史跡訪問の日々

幕末維新に関わった有名無名の人生を追って、全国各地の史跡を訪ね歩いています。

城川 Ⅱ

2022年01月22日 | 愛媛県

(古市公民館)

 西予市城川町古市は、市村敏麿を生んだ街である。古市公民館の前に「市村敏麿生誕之地」と刻んだ石碑が建てられている。

 市村敏麿は、天保十年(1839)、この地に生まれた。父は古市村庄屋市村芝治左衛門。土佐街道の要地に育った関係で、土佐藩浪士西春松に師事し、同藩の吉村寅太郎、那須信吾らと交友があった。文久三年(1863)、庄屋役を売って脱藩し、長州三田尻の忠勇隊に通じた。慶應年間、伊達宗城の人材登用に応じ、機密掛、時勢見聞方として、長州再征の動きの中で松山藩の動静を探索した。のち宇和島藩庁の役人となり、明治三年(1870)の野村農民騒動に当たっては、首謀者の説得を命じられた。明治十年(1877)以降は、南予農民の無役地事件を闘った。大正七年(1918)、年八十で没。宇和島駅近くの龍光院に墓があるらしいが、見逃してしまった。次回、宇和島を訪ねるときには探してみたい。

 

古市公民館

 

維新の先覚 市村敏麿誕生之地

 

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