やっとわかったよ!キーワードは「介護!」
■お題
アベノミクスにより、景気が回復。失業率も下がっているという主張がある
【例】
アベノミクスが雇用改善に寄与した根拠
http://www.newsweekjapan.jp/noguchi/2017/10/post-14.php
から引用(太字部分)
以上のように、少なくとも完全失業率や有効求人倍率の数値を見る限りは、日本経済の雇用状況がアベノミクスの発動を契機として顕著に改善したことは明らかである。
これが、本当か検証してみる。
■もし、この仮説が正しいなら
つまり、アベノミクスが景気を押し上げ、景気が上がったから、失業率が下がったのならば、
「景気が上がった業種は、失業率が下がっている→雇用があがっている」
はずである。だって、いそがしいんだもん。雇用しなきゃ、
では、景気が上がった業種は?
自動車とスマホ部品だけではない日本の製造業;5年前と比べて6割の増産となっている半導体製造装置
http://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/hitokoto_kako/20170905hitokoto.html
なんか、製造業、いい感じみたいです・・・製造業は、雇用が上がっているのでしょうか?
■景気がいいはずの製造業の就業者数は、下がっている。
これは、簡単に確認できます。
労働力調査(基本集計) 平成29年(2017年)10月分 (2017年12月1日公表)
http://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/index.htm
たしかに、完全失業率、減ってマスねえ~
アベノミクス、順調なんでしょうか?
さっきの製造業の話をチェックしましょう。
「第5表 主な産業別雇用者数(エクセル:43KB)」
(第4表でもOK。同じ傾向)
2006年の製造業の就業者数は、1084、これが2016年には999
就業者数は、減っている(@_@!)
建設業とかも減っています。
たしかに、インバウンド効果なのでしょうか、宿泊業、飲食・サービス業は増えています
(景気いい業種で、雇用が増えることもある)
・・・が、そんな増え方とは、比較にならないほど、ぶっちぎりに増えているのは、
医療・介護!
2006年の医療介護の就業者数は、537、これが2016年には778
約5割増です。
もっとはっきりいうと、医療介護で、この間で増えているのは241
そして、介護も製造業も含めた、非農林業は
2006年の非農林業の就業者数は、5436、これが2016年には5696
この間でふえているのは、260、大体「医療・介護」といっしょです。
つまり、
アベノミクスの期間で、雇用は増えているが、増えている主産業は、医療介護であり、
景気を引っ張るような製造業ではない
ということになります。
■アベノミクスの失業率低下を支えた医療・介護、離職者が減り、環境改善された?
これについては、ちょっと複雑なカラクリがあるので、説明しているサイトから引用
第21回 介護職員の人手不足をデータから徹底検証!生産年齢人口の減少に反して介護労働者は219万人から383万人へ!!
https://www.minnanokaigo.com/news/kaigogaku/no21/
にあるように、確かに離職率は減っているように見えます。
平成19年に21.6から、平成23年には16.1へ
4分の1減ったことになるので、大きな改善です!
・・・が、この理由は・・・その下の図。
離職者よりも、入職者がガッツリ増えたからです。
入職者が増えたから、上述のように就業者が増えた。離職率も減ったように見えた
では、環境が良くなったかというと・・・・
・・・その下にあるように、ヘルパーさんの給料は下がっている・・・
環境は、改善されたわけではありません。
■まとめ:アベノミクスで景気は良くなったけど・・・
製造業、建設業は人手を減らし、その人たちは、人手不足の介護に流れるようになった。
介護の給料は安いままなので、製造業から介護に来た人は、給料は減るし、
新卒でも、給料悪い業種にいくということは、給料あんまりもらえない
高い給料をもらえる人が居ないということは、お金が循環しないから、一般に
景気が良くなったように感じない→これが、今のアベノミクス
今後も、老人が増えるので、介護職は増えていくだろうけど、
給料が上がらないと、お金が循環しないから、
景気は、もっともっと、よくならない(わるくなる)だろう・・・
・・・そういうわけかあ!やっとわかったよ!!
しまった、で、ソフト業界は・・というのを書こうとおもったけど、
エントリー長くなりすぎになるので、ここで切ってUPします。