東京は坂が多い。
ちょっと歩くと大小緩急さまざまな坂に出あうし、そのほとんどに名前がついている。
そんな坂の街・東京の見方や歩き方のヒントになり、これからもなりそうなのがこの本。
「東京スリバチ地形入門」
気軽に読めて面白くて、しかも読んだ後は普段の散歩も楽しくなった!
関東平野を形成する火山灰の層が川などで削られると「V」ではなく「U」形の谷をつくるのだそう。
谷を最上流までさかのぼると三方を高台に囲まれた窪地があらわれる。それをこの本では「スリバチ」と名づけ、都心に潜むたくさんのそれを「一級スリバチ」「肉食系スリバチ」「クボチ」といった絶妙なネーミング(訳を知るとナルホドと納得するしかない、秀逸な呼び名なのだ)とともに紹介している。
この本を読むと、これまで歩いたことのある場所は地形単位で捉えなおすことができるし、そうでない場所はわざわざ歩きに行きたくなる。(図や写真が多く、かつキャプションもとても分かりやすいから、行ったことのない場所もイメージしやすかった。)
さらには普段の生活圏(=非都内)の地形も気にするようになって散歩の範囲が広がり…と、寒さにちぢこまる体を外へ連れ出してくれる有難い存在でもある。
最近、上京するときは必ずこの本を持っていくようになったのだけど、夢中になって読むうちに車窓の風景(武蔵野台地の断崖とか谷とか)を見逃してしまうのが唯一の困った点。。
メモ
坂を下りた場所にある店
◯◯銀座と元祖銀座、立地の違い
夕焼けだんだんと霜降商店街→同じ川でつながっていた!
アグレッシブな等々力渓谷
お寺の立地、神社の立地
台地の武家屋敷、のちに学校・病院・大使館
台地と低地、土地の区割りの違い
「集合住宅」と「住宅の集合」
スリバチ、湧き水、パワースポット
いつも空海が先んじる
川の流れが変わる
階段の私道比率71%
歩いて地形を理解し記憶する
膜を剥がしていく暗渠
ソウル風景
高低差に宿るドラマ
湿地にも宿るドラマ
マンションの広告
山口晃の絵
ちょっと歩くと大小緩急さまざまな坂に出あうし、そのほとんどに名前がついている。
そんな坂の街・東京の見方や歩き方のヒントになり、これからもなりそうなのがこの本。
「東京スリバチ地形入門」
気軽に読めて面白くて、しかも読んだ後は普段の散歩も楽しくなった!
関東平野を形成する火山灰の層が川などで削られると「V」ではなく「U」形の谷をつくるのだそう。
谷を最上流までさかのぼると三方を高台に囲まれた窪地があらわれる。それをこの本では「スリバチ」と名づけ、都心に潜むたくさんのそれを「一級スリバチ」「肉食系スリバチ」「クボチ」といった絶妙なネーミング(訳を知るとナルホドと納得するしかない、秀逸な呼び名なのだ)とともに紹介している。
この本を読むと、これまで歩いたことのある場所は地形単位で捉えなおすことができるし、そうでない場所はわざわざ歩きに行きたくなる。(図や写真が多く、かつキャプションもとても分かりやすいから、行ったことのない場所もイメージしやすかった。)
さらには普段の生活圏(=非都内)の地形も気にするようになって散歩の範囲が広がり…と、寒さにちぢこまる体を外へ連れ出してくれる有難い存在でもある。
最近、上京するときは必ずこの本を持っていくようになったのだけど、夢中になって読むうちに車窓の風景(武蔵野台地の断崖とか谷とか)を見逃してしまうのが唯一の困った点。。
メモ
坂を下りた場所にある店
◯◯銀座と元祖銀座、立地の違い
夕焼けだんだんと霜降商店街→同じ川でつながっていた!
アグレッシブな等々力渓谷
お寺の立地、神社の立地
台地の武家屋敷、のちに学校・病院・大使館
台地と低地、土地の区割りの違い
「集合住宅」と「住宅の集合」
スリバチ、湧き水、パワースポット
いつも空海が先んじる
川の流れが変わる
階段の私道比率71%
歩いて地形を理解し記憶する
膜を剥がしていく暗渠
ソウル風景
高低差に宿るドラマ
湿地にも宿るドラマ
マンションの広告
山口晃の絵
今年の夏に図書館でリクエストしたものの数十人の予約待ちで気長に待っていた「京都ぎらい」、先日実家にあったので借りてきた。
「なかなか面白かったよ」といわれたけど帯の言葉に怯み、ページをパラパラめくっただけで微かに消耗し、そっと本を閉じた。卑屈で僻みっぽくて、なんか面倒臭そうな本だな…というのが第一印象。
この本だけ読んだら精神衛生上よくない気がしたので、ずっと前に読んで印象に残っていた「京都の平熱」と「都と京」も図書館で借り(この2冊はリクエスト翌日に手元に届いた)、3冊を並行して読み進めることにした。
「平熱」と「都」は数年ぶりに読んだけど、あらためて著者お二人の言葉選び(表現の的確さやテンポ)が絶妙だなぁとつくづく感じた。
京都に生まれ育った鷲田清一さんと、東京育ちの酒井順子さん。それぞれの目を通した京都、そこから広がる都市論、コミュニティ論、言語的考察etc.。併読することで面白さがさらに増す。京都のあれこれが奥行きをもって多層的に感じられる。
どちらの本でも紹介されていた著者お気に入りの散策&観光コースは、お二人それぞれの「京都のこの路地、この街並みが好き!」という気持ちがすごく伝わってきて、町の位置関係が全くわからない私でも楽しく読めた。
「ぎらい」の方も、著者の強い思いは伝わるし、いろいろ考えさせられるところはあった。あと、元気なときに読めば消耗しないので自分の気力体力のバロメーターにもなる。
この本を読んで思い出したことをひとつ。
京都に比べたらずっと歴史の浅い埼玉にも相対的に歴史のある土地があって、そこに住む人の中には「むかし他所から馬で来た人は、あそこに馬をつないで街中までは歩いて行った。だから、あそこから内側が本当の◯◯町」などと胸を張る人もいるのだとか。(胸を張るだけではないけど続きは省略…)
そのての意識って京都に限らずどこにでもあるんだな、と思ったら佐藤優が二行で言い表してた。↓
それから、この本の著者がいちばん言いたかったことを「平熱」と「都」のお二方も別の形で表現してた。前に読んだときは気づかなかった描写の裏に気づき陰影を感じるようになったのもこの本のおかげ。
というわけで私の場合は3冊同時に読んで正解だった。そして3人それぞれにこんな力作を書かせる京都ってやっぱり凄い土地だと思った。
ところでこの3冊を読み始めて数日後、「国宝展」のために京都に行くことになった。読み始めた時は全くそんなつもりはなかったのに、おそるべし京都の引力…!!
「なかなか面白かったよ」といわれたけど帯の言葉に怯み、ページをパラパラめくっただけで微かに消耗し、そっと本を閉じた。卑屈で僻みっぽくて、なんか面倒臭そうな本だな…というのが第一印象。
この本だけ読んだら精神衛生上よくない気がしたので、ずっと前に読んで印象に残っていた「京都の平熱」と「都と京」も図書館で借り(この2冊はリクエスト翌日に手元に届いた)、3冊を並行して読み進めることにした。
「平熱」と「都」は数年ぶりに読んだけど、あらためて著者お二人の言葉選び(表現の的確さやテンポ)が絶妙だなぁとつくづく感じた。
京都に生まれ育った鷲田清一さんと、東京育ちの酒井順子さん。それぞれの目を通した京都、そこから広がる都市論、コミュニティ論、言語的考察etc.。併読することで面白さがさらに増す。京都のあれこれが奥行きをもって多層的に感じられる。
どちらの本でも紹介されていた著者お気に入りの散策&観光コースは、お二人それぞれの「京都のこの路地、この街並みが好き!」という気持ちがすごく伝わってきて、町の位置関係が全くわからない私でも楽しく読めた。
「ぎらい」の方も、著者の強い思いは伝わるし、いろいろ考えさせられるところはあった。あと、元気なときに読めば消耗しないので自分の気力体力のバロメーターにもなる。
この本を読んで思い出したことをひとつ。
京都に比べたらずっと歴史の浅い埼玉にも相対的に歴史のある土地があって、そこに住む人の中には「むかし他所から馬で来た人は、あそこに馬をつないで街中までは歩いて行った。だから、あそこから内側が本当の◯◯町」などと胸を張る人もいるのだとか。(胸を張るだけではないけど続きは省略…)
そのての意識って京都に限らずどこにでもあるんだな、と思ったら佐藤優が二行で言い表してた。↓
それから、この本の著者がいちばん言いたかったことを「平熱」と「都」のお二方も別の形で表現してた。前に読んだときは気づかなかった描写の裏に気づき陰影を感じるようになったのもこの本のおかげ。
というわけで私の場合は3冊同時に読んで正解だった。そして3人それぞれにこんな力作を書かせる京都ってやっぱり凄い土地だと思った。
ところでこの3冊を読み始めて数日後、「国宝展」のために京都に行くことになった。読み始めた時は全くそんなつもりはなかったのに、おそるべし京都の引力…!!
十和田市現代美術館を設計した西沢立衛氏の対談集。
(SANAAとして金沢21世紀美術館を設計した建築家、の方がわかりやすいかな)
初めて読んだのは数年前だけど、そのときに十和田市の「通り全体を美術館に」という試みが印象に残った。
今回の旅行で十和田市に行くことになったので、十和田市のことが書いてある部分を読み直してから旅行に行き、帰ってきてからあらためて再読しているところ。
見る前に本を読んだことで、違う視点から街や通りを眺めることができた。
そして街を訪れた後に読むと、旅行前にはピンとこなかったことがすんなり理解できる。
青森県立美術館を設計した青木淳氏との対談もあるので、旅の記憶や印象が鮮明なうちに急いで読まなくては
◇メモ
エントランスホール
展示作品(作家)の選びかた
原っぱ
(SANAAとして金沢21世紀美術館を設計した建築家、の方がわかりやすいかな)
初めて読んだのは数年前だけど、そのときに十和田市の「通り全体を美術館に」という試みが印象に残った。
今回の旅行で十和田市に行くことになったので、十和田市のことが書いてある部分を読み直してから旅行に行き、帰ってきてからあらためて再読しているところ。
見る前に本を読んだことで、違う視点から街や通りを眺めることができた。
そして街を訪れた後に読むと、旅行前にはピンとこなかったことがすんなり理解できる。
青森県立美術館を設計した青木淳氏との対談もあるので、旅の記憶や印象が鮮明なうちに急いで読まなくては
◇メモ
エントランスホール
展示作品(作家)の選びかた
原っぱ