そのころ、世に数まへられぬ古教授ありけり。

この翁 行方定めず ふらふらと 右へ左へ 往きつ戻りつ

4月19日(金)老人体

2013年04月19日 | 公開

 少しお腹がへこんだように思うと、閨のベッドの上で同居人に自慢した。TVでドローインというのを観て、真似していたら結構効果がある。この間買ったばかりのズボンのウエストが、もうガバガバで、ベルトでかなり絞らないとずり下がってしまう。ところが、私の裸体をつくづく眺めた同居人、筋肉が落ちたわね~とひと言。げげげ、確かに腕の筋肉は、いつの間にか消えてしまったような…。脚は重い体重を支えて日頃から負荷がかかっているから、筋肉隆隆なんだが…。

 ジムに通わなくなって久しいし、腕の運動はほとんどしない。帛紗さばきくらいでは、筋トレにはならんわなあ。

 ワシントン州の海岸で拾い、わざわざ日本まで持って帰った流木で、また素振りでもいたそうかな。


4月18日(木)卒論演習

2013年04月18日 | 公開

 今日は午前中の卒論演習のみ。就活中の1名が欠席だったが、それ以外の出席者に研究論文の紹介をしてもらった。雑誌論文を扱う場合の注意点や、必要な書誌データについて説明できた。来週までに各自で関連研究書を見つけてきてもらうことにする。

 昼食は「蕎楽亭」へ。ご繁昌で、常連さんらしいのが次々とたぐりに入ってくるが、どうもここのカウンターは落ち着かない。厨房の景色は・・・。湯桶代わりの汁次?も、扱いにくい。評価の高いお店だが、私的にはすぐ近くの「はまだまは」似の花番さんのいらっしゃるお店のほうが、居心地がよい。いや、お蕎麦はまことに結構なのですがね。

 オーダーシャツの受け取りに行き、ついでに生け花展と、お香の展示?を観る。後者の会場に入ると、いつも私の社会人向け講座を受講してくださる御仁が・・・。狭い世界だ、悪いこと?はできん(笑)。 そして、なんとなんと、山田松香木店の社長さんと専務さん(社長の坊ちゃん)をご紹介くださったのだ。ご両人とも冷泉流の和歌を嗜んでおいでで、披講もなさるよし。近所だからだとか、なるほどね。京都へお越しの節は、ぜひ遊びにお出でくださいと言われた(悦)。

 携帯用の百人一首カルタを購入。遠隔会議システムを使っての、面接の仕込みである。


4月17日(水)年度初めの教授会

2013年04月17日 | 公開

 12:15からコースの会議に出て、昼食は「maruharu」で本日のサンドウィッチとスープのセットをいただく。

  14:00から教授会。4時間かかった。その間、小用で1度抜け出す。今回から会議室が新しくなったが、換気が悪い。新しいせいもあろうが、いやな臭いがこもっている。不快な会議室といふべしよ。

 最後の方で、秘密業務手当支給を家族(配偶者)に分からないよう配慮して欲しいと今年も大声で発言したら、笑われた。A学部長殿には後で、お前の勘違いだと言われたが、共感した同僚も多かったはず。あれだけは現金で支給してもらいたいくらいである。なんとかしてチョン髷、A学部長殿、F担当教務主任殿。

 お稽古事に久しぶりに参加する。ムーミン大のOさんとも久しぶりにお会いした。A師匠が30周年関係のお仕事、Happiness!とやらで遅参されたので、前半はO社長の楽理のご講義を拝聴。音楽って科学、数学なんだなということが、よく分かる。世界を分節化し、秩序化するからこそ、洋の東西を問わず音楽には政教的意味が付与されたのであろうよ。

 後半はA師匠のご指導で、乙なお稽古。私はほんまに息が続かない。息も絶え絶えとなった。終了後、O社長、Oさんたちと「AMA」へ行く。今日はカシューナッツ揚げの揚げ具合がまことに上々で、香ばしかった(いつもは揚げ過ぎである)。ネパール・ラムを飲む。アグネス・ラムではない。アグネスなら、神楽坂のホテルである。


4月17日(水)古典と外国人

2013年04月17日 | 公開

 十文字華子先生エッセイをプリントして、研究室の机の上に置いておいたら、波蘭人大学院生のCさんが素晴らしい文章ですねとおっしゃるので、1枚差し上げた。今日び日本人であることは、日本文化を研究する上で、特権化を意味しない。十文字先生は勃牙利人であらしゃるが、日本人大学生相手に古典文学を教えていらっしゃる。

 高校の古典教科書に、近代以降の文章を載せなければならなくなった。凡百?の教科書会社であれば、小林秀雄…とかを載せるんじゃないかと思うのだが、編集委員を務めている教科書では、外国人ないし外国の研究者が書いたものを載せるべしと強く主張し、それが実現したのである。教科書検定も、そこは問題なく通った。

 しかし、こういう考えも現場で受け入れられるかどうか。高校の教員って、結局時代に合わせて変わって行きたくないというのが本音だと思う。校長をやってみて、そのことは骨身に染みた。

 忙しくて、そんな新しいことは出来ないとおっしゃる。では、出来なくしている忙しさの原因を取り除いて、なすべきことをやればよいではないか。何が一番大切かだ。しかし、現状を動かしたくない、今のままでよい…ということだ。大学の教員は毎年新しいことをやらなければならないし、私立大学は客が来なくなったら一発でアウトだから、危機感は大きい。それに比べて…。

 昨日の出来事で、そういうことを思った。自分の立場はどうなのか、学校法人全体に対しどういった貢献ができるのか、そうした発想は皆無である。少しはそういうふうに考えないといかんと思うのだが、力は及ばない。


4月16日(火)狂言の後、狂言の夕べ

2013年04月16日 | 校長は日々是口実

 同居人は高校の同級生の葬式で弔辞を頼まれたので、授業を休講にして松本へ行った。先月会いにいったはずだが、無常迅速の世の中である。合掌。

 昼飯は同僚教授と摂る。大根の天麩羅がやはり、お気に召していただけたようだ。帰りがけに、道すがらの洋菓子店でケーキを購入なされていた。

 キャンパス図書館で本を借り、現在キャンパスの中心部が取り壊し工事中のため、周縁部をぐるりと大回りして研究室へと赴く。すれ違う同僚教員とは異口同音に、万歩計の歩数があがりますなあ!といったご挨拶を交わす。まあ、健康のため と考えれば、悪くは無い、兼好の為…と誤変換したら、二条為世だがね。何のこっちゃ?(私の駄洒落を理解するには、教養を要し過ぎると苦情を言われる)。

 14:30から亜爾然丁人A君相手のテクスト精読、ついに連歌のところに突入する。今日もK法師がつきあってくだすった。同居人がゲットしていた本日の「狂言の夕べ」のチケットだが、葬式のため行けなくなったから、A君にお譲りしたら喜ばれた。さて、16:00過ぎまで続けて、学校法人の本部へ行く。

 先般の教職員会議の結果について、担当理事閣下に正式のご報告した。恐懼かしこまって平身低頭。まあ、高校の校舎は、なにも高校の教員の持ち物ではないからなあ。会議で問題とされた点を申し上ぐれば、それについてはいくらでも善処できるので、再考して欲しいと言われた。謹んで持ち帰りますですとご返答申し上げる。理事おん自ら理事長室の外、エレベータ・ホールまでお見送りいただく。こんな扱いをされると弱い。ネジを巻かれたわい。なるほど、M教授のおっしゃる通り、おいらは理事会の回し者、××代官所の代官なのだなあと痛感した。

 17:30からの「狂言の夕べ」は、2階席の真ん中、上のほうだったが、全体がよく見えてよかった。親戚高校の鉢巻校長がいらしたのでご挨拶する。先日、入学式の日に名刺を置いてご挨拶しておいたのだ。学校説明会の日程がどうのこうのと言われたが、凡慮の及ぶところにあらず。図書館副館長を一緒に務めたF理事も、近くの席で観劇しておられた。

 学校法人本部で狂言を演じ、本物の狂言を観た後で、久しぶりに「鷹ばん」へ寄る。暖簾をくぐれば、やばい、予約席でいっぱいだった。カウンターの一番隅に座らせていただき、郷里の銘酒「李白」を飲む。肴には焼き天豆と生ホタルイカをもらった。花番さんご修行中らしく、後から後から客が入ってきて大変なことに。「狂言の夕べ」の出演者の慰労の席が設けられていたのだった。延泊館長殿のキンキンしたお声や、前館長殿の笑い声が背後で聞こえる。

 やっとこさチェックしてもらい、顔見知りの先客に挨拶して店を出ようとすると、前館長殿に見つかり、こらこら、こち来て人間国宝師にご挨拶せよと言われたが、関係ないので目も合わせず失礼した。こんな痴楽みたいなのがしゃしゃり出れば、ご不快に決まっておる。トラムに乗って帰宅する。


4月15日(月)みっちり大学の授業をする

2013年04月15日 | 公開

 先週は始業式のため休講にしたので、本日が朝いち演習の初回である。私は人気の無い教授だから、20名ちょっと。演習としては、いとめやすけれ。自己紹介をしてもらった。私が校長を務めている高校の出身者が1名いた。担任はどなた?と尋ねると、K先生とのこと。K先生、おめでたであらせられる。

 授業の進め方を説明して、次回までの課題を出す。それから、早めにコンパをするからと宣言しておく。最初のつかみが大切だ。

 研究室で人と会った後、昼食に出ようと思ったら、博士課程研究指導の時間にゲストで発表してもらうS君が早くやってきたので、ついに出そびれた。K君はコース室でにぎりめしを食っていたが、うらやまし~。で、S君のなかつよ文学会大会の下発表を聴く。

 続いては修士の演習で、結局、焼酎百首を読むことになった。この百首の写本は天下の孤本であり、私が岡山の古本屋で金5万円也で購入したものである。影印も刊行したけれども、今般、じっくり読んでみることにした。

 ようやく昼飯代わりに「Cafe GOTO」でタルト・タタンとコーヒーを摂る。大繁盛のご様子だ。TVによく出ていらっしゃるS教授が入っておいでになり、トイレにかけこんでなかなか出ておいでにならなかった。

 18:00から学生主体の研究会。結局新人は1人だけで、変わり映えがしなかった。しかし、本属の文学部生が1人も参加しないのは、とほほのほである。詞書の長い私家集を輪読することになった。そこまで決めて、「かわうち」へ行く。

  大学近くの書店の店頭で、Tea大のOさんに、ウチの大学の授業評価誌をご紹介した。私の講義はずっと文学部「どはまり科目」№1のの王座を保ってきたはずだが、A君によれば本年度はランキング第3位に後退したよし。残念である! 採点をやや甘くしたせいだな。以前はC(可)しかつけなかったが、少しはB(良)もつけるようにしたからね。

 高校の事務所のIさんに、また広報紙に原稿を書くようかね?と尋ねていたが、お願いしますと依頼が来たので、返信に原稿と写真を添付して送ってしまった。早わざであろうが。内容的にヤバそうな点もあるから(教員連の悪口も書いた)、教頭先生に校閲してもらってくださいと言い添えておく。先日、教頭からは、もう少し校長らしくしてくださいと苦言を呈されたが、そもそも、おいらが箇所長を務めているのが間違いなのだ。よほど変わった校長と思われているらしい。今回の文章も、その本旨は、私はこの学校の伝統をぶっ壊すからなと、遠回しに遠回しに宣言しているのだが、果たして分かるかな~。

 文部科学省初等中等教育局教育課程課長名の通達というのが来た。「北方領土問題に関する研修」云々。そこに、各都道府県の県民会議・教育者会議の一覧が添付されていたが、我が島根県だけは「竹島北方領土返還要求運動県民会議」「島根県竹島北方領土問題教育者会議」と「竹島」を先に冠している。しかし、他県は「北方領土」のみで、こういうことではいかんと思う。亡父(県職員として竹島に上陸した経験あり)からは、韓国がどんなに暴戻をはたらいたか、耳にタコができるくらい聞かされてきた。校長室には、島根県作成の竹島パンフレットが置いてある。もしも韓国からの来訪者があれば、これを壁に掛けるつもりでいる。

 給料日だった。給与明細を同居人に渡すと、きゃ~と叫んだ。2月に従事した業務の手当がまとめて振り込まれているはず。半分よこせと要求しておいたが、そもそもこの手当は、家族にも内緒にすべきものである。別口座に振り込まれるべきであると、また今度の教授会で発言することにいたそう。


4月13日(土)学校案内の原稿

2013年04月13日 | 校長は日々是口実

 仕事部屋へは住まいから2ブロックである。見慣れぬ中学生の集団が右往左往していたから、大浴場中へ行くの?と尋ねるとそうだと言う。この道をひたすら真っ直ぐ行きなさいと教えてあげた。何年生?と聞けば、3年とのこと。こう見えても私立高校の校長なんだけど、ウチの学校を受験しないかね?と宣伝しておく。××市の×××という学校なんだよと言えば、へぇと驚かれた。一応受験偏差値だけは、かなり高い学校だからな。

 仕事部屋で学校案内の原稿を書く。1200字強とのことで、すぐに書き上げて教頭に査閲をお願いする。ほどなく修正意見を付して返ってきた。医学部へ行くならKOの附属、東大・京大行くなら国公私立の進学校へ、それでもよければウチへおいでと書いた。よその学校名を具体的に出すとマズいらしい。まあ、医学部へも歯学部へも薬学部へもほぼ進学できないし、東大・京大にいたっては、まあ入らないといったトホホ高校なのだよ、我が校は。(笑

 それから、学校法人内某箇所へ出す文書案も教頭の原案を修正、教頭が再修正案を送ってきたので、それでもってほぼ確定とする。家にあっても校長業務。

 夕方は八百屋の女将さんのお通夜に行く。同居人は学会の委員会とのことで、私が一家を代表することとあいなった。


4月12日(金)大学へ行ったら

2013年04月12日 | 公開

 図書館長殿、同副館長殿、同事務部長殿にご相談事あり、アポをいただいて大学へ。その前に研究室へ立ち寄ると、院生に署名捺印を求められた。A君、N女子大に出没したろうと言えば、単位互換の科目を登録するよし。情報は同居人から入っておったのよ(彼女はN女子大教授なのだ)。K君とTさんに、セクハラすれすれの艶笑話?を伝授する。これを高校で教えると、生徒は1学期間は言うことを聞くのだ。宇治拾遺物語の、田舎の稚児の次の話である。けしけし…。K君によれば、I さんがお父上をキャンパス内ご案内し、お昼は「高七」へ行ったとか。父上と一緒なら天麩羅屋もよろしかろう。しかし、指導教授行きつけのお店に、弟子はあんまり行かないで欲しい(笑)。まあ、今日は特別だから結構だけどね。

 昼食は「maruharu」で摂る。キャンパス図書館のS課長殿が先客だった。先生がお悩みの件、図書館長に裏技を進言しておきましたと言われた。ありがたし! 後から入ってきた学生3人組は、学芸員資格を取る云々と騒いで出て行った。あほか、学芸員なんかに絶対なれんわいと、「maruharu」の女ご主人?に申し上げると、あははとお笑いになったぞなもし。

 図書館へ向かうと、本部キャンパス内でIさんと父上にばったり。ご出張だとか。ご挨拶できてよかった。それから、校長を務める高校の、先月卒業したヤカラに、やたらと声を掛けられる。こっちでは教授をやっているんだから(メガネを換えている)、校長、校長言うな! はては向こうから元応援団長がのっしのっしと歩いてきた。新入生のはずなのに、まるで4年生のような貫禄、押忍!

 予定より少し早く、事務部長殿に招じ入れられて、I 館長、G副館長とお話しした。私は10数年前、図書館の副館長を務めていたから、この館長室は古巣なのだ。ご相談の件は、S課長の情報通り、解決法を得ることができた。ついでにK研にからんだ問題の情報交換。短時間で有意義な会談ができた。

 神楽坂まで歩く。途中「レリーサ」に立ち寄り、「うつわや釉」でTさんの結婚祝いの支払いをする。そうそう、茶碗が入荷しましたと、とってもいけないものを見せられる。うわ~、やめてくれ~。「うつわや釉」の女ご主人は結局、ものすごくご商売がお上手ということなのであろう。それから、豆腐なんぞを買って帰宅。

 パンクの修理が済んで、やっとこさ車が帰ってきた。また、連絡が入って、もう少しじたばたすることともあいなった。いままでの努力を水泡に帰すわけには、いかんぞなもし。立ち直りが早いのも、おいらのよいところかもしれない。

 

 


4月11日(木)卒論ゼミと長い長い長い職員会議

2013年04月11日 | 校長は日々是口実

 午前中は卒論ゼミの初回。就活中の人はそちらを優先していただいて構わないと宣言し、来週までの課題を出す。研究文献検索のデータベースについて説明した。基本的な論文の書き方は、今年はアメリカ式?でやってみよう。

 早めに切り上げて、時間の許す諸君を引き連れ「Cafe GOTO」へ行く。配送するケーキに付ける「祝入学」ののし紙を、細字のサインペンでしたためておいでだったから、携帯していた筆ペンをお貸しする。

 東京駅へ移動。今日はまぐろづくしの寿司折を買って新幹線に乗り込む。16:00少し前から職員会議を始める。

 今日は長くかかるんだろうなあと覚悟していた。案の定だった。途中、小用で1度だけ抜け出したが、ずうっと議事進行役を続けなければならない。3時間半ぶっ通しでやっていると、疲れてだんだんくどくなったのだろう、会議が終わった途端、ある先生が詰めよってきて、教頭の言ったことを繰り返すな! お前のせいでこんなに時間がかかったんだぞ!と面罵された。この先生は普段、こちらからご挨拶してもまったく反応してくださらない。よほど私のことがお嫌いなんだろうね。出雲国の出身で気の小さな私(笑)は、こういうことが結構ショックなんだが、あちら様には思うツボなのかもしれませんなあ。反撃してくる懼れのない大学教授を大声で面罵できれば痛快だろうし(□○みたい!)。会議は、結局学校の主人公は教員なのだ!という現実を、強く突き付けられることばかりであった(この点、教授会も同段なり)。そして、大学でもどこでもそうだが、教員というものの視野は、概して狭窄である。積年のルサンチマンは、分からんでもないぞ。しかし、それで時代や情勢の急激な変化を見通さなくていいのかなあ…と、半ば余所事のように思った。私も結局、余所者ぢゃて。さて、学校法人の首脳部へ、職員会議の意向はそのままにご報告した。もはや修復は、永遠に不可能である。し~らないっと。

 新幹線の、最終の1本前のに乗って帰宅。時間を勘違いし、寒々とした駅のベンチで1時間近く待つはめに。売店は既に閉まっており、酒も買えなかった。心のうちこそ、すさまじかりしか。

 …つくづく「時間」に無頓着な学校だわい、ぶつぶつぶつ…。

 


4月11日(木)直訴?

2013年04月11日 | 校長は日々是口実

 昨日、生徒が3人直訴?に来た。男子2名の女子1名。話を聞いてくださいますか?というので、気安く校長室に招じ入れたら、学校に公認されていない活動に関わることであった。まあまあと、飴玉を1つずつ呈した。

 施設関係の希望は、そういう声もあるということで、承っておいた。ちょっと来てよと呼んだ生徒担当は、顔をこわばらせている。後で聞くと、積年の経緯があるらしい。

 この学校はいっぱいいっぱいである。そこを、騙し騙しやってきたというのが、このことに関しては実情なのだと即座に理解した。パンドラの箱を開けてもいいけれど、それには相応の覚悟がいる。学校というのは官僚機構なのだ。それはラインを飛ばすのが一番いかんと、生徒に噛んで含めるように説明した。納得はせんだろうが、校長と話したことで、少しは気が収まったかもしれない。

 いろいろ抜け道はありそうに思うが、それを積極的に教えてやっていいものか。揉めれば揉めるほど、世の中よくなる。これは亡き指導教授の口癖だった。亡師も中学高校の校長職を兼任していたが、りっぱな先生だったなあと改めて思った次第。


4月10日(水)来訪者への応接応接

2013年04月10日 | 校長は日々是口実

 台湾の姉妹校から来訪者があるので、10:00に高校へ行く。新入生がクラスごとに校地内を散策中で、山道をぞろぞろ歩いていた。女子が先を行き、男子がだらだら金魚の糞みたいに続いていくので、おかしかった。なにしろ広さが87万㎡もある高校だからな。迷ったら大変なことになるかも。

 校長室で香をたき、掛物を変え、呈茶のための干菓子を準備して、茶盌も仕組んでおく。台湾の人はキティちゃんがお好きだから、資料は売店でキティちゃんクリアファイルを買ってセットしておいた。このようなちょっとした心遣りが大切だと思う。

 5月末に2クラスの生徒が来訪し、まる1日交流することになっている。当方も修学旅行でお世話になるから、手厚く応対したい。本年度は150名も受け入れていただかなくてはならんからな。11:00、お越しになったのは女性の美術の先生で、打ち合わせの後、校舎内を見学していただく。さすがに美術の授業に関心がおありのご様子だったが、事前に担当教員に了解を得ていなかったので、ドアの覗きガラス越しに観ていただき、申し訳なかった。

 その後、近所の蕎麦屋へご案内して、お昼を差し上げた。事務長も教頭もこのお店は初めてということで、花番さんに名刺なんぞ渡していたが、校長は渡してはおらんぞなもし。お昼の簡易コースでご満足いただけたようだ。このお店は、新潟の古民家を移築したものだということも、初めて知った。教頭は新潟ご出身なので、ゆかしとお思いのご様子だった。

 高校に戻り、校長室で呈茶申し上げる。桜はあらかた散ってしまったので、お菓子は「東京松屋本店」「吉野懐古」を川本太郎の緑色のの山茶碗に盛ってお出しする。ぼりぼり召し上がった。茶盌は岸野寛作の刷毛目を使う。掛物は、琵琶湖の舟の古材に大津絵の昇鯉が描かれたもの。油断すると落下するぞとの警句の和歌が書き添えられており、説明したらにっこりされた。時計の針の絶え間なく、励めや励め。学校に相応しいや。

 台湾の高校は月~金に毎日8時間授業だそうだ。クラスの編成の仕方も興味深かった。能力別かつ得意分野別の編成らしい。そういうめりはりのつけ方もあるのか。工夫がある。道理で日本の教育は負けるわけだ。

 来訪の先生は、この学校の教員になるにはどうすればいいですか?としきりにお聞きになる。世辞を言っているのかなあと思ったが、存外本気なのかもしれん。今の美術教師を毒殺すればいいですよと、お返事しておく。(笑

 お土産にいただいたパイナップルケーキは、すぐ教務スタッフや事務所に分けて食ってしまった。しばらくして、今度は学校法人学生担当部署の事務部長さんがお見えになる時刻。掛物を変える。その昔、施設からの立ち退き騒ぎで群衆と対峙し徹夜した時の渡しの雄姿を、写真部の学生が撮影して引き延ばし贈ってくれた写真を、額装にしたものだ。

 その写真でもって、最初の一撃を加えた。後は一方的にまくしたてて、聞く耳もたんと断固はねつける。これでよいか?と隣のK生徒主任に目配せしたら、頷いている。私はその部署の参与をしていたこともあるので、双方の言い分はともによく分かる。事務部長殿には子どもの使いのようなこととなって申し訳なかったが、総合的な調整をやってこなかった理事会が悪いのである。ガバナンス、ガバナンスと言うけれど、ガバガバだ。カバの逆立ち、バカである。バカは死ななきゃ直らないのだ。

 雄姿写真といえば、その中に映っている人物の一人が、どうやら事務職員のTさんらしいということになり、大いに沸いた。本人に確かめると、そうかもしれないとおっしゃる。私はずっと□○の活動家だと思ってきたがな。奇遇、奇遇。

 それから職員会議の打ち合わせ。理系の教員のリテラシーの無さに唖然とする。やっぱり3年生の最後まで、国語はちゃんと履修させなければならんわけだな。英語も大事だが、日本語運用能力が基本のキであろう。おお、茶道部が校内で茶会を開きたいとな…。ついに点前座用の畳を買ったんだな(ウチの高校には畳が1枚も無い。柔道もしないしね)。校長室の茶道具?を自由に使ってもらおうか。畳があるなら、段ボールで茶室を作るべいよ。

 存外早く帰りの新幹線に乗れた。明日も高校へ来にゃならぬ。結局、4月5日から土日も無くて校長業務出づっぱり。明日の職員会議で一段落だが、午前中に卒論ゼミをしてから東京駅から移動である。東京から新幹線に乗ると、足が出る。金返せ! 私の研究時間を返せ!と、小さな小さな声で叫んでみる。


4月9日(火)時間の無駄6時間

2013年04月09日 | 校長は日々是口実

 「時間の無駄」のため高校へ行かなければならなくなり、午後の予定を無理やり午前中に移動。早くに大学へ行く。A学部長殿がうろちょろしておいでだ。カルト集団らしいのが新入生リクルートをしているという。そういう話を聞けば、私も戦争へ行った廃兵の一員として血が騒ぐ。さすがにA学部長殿で、敵の顔写真をバッチリ撮影しておいでだった。しかし、連隊長=大佐殿おん自らが、斥候兵みたいなことをしていいのかいな? 私は陸軍中佐(独立歩兵大隊長)だから、構わないと思うがね。

 10:00から波蘭人訪問学者Cさんの研究上のご相談に与り、問題解決のため電話を掛けまくる。大学の国際関係部署も、個々の訪問学者が要望する便宜については、こまやかな想像力を持ち合わせていないことが分かったが、事務方に予めそれを要求するのは無理というものであり、穏やかにご相談申し上げていけば、事態は改善され今後のためにもよい結果となる。誠実に、迅速に対処していただいたことに深謝申し上げたい。

 続いて11:00からは亜爾然丁人院生A君相手のテキスト講読。博士課程のK君が付き合ってくれるようになった。K君は仏教に詳しいし、大助かりである。合掌。12:30まで読む。今日は国際的な一日であることよ。

 東京駅へ移動し、昼食は「あなご弁当」にした。いつもは「深川弁当」だが、たまにはいいか。新幹線の中で、発車前に食い始める。たれがベトベトして食べにくく、やはり「深川」のほうに軍配があがる。

 高校に着いて、教頭先生に昨日の件はと報告を求めた。学校法人の傘下中等教育校政策への不満を語り合う。というか、政策不在で無責任極まりないというのが、昨今強く思うところだ。現政権キャビネットは、権力関係がさっぱり分からない。大声でキャビネットのアホ!と言い続けるしかないわいな。

 「時間の無駄」のため会議を開く。成立したのが定刻7分過ぎで、これで不機嫌になったが平静を装った。その後始末に2時間。私の研究時間を返して欲しい! ショーケースの中を片づけてと事務長にお願いしていた作業が実行され、それで機嫌はいささか直った。新幹線の発車時刻まであと15分。K生徒主任が駅まで車で送りましょうとおっしゃるので、有り難くお言葉に甘えた。

 乗り換え駅でワインと肴を買う。ちと買い過ぎたか。ベッドの中で同居人とつかみ合いの喧嘩をする。耳を握って、顔中ひっ掻かれた。

 そういえば昔々、すんでのことで同居人と浮気しそうになったことがあったな(笑)。T駅前から同居人と2人タクシーに乗ったら、後をつけていたんだろう、電話がかかってきて、フリージャーナリストだが女性とタクシーでどこへ行ったのか?と来た。ベッドに直行に決まっているだろう!(…疲れていたからタクシーで帰ったんだ…)と答えると、教育者がそんなことをしていいのか? 公表するぞと脅迫された。恥ずかしいからやめてよねと返事したんだがなあ。でも、そのまま沙汰やみとなったのは、浮気相手が配偶者だったからであろう(まあ、そういうのは「浮気」とは言わんわなあ)。江戸生まれ浮気のバカ焼きだあ! こりゃ□○のドジ話。今日は戦友A学部長殿の溌剌とした雄姿を久しぶりに拝見したので、ふと思い出した次第。明日は学校法人の学生部局が高校へやって来るとか。戦時中の写真を掲げて圧倒してやろうと、いたずら心をはたらかせている。


4月9日(火)校長として抱負あり

2013年04月09日 | 校長は日々是口実

 私はずいぶんと変わった校長らしい。抽象的なことをいくら言っても仕方がないし、実際の成果が目に見えなければ…という気持ちも強い。文学研究者だから、すぐ『挑発としての文学史』だ(古いねぇ)。「期待の地平を裏切る」ことをモットーとする。

 結局、校長としての私の最重要キーワードは、「時間」ということになりそうだ。着任して、教諭連に評価されたことはただ一つ、職員会議の時間が短くなったこと。2時間を超える会議は「犯罪的」と心得る。思考も停止するしな。家にも早く帰りたい。

 会議を早く進めるコツは、まずもって議題を全部読まないことである。これはO元学部長殿に学んだ。議題番号とキーワードのみを読む。例えば、「5.保健室の開室時間の変更について」とあれば、「5.保健室」とのみ言えばよろしい。出席者は議題書を見ているんだから。これで数秒の節約でも、積もれば大きい。それがT元学部長殿なんかあなた、議題を3度繰り返し全部読みあげるものだから、教授会がいったい何時間かかったことか。

 着任して、時間にルーズな高校であることにまずもって呆れ果てた。修学旅行について行ったら、集合時間は守らんわ、およそ団体行動の体をなしていない。教員の対応もてんでばらばら。これが自由ということか? 避難訓練全校集会の集合は、所定時間を20分過ぎてもわいわいがやがや。そこで「時間を守らぬ者に成業の見込みは無い」と通達してもらったら、それだけで集会は1秒の遅れも生じずに開催できるようになったのだから大したものである。やはり生徒は頭がよい。30年間ルーズなままできたというが、率直に申し上げて、大きな怠慢があったのだと思う。そんな伝統は、LEDに換えたいもの。

 まあ、もう大それたことは望むまい。2014年9月20日をもって退任する、手当換算時給500円也のワンコイン校長である。任期の4分の1は既に終わった。時間が守れるようになった…というだけで、実に大きな進歩であろう、エヘン、えっ変?

 このブログをご覧になっている方から、あんなこと書いて大丈夫ですか?と尋ねられるが、平気である。昨日の始業式でも、生徒指導案件が発生するのは、高校生は子どもなんだから、いたし方が無い。校長だって中学生の時に、器物破損で警察に捕まって、学校でこってり絞られたことがある。過ちを犯せば反省すればよろしい。しかし、少し考えれば悪いと分かるようなことを、やってしまうのは時間の無駄であると述べた。本日また、時間の無駄が発生したので、高校へ行かねばならぬ。今日の校長はすこぶる付きで怖いからな、むかむかむか。


4月8日(月)高校の始業式

2013年04月08日 | 校長は日々是口実

 10:20から始業式。新幹線の乗り換え駅で買い物をしたら、365円だった。何となく縁起がよいような…。車中、富士山がきれいに見えたのも、幸先よい気がした。

 3学年揃っての始業式を、定刻1秒も遅れず開始する。5分前にはほぼ全生徒が体育館内に入っていたから、数ヶ月前には考えられなかったの図である。

 最初が校長の訓話。「人に迷惑をかけない」という言葉が嫌いである、諸君は「人に何ができるか」「人に何を与えられるか」と考えなければならんと言って、飴玉をばら撒いたら、大うけだった。乗り換え駅での飴代出費210円也。それから、本年度の校長のキーワードは「こころざし」「思いやり」「時間を大切に」の3つにすると宣言、はじめの2つはK生徒主任の受け売りだ。

 続いてはK主任が、Tall trees catch much wind.などと格調高いお話をした。Tall trees は喬木ですな。キョンボックンではない。それから表彰を行って、始業式自体は終了。そのまま新入生と2・3年生の対面式となり、応援歌と校歌を唱う。生徒会と応援団が活躍した。

 東南アジアの民族衣装みたいなのを着た女子生徒がいたので、そりゃ何だ?と尋ぬれば、カンボジアへ行って来たそうである。アンコールワットを観たよし。我が校は制服の定めが無いので、こういう格好をしていても一向に構わないのが面白や。とってもよく似合うねえと、世辞を言っておく。

 一休みの後、初日から数学と英語の試験。新入生は入学式の翌日から、早速試験!

 昼飯を食いに行く。いつもの蕎麦屋は定休日のはずで、事務職員の方にうかがった居酒屋へ。新幹線の線路の下をくぐったところにお店はあった。なんと500円で鯛飯に焼き魚、サラダや小鉢におつけも付いて、さらにアイスコーヒーまでサーヴィスされた。「一しょう」というお店である。17:00からは飲み屋になるらしい。

 

 大学の授業、学部の演習と、大学院の研究指導および演習は、仕方が無いので休講にしたが、大学院のほうはうまく伝わっていなかったらしい。掲示が出ているはずで、事務所に確認もしたのだけれど、キャンパス内が工事中で何が何だかわからんようになっているのかもしれない。

 高校は山里にある。桜がまだきれいに咲いているが、そろそろ躑躅が咲き出しそうだ。

 蝶も舞っていた。画像はルリタテハ。ちょうなれば二つも四つも舞ふべきに…。

 こりゃハンだな。サ行奉仕、せ し す する すれ せよ。???


4月7日(日)高校の入学式

2013年04月07日 | 校長は日々是口実

 台風一過みたいな天候となって、風は強いものの、昨日の心配は杞憂に終わったのは何よりだった。午前中は親戚中学校の入学式なので、お前渡り?の折、門衛詰所に立ち寄り、××高校の校長です、本日はおめでとう存じますと鉢巻校長にお伝え願いたしと申し入れ、役職名刺を渡しておいた。

 理事長閣下がお見えになり、PTA会長に委嘱状をお渡しいただく。理事長殿、しばらくお顔の色が悪かったが、最近は回復されたようだ。教頭先生がそのことをお伺いしていた。

 さて、入学式自体はごく簡素なもので、開式、来賓教職員入場とあって、校長の式辞と理事長の祝辞、PTA会長紹介の後、校歌を斉唱、40分もかからなかった。いとめやすけれ。式辞は延ばしに延ばして15分ほどしゃべくったらしい(10分のつもりで考えたからな)。よくペーパーを見ずに喋れますねと、また言われたが(ペーパーは林家か?)、大学教授なら誰でも90分までは、アドリブで何だって喋れるんですよとお答えする。

 式辞に述べたことがらはごくごく単純で、体と頭と心を鍛えて欲しい、互いの多様性を認め尊重し助け合え、そして時間を大切にせよの3点である。どこの学校の校長も、同じようなことを話すことだろう。まあ、常に礼儀正しく、謙虚な心を持てなんて、道学者みたいなことも申し添えましたがね。席に戻ると隣の教頭につつかれ、よかったですよ~と褒めてもらえました。後で理事長閣下からも、お褒めにあずかる。まあ、文学部の教授なんて、寄席の芸人みたいなものだからな。いささか自讃のけしきあり、エヘン。

 理事長閣下をお見送りして、一般的ガイダンスが行われている間にモーニングコートを着替える。ガイダンスの最後に再登壇、ご子女ご入学のこの晴れの日、保護者の皆さまにおかれましては、ご機嫌うるわしいうちに、どうか本校へのご寄付をよろしくお願い申し上げ奉り候、私も50万円寄付しましたからねと、遠回しに遠回しに?お願いした。私立学校の箇所長の、これはなすべき重要業務なのだ。なりふり構っていられません。とにかく1億円は集めなくては話が始まらない。会場から笑いがとれたから、悪い印象ではなかったはず。

 クラスごとの記念撮影をして、控室に引き上げる。水とコーヒーを飲んでから、PTA会長さんと2人で喉を潤しに行く。泡の出る液体の後は、赤い色の液体にした。隣席で新入生がご両親と食事を摂っていらっしゃったが、呆れられたかな? 会長とはいろいろお話ができたので、よかった。図書の返却ポストを校舎内に作って欲しいとのご要望は、早速関係者に申し伝えます。

 ちょっとびっくりしたのは、式に参席の保護者の中に、私の中学・高校の1年後輩にあたる父上がいらっしゃり、母上も同じ高校出身のよしにて、声を掛けられたことだった。そういえば、どこかで見た顔だなあと思わんでもなかった。狭い世界である。

 いやはや、正直疲れた。明日は始業式で、また面白い?話をせにゃならん。大学および大学院の授業は休講にした。帰宅後、カップヌードルを食して寝る。仕事は全然進まない。(焦