『ブレイブ・ストーリー』はずっと読んでみたいと思っていたのですが、
先日、ひょんなことから知人に「愛蔵版」を借りることが出来まして、読んでみました。
この「愛蔵版」には、新聞連載時の挿絵もついているという豪華版なのですが、
分厚い&重い&ページが1000ページ以上というボリューム。
読むのに4日くらいかかってしまった(^^;
三谷亘は小学5年生。父と母と平凡だが幸せな生活を送っていた。
ある日、幽霊が出るというビルを親友のカッちゃんと探検に出かけた亘は、
そこでビルの持ち主・大松と、その娘で心を病んでいる香織たちに出会う。
香織のことが気にかかって幽霊ビルに再び1人でやってきた亘は、
偶然、ビルの中の不思議な扉を通って、幻界へ迷い込む・・・
両親の離婚、母のガス自殺未遂という家庭の崩壊に直面した少年が、
運命を変えるために幻界を旅し、成長していく、勇気の物語。
新聞連載時には描ききれなかった後半が、力強くまとめられています。
宮部みゆきという作家を何も知らなかった頃に連載を読んだときとは、
私自身が受ける印象も、そこから出てくる感想も、全く違いました。
連載でこの作品を読んだときは、あまりにもベタなRPGファンタジーだと思い、
ゲームが好きだという作者が趣味で書いたものなのかな~という印象でした。
それにしては、主人公の置かれた立場がシビアだとは思いましたが・・・
う~ん、現実逃避の物語なのかな?と思っていた記憶もあります。
でも『理由』を読んだ後にこの作品を読むと、別の面が見えてきます。
『理由』の登場人物たちは、自分と他者との距離や理想との乖離に苦しみ、
強引に他者を自分に近づけようとしたり、環境を捻じ曲げようとしたり。
その挙句に、厳然として残っている「非理解」につぶされて破滅した。
現代社会という環境と未成熟な人間性が、彼らを追い込んでいった。
あの作品は非常に読者にとっては重いシリアスな作品です。
それは、読む者にどうしようもない無力感を与えるから・・・
作者だって、重かったんじゃないかと思います。
あれは、単なるエンターテイメントというには、テーマが大きすぎました。
だから私は、この『ブレイブ・ストーリー』こそが、
宮部氏のまいた希望の種なのじゃないかと思ったわけです。
ならば亘の置かれた環境の苛酷さもわかる。まさに『理由』の悲劇です。
しかし、亘は幻界を旅することで、一つの結論を得ます。
心の強さこそが、現実を見つめ、それと戦う勇気こそが、大切なのだと。
だから、この『ブレイブ・ストーリー』は、ファンタジーじゃない。
人が過酷な現実と戦う勇気を見つける物語ですよね!
RPGはあくまでも手段に過ぎず、心の問答こそが主題だと思います。
人間の心の強さを信じたい人にこそ、お勧めの作品です♪
先日、ひょんなことから知人に「愛蔵版」を借りることが出来まして、読んでみました。
この「愛蔵版」には、新聞連載時の挿絵もついているという豪華版なのですが、
分厚い&重い&ページが1000ページ以上というボリューム。
読むのに4日くらいかかってしまった(^^;
三谷亘は小学5年生。父と母と平凡だが幸せな生活を送っていた。
ある日、幽霊が出るというビルを親友のカッちゃんと探検に出かけた亘は、
そこでビルの持ち主・大松と、その娘で心を病んでいる香織たちに出会う。
香織のことが気にかかって幽霊ビルに再び1人でやってきた亘は、
偶然、ビルの中の不思議な扉を通って、幻界へ迷い込む・・・
両親の離婚、母のガス自殺未遂という家庭の崩壊に直面した少年が、
運命を変えるために幻界を旅し、成長していく、勇気の物語。
新聞連載時には描ききれなかった後半が、力強くまとめられています。
宮部みゆきという作家を何も知らなかった頃に連載を読んだときとは、
私自身が受ける印象も、そこから出てくる感想も、全く違いました。
連載でこの作品を読んだときは、あまりにもベタなRPGファンタジーだと思い、
ゲームが好きだという作者が趣味で書いたものなのかな~という印象でした。
それにしては、主人公の置かれた立場がシビアだとは思いましたが・・・
う~ん、現実逃避の物語なのかな?と思っていた記憶もあります。
でも『理由』を読んだ後にこの作品を読むと、別の面が見えてきます。
『理由』の登場人物たちは、自分と他者との距離や理想との乖離に苦しみ、
強引に他者を自分に近づけようとしたり、環境を捻じ曲げようとしたり。
その挙句に、厳然として残っている「非理解」につぶされて破滅した。
現代社会という環境と未成熟な人間性が、彼らを追い込んでいった。
あの作品は非常に読者にとっては重いシリアスな作品です。
それは、読む者にどうしようもない無力感を与えるから・・・
作者だって、重かったんじゃないかと思います。
あれは、単なるエンターテイメントというには、テーマが大きすぎました。
だから私は、この『ブレイブ・ストーリー』こそが、
宮部氏のまいた希望の種なのじゃないかと思ったわけです。
ならば亘の置かれた環境の苛酷さもわかる。まさに『理由』の悲劇です。
しかし、亘は幻界を旅することで、一つの結論を得ます。
心の強さこそが、現実を見つめ、それと戦う勇気こそが、大切なのだと。
だから、この『ブレイブ・ストーリー』は、ファンタジーじゃない。
人が過酷な現実と戦う勇気を見つける物語ですよね!
RPGはあくまでも手段に過ぎず、心の問答こそが主題だと思います。
人間の心の強さを信じたい人にこそ、お勧めの作品です♪
箱カバー入りで、表に銀の剣があしらわれています。
ファンじゃなかったら買いませんよね(^^;
ワタルと競ってたのはミツルですね!
私も彼の行く末は気にかかるところ・・・
2度と亘の人生とリンクすることはないでしょうけど。
そう考えると、余韻のある物語だと言えますよね♪
さくさくと軽いものを書いていく人だと思ってました。
ほら、普段がめちゃめちゃ明るい人じゃないですか。
火村の名刺を貰って喜んだり(笑)
でも、結構書くことは社会派なんですよ。
私の好きな「本格」とは一線を画するのだけど、
たまには読んでみたいと思わせる作家です。
アニメ、どんな風にアレンジされてるのかな?
暗い部分はカットされてるのかも・・・
知らなかった~
ウチにあるのは、普通の文庫版です。(^^;)
このお話、主人公と争っていた
もう一人の男の子の今後が気になります。
ものすごく、勘違いしてました。
宮部作品って
もっとライトなものなんじゃないかって思ってたから、viviandpianoさんの感想を読んで印象がガラりと変わりました
アニメのDVDを見てみようかな~って思ってたけど
原作が気になる!