淳一の「キース・リチャーズになりたいっ!!」

俺好き、映画好き、音楽好き、ゲーム好き。止まったら死ぬ回遊魚・淳一が、酸欠の日々を語りつくす。

「Pseudologia Fantastica」

2014年03月15日 | Weblog
 金曜日もまた大きな会議で一日中拘束される。

 夕方その会議が終わったので、定時にオフィスを出ると、玄関先に同じ組織に勤務している友人が目の前に車をつけ、窓を開けて一言、「送ってくよ」。
 「助かった」と、中心市街地の老舗本屋さんの前まで送ってもらう事に。

 本屋さんで本を物色して、今日は早目に帰ろうと、そこから何処にも寄らず、雪が融け出している舗道をひとり歩く。
 まだ外は明るい。かなり日が長くなってきたみたいだ。

 雪道を歩きながら、あっ、そういえば昨日は「雪のまち幻想文学賞」の最終選考日が都内で開催されていたんだっけ・・・そんなことが、ふと頭を過(よぎ)る。
 そうかあ・・・入選すれば電話で受賞通知が来るはずだから・・・来ないってことは、書いた小説、落選したんだなぁ・・・とは思ったものの、実はそれほど最終選考のことを気に止めていたわけではない。

 いつものように―というか久しぶりに書いた小説だし―締め切り日の10日前に慌てて書きあげた30枚だったので(下地はだいぶ前に10枚程度書いていて、そのまま放っておいたのだけど・・・)、書き上げたんだから取りあえずは提出しようみたいな軽いノリで投函してしまったのである。
 たぶん、落ちるだろうな。
 そんな感じで、投函した後はそれほど気にも止めていなかったのである。

 でもそうはいうものの、落選は落選なわけで、それなりに軽いショックは受けた。
 自分が書いたものが否定されたような、自分の可愛い分身が消えちゃったような、なんとも言えない虚しさと淋しさに襲われた。

 だからお前は駄目なんだよ、ちゃんと丁寧に、時間を掛けて小説と向き合わないから、そういう痛い目に遭うんだってば。そう、自分で自分を非難する。

 家に着いて、着替えながらちらっと机の上を見ると、事務局から封筒が届いていた。
 開けてみたら、「雪のまち幻想文学賞」長編賞の入選通知が受賞パーティの案内状と一緒に入っている。
 「おめでとうございます」と書かれてあった。
 まさかの展開に、ちょっと驚く。

 そして今日の土曜日は、大学院の修了式。
 車を出して、ドリカムの「ベスト」を聴きながら八甲田の裾野に位置する校舎へと向かう。気温が3度。車道に雪はない。

 大学に到着して、学位授与式用のガウンとフードとキャップとフサを着込んで会場へと向かった。
 式では、修士の学位と、学長賞を頂いたので、ちょっと二重の喜び。

 それにしても大学院は本当に辛かった。本当にキツかった。
 2年間で終了するためには、頑張って習得単位を短期間で取り続けるしかほかに道はなく、平日の夜、土日の日中と、講義のための時間が割かれて結構しんどかった。

 特に辛かったのが集中講義。
 外部から招いた教授による授業なので、3日とか4日間、連続して朝の9時から夜の9時までびっしり時間が組まれていて、ハードで密度が濃いので逃げ出したくなった。
 止めようと思った事が何度かあった。

 一コマ90分間の授業が15回というパターンなので、それを数日間で全部こなすことになるのだけれど、こっちも辛いけれど、教える先生もまた体力勝負ということになってしまい、相当キツかったと思う。
 でも、授業自体はどれも楽しくて、本当にためになった。目から鱗的な話をいっぱい聞けたし。

 それも、ああ、終わったぁ・・・。

 セレモニーが終わり、お昼は中心市街地にあるレストラン「チャンドラー」で冷えたビールと赤ワイン、それから肉料理。
 自分に対するご褒美ということで、真っ昼間から美味しいビールをごくんと一気に飲み干した。

 それにしても、いい事が続くと必ずそれに反発するように、不幸な出来事がその次にはやって来る。
 虚言癖でも言い続けたら、いつかは現実になるかもしれないけれど、いい事と悪い事だけは、必ず交互に訪れるのだ、経験上。

 人生なんてそんなもんだ。







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