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ビバさんのさんぽ道

みやこの建物、お庭、お花、あれもこれも見てみたいと欲張りビバさんがでかけます

馬路村への旅(3)馬路温泉と村の散策

2018-10-24 01:20:40 | 土佐の国
馬路温泉に泊まりました。



建物のすぐ前には安田川が流れていて、川音が常に響いています。



夕食はアマゴを始めとして、村で採れたものが並びます。



湯気で画面が曇っていますが、温泉のお湯はヌルッヌルでお肌にとってもいい上等のお湯でした。ナトリウム・炭酸水素・塩化物泉。今まで入った中で一番の泉質だと思いました。
日帰り温泉は10時~21時。レストランは11時~14時、16時~21時。定休日はなし。宿泊は本館・別館とバンガローもあり、毎月1回のバラ風呂もあります。



宿のある所から少し上流には、魚梁瀬森林鉄道の遺産である落合橋があります。
長さ37m、1925(大正14)年に架けられた橋で、橋の上流側にかつては製材所があり、天然木の木材を製材していました。橋は現在は馬路村の村道として利用されています。



一つ下流にある吊り橋を渡って、川の反対側に渡り散策しました。



村のあちこちに柚子の木が植えられています。



柚子の収穫は11月から12月にかけてが最盛期なので、この時は実が黄色に色づいたものがまだ少なめでした。柚子がもっと熟してくると、村中が柚子の香りに包まれることでしょう。



安田川の水はとても澄んでいて、透明度抜群でした。
ここは川が湾局して淵になっているところです。



川沿いの道のガードレールは村の産物である木材でできていました。



馬路村交流センター。



元は馬路営林署の本署でしたが統廃合で使われなくなり、馬路村農協本所として再利用されています。
署長室や会議室がそのまま残っているそうです。



ゆずの森農産物直販所。元は営林署の電話交換手の詰所だったところです。柚子製品の他、農産物、手作りのお惣菜、エコ商品等を販売しているので、お土産をたくさん買いました。
朝8時~午後5時頃まで営業。定休日は年末年始。



左の建物は村に移住してきた若い夫婦で営んでいるパン屋「ゆずの花」です。毎週月・火曜日定休。




高台にある金林寺薬師堂は国指定重要文化財。
真言宗高野山派のお寺。弘法大師が馬路村に来た時に一夜で建てたという言い伝えがあります。



馬路村への旅(2)馬路森林鉄道とインクライン

2018-10-24 00:40:49 | 土佐の国
馬路温泉に着いて荷物を預け、すぐ近くにある馬路森林鉄道に乗りに行きました。

高知県東部の中芸地域(奈半利町・田野町・安田町・北川村・馬路村)の5町村は、かつて林業で栄えた地域です。この地域には昔から立派な杉が育ち、豊臣秀吉が京都仏光寺の大仏殿に使う木材を献上させ、奈半利川に流して木材を運びました。明治時代にも安田川と奈半利川を利用した水運が主流でしたが、牛や馬で木材を運ぶ林道も作られました。

1907(明治40)年、軌道による運材が始まり、1911(明治44)年に田野−馬路間の軌道が開通します。当時は、トロッコに木材を積み、勾配を利用して海岸まで運び、空になったトロッコを犬が引いて山に戻っていました。
1921(大正10)年には機関車による木材の搬出が始まり、時代とともに、蒸気機関車、ガソリン車、木炭ガス車、ディーゼル車が登場し、木材の大量輸送に大きく貢献しました。魚梁瀬森林鉄道は総延長347kmという国内屈指の森林鉄道となっていましたが、1963(昭和38)年、廃線となり、軌道の一部は車道となりました。

森林鉄道の記憶を残す遺構が今も数多く現存しており、明治44年の開通時に建造された隧道などが、平成21年2月に経済産業省の近代化産業遺産群に認定されました。さらに同年、橋梁や隧道など18ヶ所の貴重な土木建造物が国の重要文化財に指定されました。

平成29年度には文化庁の「日本遺産」に、魚梁瀬森林鉄道やユズなどからなるストーリー「森林鉄道から日本一のゆずロードへ~ユズが香り彩る南国土佐・中芸地域の景観と食文化~」が認定を受けています。


かつての魚梁瀬森林鉄道馬路駅付近に、森林鉄道を模した観光列車「馬路森林鉄道」が走っています。運営しているのは昔、山の林業などに従事していた人達です。

●乗車料/大人400円 小人300円
●運行時間/8:30~16:30
●運行日/日曜日・祝日 (8月は毎日運行・雨天運休)※団体の場合平日でも運行可能(要予約)
●お問合せ/馬路温泉 TEL0887-44-2026



安田川の支流、西谷川沿いを、ゴトゴトと走って上り、橋を渡って対岸を下る円形の線路を二周して元の駅に戻ります。



線路脇にかつて使われていたディーゼル機関車が残されていました。



駅の横に昔使われていた鉄道遺品がありました。



次に乗るインクラインの模型です。



昔、馬路村の山では水の重さを利用した無動力のケーブルカー(インクライン)で木材を運んでいました。これを観光用に再現したものが馬路森林鉄道のすぐ横にありました。



5・6人が乗れるトロッコのような乗り物の下部に水を貯められるタンクがあり、そこに水を出し入れすることで、その重さの軽重によってトロッコが斜面を上下する仕組みになっています。
下の乗り場で、中央の曲った管から水を抜いているところです。



軽くなったトロッコが斜面を上って行きます。



一番上に着くと、


乗客が降りた後、また管からタンクに水が入れられています。



上の広場には子供用の遊具があったり、広く馬路村の景色を見渡すことができます。



安田川の対岸から見たインクラインの全貌です。木の緑の中に赤く見えるのがインクラインです。

インクラインの
●乗車料/大人400円 小人300円
●運行時間/8:30~16:30
●運行日/日曜日・祝日(8月は毎日運行・雨天運休)
●お問合せ/馬路温泉 TEL0887-44-2026


魚梁瀬森林鉄道の遺構は、安田川林道本線(馬路~田野)、安田川線、奈半利川線があり、広い範囲にわたっているので、18ヶ所の重要文化財全てを見て廻ることはなかなかできません。これまでに小島鉄橋(北川村)法恩寺跨線橋(奈半利町)など、見ることができた過去の記事があります。



馬路村への旅(1)馬路村への道

2018-10-24 00:39:06 | 土佐の国
2018年10月21日に高知県頭部にある馬路温泉に友人と二人で泊まりに行きました。

前日高知に泊まって、朝、高知駅11時19分発の列車で土讃線、土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線経由で安芸駅に12時23分に着き、駅前の食堂で昼食をとった後、高知東部交通のバスで13時35分安芸駅前発の魚梁瀬(やなせ)行きに乗りました。
1日に3便しかないので、乗り遅れないように気をつけないといけません。

バスはコミュニティバスのような感じの小型バスで、乗客は最初から最後まで、私達と同じく安芸駅前から乗った女性の方一人だけでした。
しばらく海岸に沿って走った後、安田川に沿って山奥に向かって走ります。

海岸通りから山に向かって曲った辺りに土佐くろしお鉄道の安田駅があり、その前のバス停は「安田中学校前」です。前回馬路村に行こうとして安田駅で電車を降り、このバス停を探しましたが、見つけられなくてうろうろしている間にバスが通り過ぎていった苦い経験があるので、今回は安芸駅で乗り継ぎしたのです。やはり今もまだバス停はわかりにくい所に、目立たない標柱しか立っていませんでした。


だんだん山が険しく迫ってきて、道が曲がりくねり、狭くなってきました。



崖崩れしている場所があり、大規模な復旧工事が行われているところでは、交代で片側通行を行っていました。






赤い鉄橋がかかっている場所がありました。
この鉄橋は、かつて魚梁瀬森林鉄道が通っていた線路の跡です。橋の長さは43.2m、高さは6.28m、幅は4.64mで、単線の鉄道が走っていたことがうかがえます。大正元年に桧の木造で建造されましたが、機関車の導入に伴い、昭和4年、現在の鉄骨トラス橋に架け替えられました。安田川に架かる森林鉄道の代表的な遺構で、国指定重要文化財、経済産業省の近代化産業遺産群にも認定されています。今は町道として使われていますが、軽自動車までしか通ることができません。
バスを降りて見てみたかったのですが、一瞬の間に通り過ぎてしまいました。



約50分間バスに乗って、「馬路村役場前」に着きました。馬路温泉への道を尋ねると、運転手さんは親切にバスを降りてきて道を教えてくれました。



バス停前の馬路村役場は、田舎の村の役場にしては立派なたたずまいです。
ゆずの生産、販売で村興しをしてきたことが背景に感じられる景色です。



役場の横の小道を通って、裏手に廻ると安田川が流れていて、橋の上流に見えるのが今日の宿、馬路温泉です。



14:30過ぎに馬路温泉に着きました。