そのころ、世に数まへられぬ古教授ありけり。

この翁 行方定めず ふらふらと 右へ左へ 往きつ戻りつ

4月7日(木)白洲正子展を観に行く

2011年04月07日 | 公開

  被災地の様子をTVで中継している。津波にお墓を流されてしまった人が、インタビューに答えていた。なんとも気の毒だねと声を掛けると、同居人、「はかない話」とか言いたいんでしょ?と返事してきた。わかってらっしゃる! 同居人や姑殿の反応は、昨今とみに速くなってきた。

 同居人も今日は予定がないらしいので、世田谷美術館の白洲正子展を観に行こうかと誘ったら、乗ってきた。しかし、世田谷美術館は遠い! 世田谷区の「たぬき公園」の中にある。狸がいっぱい棲んでいるのだろう…というのはウソで、画像は公園内にある「砧大塚」。

  古墳ではなくて、呪詛などをした壇の跡らしい。あな、おそろし!

  熊野関係の展示物を見るのが主たる目的だったが、実は安田靫彦旧蔵の「神像残欠」と呼ばれる小さな面?を、一番に見たかったのである。なんという可憐な造形だろう。信じられない。…それから、奈良・大蔵寺の「天部立像」(重文)は、お茶を習っているN師匠にそっくりなので、笑ってしまいました。しかし正直、一番衝撃を受けたのは、松尾寺の「焼損仏像残闕(千手観音トルソー)」でしたな。思わず息をのむ美しさ

  こういう展観もまことに面白く、興味が尽きない。この春、イチオシします。さて、図録をもとめ、用賀駅へと向かう。T大のN教授殿のご自宅は、この近辺なのかしら? 「たぬき公園」から用賀駅へのプロムナードは、百人一首の歌が順に刻まれている。つ、津波の歌も…。なぜか作者名が無かったが。

  用賀駅の入口は、まるで「堀兼の井」のようになっている。ゆかし、ゆかし。伊勢の御の歌がありますな。

     いかでかと思ふ心はほりかねの井よりもなほぞ深さまされる

  なんでも「自粛」は経済を委縮させるからいかんという話だから、遅い昼飯は品川へ牡蠣を食いに行った。生牡蠣4種×2個とサラダ。ニューイングランドクラムチャウダーは2人でシェアする。ワシントン州産のメルローのワインを1本空けた。ここはワシントン州やオレゴン州産のワインをいろいろ置いている(去年の今頃は、シアトルに居たのだった)。シェフの好みだとか。最後にオイスターロックフェラーまで注文。

  さて、東京駅で買い物をし、さらにIさんのご結婚祝いの品を調達する。高取焼の食器にした。ついでに茶碗を1コ衝動買い。平茶碗に見立てるつもりだが、とても気に入ったのである。松たか子に「不要なものは買うのをやめよう」と言われたら、立つ瀬は無い。


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4 コメント

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ようこそ用賀へ (T大のNです)
2011-04-08 10:55:42
ようこそわが街用賀、ならびに「たぬき公園」へお出ましくださいました。駅の構造や百人一首の道もお気に召しましたでしょうか。拙宅は駅から歩いて5分、走って3分です。またのお越しをお待ちしております。
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お返事 (亭主)
2011-04-08 12:39:42
砧大塚というのは傑作でしたなあ。
N先生は白洲正子展いらっしゃいましたか?

さてNさんがお世話になります。
何か問題が生じたらお申し越しください。
ご出講の件も授業開始が1ヶ月伸びましたが、
なにとぞよろしく。
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古筆の鑑賞会 (野中の清水)
2011-04-09 00:08:35
東京はいろんな展示会があっていいですね。
見てみたいと思いましても、東京は遠いです。

いつもの古筆の鑑賞会、5月上旬にすることになりました。
「西行」が主たるテーマです。
このような機会でもないとなかなか東京には行けません。

この古筆の鑑賞会に、いつか先生に御出席いただきたいなあと夢見ております。
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西行 (亭主)
2011-04-09 05:26:35
古筆で西行といえば、
近年では出光の別府さんですなあ。

あ、西行学会の会費払い込みをしないと!
今年の大会は8月27日、28日に駒澤大のよし。
欧州へ学会出張を予定しているので、
今年も参加できないかもしれません。
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