淳一の「キース・リチャーズになりたいっ!!」

俺好き、映画好き、音楽好き、ゲーム好き。止まったら死ぬ回遊魚・淳一が、酸欠の日々を語りつくす。

スカイ・フェレイラ「Night Time My Time」のアルバム・ジャケットはギャスパー・ノエが撮っている。

2014年03月14日 | Weblog
 最初、ちょっと聴くのをビビった。
 なにせ、この過激なアルバム・ジャケットだ、音のほうもノイジーでパンキーで過激なサウンドなのかと、少し聴くのを躊躇ってしまったのである。

 「Night Time My Time」は、スカイ・フェレイラのデビュー・フルアルバム。
 そしてそのジャケット写真は、あの、映画「アレックス」を撮って世界で凄まじい物議を醸し出した、カンヌ映画祭受賞監督の鬼才? 異才? 変人? ギャスパー・ノエである。

 「Night Time My Time」のジャケットを見ただけで十分理解してもらえるとは思うけど、このジャケット写真から匂って来るのは、どこまでも絶望的で寒々とした、なんともいえぬような暗鬱としたもの、眼を背けてしまいたくなる、そんな何かである。

 そして、それこそがギャスパー・ノエの世界感なのだ。

 映画「アレックス」は、これまで観てきた何万本?もの映画の中でも十本の中に入るくらい衝撃的だった。

 胸糞が悪くなるというか、苛々がますます募るというか、気が滅入るというか、前向きで希望に満ち溢れた、そんな類いの感情とはまったく真逆な、どうしようもない絶望感に打ちひしがれる。

 実際に、映画館(観たのは「シネマ・ディクト」だった)で観ていた時、途中で何人かが(全員が女性でしたが)席を立って出て行ってしまった。
 本当に、出て行ってしまったのだ。それも、もう観続けるのが耐えられないという感じでみんな出て行く。
 映画館でこういうことは生まれて初めての経験だった。

 主役のモニカ・ベルッチが暴漢に犯される約10分間に及ぶシーンが、とにかく凄まじい。
 それ以外にも、とにかく凄まじいシーンの連続で、観終わってドッと疲れが出る。
 観た後、数日間はちょっと放心状態だったことを今でも覚えている。
 ショックがずっと抜けなかった。

 多分、DVDで出ているので、今からでも観ることは可能だろう。
 でも、最後まで観続けていられるだろうか?
 積極的には薦めませんが、映画好きを自認している人なら、まあ避けては通れない映画の一本ではあるでしょうね。

 そんなギャスパー・ノエがアルバム・ジャケットを撮った、スカイ・フェレイラの「Night Time My Time」を聴いた。

 スカイ・フェレイラは、1992年アメリカはロサンゼルス生まれの20代女性だ。
 ミュージシャンを目指してシングルなどを何枚かリリースした傍ら、モデルとしても活躍している。
 女性ファッション雑誌の表紙も飾っているらしいけれど、そこんとこはよく分かりません。

 そして肝心のアルバム「Night Time My Time」なのだけれど、聴いてみると、極々普通のガールズ・ロック。
 これにはちょっと吃驚した。もちろん、いい意味で。

 ポップで、少しパンキッシュな匂いもないではないけれど、これは若さゆえのラジカルな部分の表れだろう。
 今、アメリカのヒット・チャートを賑わしている、たとえばリアーナだとかロードとかブリトニー・スピアーズとかケイテイ・ペリーとかと同列に捉えられることも出来なくはない。

 初回限定盤に付いてくる、もう一枚のアルバム「ゴースト」のほうが個人的にはどちらかというと好みかも。
 しっとりと歌い上げるナンバーも入っていて(表題曲の「ゴースト」が秀抜だ)、「Night Time My Time」にある騒々しさがないのがいい(そういうテイストはテイストとして好きですけど)。

 そんなスカイ・フェレイラのデビュー・アルバムについて書いていたら、なんと、当人のスカイ・フェレイラ、恋人と一緒に、麻薬不法所持、窃盗の容疑で逮捕されたらしい。

 そうなると、これからは「シド&ナンシー」の路線を2人で歩んでゆくのだろうか。
 まだまだ21歳と若いのだから、このまま過激に真っ直ぐ一直線に、全速力で走っていただきたいものですが、どんなもんでしょうか?








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