淳一の「キース・リチャーズになりたいっ!!」

俺好き、映画好き、音楽好き、ゲーム好き。止まったら死ぬ回遊魚・淳一が、酸欠の日々を語りつくす。

マシュー・マコノヒーが21キロ激痩せして挑んだ、映画「ダラス・バイヤーズクラブ」を観る。

2014年03月17日 | Weblog
 いつものことだけれど、日曜日の午後は心がざわつく。
 いわゆる「サザエさん症候群」というやつだ。月曜から始まる仕事のことを考えて憂鬱になるのである。

 昨日の日曜日もそうだった。
 朝から湿気を含んだ大粒の雪が降っていて、午後からは天気になった。
 どうも心が落ち着かず、無性にビールが飲みたくなって、近くのデパートの地下で缶ビールと酒のツマミを買って家まで戻った。

 まだ外は明るい。
 それでも、テーブルの上に買って来た酒の肴を並べて、冷やしておいた缶ビールを飲む。
 それほど酒自体強くなく、すぐに真っ赤になって眠くなってしまうので、缶ビール一缶でもう顔が真っ赤っか。

 でももうちょっと欲しくなり、冷蔵庫から赤ワインを取り出して、グラスで2杯程度飲んでしまった。

 テレビでは、東京ドームで行われた「ザ・タイガース」の復活コンサートがやっている。
 飲みながら、それを暫らくの間、じっと眺めていた。

 それにしてもジュリーの老け具合が半端じゃない。
 お腹がかなり出っ張っていて、ほかのメンバーたちも髪の毛は真っ白だった。ドラムのピーだけが、いい塩梅に歳を重ねているみたいで、彼だけがすんごくカッコ良かった。

 コンサート自体、別に悪くはなかったと思う。
 でも、メンバーたちのこの老け込んだ姿を見ていて、少しショックを受けてしまった。アルコールが入っていたことが、感情をより一層高めてしまったのかもしれないけど・・・。

 そうなのだ。
 これが現実なのだ。
 どんなに美少年でも、どんなに筋肉隆々のマッチョでも、いつか歳を取り、皺が増え、お腹が出っ張り、体力は落ち、やがて死んでゆく。

 もしも今、いきなり余命30日なんて医師から告げられでもしたら、どんな強靭な精神を持っている人間であっても、ショックで気が狂いそうになるだろう。

 映画「ダラス・バイヤーズクラブ」も、余命30日と宣告された一人の人間の物語である。
 この映画は実話だという。
 マシュー・マコノヒーがエイズ患者を演じるために、なんと21キロも減量して役作りに挑み、その凄まじい演技によって今回の第86回アカデミー賞で主演男優賞を受賞してしまった。

 電気工事技師でロデオのカウボーイでもあるウッドルーフ(マシュー・マコノヒー)が、ある日突然倒れてしまう。
 気がつくとそこは病院で、彼はいきなり医師からHIV陽性だと診断され、あと余命が30日しかないだろうと告げられるのである。

 ウッドルーフは激しく絶望する。

 彼はエイズ治療薬を色々と調べてゆくうち、アメリカ本土では許認可されている治療薬が少ないことがだんだん分かってくる。
 認可されていないエイズ薬を病院の人間から裏で調達して貰った際に、代替薬を扱っているというメキシコ在住の医師のことを知ったウッドルーフは、単身メキシコへと渡ることに。
 そしてそこで、アメリカ本土へのエイズ薬の密輸を思いつき、無認可の薬や病気に効果のあるサプリメントを売る、「ダラス・バイヤーズクラブ」を設立するのだが・・・。

 マシュー・マコノヒー演じるウッドルーフが、女にだらしなく、粗野で、凶暴で、いい加減な男として映画の中では描かれていて、結構鼻につく嫌な性格の男なので、最初上手く波に乗れなかった。

 ところが、エイズの特効薬を探すためにメキシコに渡るあたりから、映画は俄然面白くなる。
 当然にして、21キロも減量したマシュー・マコノヒーの演技は凄いし、彼の相棒となる末期のエイズ患者で同性愛者を演じた、ジャレッド・レトも素晴らしい演技をみせてくれる。
 ジャレッド・レトもまた、この「ダラス・バイヤーズクラブ」の演技によって、アカデミー助演男優賞を受賞した。

 悪戦苦闘し、アメリカ国内での無許可の薬に対する理解と方向性の転換に一役買った実在のウッドルーフは、余命30日という医師の宣告を覆し、その後何年間も生き続けたらしい。

 難病を克服して助かったとしたって、それでも人は、いつか必ず死んでしまうのだけれど・・・。









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