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これが私の生きる道

こむずかしいことやきれいごとは
書いてありません。
読みやすさを心がけて書いています。
読んでみてください!!

南部高速道路

2012年06月15日 20時32分28秒 | 演劇
「南部高速道路」というお芝居を観に行きました。
会場はシアタートラムという三軒茶屋にある劇場で
ここ数年はよくお世話になっている劇場です。
今回は客席がステージを360度、
四方を囲んでいる形になっています。
青山円形劇場と違うのは
こちらはステージが高くなってないので
お客さんが見下げる形になります。

自分は舞台正面1列目で
前述の通り、ステージが高くなっていないので
演者さんが移動するときに、自分の目の前を通過したり
そのまま腰を降ろしたりします。
あまりにもその距離が近いので
荷物も前に置けないし、足を伸ばせないほどです。

ステージを挟んで対面や左右にもお客さんがいて
その中ですごい感情移入しやすい女の人がいて
劇中で険悪な場面になると
もう自分が悪いことしたみたいに苦渋の表情を浮かべたりして
本当にその中の一部になっているようでした。

今回観に行った動機は
長塚圭史演出というのもありますが
毎度毎度のことながら出演者によるところが多く
安藤聖、江口のり子、黒沢あすかとそうそうたるメンバーで
その中でも真木よう子は一番楽しみにしていました。
ドラマ・映画に出ていても見たことないんですが
なぜか前々から気になる女優さんで
言葉では表現しづらい求心力があります。

生で観てとりあえず、顔が小さい。
江口さんも背に比べたら断然小さいんだけど
この顔が小さいというのは
テレビに出る人にとっては一種の才能でしょうね、
しかも小さくてブサイクな人ってみたことないし。
目の前を何回か通過したりしましたが
意識しすぎて逆にあまり見れないって
今思えばもったいないですね。

ステージセットが小道具以外はほとんどないので
このメンバーで5000円というのはかなりお買い得だと思います。
例えばライブなんかでこんな1列目なんていったら
オークションで数万円でやり取りされる位の価値で
それもステージとの間にはそれなりに距離があって
今回のように手を伸ばせば触れちゃうような近さっていうのは
実はとんでもないことなんだと思うんですけどね。

肝心の内容ですが、高速道路上で原因不明の渋滞に巻き込まれた人たちが
様々な人間関係を形成していく様子を描いたある種の密室劇で
アルゼンチンの作者による原作があるそうです。
ワークショップを通してシナリオを構築していったらしいですが
このワークショップっていうのを体験したことがないので
実際にどんな感じでできていったかはあまりよく分かりません。
素人考えで、セリフがない方が自然に演じられそうでいいと思うんですけど
そんなことないんですかね。

渋滞は本当に嫌いで、車を運転したくない理由の一つでもあります。
理屈でいえば時間が経って解消されないわけはないんですが
フロントガラスから見る限り、テールランプが連なっていると
このまま進まないんじゃないか、って気になってしまいます。
この劇中でも言及されることですが
絶対に動かないなら動かないで諦めもつくのですが
断続的に数メートルは進んでいくもので
それも定期的ではないので
気を緩めるわけにも寝るわけにもいかずに
緊張を保っていなければならないのがひどく疲れます。

このお話では結局1年近く渋滞に巻き込まれるという
ありえない設定ですが
それ故に一時的な共同体のようなものを作って
その中で人間関係もできていくのですが
最初はバスの運転手がトイレを貸さなかったり
夜中でもステレオをガンガン鳴らしたりして
いざこざがあったりしますが
最後の方はみんないい人になってしまうのが
いいのか悪いのか。

もし自分がこのメンバーの中にいたら
どの立ち位置に立つかなぁって想像してみると
面白いんですが、マーチのおじさんみたいにはなりたくないなぁ。
劇中では本名が語られることはなく
車種がハンドルネームのように使われます。
男女13人(男7人、女6人)で
当然のようにそこでカップルができていきます。
バスとグロリアのカップルには子供もできます。

しかし最後にとうとう渋滞が解消し車が進むにつれて
1台、また1台とこのグループからいなくなってしまいます。
人生でも、例えば学校生活で卒業を迎えると
昨日まで毎日のように顔を合わせていたクラスメートと
一人、また一人と会うこともなくなり
その共同体は消滅し、
進学や就職をすることでまた新たな共同体がつくられ
その中に所属して、それを死ぬまで続けていくわけで
そのせつなさをラストでは結構感じました。

たぶんもっと深いメタファや含蓄のあるセリフもあると思うんですけど
自分の感受性ではこのへん位しか読み取れませんでした。
もう一回みても新たな発見がありそうな
そんな厚みのある舞台だと思います。

毛皮族「女と報酬」

2012年04月15日 20時55分33秒 | 演劇
毛皮族の軽演劇の最終シリーズが先週から開始され
本日、Z公演「女と報酬」を観に行きました。
アルファベット順で「Z」は最後だし
町田マリーさんが主役でクレジットされていて
ショートケーキのいちごを最後に食べるタイプの自分としては
本当は最終日に観たかった公演ですが
その日はSalyuのツアー最終日と重なってしまい
泣く泣くこんな早いタイミングで行くことになりました。

前回までこのシリーズを行っていたリアルモア地下っていうところが
閉館してしまい、今回ははじめて訪れる劇場です。
JRの最寄駅は水道橋ですが定期区間が飯田橋までしかないので
そこからテクテク歩いていきました。
行きの総武線では東京ドームで行われる東方神起のファンが
メンバーの写真入りの大きなバックをぶら下げていました。

で地図を参考に劇場に向かいましたが
これが普通の住宅街で、毛皮族ののぼりがなかったら
絶対に通り過ぎるような場所です。
すぐ裏には高級そうなマンションはあるし
夜遅くまで効果音とか流していて大丈夫なのか心配になりました。

中もそれはそれはせまくて
いくら痩せていても隣の人と腕がぶつからないのは不可能で
段差も少ないので足の置き場にも困るし
デブで身体の固い人は来るなよ、って言われているみたいです。
肌寒かったのでコートを着ていきましたが
それを脱ぐこともできないほどでした。

そんな状態なのでつまらなかったら苦痛だと心配していましたが
それは杞憂に終わりました。
舞台もせまいので大がかりな演出はできないし
上演時間も1時間弱ですが
毛皮族のエッセンスみたいのが凝縮されている気がしました。
(とはいってもまだ数公演しかみていないのですが)

例によってあらすじは最後までよく分からないんですけど
その瞬間瞬間を楽しめばいいや、と思っていつも観ています。
エログロナンセンスでいうとナンセンスの色合いが一番強いのかなぁ、
こういう笑いが好きな人と嫌いな人にはっきり分かれるんですかね、
他の人に勧めるのが難しい劇団です。
Z公演は今日が初日で
おそらく最終日にはかなり変わってくる部分もあると思いますが
今日のでも十分面白かったです。

あと劇団員が勢揃いしていたのも大きかったのかなぁ、
自分が知っている劇団の中では
団員の人すべてキャラ立ちしているところって
毛皮族しかないって思うんですよね。
羽鳥さんとか実はすごい美形だし
(今回はシスター役で、しかも背中側の服がやぶれて全編下着姿)
みんな他の劇団に行ったら看板女優になれそうな人ばかりです。

そして何よりマリーさんがいいです。
去年から客演の舞台も拝見しましたが
水を得た魚というかやっぱり毛皮族の舞台上での姿が
一番輝いて見えました。
今回は1時間ずっと出ずっぱりでセリフも多く
マリーさんの声が好きな自分としては何とも贅沢な時間を過ごせました。

終演後はスタンプカード(1公演1個のスタンプで4個集めると、1回無料)に
スタンプを押してくれるのですけど
今日は柿丸さんとマリーさんがその担当で
出番が終わっていて疲れているだろうに
にっこり笑って渡してくれて
AKBの握手会の為にCDを何枚も買う人の気持ちが
よく分かりました。

そんなわけでウキウキした気持ちで帰路に着きましたが
帰りの総武線に、外れ馬券(東京ドームシティ内にウィンズがある)が
散乱していて、現実に引き戻されました。

サド侯爵夫人

2012年03月07日 18時35分07秒 | 演劇
昨日は舞台「サド侯爵夫人」を観劇に行ってきました。
プレビュー公演という位置付けで
お客さんを入れての興行としては初日です。
席はプレセールを利用してセンター席の3列目という
ベストな場所でした。

あらすじ
サド侯爵夫人の母のところに、悪女とカマトトぶった女が訪れる。
SM変態行為が発覚し、追われる身になったサドのことについて相談に乗るために、
彼女たちは来たのだ。
するといつもは、この事件のショックで城に引き篭もっていた夫人が現れる。
夫人が去った後、行方不明だった彼女の妹も現れ、
サドと同行、姉も承知していた、ということを母に継げる。
そして事態は思わぬ方向に……。

蒼井優他出演者が豪華な割には、入場料が安かったので
上演時間も2時間程度と予想していたら
まさかの3時間30分で
休憩が2回もありました。
休憩1回は今までも経験ありますが
それを抜かしても3時間近い舞台です。

原作は三島由紀夫の戯曲ですが、未読です。
サド侯爵はお判りでしょうが、
サディズムの語源になった人です。
人の氏名が名前の由来になることって結構ありますが
それに見合った名前で良かったですね、
これが緊張感に欠ける、
例えばパミュ侯爵だったらパミュズムとかいっても
あまりサドのイメージじゃなくなっちゃいますもんね。

観終わってまず感じたことはなにしろセリフが多いこと。
ルネ(サド侯爵夫人)役の蒼井優と
モントルイユ夫人(ルネの母親)役の白石加代子さんの
二人だけのセリフだけで優に1時間分以上はあったように感じます。
一人一人が一回に話す文事体が長く、
このセリフも多さこそがサドだと思いました。
自分が蒼井優の関係者だったらとてもじゃないけど
観ていられない位、嫌な緊張感すらありました。

出演者は6名しかおらず全て女優さんで
みなさん自力がある方々ばかりでした。
白石さんは初めておめかけしましたが
セリフ回しや訝しげな表情がとても上手く
笑いも一番取っていました。
サン・フォン伯爵夫人役の麻実れいさんも
噂には聞いていましたが、
さすがの貫禄で出番こそあまり多くありませんでしたが
(途中で死んでしまうので)
印象にとても残りました。

もう一人の夫人役(シミアーヌ男爵夫人)の神野三鈴さんは
開始前はあまり期待していなかった方でしたが
緊張した話をほぐす天然さをうまく表現していて
さすがここにキャスティングされるだけあるなぁと思いました。
ルネの妹役(アンネ)の美波には結構期待していて
テレビドラマの中でも雰囲気のある女優さんというイメージで
そんなに感極まるようなシーンでもないのに
涙を流していて、すごいなぁと思いました。
出番があまり多くなったのが残念です。

メイドのシャルロット役に町田マリーさんで、
もちろん目当ての一つだったんですが
なにしろ出番が少ない、このメンバーじゃ仕方ないのですが。
マリーさんの良さが出るような役柄でもなく
今日来ていたお客さんもおそらくマリーさんのこと知らないんじゃないかなぁ、
4月からの毛皮族の方に期待してます。
そして主役の蒼井優は先にも書きましたけど
ほとんど出ずっぱりで、しかもセリフ量が尋常じゃなく
さすがに噛んでしまうことがありました。
でもCMとか映画とかやりたい仕事だけ選んで楽にいけるのに
この仕事をわざわざ引き受けたのは本当に感服いたします。

肝心の中身ですが、SM行為で捕まったサド侯爵とルネを
別れさせたいと母親が思うのは自然で
ルネは主役ですけど、ちょっとこの人、強情だなぁって思いました。
ちょうど今話題のオセロ中島みたいに
あらゆる説得にも耳を貸さないで洗脳されている雰囲気すらあります。
でも数十年経って、サドが出所してくるとなった段で
修道院に出家するって言い出します。
これまた理解しがたい行為で、
じゃあ今までは何だったんだと、
母親ならずとも普通はそう感じます。

もちろん劇中でそれに至るまでの説明をルネはしますが
これも屁理屈みたいなもので実際にされたら
怒りすら抱きかねません。
というか登場人物がみんな、最終的には
サドの行為を何か高尚なものと捉えるようになってしまい
あれだけ娘と別れさせようとしていた母親までも
動乱の時代にはああいう(SM行為等)奇抜な行動が持て囃される、
と同情したりします。

しかし最後にサドが戻ってきて、
その様子が、デブって着ているものもみすぼらしく
以前の面影は全然残っておらず
唯一エラそうな口調だけが変わっていないと知るや否や
ルネは愕然としてしまいます。
ルネの中で拵えていたサドのファンタジーが崩壊するのです。

これは人間界にも言えることで
とかく人間は高貴な魂を持っているから
他の動物とは違うとか
何か自分たちを特別な存在と捉えがちですが
サド侯爵がただのスケベ変態オヤジだったとのと同様、
人間もただの一動物に過ぎないというメタファーを感じました。
(あくまで自分の解釈です)

昨日、初日で楽日になったらどんな舞台になっているか
興味があります。
お時間のある方にはおススメです。

墓場、女子高生

2012年02月03日 23時40分08秒 | 演劇
今日は「墓場、女子高生」というお芝居を観に行きました。
劇場は「座・高円寺」という所で、文字通り、高円寺にあります。
駅沿いの道を真っ直ぐ5分ほど歩くとあるので
場所が分かりやすくて、
外装や内装も綺麗な劇場でした。
でもその反面、客席の床は歩くとミシミシいうし
椅子もチャチくてこちらにはお金を掛けれなかったみたいです。
まぁ段差があってステージが観やすかったので
良しとしましょう。

観に行ったのは一も二もなく出演者のラインナップで
安藤聖さん、町田マリーさん、吉本菜穂子さんと
揃っているときいたときは
ものすごく豪華なキャスティングだなぁと
楽しみにしていました。
4500円の割にはセットの豪華で
やっぱり人件費(ギャラ)が一番、
入場料に跳ね返ってくるんだなぁと思いました。

仲良しだった女子高生グループの一人が
自殺して亡くなった後のお話で
これだけ書くとシリアスな内容かと勘違いしそうですが
基本コメディです。
出だしはこの女子高生たちがはしゃいでいるシーンで
正直、面白くなるのか不安一杯でしたが
20分過ぎ頃から場もこなれてきて
笑い声も聞こえてくるようになり、面白くなってきました。

自殺して亡くなった陽子役が安藤聖さんで
彼女が出ている舞台を最近よく見るようになりましたが
存在感というかそれらしい雰囲気が出てきているような気がします。
もちろん作品自体が魅力的でないと
女優さん一人頑張ったってダメなんでしょうけど
舞台に立っているだけでまだ細いながら
芯が通ってきている印象です。

吉本さんはこういう役どころだと生きますね、
この前の「クレージーハニー」よりも機能していたように思います。
逆にマリーさんはそこまで機能していたかというと
自分的にはそこまでかなぁっというのが正直な所です。
他の役者さんだったら全く気にならないですが
求めているものが大き過ぎるのもあって
毛皮族みたいにあくまでマリーさんが中心で
周りが動くっていう方が魅力的に映るかなぁ、
これは個性みたいなもので天性のものだと思うし、って
ただ自分がマリーさん好きだけだからかもしれませんけど。

女子高生グループが陽子を生き返らせたいとお祈りしたりして、
後半で生き返るんですけど、みんな喜びと思ったら
戸惑いの方が大きいというのが結構リアルな気がしました。
生き返ってほしいという気持ちに偽りはないでしょうけど
本当に生き返られたらどうしたものかなぁというのが正直な所ではないでしょうか。

生き返った陽子に自殺した理由が自分にあると
みんながみんな言い始めるのですが
陽子は「(自殺の理由になるほど)仲良くはなかったでしょう」と言い放ちます。
残された人間はそこにドラマを見出したりするじゃないですか、
でも死んだ人間にとっては
そんなの迷惑だと感じているっていうのは面白いです。
不謹慎な言い方かもしれませんが
世界は生きている生物だけのもので
実質的に、死んだ理由を知ることに意味はなく、
それを知ろうとするのは自分の為でしかありません。

そんなわけで尻上がりに興味深くなるお芝居でしたが
物語の佳境で、なんと客席からいびきの声が聞こえてきました。
しかも結構シーンとした見せ場部分で
もうそれが丸聞こえで、ぶち壊しもいいところで
こいつこそ墓場に行ってしまえ、と思ったのは自分だけではないはずです。
ちょっと前に海外のクラシックコンサートで
携帯のアラームが鳴りっぱなしになった事件がありましたけど
損害賠償の対象にしてもいい位です。

自分が隣の席だったらもうひじ打ちしまくりで
すぐに起こすところですがそれが1分近く続き、
業を煮やしただいぶ前の座席に座っていた方が
肩を叩いて起こしてくれました。
本当にこいつのせいでせっかく楽しい舞台が台無しでした、
観客もそうですけど演者の方々にも
謝ってもらいたいです。

ネガヒーロー

2012年01月27日 00時05分17秒 | 演劇
今日は「ネガヒーロー」というお芝居を観に行きました。
プロペラ犬という水野美紀さんが主宰している劇団ユニットで
今回が第4回公演になります。
劇場はシブゲキという去年新しくオープンした劇場で、
CUBEという芸能事務所が運営しています。
なので中も斬新な劇場になっているかと思いきや
結構、普通の劇場でした。

渋谷の109の隣にあって
そのせいか帰りにそのビルから出ようとしたら
1階の玄関の前に20歳前後の女の子たちが
何十人とたむろしていて
渋谷のドキュメンタリーを見ているようでした。

客層は女性が結構多くて
結構みんな笑い声が大きくて
気兼ねなく笑えました。
開演前に自分の後ろのカップルが喧嘩していて
男性が「ずっと不機嫌だからこっちも気になる」
みたいな話し声が聞こえてきました。
とりあえず劇中は話し声が聞こえてこなかったので良かったです。

今回でプロペラ犬の公演を観るのは3回目ですが
基本、笑わせることに重心を置いていて
難しい話はまず出てきません。
「ネガヒーロー」という題名通りヒーロー物で
とはいっても特別な能力があるわけでもなく
普通の40男が勝手に世界を救うと思っているだけの話で
特に序盤は洋画の「キックアス」にそっくりです。

まず間違いなくリスペクトしていて
ネガレッドの衣装はそのまんまキックアスの衣装と同じだし
ネガピンクとネガブルーのお面も
ヒットガールのそれと同じでした。

舞台は足立区でこれもそこに住んでいる人からしたら
とんでもない言われようになっています。
治安が悪くて、強盗や置き引きばかりの街という設定で
事実、東京では足立区・荒川区はそういうイメージで見られがちです。
中学の時はこれに自分が住んでいる北区を足した3つが
23区中で勉強の成績のワースト3と言われていました。
(出身校は北区の中でもワースト3に入っていました)

題名のネガヒーローのネガは
ネガティブのネガかと思っていたら
「根がヒーロー」という説明がありました。
敵のブラック・サンシャインというのが
全然悪くなくて、街の悪者を退治したり
むしろ正義に近くて
最後には正義側の仲間になります。

ネガレッドはネガゴールド(水野美紀)のことが好きで
グループ内交際を最初は禁じていたけど
最後はそれを解消してゴールドとの子供が欲しい、
っていうのでエンディングになりましたが
そこは後日談で、ゴールドとブラックが付き合ってしまい
レッドがピエロ役になったら
もっと面白かったかなぁって思いました。

連ドラで主役張っていた女優さんが
自ら劇団を主宰するってあまりいないし
こういうコメディばかりというのも
イメージとか気にする人が多いから
勝手にしにくいですよね。
こういうしがらみから抜けたくて
事務所を辞めたような気がするけど
自分はそういった冒険は出来ない人間なので
すごく尊敬できます。
だって年間で数回ドラマとCMに出ていれば
数千万は間違いなく稼げるんですもんね、
絶対そっちを選んじゃいます。

今日も2列目から見ましたけど
とても40前には見えないし
すごい綺麗でした。
これからもこの感じで行ってほしいです。

寿歌~ほぎうた~

2012年01月18日 20時02分28秒 | 演劇
今日は「寿歌」というお芝居を観に行きました。
(「ほぎうた」と読みます)
会場の新国立劇場 小劇場は東京オペラシティの並びにあり
新宿から歩くこと、20分で到着しました。
着いたときには開演10分前でゆっくり場内を見ることはできなかったのですが
お祝いのお花はたくさん届いていました。
堤さんと戸田恵梨香ばかりなんですけど
やっぱりこういうのを見ると
テレビで認知度を得るというのは大切なことだなぁと感じます。

席は2階のバルコニー席で、ステージに対して正対していないので
終始身体を斜めに向けている形になります。
それ以上に難点なのが手すりで
役者さんがステージの端っこに来ると
その手すりが邪魔になってよく見えなくなります。
そんな短所をひっくるめても4000円というのは格安だと思いました。
7500円払って後ろの方なら絶対こちらの方がおススメです。

客層は男女2:8ほどで断然女性の方が多く
どうも堤ファンが多数を占めていたようです。
普段はもっと大きな劇場で舞台に出演することが多く
こんなに小さい劇場に出るだけで
価値はあるのでしょう。


あらすじ

核戦争の末、人影もまるでなくなった荒野を行く
旅芸人のゲサク(堤真一)とキョウコ(戸田恵梨香)。
そこにいきなり現れるのが不思議な芸を持ったヤスオ(橋本じゅん)である。
ゲサクとキョウコのあてのない旅路にヤスオが加わり、3人はまた荒野を行く。


最初あらすじだけ聞いた限りでは
シリアスで分かりにくい内容になりそうで不安でしたが
そんなことはなく面白かったです。
客席にファンが多いせいか堤さんがちょっと面白いことをいうと
場内もそれに応えて笑う感じで
橋本さんも受け入れられているみたいで
コミカルな演技で笑わせてましたが
戸田恵梨香は、あなた舞台でお芝居できるの、
って感じで試されているような感じで
面白いことを言っても、
あきらかにこの2人よりも笑い声が少ないのが気の毒でした。

自分が戸田恵梨香目当てで観に行ったせいかもあるかもしれませんが
これが天海 祐希だったら違ってだろうなぁと、
女性ファンが多いイメージはあまりないし。
ただ最近は「ライアーゲーム」に出ていたときのような
アイドル的な立ち位置から本当の意味での女優に
脱皮しようという意識が見えて
このお芝居でも下ネタを結構していたけど
方向性としてはいいのだと思います。

堤さんと橋本さんはさすがで
セリフを噛んでもそれを笑いに変える余裕もあるし
存在感はすごいですよね。
たった3人だけのお芝居なんでほとんど出ずっぱりで
実力がないと如実に見えてしまいますから、
贔屓目なしでも彼女は結構良かったと思うんですけどね。

正解はこれと決めつけないで
各自で色々解釈してください、というお話のように感じました。
はしもとさん演ずるヤスオは神様を象徴しているんじゃないでしょうか。
ヤスオはポケットに入れたものを
コピーして増やす能力があって
例えば米粒1粒だけで飯ごう一合分のお米にできたりして
いわゆる神様の特別能力を示しているのかと。

そしてある街で大道芸を見せるシーンで
十字架を例の能力で増やして、それを町民に配るのですが
その十字架に雷が落ちてみんな死んでしまうくだりがあって
これは神という存在が死を招くことがあるというメタファを感じました。

歴史を遡って、現代でも
自分たちが信じている信仰のために
他の信仰をしている人と戦争したりしています。
元来、幸せになる為の信仰なのに
それが元で殺しあうことがおかしいことだって
簡単にわかる道理です。
こういうところに人間の限界が見えるし
やはり一動物なんだなぁって感じてしまいます。

また哲学的な話も挟んであって
ゲサクが死にかけたときにヤスオに
「人食いトラの穴に落ちたときに勝つ方法はなんだ」と問題を出して
その答えが「(トラに)食われるんじゃなくて、(自ら)食わせるんだ」
ってセリフがあって、これは深いなぁと思いました。
要は、起こった事象ではなく
その事象に対して自分がどういう意識でいるかが大事だ、ということで
お金を持っていないのに、お金がない、って嘆いていたら
一生、あらゆる意味でお金持ちには敵わないわけで
その思考法を転換させなければなりません。
そうはいっても世の中的な勝ち負けは崩せないから難しいのですが
他人の評価なんていい加減で移り気なものだから
それに囚われなくなったら全然違った景色が見えてくると
思うんですけどね。

もう一つ、うさぎが飼い主に恩返ししたくて
自分を焼いて、食べてもらうって話もあって
エセ動物好きの人は、可哀想って言うかもしれないけど
これも一番いい選択じゃないかと思います。
飼い主もそれを美味しく頂くというのが
うさぎに対しての最大の愛情で
可哀想っていう人は
自分が鳥や豚、牛の肉は平気で食っている事実に目を背けてはなりません。

上演時間は80分と決して長くはありませんでしたが
充実した内容で、
今年初の舞台鑑賞でしたが楽しめました。

その妹

2011年12月19日 20時56分15秒 | 演劇
劇場の世田谷パブリックシアターは最近よく行く劇場で
テレビに出ているけど、実力もありそうな役者さんを
上手い具合に出演させて
お金を払ってでも観たくなるような公演をよくやってくれます。

原題は、武者小路実篤が100年前位に書いた戯曲で
大雑把に言うと、戦争で盲目になってしまった元画家の野村広次が
妹と共に叔父夫婦に厄介になっているが
その叔父の上司から妹を嫁に欲しいという申し出があり
その上司の息子、相川三郎は素行が悪く
嫁には絶対行かせたくない。
でも嫁がせなければ、叔父夫婦から援助を受けられなくなるので
困窮してしまうし、さてどうするか、
といった内容です。

主人公の野村広次を演じたのが市川亀治郎で
市川って付いているので歌舞伎の役者さんかと思われますけど
自分は知らない人でした。
盲目の役で、特に眼帯などはしてないから
会話していても目線を相手に合わすことができない為、
客席の方を見つめて話たりしていて
これは結構大変だろうなぁと思いました。
集中して意識していないと自然に視線が普通に戻ってしまうでしょうね、
セリフや演技もしなきゃいけないのに
これは相当の負担です。

野村の妹役の静子を演じるのが蒼井優で、彼女が一番の注目ポイントです。
しゃべり方が独特で、自分は黒柳徹子を想像しました。
目の見えない兄貴を世話しなければならないので
もちろんとても大変なのですが
野村が昔好きだった女性(今は親友の奥さん)のことを話すときに
嫉妬するような仕種が見えたので
家族としてよりももうちょっと強い愛情があったのではないかと
感じました。

この野村兄妹を金銭面で援助するのが段田安則演じる
雑誌の編集者である西島で、この3人の出番が非常に多くなっています。
はじめは野村兄妹を不憫に思い援助していましたが
途中から静子に恋心を抱くようになってしまい
己の経済状態が悪くなるまで支援することになります。
劇中でも野村から、
「静子のことが好きだからそれだけの援助をしてくれるんだろう」と
尋ねられて、否定はしますが
男心からすると間違いなく静子ありきだろうと思います。

別に援助したから付き合え、とかそこまでの話じゃなくて
好意をもった人から感謝されたりするのは
気持ちいいじゃないですか、誰でも。
でも終盤に西島が静子にキスをしようとしたら
可哀想にすごい拒否られてましたけど・・・
それに援助を止めたら、自分が好きな人がろくでなしと
結婚しなきゃならないことになったら
中々やめられないですよね。

今ではあまり考えられないけど
当時としてはこういう家の関係で結婚させられることって
普通にあったんでしょうね。
でもそれまで会ったこともない人といきなり夫婦にさせられて
夜の生活を営むのってどんな気分なんですかね、
自分が女だったらまだ貧乏の方がマシだけどな。
しかも昔は男尊女卑な風潮が強かっただろうから
変な人と結婚したら虐げられそうだし。

置かれている状況を見れば、野村兄妹はもちろん同情されるべき
人々なんですが、
ずっと芝居をみていると、そうでもないような気になってきました。
それはこの二人があまりにも自分たちだけの世界に入ってしまっていて
援助していた西島すらも感謝はされているにしても
ないがしろにされている感じで
終盤では静子に怒られていたりしてます。
奥さんからも呆れられるし
この西島が一番可哀想に感じました。

他の出演者として秋山菜津子さんや鈴木浩介も出ていましたが
出番がとても少なかったので
他のあまり知らない役者さんでも良かったんじゃないかなぁって
思いました。

ポルノグラフィ

2011年12月16日 10時49分11秒 | 演劇
アーティストの「ポルノグラフティ」ではありません、
先日観に行ったお芝居の題名です。
恵比寿エコー劇場というこれまた行くのが初めての劇場で
一瞬、道に迷いそうになりました。
印象としては、椅子が古くて
しかも隣の人との距離が近いので
ちょっと大柄の人が座ったら腕が当たること必至です。

観に行ったのは毛皮族の町田マリーさんが出演するということ以外
何もなくて、
チラシをみたときから
あんまり自分とは合わなそうなお話かなぁって想像していたら
まさしくそうでした。

元々、「サイモン・スティーヴンス」という人の戯曲で
イギリスが舞台となっています。
2005年7月にロンドンで起こった地下鉄・バス連続爆破テロ事件の
数日前の群像劇で
とはいってもそのテロ事件を直接描いた話でもないので
なんでわざわざテロ事件のことを
前面に出しているのかが分かりませんでした。

8人の登場人物がいて、1人は実行犯で分かるのですが
残りの7人が、このお話の後々のテロの被害者かと
最初は思いましたが、特にそれを匂わす表現もなく
ただ単に事件が起きたイギリスにいただけの人だったようです。
実行犯を除く7人の内訳は
近親相姦にふける姉弟、報告書の作成に追われるキャリアウーマン、
女性教師にしつこくつきまとう男子生徒、
教え子を部屋に連れ込んだ大学教授、孤独を愛する老婦人
とこれだけ聞くとショッキングな内容を想起させますが
それほどでもありませんでした。

それぞれ登場人物は悩みや苦悩を抱えているわけですが
なんでそうなったか意図的にか
あまり開示されなくて
感情移入しづらい状態にありました。
実際に見たことはないのであれですが
ヨーロッパの舞台ってこんな感じなのかなぁとは思いました。
エンターテイメント性は排除して
シリアスな方向性に持っていって
詳しくは語らずに、お客さんに考えさせるみたいな。

映画でもハリウッド作品に比べて
ヨーロッパのものってこんな雰囲気あるし
正直、苦手です。
シリアスならシリアスで構わないんですが
内容は分かりやすくて、でも奥が深いって
してくれないと、お金を払って観に行っているわけですからね、一応は。

そんなわけで町田マリーさんだけ観てればいいモードに
途中から切りかえて
出演者の人が劇中は掃けないで
ずっと舞台上にいてくれたので
それは良かったところです。
でもシリアスよりコメディな役柄の方が好きだな、
2月の「墓場、女子高生」の方はそういう舞台になりそうなので
期待しています。

女の平和

2011年12月14日 17時45分06秒 | 演劇
先週から今週にかけてお芝居を3本見たので
それを小出しに書き留めます。
まずはじめは「女の平和」という舞台で
毛皮族の江本さん作・演出で
なので毛皮族の柿丸さん、延増さん、高田さんも出演していました。
一応主役扱いで安藤聖さん、
あとは若い女優(タレント?)さんが20人以上出ていました。

劇場は俳優座劇場という六本木通り沿いにあって
普段はこういう軽いお芝居はやらない雰囲気です。
はじめて行きましたがステージが広くて
こういう大人数が出演するお芝居にはいいのでしょうか。

元々、アリストパネスという人の原案があるお芝居みたいで
そちらの原作は戦争するのを辞めさせるために
戦士の奥さんたちがSEXストライキするというお話らしいのですが
その話とは全く関係ないように思えました。
平たくいうと、女子高生が遠足で芋ほりに来て
雪山に遭難してしまい、最後はお互いに戦闘状態に入る、
といった感じでしょうか。

毛皮族のお芝居を何作か見ているので
この不条理な感じにはあまり違和感がありませんでしたが
若手の女優さんたちの演技にはドキドキしました。
もしかしたら知らない人ばかりなので
演技があまり上手くないという先入観があるのかもしれませんが
ここは笑わそうと思って言っているセリフだなぁ、と思っても
客席が静まりかえっていることがあり
その度にステージ上の彼女たちの心中を慮ると
やるせない思いでした。

出演者と同じ事務所の友達が舞台の感想を書いているのを
数点見かけましたが、感想の短さからしても
社交辞令だなぁと感じました。
大体、毛皮族の舞台にああいう人種の人たちは
あまり見かけませんしね。
でも数名はこのまま舞台に出続ければ
面白い存在になりそうな人もいて
何年かしてまた再会できればいいなぁと思います。
見た目はみんな可愛かったです。

芸能界で生き残っていくには様々なやり方があるでしょうけど
AKBに代表されるようなアイドルでいくのか
舞台やお芝居に活路を見出すのか
それともお笑いやひな壇などのタレント活動で残っていくのか
結構難しい問題ですよね。
特に30歳を超えるとルックスだけで突き進むのはほとんど無理で
今年もたくさんあった結婚に逃げるしか
他ないのかなぁと思うと、芸能界はあまり美味しくないなぁって。
モテても複数の人と付き合うわけにもいかないし
かといって普通にOLになるのも大変だし。

結婚でいうとほしのあきは上手くやったなぁと
あまりにも明け透けすぎて笑っちゃうけど
スザンヌはわざわざいばらの道を進まなくてもいいと思うんだけどな。
野球選手として復活するしないは別にして
元の奥さんから慰謝料もらってないって訴えられているのはいただけないし、
どうみても性格いいようには見えないんだけどな。
後ろ盾の紳介もいなくなったし、
来年以降どうなっちゃうのかな。

往転

2011年11月20日 21時06分16秒 | 演劇
昨日、舞台を観に行きました。
宿直から10時前に帰宅し
部屋を掃除して、お風呂に入って、ご飯を食べて
ちょっとゆっくりしていたらもう出発する時間で
ちょうど雨が本降りの時間帯でうんざりしましたが
13:30に会場に到着しました。

入場券を係員の方に手渡すと
なぜかその券をじーっと眺めていて
どうしたのかと訝しげにしていたら
「こちらは夜の部の券です」と
まさかの一言にびっくり、
なんと開演時間を間違えていました。

どちらかというとこういうことに関しては
しっかりしている方で間違えたことなんてありませんでしたが
なんか最近は劣化しているのか
時間や日にちを忘れることが増えて
自分にがっかりします。
三軒茶屋で何時間もつぶすことができないので
仕方なく一回家に戻りました。

そうとう怠かったのですが
観に行かないわけにも行かず
夕方に出直し会場内に入ると
B列でしたが1番前の座席でとりあえず機嫌を取り戻すことができました。
開演まで時間があったのでパンフレットを読んでいると
この舞台を演出している青木豪さんという方のあいさつ文が載っていました。

その中で、予言や占いは信じないし、死後の世界もないと思っているが
運命論のようなものは信じていて
あらかじめ人生のシナリオは決まっていて
それにはどうしたって抗えない、
っていう内容のことが
自分の死生観と全く同じでびっくりしました。

人は死んだら無になるだけで
この舞台の中でも、遺骨を灰にして遺族に配って回るという場面が出てきますが
これも自分の死後の理想に近いものがあります。
とにかく葬式もお墓もいらないし
遺骨もどこかに撒いてもらっても全く構いません。
生前どんな偉業を成し遂げようと
死んだら何もかも終わりで
死んだ後のことを色々考えるの位、無駄なことってないでしょう。

あらすじ
高速夜行バスに偶然乗り合わせた3組の男女とその運転手を中心に、4つの物語が展開します
リストラされた男と、かつての愛人だった女性とが、彼女の母親の遺言に従い、兄妹に遺骨を渡していく「アンチェイン・マイ・ハート」。
双子の兄弟が経営する桃農園に、兄の婚約者だと名乗る女性が現れ、困惑する弟。彼女の素性と兄の思いが徐々に明らかになる「桃」。
自宅の二階から飛び降り、入院することになった女性が、昏睡状態から目覚めた同室の男性と交流を深めていく「いきたい」。
息子の友人と偶然バス停で出会い、同じ目的地へ向かう女性を描いた「横転」

このあいさつ文が象徴しているように
死について考えさせられるお話で
このお話の中ではバス事故が起きるのですが
ニュースで報道されるようなものでもそうでないものも
死としては等しいものです。
ほとんどの人にとって死は恐怖の対象でしょうが
今まで生まれてきた人たちは間違いなく
それを経験しているわけで
そう考えると不思議な気持ちになります。

そもそもこの舞台を観に行ったきっかけはキャストにあって
安藤聖さんと高田聖子さん、峯村リエさんに柿丸美智恵さんと
このキャストで5000円はかなりお買い得感がありました。
一番お目当てだった安藤さんはどちらかというと脇役だったみたいで
あまり出番が多くなくて、ちょっとがっかりでした。
チラシに12月初旬に江本さんの舞台に主演されるようなので
今日さっそくチケット買ってきました。

高田さんと峯村さんはさすがの存在感で
特に峯村さんはお笑い部門を一手に引き受けていて
いいおばちゃんぶりを披露していました。
出演者の中で一番テレビに出ている市川美和子は
テレビで見ると可愛いと思えないのですが
生で見るともしかしたら美人なんじゃないかって思うほどで
背も想像以上に高かったです。

「穂のか」は石橋貴明の娘という知識しかなかったのですが
思ったよりも違和感なく観れました。
親の七光り的な売り方もしていないし
舞台でしっかり仕事しているのは好感がもてます、
IMALUよりは数段ましです。
でももうちょっと痩せた方がいいのかなぁ。

最近は刺激の強い舞台が多く
こういう比較的淡々と進んでいくものは久々でしたが
2時間が短く感じたし集中できたのかなぁと。
でも一人一人のエピソードを掘り下げて
内面的なものをもっと見せてくれたら
更に良かったかなぁと感じました

「完璧なママ」

2011年10月11日 20時52分31秒 | 演劇
とある週末に近所の駅前でチラシを配っていて
手にとると「北とぴあ 演劇祭」という
高校生の演劇部やプロの劇団が舞台を行う催しの紹介で
その中に無料で申し込み制の舞台があったので
往復はがきで応募していました。
一応抽選という触れ込みでしたが
そんなに申し込み数があるとも思えず
数日後、招待券(はがきに印刷してあるだけ)が届き、
昨日、行ってきました。

「内田康夫ミステリー賞」という
浅見光彦シリーズでおなじみの内田康夫氏監修の賞の
大賞作品を上演するそうで
本当は3月頃行う予定だったのが
地震の影響で延期されていたみたいです。
内田康夫とつかこうへいがうちの区の文化系の2トップなんですが
あいにくどちらもあまり興味がないという皮肉な結果となっています。

推理小説は好きなので一時期読んでいたこともありましたが
何か性に合わずに読むのをやめてしまいました。
つかこうへいも「北区つかこうへい劇団」って
結構頑張ってやっていて
一度観に行きましたが、こちらも自分のテイストに合わずに断念。
まだ売れる前の小西真奈美や黒木メイサだけでも
観ておけばよかったとこちらは軽い後悔をしています。
(たぶん余裕でサインとか貰えただろうし)

会場の北とぴあというのが区の一番大きい会館で
演歌の人がたまにコンサートしにきたりします。
どうせなら一青さんもここでコンサートしてくれれば
来るの楽なのにと考えたりします。
ある程度予想されたことですが
50~60歳程度のこういう区の行事に
進んで参加するような方々ばかりで
後は関係者かそんな感じでした。

上演前に区の広報課の職員の女性が進行役をつとめていたのですが
完全棒読みで、緊張が手に取るようにわかりました。
内田康夫氏と今回の舞台の作者の方が挨拶の為
舞台にあがりました。
作者の方は60歳位の女性で、こちらも緊張したご様子、
内田先生だけはさすがにこういう場に慣れているのか
冗談を交えたスピーチをされていました。

「完璧なママ」というタイトルで
娘から見ると何事も完璧なママがいて
その一家の隣にいつも喧嘩している老夫婦が暮らしていて
ある日、その老夫婦が死んでしまう。
って簡単に書くとこういうお話で
老夫婦が死ぬ(じいさんが婆さんを殺した後、自殺する)のに
「ママ」がどう関与したでしょうっていうのがミステリーの肝の部分です。

前ふりで、「嫌いな人から命令されるとその逆をしたくなる」という
セリフがあって、この老夫婦の場合、
婆さんが「殺せ、殺せ」っていつも言うから
じいさんが殺せなかったかったという理屈になっています。
事件の日は、喧嘩している様子を見ていた「ママ」が
二人の心を和ませようとして、自分の好きなクラシック音楽を
隣に聴こえるように流したら
その音で婆さんが言った「殺せ」という声が聴こえなくなって
じいさんが殺してしまった、
という文字にするとどうなんだろう、というトリックで
現実に舞台を観ていた自分も
「えっ」と絶句する内容でした。

もしかしたら小説の方はもっと納得のいくような書き方をしている
かもしれないし、脚本が悪いのか何か分かりませんが
それにしてももっと病的なまでの「完璧なママ」で
ないとイマイチ説得力がなくて、
これだとタダのうっかり者としか思えません。
自分の善意が殺人に関与したなんて露ほども感じていない描写か
それとも本当は気づいてあえてやったか、
どちらかに降った方が面白いと思いました。

途中、この一家で犬を飼うことになるのですが
この犬を役者にやらすのはいいとして
人間の声でしゃべれるし
まるで「マルモのおきて」を見ているようでした。
(あとで老夫婦に殺されます)

この舞台をつとめたのが「劇団虎のこ」という劇団で
全く知らない劇団でしたが
「ママ」役を演じていた祖父江唯は
昔BSの番組で出ていたのを覚えていて
懐かしい思いでした。
原作がある話だから仕方ないのかもしれませんが
笑いを削ってもっとシリアス路線に向いた方が
面白い話になるような気がしました。

理想の自分と現実の自分との距離の遠さに気付けない人間は、料理が下手

2011年10月07日 21時55分20秒 | 演劇
荻原浩著の「月の上の観覧車」という小説を読みました。
タイトルはその小説内の一説なんですが
とても上手いなぁと思って。
料理って分量と調理法さえ押さえておけば
それなりの味になるものなんだけど
どこから来る自信か分かりませんが
目分量でつくったりして味が薄くなったり濃くなったり
謙虚さがないとよくないです。

「謎解きはディナーのあとで」のドラマが今月からはじまりますが
おそらくそれなりの視聴率を稼ぐことと予想しています。
小説としては決して褒められたものではありませんが
ドラマとしてはトリックも分かりやすく
キャラものなので、すごくハマるような気がするのです。
しかもキャスティングも嵐、櫻井と北川景子という
人気もあるし、キャラクター的にも合っていそうな二人で
下手したら20%もありうるんじゃないかと。

かといってそれを期待しているわけではなく
「世界の中心で愛をさけぶ」同様、映像化が成功すると
その原作事体が評価されるのが
とても嫌に感じます。
amazonでも結構酷評されていて
「買って損した」「本屋大賞、本当にとったのか」とか
でも自分からしてみると
賞をとると立ち読みもせずに買ってしまうんだなぁと
いう方が不思議だったりします。

小説と映像化、舞台化というのは難しい問題で
今まで両者とも成功だと思えたのは「容疑者Xの献身」位で
どちらかがいいと、どちらかがイマイチということばかりです。
昨日「オーデュボンの祈り」という舞台を観に行きました。
町田マリーさんが出演するというのが一番の動機でしたけど
原作者が伊坂幸太郎ということでつまらないことはないだろうと。
このお話の原作はあえて読まずに臨みました。

席は3階席でしたけど1列目のど真ん中でものすごく見やすくて
3800円の席だとは思えませんでした。
逆にいうと6800円だったら後悔していたかなぁというような。
前半に散りばめられた伏線を、ラストに回収するというところで
もしかしたら小説ではなるほどなぁと思えるのかもしれないけど
昨日はそういうえわけでもありませんでした。
そもそも寓話的な話でそれが自分にはあまり合いませんでした。

マリーさんの出番もそんなに多いわけでもなく
やっぱり毛皮族の看板女優で見た方が満足度は高いような。
でもこれからも客演が目白押しのようなので
観に行くことになりますが。
一際でかい女性がいて
小泉深雪さんという元モデルさんも出演されていました。
180cm近くあるそうで、もう人種が違うような感じでした。

筒井道隆が準主役という位置づけでしたが
出番もセリフもさほど多くなく
これでギャラが2番目に高かったら不公平だなぁと思いました。
キャラクター的にこういう朴訥とした役柄が多くて得です。
公演後に出演者のアフタートークがあって
それを聴くと案外細かいことに気を使ってんだなぁとか
あれにはそういう意味があったのかとか結構面白いものでした。

ポツドールvol.19「おしまいのとき」

2011年09月24日 21時50分06秒 | 演劇
ポツドールという劇団の「おしまいのとき」という舞台を観に行きました。
以前より興味があった劇団で
今回、新作が上演されるということで
嫌いな街、下北沢に赴きました。

劇場はザ・スズナリという200人も入れないような小さな劇場で
繁華街の外れにあります。
300円ケチってB席を買って
一番前のほぼ真ん中で、両隣もいなかったので
すごくいい席でしたが
いかんせん、背もたれのない座布団のみの鑑賞で
上映時間、2時間30分はさすがに身体が痛くなりました。
というのもこの公演があると知ったときには
既に普通の指定席はあまり残っていなくて
窮余の策でした。

席の上に舞台案内やアンケートが置いてありましたが
こういう舞台では当たり前のフライヤー(チラシ)が
全く混じっていなくて、開演までの時間をつぶすのに苦労しました。
この一点からも今までのお芝居とは違うのだろう、と想像していましたが
中身も中々のものでした。

簡単なあらすじとしては、子供を事故で亡くした主婦の橋本智子が
それから立ち直る為に、エアコンの修理に来た菅原と
肉体関係をもち、覚せい剤にハマり
旦那を殺すという文字にするととんでもない内容ですが
お芝居を観ているときは、こうなっても仕方ないかなぁ、
と思えるのが不思議です。

子供を亡くすというあまりにもひどいショックから立ち直るには
真面目な人ほどこういう今までの人生とは無縁だった
非常識なことに逃げ込まないと普通の精神でいられないのかもしれません。
立ち直る為に、これだけのことをするのは必然であるという
他人から見たらとんでもないことも
自分では疑いなく受け入れられる。
なぜか智子のことが小向美奈子と加護ちゃんに
ダブって仕方なかったです。

むしろ理解できなかったのは
この智子をよく演じたなぁということでした。
キスなんかはむしゃぶりつくようなものですが
そんなのが生易しく感じるほど
SEXシーンがまた生々しく本当に下着を下ろしちゃっているし
最初の半強姦シーンでは
最後に菅原から頬にビンタされるんですが
一番前だからしっかり見えて
これがマジで殴っていて、かなりショッキングで
そこまで身体はらんでもいいじゃんって。

自分の恋人や身内がこの役やっていたら
絶対止めますよ。
今まで何個も舞台を観てきましたが
この劇団だけは絶対入団したくないです、
肉体的にも精神的にもものすごく追い詰められそうです。


個人的には智子を破滅に導く菅原は
死刑にしてもいい位に思っています。
自己中心的でDVで救いようのない男ですが
こういう男を好きな女性ってある程度の割合でいるのは
間違いないんでしょうね。
先ほどの加護ちゃんが重なったというのはこの部分です。
菅原はエアコンの修理の仕事をしているのですが
劇中で「こんな底辺な仕事」と罵られる場面があって
この仕事をしている人が見たら怒られるぞ、と

近所に今井という夫婦がいて
智子が立ち直るように手助けしに来るんですが
これが善意の押し売りで、
手助けするふりしていい人ぶるという
こちらもよくいるようなタイプの人物で
中々むかつくんですけど
智子の旦那と今井の奥さんが不倫しているのが終盤にバレて
一悶着あるんですが、いい気味でした。

旦那を殺してしまった智子が菅原に電話して拒絶され
言った「私を支えていた理屈が崩壊した」というセリフが
とても印象に残りました。
このお話ほど極端ではありませんが
何か行動するときに自分なりの理屈を根拠にしている部分は
当然あるでしょうが
それはあくまで自分を納得させる為に作り上げただけで
それが違っていることに気づいたときに
人は愕然とするし、何かがぽっかり空いてしまうような感覚に陥る
ものだと思います。

そんな全てが崩壊したように思えた智子が
ご飯をかき込むシーンで終わっていくわけですが
これも一つの真理でしょう。
いくら精神が破綻しても、お腹は減るし排泄もしなきゃならないし
人間は所詮一動物でしかないということが分かります。

ご飯をかき込んでいるところで髪にご飯つぶがいっぱいついてしまい
最後の挨拶のときにこのご飯つぶ取りきれるのかしらと心配していると
照明が明るくなってそのまま終わってしまいました。
カーテンコールがない舞台ははじめてだったので
結構びっくりしました。
まぁ考えようによってはあれがあるとそれまでの
非現実性から現実に戻されることもあるから
むしろいいのかもしれませんが。

劇中でテレビがついている場面が何回かあって
それが「韓流ドラマ」「アメトーク」「ピカルの定理」「スッキリ」と
このチョイスに何か悪意を感じました、
こんなのどこが面白いんだ、と。
あとテレビとかで有名な俳優を使っていないので
ここまでの過激な演出ができるのは間違いないと思います。
最近の本谷さんの舞台に物足りなさを感じるのは
この部分が大きいのでしょう。
映像化はとても無理のような気がしたけど
カメラ撮影が20日に入っているみたいだから
もし機会があったらぜひおススメです。

滑稽を好みて人を笑わすことを業とす

2011年08月13日 16時36分11秒 | 演劇
昨年から見始めた毛皮族の公演です。
軽演劇ということで1時間弱のお芝居が3つと
おまけ公演が1つです。
場所は「リトルモア地下」という普通のマンションの地下にあります。
最寄り駅は原宿駅ですが
定期が新宿までしかないので、
いつもそこから歩いて行っています。

1時間では短いように感じそうなものですが
この会場はとても狭くて、特に太っていない人が隣に座っても
ひじが当たる位で、クーラーかけても暑いし
座っているとおしりも痛くなるしで
この程度の時間でちょうどいいことになっています。
ですが今回の公演でここは閉館するとのこと、
そうなったらそうで結構悲しいものがあります、
ご苦労さまでした。

はじめに観に行った公演は「おひゃさま」という題名で
現在放送中の朝ドラ「おひさま」をパロってるらしいのですが
見たことがないので、それはよく分からず。
随所に面白いセリフがありましたが
場内はあまり笑っていませんでした。
金子さんって男優さんが毛皮族にはよく出演しているんですが
滑舌が悪くセリフがよく聞き取れないし
何で毎回呼ばれているのか正直よくわかりません。

次が「語りのゴミ」で
あるおばあちゃんの引越しに纏わるお話ですが
これは割りと普通の演劇で
ストーリー的には一番好きなお話でした。
人生には余計なものが多い(=ゴミ)みたいなテーマかと思っていましたが
そういう暗喩的なものは特になくて
ありのままを楽しむ方が合っていたようです。

客演で吉牟田眞奈さんが出演していて
今年「カスケード」という舞台にも出演されていて
面白い人だなぁって思っていたので
今回も楽しみにしていました。
毛皮族のハイテンションな演技にもピッタリ
ハマっていて、これからも客演してもらいたいです。

次は「ボディコン強盗」で
ボディコンを着て強盗をするイメクラという
ハチャメチャなストーリーで
一番毛皮族らしい演目でした。
これには看板女優の町田マリーさんが出演していて
本音からすると町田さんだけ見ていられれば幸せでした。

めちゃめちゃ美人でテレビでの露出も結構多いのに
ボディコン着て、パンツみせて踊るって
何でここまでするんだろう、っていう思いはたしかにあります。
有名になっても今までしてきたことを変えない
その信念の強さみたいなものを感じて
余計に好きになりました。
同時期に「トラストいかねぇ」という舞台も掛け持ちしていて
よくこなせるなぁと感心します。

そして本日、おまけ公演「私たちには出来ないこと」を観に行きました。
こちらは3公演券を買った人の中から抽選で50名が招待される公演です。
とりあえず18:40開場予定が19:00に変更。
蒸し暑い中、蚊に刺されながら待っていると19:10頃やっと開場し
中に入ると、
今回の出演者の方々が呼び込みをしていました。

劇場全体が「私達のできないTOWN」という設定で
真ん中の台で、今回使用した小道具をフリマで売っていたり
酒屋と称してビールを売っていたりして
しかも劇団員さんがそれをしているから
近いとか近くないとかいう話ではなくて
まさに同じ空間に一緒にいました。

そして町田マリーさんは似顔絵コーナーにいて
思い切って書いてもらいました。
大ファンの人が目の前にいて
話しかけてくれてしかも似顔絵を描いてくれる、って
AKBならCD何枚も買って、それでも叶わなそうなサービスに
心底卒倒しそうになりました。
帽子を被っていたのでそれほど顔を見えませんでしたが
そもそも恥ずかしくて直視もできなかったのですが
最後に握手もしてもらえて、これだけで今日来た甲斐がありました。
書いてもらった似顔絵は一生の宝物にします。

そこで心ここにあらずだったのでしょう、
何かを踏んづけた感触があって、足をどかすと
メガネのレンズが割れていました。
どうもポケットに入れておいたメガネを落としてしまってたようです。
いいことがあった後は悪いことがあるのだなぁと
落ち込むよりも妙に納得した気持ちでした。

そんなこんなではじまったお芝居はミュージカル仕立てのお話で
歌と踊りが立て続けで演者さんたちが
体力的にとても大変そうでぜぇ~はぁ~してました。
歌詞はダンボールに手書きのカンペが堂々と出されたり
照明や音楽のタイミングが合わないと
「もう一回やり直して~」と江本さんが半マジで怒ってみたり
リハーサルを覗いている心境でした。

第2部で江本さんのライブ・トークショーメインで
今回の公演の写真をじゃんけん大会でプレゼントしていましたが
最後の二人の対決で負けてしまいました。
その前にステージで歌を歌ったらそれをくれると言っていたので
思い切って歌えばよかったなぁと少し後悔しています。
最後はみんなスタンディングになっての大盛り上がりで
高校時代のカラオケを思い出しました。
あのときはジュースを頭からかぶったり
テーブルにのぼったりと同じようなことをしていました。

これ全てで6900円というかなりのお買い得で
すごく充実した内容でした。

クレイジー・ハニー

2011年08月12日 22時18分02秒 | 演劇
本谷さんの最新公演、「クレイジーハニー」を
昨日、渋谷のパルコ劇場に観に行きました。
15時頃に雷を伴った大雨が降っていて
この中、外出るのはしんどいなぁと思っていたら
家を出る頃には止んでいて
しかも涼しくなっていたので幸いでした。

お客さんは男女半々といったところでしょうか、
特に長澤まさみ目当てという感じの人は
あまりいないように感じました。
基本的に本谷さんの脚本が好きな人は
屈折した心理が分かる人だと思うので
自分を含めそういう人たちなのでしょう。

主演の長澤まさみは本谷さんの舞台に出れる人としては
集客力・一般への浸透度からいって
最高レベルにあるのは間違いありません。
(現在もっと人気のある、例えば北川景子などは
パブリック・イメージ的に事務所NGになる確率が高い)
お祝いの花が多すぎて、下手な花屋さんより
よっぽど充実した品ぞろえでびっくりしました。
こういうのを見るとやっぱり売れないとダメだなぁと感じます。

とりあえず感じたのは、こんなにでかかったのかということです。
ヒールを履いていたせいもあるでしょうが
共演のリリー・フランキーとほとんど変わらず
イメージ的には高さだけなら和田アキ子位あるんじゃないか
というほどです。
「ひろみ結城」という売れなくなった女流作家の役ですが
初舞台で演じるには難しい役柄だったのではないかと思います。
演技の上手い下手というよりも
人間性的に彼女自身にあまり狂気じみたものを感じないし
あんまり悪女にみえないのはマイナスかもしれません。

劇中で、弱気になるシーンやまともな神経をしているのを
匂わせる箇所があったけど
個人的にはそういうのはあえて見せないで
とことん悪で通してもらった方が面白かったかなぁ。
両親が離婚して、学校中退してみたいな
過去が後半で明かされたけど
それも余計だったように感じました。

そのひろみ結城の悪友役のリリー・フランキーは
意外に合っているなぁって感じました。
オカマの人ってなにかと人生を説きたがりますよね、
そこらへんが上手く描写されていたと思います。
ひろみ結城のファン役で常連の吉本菜穂子さんも出演していましたが
今回は笑いをとるシーンも少なくあまり目立たなくて
もったいない感じがしました。
それよりも前回から引き続きの出演となった
安藤玉恵さんの方がオイシイ役回りで
役柄的に彼女が一番マトモな人間だったように思います。

あらすじは携帯小説で有名になったが
現在は売れなくなったひとみ結城が
ファンとのトークショーを開催するが
そこで告白本出版と称してお互い本音で思っていることを
ぶちまけあうといった感じで
はじめは普通のファンだった人たちが次第に暴走しはじめて
崇拝する人と敵対する立場になっていくという
なさそうだけど実はありそうな話です。

ライブや舞台などを観に行くことが多くて
このファンと演者の関係についてはたまに考えます。
個人的にはたまに握手できる位の
かといって近づきすぎない関係がベストかなぁと思っています。
中には、これだけその人のことが好きなんだから
そこらへんのファンより自分が上、みたいな勘違いしている人がいて
広い目で見れば、ただの一ファンに過ぎないんだよ、って。

演者さんからすると、自分が好むようなファンだけ欲しいというのが
正直なところで、立場上、それは不可能なんだけど
迷惑なファンも当然いるはずです。
ひろみ結城は売れなくなったことで
ファンからも作品がつまらないといわれたり、同情されたり
憎悪な気持ちを抱えています。
特に日本人は本音をぶつけあうことが少ないから
こういうことが実際あっても面白そうだけど
本音を言い過ぎると人間関係は崩壊するというのは
真実だと思います。

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