ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
◇指揮:マリス・ヤンソンス
◇会場:サントリーホール
◇曲目
ドヴォルザーク :交響曲第8番 ト長調 op.88
メンデルスゾーン :交響曲第4番 イ長調 op.90 「イタリア」
ラヴェル :ラ・ヴァルス
◇アンコール
ドヴォルザーク :スラヴ舞曲 op.72-2
J.シュトラウスⅡ :ポルカ・シュネル『ハンガリー万歳』 op.332
忘れないうちに感想や印象を走り書き。
とにかく弦の音が美しい。
「ビロードの弦」ともいわれる、このオーケストラの弦の響き。
私はちゃんとしたビロードを見たことがないから
この表現はピンとこないけど、
何かに例えるとしたら「極上の絹布」かなあ。
つややかで、なめらかで、豊穣な音色。
今夜の演目は特に弦の音を十分堪能できた。
金管のクリアな音もよかった。
メンデルスゾーン4番の冒頭だったかな?トランペットに釘付け。
このオーケストラ、表現の幅が本当に広い!
さざなみも、大嵐も、そよ風も、春の芽吹きも、
表現できない音楽なんてないんじゃないかってくらい
ほんとに多彩な音色を聞かせてくれる。
2年前に聴いた「春の祭典」、あれ良かったなー。
今でも鮮明におぼえている。
(記憶が鮮明すぎて、2年前のこととは思えない)
4年前の公演もそう。
あのときは確か、ベートーベンの2番とブラームスの2番。
演奏が始まってすぐに引き込まれて、
アンコールのハンガリー舞曲では涙が出てきた。
「流麗」っていう言葉の意味を、このとき初めて実感した。
話を今夜に戻す。
ドヴォルザーク8番の冒頭、最初の1小節を聴いた瞬間
肩~背中がうわっと熱くなった。
(
2日前に聴いたロベルト・デヴェリューと全く同じ状態)
そのときの音は、たしかビオラとチェロがメインだった。
その後も美しい弦のうねりや細波に身をゆだねて
至福の時間だった。
全ての楽器が思いっきり大音量で奏でるところも好き。
轟音をあげて猛スピードで駆け抜けた直後にピタリと鳴り止む。
奏者が数十人(百人以上いたかも)いるのに、
鳴り止むタイミングがピシャリと合う。見事の一言に尽きる。
轟音の後に訪れる一瞬の静寂、
ヤンソンスはこれを聴衆に聴かせたいんじゃないか、
と話してる人がいた。
「あえて一瞬の沈黙をつくりだす」「彼独特の音楽」
とか言ってたな、たしか。
えーと。あと何を記しておきたかったんだっけ。
もう夜遅いからキーワードだけ書いておこう。
・ダイナミックかつ優雅な指揮
・全身で指揮してた。
・1曲でワルツもジャズも表現