台風19号は猛威を振るい、特に大雨で被害が拡大している。
【台風19号泥水被害】で住みたい街・武蔵小杉”セレブタワマン”が停電・断水で話題となっている。
川崎市の武蔵小杉といえば、タワーマンションが続々と建設され、景観のよいセレブなニュータウンとして、近年は「住みたい街」ランキングの上位に入るなど人気の街となっている。
武蔵小杉駅付近には、大きな工場が沢山あり、移転した跡地に、約10年前から建設されたタワマンラッシュで街は一変した。さらにその数十年くらい前は一帯沼地だった。そう考えるともともと冠水しやすいところではあると言える。
駅前にある47階建ての人気高層マンション。コンシェルジュが常駐し、シアタールームやキッズルーム、温泉とサウナを完備。上層階は価格1億円を超える高級マンションで、全体では約600世帯が暮らしている。
地下3Fにある電気システムが冠水によって影響を受けたようで、停電になった。台風翌日の夕方でも、停電は続いている。復旧の目処もたっていないようです。住人によると、断水もしていて、大変困っている。トイレにも行けないし、洗濯もできない。最初は簡易用トイレキットを使っていましたが、それも底を尽きてしまったので、外まで行かないといけない。
エレベーターの使用も不可能。昇降はすべて階段で行わなければならない。上層部の住人は 懐中電灯を頭に巻いて20分以上かけて登り降りをしなければならない。住める状態ではない。→こちらのNHK、こちらの文春などの報道
地下3Fの電気システム設置で思い出した。2015年8月8日に、大型で強い台風13号=苏迪罗(Soudelor) が、台湾を横断し、8日22時10分に福建省の福州市の南の莆田市付近に上陸し、台風進路の北側に位置する温州、福州でも被害をもたらした。
温州では、100年に一度の大雨で、温州泰顺千年古村岭北社区の橋が濁流で破壊され、福州市では、300mmの大雨で、繁華街が街中が海となった。
福州市の高圧配電盤が地下にあり、水没してしまい、広い地域で停電が起き、回復までかなり長い期間を要した。→こちらの報道(中国語)
この10年前の台風”龍王”でも、同じような問題が発生し、福州供電公司は高層建築の高圧配電盤は地上の設けること、地下の場合でも、浸水防止を完全とすべくお達しを出していたが、今回は多くが水没してしまい、水をくみだしたとしても、乾燥+漏電検査に時間がかかっているようだ。
一部では4日間も停電が続いており、「许多家庭辛辛苦苦储存在冰箱里的食品都腐坏了」(冷蔵庫の中の食品が全部腐っちゃた)と、ぼやいている人もいる→こちら
日本でも、地下の電気室設置に関して、いろいろ提言がなされている。ライフラインへの浸水対策 地下空間における浸水対策ガイドライン
私から言わせてもらえれば、浸水危険性がある場所では地下に電気室を設けることは設計上間違っている。
それでこの数日思うのは、30年前にマイホームを購入する際、自分なりに相当考え、水害や崖崩れのない場所を厳選したつもりだったのですが、今から考えると「地震」が完全に頭から抜け落ちていました。案外そんなものかもしれませんね。
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