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「バベルの塔」展@東京都美術館

2017-06-30 20:29:27 | 美術館・博物館


「バベルの塔」展@東京都美術館。(7/2まで)
閉店まで10日を切ったときに行ったので、金曜夜でも混雑してた。バベルの塔も、最前列で見るために行列に並んだ。
そのバベルの塔。想像よりもずっと明るく澄んだ絵だなぁ、というのが第一印象。雑誌やポスターで見ていたのと全然ちがう。山口晃がコメントしてた「グレージング」の効果ってこのことか。実物をわざわざ見に行った甲斐があった。
ほかには「枝葉の刺繍の画家」が描いた「聖カタリナ」と「聖バルバラ」もよかった。衣服の表現がもう見事で、その夜の夢に出てきたくらい。

ところでこの展覧会では、ネーデルラント絵画が発展を遂げた15~16世紀の絵が展示されている。この時期はネーデルラントが繁栄し力を強めていった時期に重なる。
(そういえば中国でも清の時代(特に康熙・雍正・乾隆帝の頃)に素晴らしい陶磁器がたくさんつくられていたっけ)
文化の隆盛と国力は密接に関係しているのだということをあらためて実感した展覧会でもありました。




「日本、家の列島」展@パナソニック汐留ミュージアム

2017-06-30 20:21:11 | 美術館・博物館
6月25日までパナソニック汐留ミュージアムで開催してた「日本、家の列島」展。


フランス人建築家たちがみた日本の家の写真や模型やインタビューを展示することで、日本における家の位置づけを考えてみましょう、という展覧会。閉展直前に慌てて出かけたので、会場内はとても混雑してた。

施主や建築家の方が何を考え、どんな家にしたかったか、何にこだわったのか。模型や写真を見ながら読むインタビューはとても面白かった。
とはいえ、それぞれの家について施主や建築家の想いが熱く語られるので、(すべての展示をじっくり見ることは諦めて気になる家に絞ったのに)会場を出たあとはドッと疲れを感じた。施主がこだわりぬいたお宅にお邪魔すると、見てこちらもたくさん感動して心地よい疲労感を覚えるものだけど、今回の展覧会は例えていうなら「こだわりが束になって一度に襲ってきた」ようなものだから、そりゃ疲れるわけだ。

会場入口に流れていた約12分の紹介映像について。
企画者の視点やコメントがとても興味深かった。でも展示を見終わってみるとコメントの大半はあまりピンとこなかったかも。「周辺環境との調和」?「(周囲から孤立するヨーロッパの家と違って)家のあり方が複合的」?うーむ。「狭い空間を巧く活用」これは同意。

それにしても、少なくない施主が「建築家に頼んだ理由」として「ハウスメーカーの家は嫌だった」と答えていたのが印象的だった。あと「生活感」を嫌がる人もちらほら。(機能性とデザイン、どちらをどれだけ優先させるかの個人の好みの問題だけど、そこまでハウスメーカーを毛嫌いしなくても…と私は感じた)

個人的に気に入ったのは「隙間のある家」。厚い壁を2枚、隙間を空けて並べたようなデザイン。機能性無視、こだわり最優先、の姿勢が潔い。
この家の模型を見てたら、そばにいたカップルの会話が聞こえてきた。
「俺、この家の施主に会ったことあるかも」へええ
「建築家に設計を頼みたい人のための相談会があって、」そんな相談会があるんだ
「そこで施主の人に会ったの。」うん
「ちょうどこんなふうに隙間のある家だったから、たぶん同じ人だと思う。」うんうん
「それで施主の人に『雨の日はどうするんですか?』って聞いたら、」聞いたら?
「『濡れます。』って答えたの。」!!!
私もびっくりしたけど、その人もすごく衝撃を受けたのだろう、大事なところを繰り返した。
「『雨の日はどうするんですか?』って聞いたら、『濡れます』って」
隙間のためには雨にも風にも負けちゃいかんのだな。

この名言のおかげで、展覧会全体の疲れや違和感が少しだけ緩和された気がする。






「茶の湯」展@東京国立博物館

2017-06-30 20:20:21 | 美術館・博物館
6月4日まで開催してた「茶の湯」展の記録。



閉展間際に駆け込んだので、金曜夜でも混んでいた。
時間の関係で、茶の湯に関するたくさんの展示(展示品の種類も数も多い!)を全部じっくり見ることはできなかったけど、茶碗を中心に楽しく見られた。

特によかったのは、油滴天目(大阪市立東洋陶磁美術館)と青磁輪花茶碗(東京国立博物館)。よかった、というよりも、人の感覚を狂わす何かを宿しているような茶碗だった。至近距離に展示されていたふたつの茶碗をじっくり眺めていたら、博物館を出たあと「なんか凄いものを見てしまった!!」と心がぞわぞわした。




2017春の瀬戸内たび(3)松山

2017-06-19 07:19:57 | 国内旅行
松山駅に着いたのは2時すぎ。
この日きめていた予定は、道後温泉本館とその周辺で山口晃の作品を見ることだけ。それ以外は未定。時間はたっぷりある。さて何をしよう、と思っていたら、ホテルに置いてあったパンフの中に素敵な写真を見つけた。


森の中にたたずむ洋館、といった雰囲気のたてもの。「萬翠荘(ばんすいそう)」という名前で、もとは伯爵の別邸として建てられたという。
いいなーいってみたいなーでも森の中っぽいから遠いんだろなーと半ば諦めていたけど、ホテルから徒歩5分で行けることが判明。急遽行ってみることに。


お目当ての洋館は、松山城の建つ山の中腹(といっても、かなり麓に近い)にある。
この門を入ってから少し斜面を歩いた。


みどりのなかの洋館。新緑に映えて美しい




通常は、このての洋館は左右対称に造られるそう。この建物は左右非対称の日本家屋の特徴を取り入れたのだとか。


ここが入口


2階へつづく階段とステンドグラス




海のモチーフ。ブルーが美しい


部屋ごとにデザインのちがうマントルピース


鏡も、天井も、見ていて飽きない


カーテンとタッセルと


壁の装飾、と壁紙


2階の廊下の突き当たり。窓からは藤の花がよく見えた


こんなステンドグラスも


シャンデリアは水晶でできているそう。


1階の部屋では何かの展示会を開催中だった。






満開の藤の花(写真に撮るとわかりにくい…)


続いて、萬翠荘のすぐ近くにある「坂の上の雲ミュージアム」へ。






ミュージアムから見た萬翠荘


ミュージアム内の階段。建築関係の人には有名らしい


このあと街なかでおみやげを買ったりするうちに日が少し傾いてきた。


路面電車からの眺め


坊ちゃん列車


いよいよ道後温泉へ。(つづく)