田んぼの用水を引く川(堰)にツリフネソウが咲いている。ツリフネソウはツリフネソウ科の植物で、8月から10月にかけて咲く。沖縄を除く日本各地にあって、林の縁の湿った場所を好む。田んぼへの用水の堰は好みの場所なのだろう。気が付けばどこにでもあるのだが、私が始めてこの花を見たのは確か秋田県の田代岳に登るために沢沿いの道を歩いてきた時だったと思う。それから、8月山に入ると必ず登山口近くの沢で必ず目にする。同じツリフネソウの仲間で、キツリフネというのもある。この花たちが咲けば、間もなく秋の気配が忍び寄ってくる。
わが家の田んぼの土手にネジバナが花を咲かせている。ネジバナは日本各地の野原や芝地などに生えるラン科の植物で、特別珍しい存在ではない。田んぼの土手は、春から夏にかけて数回草刈りをするのに、よく花を咲かせたと感心している。もっとも昨日(11日)、斑点カメムシの対策として出穂前の最後の草刈りをしたので、この姿も見られなくなってしまった。
田んぼの作業も田の草取りは一応終了した。昨日からは、土手の草刈りをやっている。エンジン付きの刈払い機で草をなぎ倒していく。春から4回目の草刈りである。農業改良普及センターなどから「カメムシ対策では草刈りの徹底を」とチラシが来ている。先日の水稲指導会では「草刈りだけでは対応できない」とも言われている。穂が出揃ったら、殺虫剤の散布をしなけれならない。田靴を履いての作業はこれが最後となるだろう。
わが家の田んぼでは、4枚の田全てで出穂がはじまった。一番遅かったもち米も穂を出し、水口で水温が低い目の2番目の田でも穂が出ている。何とか収穫できる状態になるだろうと思っている。
わが家の田んぼの土手に「ミソハギ」の花が咲いた。「ミソハギ」は沖縄を除く各地の山すそや野原の湿地に生える多年草だそうである。一番下の田んぼの下は「元田んぼ」で現在は牧草地になっている。田んぼに水が張られているので湿地の条件を備えていて、毎年「ミソハギ」が伸びてきて夏至を過ぎてしばらくすると紫赤色の花をつける。名前の由来は「禊萩(みそぎはぎ)」を略したという説もあり、溝に生える萩のような花という説もある。
もっと近寄って写してみるとこんな感じである。
わが家の田んぼに行くには、樹林の間を通るいわゆる「赤線」を通って行く。途中は他の家の林の中で、道路分に木が覆いかぶさってきてなかなか大変である。
田んぼの近くの土手に「ナルコユリ」が咲いていた。ナルコユリは本州や四国、九州の林下に生える多年草で、緑白色の花を下向きにつける。並んだ花を「鳴子」に見立てたものと言われている。ナルコユリの若芽は、食用になるというがまだ食していない。写真のナルコユリはいつもだと刈り払い機で刈り取ってしまうのだが、入院騒ぎで田んぼの作業が遅れたため、ことしはしっかり花をつけているところを写真に写した次第。
岩手県北部の洋野町でセンダイハギが咲いている。わが家の畑(名目は林地)には、亡くなった義母が植えたと思われるセンダイハギがこのころになると雑草に交じって咲きだす。町内を車で走ってみると、種市の東北電力の変電所前の広場にやはりセンダイハギが咲いていた。なぜ「センダイハギ」というのか調べよと思ったが、山野草の分野にも入らないらしく、そういう本には書いていなかった。花の形からすれば、マメ科の植物であることは間違いないのだが、なぜセンダイハギなのか知りたいものである。
そんなこんなで、町内種市地区のスーパーの駐車場に車を止め、外に出るとオオヨシキリが盛んにさえずっていた、その鳴き声から当地では「ゲゲズ」という、鳴き声が「ゲゲズ、ゲゲズ」と繰り返すかららしい。