ここのニュース
YouTubeへの対抗策となる「融合放送」を提案~野村総研
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2006/11/17/13985.html
というので、You Tubeのロングテール戦略に対して、ロフティヘッド(上位以外しか相手にしない)という戦略をだし、You Tubeの対抗策として、融合放送という概念を打ち出した。
それは、こんなかんじ(以下の斜体は上記ニュースからの引用)
融合放送を実現するための主な要因は、
1)放送免許を持つこと、
2)自主制作であること、
3)配信側がタイムテーブルを組むこと、
4)放送規律を守ること、
5)通常の動画再生ソフトで視聴でき、DRMを使うこと、
6)オープンかつコミュニティ性のあるネットワークで配信すること、
7)広告収入であること。
この考え方、かなり問題ないか?っていうことについて考えます
■そもそも、インターネットに免許って、ありえるのか?
つまり、「インターネット上でも放送規律を守る会社に対しては、放送免許を付与することができる。と、なぜ断言できるのか?
免許というのは、
「いったん全員を禁止する」
「しかし、例外的に、何かの条件を満たしたものだけ、その禁を”免”じて”許”可する」
から、免許って言うんだよねえ。。
・日本では、拳銃をもってはいけません
・だけど、猟銃の免許を持っている人はOKです。
とか、
・日本では、勝手に車を運転してはいけません
・だけど、車の免許を持っている人はOKです。
とかとか。。
そうすると、いったん禁止するっていうことになって、この場合、禁止する理由がある。
たとえば、拳銃をもってはいけないのは、拳銃をみんなが持つとあぶないから。
勝手に車を運転してはいけないのは、車を操作できない人が、運転するとあぶないから。
で、放送についてなんだけど、これは、電波の希少性ということから、言われている
つまり、
・同じ地域で、同じ時間に放送すると、みんな混信して、なにいってんのか、わかんなくなる
・なので、いったんみんなだめXとして、
・その中で、同じ地域で、同じ時間に放送する人を規制する
という免許制をとっている。
だから、混信することがまずないような、微弱な電波は、免許を持たなくてもOKっていうことになっている(トランシーバーやラジコンなど)。
で、インターネットだが・・・
うん、なんで、免許なんだ。。
つまり、いいかえると、なぜ、この「融合放送」を、免許を持ってない人がやっちゃいけないんだ???
べつにいいじゃん。タイムテーブル作ってCMとって、DRMつきの動画を流して、国ではなく、何社か集まって民間の規制の範囲内で自主制作しても・・・??これを禁止する、理由がない・・とおもうけど??
■免許する必要がないのに、免許制にすると、それは、単なる政府介入の規制になる
だから、これを免許制にすることに意味はない。
それを免許に無理やりすると、たんに、国のすすめる方針にそった放送をしているという
お墨付きに過ぎなくなる。
たとえば、免許制にして、規制条件として、「拉致問題について取り上げること」とかすると、
(こーいう規制は、じゅーぶん考えられる)それは、免許という名の政府お墨付きつーか、政府の介入になってしまう。
なので、免許制にしないでいいものは、免許制にすべきではない。
■それ以前の問題として、ロフティヘッドを実現するのに、融合放送なのか?
それ以前の問題なんだけど、視聴率上位のものをあつめるのに、なぜ、「融合放送」なんだ?
テレビ番組などは、見る人がかなり多い。だから、もし、テレビ局がすべてのコンテンツをインターネットに載せたら、視聴率上位、ロフティヘッドになると思う。
ウィリアムのいたずらは、むしろ、
ロフティヘッドになる放送を実現するための主な要因は、
1)放送局が、
2)自分たちが制作した番組を、
3)配信側がタイムテーブルを組まず、いつでも視聴できるようにして、
4)放送規律を守って(いるけど)、
5)通常の動画再生ソフトで視聴でき、DRMを使うこと、
6)オープンかつコミュニティ性のあるネットワークで配信すること、
7)広告収入であること。
を満たせば、実現できると思う(赤字は、融合放送との大きな相違点)
つまり、今のYOU TUBEの著作権問題は、放送局の著作権のある番組について限って言えば、それら著作権のある番組がYouTubeに流されることが問題だと思う。
なぜ、ながされるかといえば、一度放送したものは、録画してないと、見れないから。
なので、録画した人がアップする。
これが、放送局が自分たちの番組をいつでもどこでも、インターネットで見れるようにすれば、見そびれた人は、それをみればいいし、引用したい人は、テレビ局のその番組にリンクを貼ればいい。
さらに、You Tube側でも、番組が公開されれば、それをもとに、チェックして、同じ番組がアップされていたら、はじくということもできる。
だから、「ロフティヘッド」に限らずYou TUBE対抗策は、既存の放送局が、ネット配信することなのだ。
■問題はテレビ局が、テレビ番組のサーバ型放送に乗る気でないことだ。
そして、既存の放送局が、ネット配信するっていう問題は、技術的には、広告をどうするか?だが、これはある程度、決め事でいける。つまり、技術的な問題ではなく、既存の放送局の意識の問題になる(自分の放送エリア外で、自分たちが配信している時間以外に視聴される問題)。
どーも、この問題が大きいようだが、これは、意識の問題なので、ある日突然変わることがありえる。
そして、You Tubeをたたいたり、新しい概念を持ってくるより、既存の放送局がネット配信して、むしろYou Tubeと組んだほうが、お金は儲かると思う。(放送局にとってもYou Tubeにとっても)。もちろんユーザーが、一番多くの恩恵を受けるわけだが。。