淳一の「キース・リチャーズになりたいっ!!」

俺好き、映画好き、音楽好き、ゲーム好き。止まったら死ぬ回遊魚・淳一が、酸欠の日々を語りつくす。

映画「大統領の料理人」。外はかなり寒いけど、映画館の中は美味しい料理を観るだけでも暖かい。

2014年01月15日 | Weblog
 これから、ずーっと真冬日が続くようだ。
 週間天気予報を見ると毎日が雪マークで埋まっている。
 最高気温もマイナスがずらりと並んでいる。

 今冬はこれまで、小雪傾向で推移してきたようだけれど、それでももう何回か雪掻きをしているのでまだまだ油断は禁物だろう。
 これから一番雪が降る期間へと突入するわけで・・・。

 今日も外に出るのが億劫だったけれど、映画を観ようと中心市街地へ向かう。
 凍てつく外気が身体を締め付ける。
 歩いているだけで、自然と寒さに歯を食い縛っている自分がいる。

 映画館は、いつもの「シネマ・ディクト」。
 エレベーターで3階に上がり、いつものスタッフの女性に笑顔で挨拶し、館内へと入った。

 男性は僕ひとりだけ。
 あとの観客は全員女性だった。中高年が多い。それも、みんな一人で観に来ているようだ。

 今日観る映画は「大統領の料理人」。
 フランス映画である。

 首都圏では昨秋に上映されたようだけれど、地方となるとそこにはタイムラグが生じてくる。
 ましてや単館系で上映されるような映画だったら尚更だ。
 この街には幸いにもこの「シネマ・ディクト」がある。
 こういう、儲け度外視で頑張る映画館を映画ファンは何としても応援し続けないと・・・。

 映画「大統領の料理人」は、フランスのフランソワ・ミッテラン大統領に仕えた、フランスの官邸史上唯一の女性シェフ、ダニエル・デルプエシュの実話をもとにしたドラマである。


 映画は、過去と現在が交錯しながら進んでゆく。
 すなわち、ミッテラン大統領に仕えたフランス官邸の女性シェフとして奮闘する期間と、フランス官邸を去った後、南極地域のフランス領で多くの関係者たちに料理を施す役目を買って出る期間だ。

 そして映画は、ミッテラン大統領の個人的な料理シェフに任命されたその後である、極寒の地で懸命に働くシェフの姿から描かれ、そこから4年前へと遡ってゆくスタイルが取られる。

 フランスの田舎町で、農作物を育てながらレストランを経営していたオルタンスという中年女性(カトリーヌ・フロ)は、ある日、ミッテラン大統領自らの指名によって、首都パリ中心部にあるエリゼ宮に迎えられ、大統領の料理人として腕を奮ってほしいと頼まれる。
 最初は固辞したものの、熱意にほだされその申し出を引き受けることに。

 しかし、オルタンスはそこでエリゼ宮の現実を知る。
 厳格な統制の元で働く官僚的な側近たちと、女性シェフを排除しようと試みる規律に縛られた男社会の厨房・・・。
 それでもオルタンスは、ひたすら大統領が食べたいと願う食材、食べたい料理を聞き出し、材料コストや側近の横やりを潜り抜けながら、素晴らしい料理の数々を大統領のもとへと提供してゆく・・・。

 監督は「恋愛小説ができるまで」のクリスチャン・バンサン。
 この監督、余計な語りを極力排し(オルタンスの家族構成とかにもほとんど触れない)、サクサクと物語を進めてゆく。
 これはこれでいいと思う。

 ただ、なんで現在と過去を交互に進めたのかがよく解らない。
 大統領官邸での「料理人奮闘記」だけで良かったのでは?
 だって、面白そうなエピソードが満載なのに。それだけでも一本分の映画になりえるのに。

 それはそれとして、主役のカトリーヌ・フロがとにかくいい。
 中年なのに、すんごくキュートで愛くるしい。お茶目なところもいい。
 本国フランスでは、セザール賞の常連だというカトリーヌ・フロ。
 この人の演技がとても素晴らしくて、「大統領の料理人」そのものを、生き生きとした映画へと押し上げている。

 映画を観終えて外に出たら、空からは引っ切り無しに大粒の雪が落ちて来る。

 なんか、美味しい料理が食べたくなったなあ・・・。








  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする