストに「この作品を小津安二郎監督に捧げる」とあったので、『東京物語』との関連を知りたいと思ったからである。
『東京物語』は小津監督の手で1953年(昭和28年)に作成された作品で、山クジラは当時5歳だったのである。まだ映画を見たことのない頃だ。小学生になって、『赤胴鈴之助』などを兄たちに連れられて見に行った記憶があるが、それ以前の話である。主演は笠智衆で、東山千恵子、原節子などが共演している。
あらすじは、1953年の夏、尾道に暮らす周吉とその妻とみが東京に旅行に出かけ、東京に暮らす子供たちの家を久しぶりに訪れるが、子供たちは忙しく両親をかまってやれない。寂しい思いをする2人を慰めたのは次男の妻、紀子だった~このあたりは、『東京家族』では、離島に暮らす両親であり、慰めるのは出来の悪い次男となっている~。両親の世話に困った長男、長女は2人を熱海の旅館に宿泊させる~『東京家族』では横浜の高級ホテルとなっている~。ところが2人は、旅館にいることが出来ず東京に帰ってくる。居所がないので、周吉は友人のもとへ、妻とみは次男の嫁のところへ行く、酒を飲みすぎた周吉は巡査に保護される顰蹙をかう~このあたりも似たような表現~。『東京物語』では、2人が尾道に帰ってから妻・とみが危篤状態になるのだが、『東京家族』では、長男の家で倒れ病院で亡くなる。
Wikioediaの解説によれば、「ローポジションを多用し、カメラを固定して人物を撮る「小津調」と形容される独自の演出技法で、家族を丁寧に描いている。家族という共同体が幻影でしかない悲しすぎる現実を、独自の落ち着いた雰囲気でつづる」とある。残念ながら山クジラにとっては小津作品は今回が最初なので、よくわからないというのが率直な感想だ。
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