がじゅまるの樹の下で。

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首里城赤瓦漆喰はがしボランティアに参加しました

2020年03月29日 | ・琉球歴史/文化風景

 

首里城赤瓦漆喰はがしボランティアに参加してきました。

参加者は定員フルの老若男女。

おひとりさまから
友達同士、親子など。

外国の方や
リピーターの方もいました。

 

銭蔵で受付をしたら、
淑順門を通って
作業場所である後之御庭へ。

ちょうど正殿の真後ろにある広場です。

 

 

現在立ち入り禁止になっているここ、
かつての有料区域は
撤去工事が進められています。

右側奥が北殿、左側奥が南殿、
中央奥が正殿にあたります。

奥の赤い建物は奉神門です。

 

 

作業は破損を免れた赤瓦の
漆喰をはがすこと。

作業に必要な道具、
軍手やマスク、ゴーグルも準備されていました。

受け取った瓦は、
奉神門の丸瓦。

 

 

ひたすら、漆喰をこすり取っていきます。

思っていたよりもぼろぼろと取れるので
特に難しい作業ではありません。

でも、まんべんなく
きれいに落とすには時間がかかります。

 

ひたすらこすり取っていく。

ただひたすら瓦に向きあう。

どんどん無心になっていく。

 

黙々と無心になることで、
それは
祈りにも似た表現行為になっていく

 

という、
石の声」での体験を思い出しました。

 

 

瓦を抱えて、
支えて、
こすり取って、
磨いて、
払って、
なでる、
そしてまた抱え持つ、
このような単純な一連の作業が、
自然に首里城と己に向き合う時間になっていきました。

 

それは
首里城への想いであったり
復元に携わったへの想いであったり
祈りであったり
追悼であったり
後悔であったり
愛おしさであったり
決意であったり

 

……。

 

 

 
もちろん、
かしこまって神妙な面持ちでやらねばならない
というわけではありません。


でも防塵マスクしてるし
作業は一人でやるものなので、
グループで来ている人も
作業中は自然とそうなっていたんじゃないかな、


というのが私の感想と、実感。
 

 

作業が終わった瓦は検品へ。

ハンマーで軽く叩いて、
その音で瓦の良し悪しを判断します。

高く響く音は合格の印。
赤瓦ってこんなきれいな音がするんだ、と
ほれぼれしました。

 

 

2時間(途中休憩10分ほど?)の作業で
丸瓦6枚、平瓦4枚、
合計10枚の瓦の漆喰はがしをすることができました。

 

ノルマがあるわけじゃないので
自分のペースで無理なく進めることができます。

 

 

休憩時間や作業の合間には
現場作業員さんの話も聞くことができました。


瓦の構造。
丸瓦と平瓦の組み合わせ方。
どこを漆喰で固めるのか。


その組み合わせ方を知る、
間近で見るって、
意外とないですよね。

 

 

焼失前の各屋根の写真や、
瓦の種類も見ることができました。

 

 

正殿の赤瓦は、
完形のものはほぼ残っていないそうです。

 

 

正殿左 龍頭下 丸瓦。

貴重な1枚。

 

瓦も、龍頭棟飾(陶製)も、
落ちて粉々に割れてしまいました。
(瓦や龍頭に関していえば、火災で燃えたというよりは
焼け落ちて割れたという被害)

割れてしまったそれらも全て回収して
次の何かに活かせる予定とのこと。

 

作業員さんの言葉が印象的でした。

 

「私たちは、割れてしまったこれらを瓦礫とは言わない」

 

 

左右両端の赤丸部分に
龍頭棟飾のひげが見えます。

真ん中の丸が大龍柱。

左側のブルーシートのあるところが
世界遺産でもある遺構部分。

 

↓2本の大龍柱。

 

 

さて、ここで
ボランティア参加者の特典を
書かせていただきます。

もうお気づきのように、

 

① 
現在、一般立ち入り禁止である「現場」に入れる


現場や遺物を間近に見れる


作業員さんなどから話が聞ける
(ほかにも色々聞いたり、見たりしたけど
ブログに載せたのは一部です)


通常通れない淑順門を通れる


参加証がもらえる

 

の5つです。

 

 

淑順門、これね!

完成した時からずっと見てるけど
ずっと行き来できない門だったから
実際にここを通るのはワタシも初めてでした。

 

 

淑順門の裏!

ひそかにテンション上がったよねー。
(…ワタシだけ?)

 

赤瓦漆喰はがしボランティアは
4月26日まで実施されます。

4月実施分の申し込みは
明日3月30日11:00から、
専用サイトの応募フォームから受付開始になります。

 

一人でも多くの人が(特に県民が)
参加してくれたらな、と思います。

 

詳細、申し込みは☟

首里城赤瓦の漆喰はがしボランティアについて

 

 

 

「え~?
でも15歳未満は参加できないじゃない?

子どもと参加したかったけど、
うちは子どもが小さいし無理だわ…」

 

と言うそこの奥さま!旦那さま!

 

ちょーっと待った―――!!

 

 

 

見学会もございます。

 

実際に作業はできないけれど、
この現場に入って、
同じ景色を見て、
作業員さんの説明も聞けます!

もちろん、
子ども連れだけじゃなくて
大人の方だけでも見学OK!

 

現地を見るだけでも十分価値がありますよ。

 

当日、現地受付先着15名限定になります。

 

詳しくは☟

首里城赤瓦漆喰はがしボランティア見学会 開催

 

なお、気になる駐車場についてですが、
首里城駐車場を利用できます。
(ボランティア参加者優先というわけではありませんが、
時世柄、駐車場、余裕ありです…)

料金は定額320円です☆