史跡訪問の日々

幕末維新に関わった有名無名の人生を追って、全国各地の史跡を訪ね歩いています。

木更津 Ⅴ

2021年12月04日 | 千葉県

(八劔八幡神社)

 木更津駅から徒歩数分という場所に鎮座する八劔八幡(やつるぎやわた)神社は、源頼朝鎌倉幕府開幕に当たり、神領を寄進して社殿を造営したと伝えられる。

 境内には嶺田楓江(ふうこう)の長寿と業績を讃えた嶺田楓江寿碑が建てられている。

 

八劔八幡神社

 

嶺田楓江寿碑

 

 嶺田楓江は、文化十四年(1817)に江戸に生まれ、儒学や蘭学を学び、各地を視察した。天保十四年(1843)には蝦夷地を回り、幕府に屯田制や北方警備の必要性を訴えた。嘉永二年(1849)にはアヘン戦争の実情を詳しく調べ上げ、木版絵画を挿入した「海外新話」を刊行したが、治安を乱したとされ投獄された。江戸から追放され。請西村に移り住んだ。安政元年(1854)のペリー来航時には、江戸に上って幕閣に進言した。その後は木更津に戻って子弟の教育に専念し、維新後の木更津地方の教育史上重要な存在となった。明治十四年(1881)、楓江の長寿と業績を讃えて、この石碑が建てられた。英国領事官コラウブスが題字、地元の重城保が撰文、清国の劉世安が書を担当したという、珍しい三国合作の碑である。

 

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