エイベックスのような、コンテンツを持っていて、映像コンテンツでも自社で組めるところは、有利じゃないかな?
まず、このお話の前提知識として、ホワイトスペースについて。
VHF,UHFの周波数の無線において(テレビとか、Uちゃんのテレビとかがそれにあたる)、これらの周波数は見通し距離しか届かないため、無線局に、ある周波数が割り当てられていても、見通し距離以上には「原則」届かない。
そこで、見通し距離外のところでは、ここの周波数に、他局を割り当てても問題はない。
このように、
その周波数に割り当て局はあるが、
距離的な問題などで(他にもいくつかの要因ありえる)
他局、他目的にも割り当てられる周波数
をさします。
ただし、ここの問題は「原則」届かないという話であって、山などでは、遠くへ届いたりして、混信することもある。
ここで、ひょっとすると、ホワイトスペースがいっぱいできちゃうかもしれない話。
地デジに移行しますよねえ。2011年7月でしたっけ?
それまでは、地デジの周波数と、今のアナログ周波数、両方使ってますけど・・・
そのあと、どーなるの?っていうお話。地デジのところは使っているけど、アナログ周波数は?
実はもう、考えられているみたい。
ホワイトスペースについて
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/policyreports/joho_tsusin/houtai/pdf/090130_1_s6.pdf
1.まず今の地デジで使ってる710MHzから770Mhzを、移行する
その710MHzにケータイなどを持ってくる
→ケータイは多重化するので、ある程度高い周波数のほうがいいわけね。
2.混信のためのチャンネル変更
3.偏狭地区のための中継
でも、でも、でも、放送局数は変わんないで、周波数は、アナログ分、どーんとあくんですよねえ。。。
そしたら、やっぱ、あいちゃう周波数、いっぱい出てきますよねえ、きっと・・・
ところが問題は、この周波数帯、中途半端に低いので、混信が出る可能性があるということだ。アマチュア無線やってると、ほんと、5Wでも、この周波数帯(430MHz)の飛び方が読めない。高いところだと、たぶん、遠くまで届いてしまう。また、多重もしにくい。なので、通信は不向きで、結局、放送向きということになる。
一番向いているのは、ワンセグコミュニティテレビで、たとえば、東京タワーを利用すれば、首都圏で幅広く受信できる(この場合、ホワイトスペースというより、周波数割り当てて、あたらしい放送局になると思うが・・)。逆に範囲を絞りたければ、八木でかなりの指向性を利かせればいい。コントロールしやすい。
しかし、ワンセグコミュニティのテレビをやるとなると、
・だれがつくるの?
・お金は?
のほかに、
・放送で流すコンテンツの著作権は?
っていう問題が出る。
これらをすべてクリアするのは、既存の放送局ではむずかしい。事実、
新たな電波の活用ビジョンに関する検討チーム(第一回会合)議事要旨(案)
http://www.soumu.go.jp/main_content/000049396.pdf
でも(以下斜体は上記サイトより引用)、
・すでに5000万件以上のワンセグ端末が出回っている現状を踏まえれば、コミュニティワンセグが1つのコンセプトとして考えられる。しかし、コミュニティ放送の運営は財力的、コンテンツ的なことを考えると現実的には厳しいところ。
と指摘されている。
これを打開するには、エイベックスのように、コンテンツも作れて、お金もあって。。。っていうような、レコード会社など(吉本興業みたいなお笑いでもOK)が作らないと難しいだろう。
著作権問題でも、そのレコード会社のものしかかけなければ、JASRACとその会社の交渉だけですむだろうし(たぶん、この場合でもJASRACと話さないといけないんだよね??)、数億レベルのお金であれば、新規事業として、検討対象にはなる。レコード会社なら、コンテンツはそろってるだろう。アーティストとかが出ればいいし・・・
ということで、コンテンツを持っている会社が、放送局を作るというパターンなら、考えられると思う。
ホワイトスペースは地域限定なので、いくつかの放送局間をネットして、同じ放送を流すという形になるだろう。
また、「カレッジラジオ」でも、これらレコード会社が協力しないと、難しいかもしれない。単なる校内放送になってしまう。もちろん、就職をにらんで、既存の放送会社と大学の放送サークルが提携してカレッジラジオを作るということは考えられるが・・・
この手の一番の問題は、出力規模と放送エリアと収益の問題だ。
広告にしろなんにしろ、放送の場合、放送エリアを広げないと収益には結びつかない。
ところが、放送エリアを広げて、出力を上げれば、混信が起こる。
見通し距離の公式d = 4.12(√h1 + √h2) Km
の式で考えると、高さ25m(h1)から送信し、受信側が高さ1メートルだとすると、見通し距離約25Kmになり、東京から送信すると、埼玉・千葉・神奈川の首都圏全部を射程距離に入れられる。
今、コミュニティFMで許されている20Wで送信してしまうと、アンテナの利得にもよるが、たぶん、全域聞こえるか、聞こえないにしろ影響を及ぼす。
これは、放送エリアを広げるにはいいことなのだが、ホワイトスペース的に考えると、混信を起こしやすく良くない。
この問題を解決するには、
・出力をしぼって
・ネット化
するしかないだろう。
つまり、出力を1Wにする代わりに、何箇所かに立てる。
1Wだと、ケータイのMAX出力気持ち大きいくらいなので、2~3Kくらいかしら。
この間を、いくつかのコミュニティ局を作ってネット化するっていう感じになるのかしら・・
こうなってくると、それぞれに放送設備をおき、運用しないといけないので、かりに無人化で行ったとしても、それなりのお金がかかり、結局それで採算が合って参入できるのは、エイベックスみたいなコンテンツを持っている会社ってことになるだろう。
ちなみに、お金持ってて参入しやすいのは、宗教団体だが、免許が下りない
(電波法、放送法とも、宗教局を明示的には禁止していないと思うが、FEBCに見られるように、最近では単一宗教での免許は、下りないみたいね・・・ま、運用の問題だろうから、コミュニティFMで、申請された場合、どうなるかは、わかんないけどね・・・)
デジタルサイネージは、多重化して、広範囲に同時に違う情報を流せるという点で、こっちのほうが、お金になりそうな気もします。。。