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Chateau Tour Du Haut-Moulin 1989

2007-11-09 11:45:47 | フランス・ボルドー

Chateau Tour Du Haut-Moulin 1989

AOCはHaut-Medoc

コミューンはCussac-Fort-MedocCrus Bourgeoisについて

フランスのボルドーの格付けには、グランクリュクラッセ以外に「クリュブルジョワ」たるものが存在します。もちろん、その存在をご存知の方も多くいらっしゃるかと思いますが、では「クリュブルジョワ」とはそもそも何なのか?今一度、その歴史的背景を振り返りながら、最近の実力はどうか?覗いて見たいと思います。

コトの起こりは1932年。1855年にグランクリュクラッセの格付けの当局だったボルドー商工会議所と農業会議所がメドック地方に限定した上で、1855年の格付けに漏れたシャトーのクラス化を図るべく動き出したのがその契機です。

この時、選ばれたのは6のCrus Bourgeois Superieurs exceptionnels 、 99 のCrus Bourgeois Superieurs、 339 のCrus Bourgeois。このクラス分けはそもそも鈍化した市場の活性化を目的としたものでしたが、突然発生した世界一次大戦の混乱のあおりで廃れてしまいます。

1962年、Crus Bourgeois 協同組合の設立者であるJean Miailhe 氏は再び「クリュブルジョワ」格付け玉条の紐を解きます。この時の格付け再編は、

Crus Grands Bourgeois Exceptionnels;-----6500株/ha以上、樽熟成、シャトー瓶詰めCrus Grands Bourgeois;------------------樽熟成Crus Bourgeois ;------------------------畑面積7ha以上

という規定のもと、クラス毎に基準を満たしていれば、Crus Bourgeois 協同組合の組合員になれると同時に、その格付けを名乗れる、というもの。その結果、再編当時合計101シャトーだったCrus Bourgeoisは数年後に327シャトーにまで膨れ上がります。ただし、「クリュブルジョワ」というブランド化による売上効果は抜群で Jean Miailhe氏のねらい通りと言えるものでした。

その後、様々な変遷を得て、Crus Exceptionnels、 Crus Grands Bourgeois、Crus Bourgeoisの3カテゴリーの元203シャトーがクリュブルジョワとして存在します。しかしラベル上にそのカテゴリーを表示するのは禁止されており、「Crus Bourgeois」と記載されるだけ。買い手がそのシャトーの地位・実力を知っているかどうかでのみ、そのクラス分けは意義をもちます。

そして、今日、改めて農業大臣や財務大臣らが一緒になってクリュブルジョワ再編に着手すると明言しています。しかしながら、選考にあたるメンバーや選考委員会のような、現場で実務をこなすべき人や組織の編成はまだ手付かずの状態にあり、現代クリュブルジョワ再編を語るにはまだまだ時期早焦です。さらに、クリュブルジョワの定義そのものに対する疑問-------クリュブルジョワは選り抜きの格付けであるべきなのか?はたまた市場の活性化を図るべく、より門戸を広げるべきなのか? 419というクリュブルジョワシャトーは多すぎないのか?もっと数が多くてもいいものなのか?などなど…も改めて問い直されることになり、非常に大きな波紋をもたらすものになることが予想されます。

そして、この度、現在のクリュブルジョワの実力を試すティスティングがフランスのあるワイン雑誌誌上にて行われました。ティスティングの条件は、もちろんブラインドテイスティングで、各シャトーのヴィンテージ1998、1995、そしてシャトー側が選んだ1990年以前の任意のヴィンテージ、の合計3つのワインを飲み比べ、その質が向上しているのか、安定しているのか、もしくは下降ぎみかを探ることを目的としています。

(WineShop RedBoxより抜粋)

「1855年メドック格付け」に入らなかったシャトーの中から1932年にクリュ・ブルジョワ級という格付けがなされた。その後何度か改定があり、一番新しいのは2003年6月の改定。クリュ・ブルジョワ級はAOCメドックMedoc、オー・メドックHaut-Medoc、サン・テステフSt-Estephe、ポイヤックPauillac、サン・ジュリアンSt-Julien、マルゴーMargaux、リストラック・メドックListrac-Medoc、ムーリス・アン・メドックMoulis-en-Medocの8アペラシオンが対象。等級の呼称が微妙に変わり、上から

■クリュ・ブルジョワ・エクセプショネルCrus Bourgeois Exceptionnels(9銘柄)■クリュ・ブルジョワ・シュペリュールCrus Bourgeois Superieurs(87銘柄)■クリュ・ブルジョワCrus Bourgeois(151銘柄)

の3つに分けられ、今まで400以上あったクリュ・ブルジョワ級が合計247銘柄となった。(*シャトー側から申請をし、それをワイン業界関係者で審査しているのでCh.ソシアンド・マレSociando-Malletのように申請していないシャトーは品質がよくても格付けに入っていない)クリュ・ブルジョワ級のワインは、メドック格付けに入っていないと言っても質的に格付けシャトーに匹敵するものも多い。

クリュ・ブルジョワ級は3つの等級に分けられているが、EUの現在の法律ではラベルに「Cru Bourgeois」としか表示出来ず、クリュ・ブルジョワ内の上級格付けであることは明示出来ない。今まで私的格付けという位置付けだったが、2003年の改定から公的な格付けとなったため、将来的にはラベルの表示も可能になる予定。

Voyage du Vin より抜粋)

 

Chateau Tour Du Haut-MoulinはCrus Bourgeois Superieursに入ります。

メドックのブルジョア級格付け本格的ワイン。良質ブルジョワ級の中ではもっとも凝縮され、最も味わいあるワインとして有名。お手頃実力シャトーのボーモンの隣にありますが、しなやかなボーモンに比べて、力強さのオームーランと性格的には対照的。深い色調と、しっかりとしたタンニンを持った骨格あるカベルネ・ボルドーの典型的タイプ。熟成がよい形でまろやかさにつながり長期熟成タイプを手軽にしっかりと味わえます。リストラックとサン・ジュリアンに挟まれた場所にある、オー・メドックですが、味わいはポイヤックのように男性的。2003年のブルジョア級公式格付けでも上級( Crus Bourgeois Superieur )に格付けしました。カベルネソーヴィニヨン50% メルロー45% プチヴェルド5% 樽熟成18ヶ月

(ワインショップ・プティットメゾンより)


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