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これが私の生きる道

こむずかしいことやきれいごとは
書いてありません。
読みやすさを心がけて書いています。
読んでみてください!!

舞台「ピグマリオン」

2013年11月25日 16時18分38秒 | 演劇
昨日、「ピグマリオン」というお芝居を観に行きました。
宿直明けでしたが、残業させられて
時間がなかったおかげで、昼食はコンビニでおにぎり1個食べるだけの
余裕の無さでした。
新国立劇場は小劇場や隣のオペラシティは観たことがありましたが
中劇場ははじめてです。

入場口をくぐったロビーには様々な出店があって
そこで売っているものは一々おしゃれなもので
開放感に溢れていて他の劇場のロビーとは一風変わったものでした。
今回は3150円のサービス席で2階席の2列目でしたが
ステージ全体を見渡すには何の支障もなく
中々いい席でした。
自分の前の1列目は5250円で、後ろの3列目は当日券のみで1500円、
値段の差はほとんどないと言ってもいいでしょう。
しかも3時間弱の上映時間ですから
時間当たりのコストパフォーマンスも相当いいです。
舞台セットも豪華でお金が掛かっているようです。


あらすじ

ロンドンの下町に住む花売り娘のイライザは、
ひょんなことから言語学者のヒギンズ教授と出会う。
音声学の権威で、発音を聞けばどこの出身かすぐにわかってしまう
天才的な才能をもつヒギンズは、イライザのひどいなまりや粗暴な態度にあきれる一方、
このままでは一生底辺の生活から這い上がれないが、
私にかかれば上流階級の婦人のように仕立ててみせると言い残す。

その翌日、イライザはヒギンズのもとを訪れ話し方を教えてくれと頼む。
面白い実験材料が来たと思ったヒギンズと友人のピカリング大佐は、
イライザを舞踏会デビューさせ、
スラム街出身をうまくごまかせるかどうかの賭けをし、
イライザを家に住まわせ面倒をみるのだが・・・・・・。


オードリー・ヘップバーン主演で有名な「マイ・フェア・レディ」の原作らしいのですが
その映画自体観たことないので、詳しいことは分かりません。
大まかに言うと、堅物の人物が世間知らずのヒロインと
出会うことで振り回されながら、惹かれていく、
みたいな感じでしょうか。
ドラマならばラストはその二人が結ばれてハッピーエンドなんですが
今回はそうはなりません。

多分イライザとヒギンズはお互い惹かれあっているようですが
恋愛感情があるような演出はあまりしていないので
結局そうだったのかはっきり分かりませんでした。
ラストがうやむやだった為、「あれ、これで終わりなの?」
という雰囲気が会場中に溢れて見えました。
色々な考え方があるでしょうが、
多くのお客さんに分かりやすいエンディングに脚色してもいいのかなぁ、
感じました。

イライザのお父さん(アルフレッド)は、
ホームレスに近い人にお金を恵んでもらうような人だったが
ヒギンズとの出会いで金持ちになってしまい
普通なら幸せになった、と思いがちですが、
貧乏だった頃の方が良かった、というセリフがあって
アルフレッドは貧乏だけど自由な生活の方が体質に合っていたんです。
自分にどんな生き方が向いているか
それを見極めるのが肝要なんですね。

イライザ役は石原さとみで、
彼女のキャラクターに合っている役でした。
10年前だったら深津絵里が演じそうな役なので
その路線に乗るのもいいのかもしれませんが
色気が逆に邪魔しそうな気がします。
辛口の人からしたら文句言う人もいるでしょうが
セリフも噛まないし安心して見ていられて
相当上手かったと思います。

役者やってたら舞台に出ないといけないと思うんですよね、
今だと松嶋菜々子、綾瀬はるか、キムタク、中居君あたりでしょうか
竹内結子や山口智子なんかは舞台向きだと思うんですけどね、
でも最近はドラマで主役を張るような人でも
だいぶ出る人が増えたので嬉しいんですけど。

ライクドロシー

2013年11月13日 11時30分22秒 | 演劇
昨日、夜公演を観に行ってきました。
18時30分頃に小田急線に乗りましたが
すごい混んでいて、疲れました。
劇場内のロビーに有名芸能人から多数のお花が届いていて
携帯で写している人もいました。
○○さんは送ってきていないとか
出演者の人は気にしたりするもんなんでしょうか。
(どうせ本人ではなく事務所の人が送っているんでしょうけど)

座席位置は8列目の横はど真ん中だったので
舞台全体を見渡すには最高な場所でした。
一人一人の表情をくっきり確認するには距離があったので
カメラのレンズみたいに、もっと拡大してみたいなぁって頭で想像したら
自動でズームするようなメガネがあったら
いいのになぁって、舞台を観に行った時はよく思います。

今回観に行ったのは正直、長澤まさみが出るからです。
そこまで大ファンというわけでもないのですが
本多劇場というそれほど大きくない劇場に出るというだけで
自分的には相当価値があると思うのですが
舞台を観に行かない人にとっては
それの為に7000円も払うのか、って感じるでしょうね。
ここらへんは価値観の違いとしか言いようがありませんが
逆に外食で何千円も払う人のことが信じられないし
まぁ人それぞれですね。

オズの魔法使いをベースにしているみたいですが
そのお話をよく知らないのでどこまで引用しているのかも
分かりませんでしたが
そんなに難しい内容ではなくて
単純に楽しめました。
全く無名の、演技が上手い俳優さんが演じても
ここまで笑いが起きなかったと思うし
そういった意味では、テレビなどでこの人はこういうタレント性を持っている、と
いう知識があった上で、成り立っているお芝居ではあります。

特段演技が下手とは感じませんが
やはりテレビでそれなりに活躍している人たちには
なにかしらの存在感はあります。
それはある種、天性のもので努力したからって
必ずしも手に入るものとは思えません。
いわゆる有名人が出る舞台はそういうものを
生で楽しむ機会と思って、いつも行っています。
(ただのミーハーなんですが)

前回の舞台、「クレージー・ハニー」よりも今回の方が
彼女のキャラクターに合っていたような気がします。
現在放送中の「都市伝説の女」もそうですが
根は善人で悪気はないけれど、周りを振り回す役柄に向いているようです。
巷の好感度はあまり高くないようですが
結構いいタレント性を持っていると思うんですけどね、
何か本当のファンみたいになっていますけど。

一番びっくりしたのがドランクドラゴンの塚地の演技が
上手かったところです。
ドラマや映画に出演しているものを何作か観ていますが
使われる訳が分かりました。
声量があってセリフも聞きとりやすいし存在感もあるし
芸人でお芝居する人がたくさんいますが
その中でも一番じゃないですかね。

他の出演者では高橋一生は、くせがある芝居をするんで
あまり好きじゃないんですけど
今回はシリアスな役ではなくて
そのくせが普段より薄まっていて
あまり気になりませんでした。
あと片桐仁さんですか、舞台で見るのははじめてでしたが
キャラクターが確立されていますよね、
それにしてもラーメンズって立ち位置が
お笑い界では一番美味しいポジションだと思うのは自分だけでしょうか。

ほぼ2時間ちょうどの上映時間でしたが
中だるみすることもなく、話が展開していくので
見て損はない舞台だと思います。
撮影が入るので後日映像化されるかもしれませんが
ぜひ生で見てもらいたいです。

キャラメルボックス「雨と夢のあとに」

2013年07月31日 23時34分45秒 | 演劇
あらすじ

桜井雨は中学2年の女の子。幼い頃に母を亡くし、
今はベーシストの父、朝晴と二人で暮らしている。
朝晴は蝶の採取が趣味で、幻の蝶と呼ばれている
コウトウキシタアゲハを捕まえるために、台湾に行く。
森の中でついに幻の蝶を発見!ところが、捕まえたと思った瞬間に、穴に落ちてしまう。
数日後、朝晴は無事に帰国。心配していた雨は、涙を流して喜んだ。
が、朝晴の姿は雨にしか見えなかった。
朝晴は自分の体を穴の底に置いてきた。魂だけが戻ってきたのだ。
もう一度、雨に会いたくて・・・・・・。


あらすじを読むだけで、最後は娘と別れて天国に戻っていくんだろうなぁ、
と大方の予想はついてしまうわけで
期待していたわけではなく
チケットを買ったのも3日前でした。
しかし、これがいい意味で裏切られることになりました。
どんでん返しな真実がかなり用意されていて
飽きさせません。
原作は未読でしたが、話自体は分かりやすくて
むしろ知らない方が楽しめるような気がしました。

雨役の吉田里琴ちゃんはいいですね、
セリフはもうちょっとテンポを落としてもいいような気がしましたが
あまり演技が達者すぎても中学2年という年齢設定からして逆におかしいし
なにより雰囲気が役にぴったり合っています。
これは努力とかで何とかなるものでもなく
そういった意味では才能に近いものですけど。
「あまちゃん」にも出ていたみたいですね、
全く気付かなかったんですけど。

この頃、この年頃の子を見ると
自分の娘だったらいいだろうなぁということを思うようになりました。
それと嫁ぐ前に死んだ方が幸せじゃないかということですね、
初恋の人とは逢わない方がいいっていうじゃないですか、
あれと一緒でいい思い出だけを胸にしまった方がいいというか。

あれっと思うところも結構あって
そもそも朝晴は天国に行く必要がないのになぁっていうことで
基本的に他人には見えないんだから死んでいることにしても支障がないし
保険金も入るだろうから当座のお金の心配もないし
そのままの生活を続けていても
朝晴が本当は死んでいることを雨が理解していれば済む問題だと思うんですけどね。

それよりももっとショックを受ける事実があるんですが
雨がそれを案外、簡単に受け入れていたのが
話の進行上、仕方ないのかもしれませんが
どうなんだろうと、思いました。

朝晴と雨の別れのシーンがクライマックスですが
分かっていながらも泣いてしまいました。
確実に涙腺が緩んでいるのが分かります。
欲をいえばもうちょっと泣かせるようなベタな演出でも
いいかなぁと思いましたが
まぁあんまりしつこいのも何でしょうか。

はじめて観た舞台がキャラメルボックスの舞台で
その後、もっとアングラなものや刺激的なお芝居に流れて
またここ数作、連続で見ていますが
原点回帰かしれませんが、またここに戻ってきたのかなぁという感じです。
極悪人は出てこないし
綺麗事っぽいところもあってそこが嫌な時期もありましたが
フィクションなんだから別にいいか、って
現実が嫌なことばかりだから
お芝居ではそういうの目の当たりにしたくないっていう心理が働いているのかもしれません。
それはともかく、これはかなりおススメできる舞台です。

キャラメルボックス「ナミヤ雑貨店の奇蹟」

2013年05月16日 21時10分22秒 | 演劇
今日はキャラメルボックスの舞台を観に行きました。
東野圭吾原作ということと
2階の最後列が1000円という破格値というのに惹かれて
行ってみました。
劇場は毎度おなじみサンシャイン劇場で
今は東京公演は全てこの劇場なんですね。
というかこの劇団がなくなったら、
サンシャイン劇場も困っちゃうだろうなぁ。

平日の昼間なので空席はかなりありましたが
この最後列だけは値段のせいで
ほぼ満員状態でした。
2階の他の席は1列目と2列目以外は誰も座っていなくて
正直、前の列に座りたい位でしたが
それを警戒して係員の人が開演間際(もしかしたら開演してからも)まで
見張っているので、それもできません。

他の席と比べると前の席との距離が短くて
足を組むこともできません。
自分の両サイドの片方が男性で
この人が体臭と鼻息が荒くて
これまた最悪でした。
これで定価だったらハズレもいいところでしたが
1000円だから仕方ありません。


あらすじ
盗んだ車が動かなくなり、廃屋になった店舗兼用の民家で
朝になるまで過ごすことにした敦也、翔太、幸平。
敦也が店内を見回しているとシャッターの郵便口から
手紙が投函された。手紙は"ナミヤ雑貨店"宛てで
内容は悩み相談だった。
かつてナミヤ雑貨店の店主だった浪矢雄治は
シャッターの郵便口から投げ込まれた
相談の手紙を読み、翌日には店の裏にある
牛乳箱に回答を入れていたらしい。
こんな廃屋で今でもそれが続いているのか疑問だったが、
封筒を開けてしまった手前3人は回答を牛乳箱に入れるが…。


原作は既に読み終わっていたので
設定その他で迷うことはありませんでした。
各エピソードの登場人物が微妙に関係していて
最後にそれが上手くまとまることになります。
自分がこの物語で一番好きな箇所は
波矢雄治と皆月暁子の関係です。
彼らは若い頃に恋に落ち、駆け落ちを約束しますが
周囲の反対に遭い、引き離されてしまいます。

その後、雄治は「ナミヤ雑貨店」を
暁子は両親の遺産を相続し
児童養護施設「九光園」を設立し
未婚のまま、生涯を閉じます。
この愛する人のことを思って
他の人に恋することなく、一生を終える、っていうのがとても好きです。

「タイタニック」は結構好きな映画ですが
あんなにジャックのことを愛したのに
転覆事故から助かった後、
子供をたくさん産んだローズがどうにも許せませんでした。
本当は雄治も一生独身の方が良かったけど
そうするとストーリー展開が難しくなるので
仕方ないのかと。

とにかく雄治と暁子の二人のストーリーが
自分的には山場だったので、
ラストはもっとそこを大げさにでも感動的に見せてほしかったです。

キャストは若い人が随分と増えましたね、
名前と顔がすぐに一致するのは
西川さんと岡田さんと前田さんだけでした。
若いから仕方ないのかもしれませんが
個人の個性があまり感じられず
誰が誰だか一瞬混乱してしまいました。
前回のキャロリングで注目していた
暁子役の原田さんは
その中でも存在感を感じました。

次回のサマーツアーも1000円席があるみたいなので
またお邪魔しようかと思っています。

獣の柱 まとめ*図書館的人生㊦

2013年05月12日 20時39分02秒 | 演劇
今日はイキウメという劇団の舞台を観に行きました。
舞台といえば、天海さんが病気で降板して
宮沢りえが代役に立ったのが話題になっていますけど
いやはや感心しますね。
普段、お芝居を観ていてもどうやってこんなに大量のセリフを憶えているのか
不思議になる位ですが
準備期間、わずか数日でよく頭に入るものですね。

その舞台をお客さんとして観ていたようですが
それにしたって話の流れを知っている程度で
どんなセリフかなんて「ガラスの仮面」じゃあるまいし
絶対無理な話で、しかも自分だけのセリフだけじゃなくて
相手のセリフもある程度、覚えていないと
成立しないわけで、ものすごい集中力だなぁと。

10代の頃は、超絶美少女で、正直演技なんてできないタイプかと
当時は思っていましたが現在の立ち位置にびっくりです。
この美談の逆で、寝坊して公演を中止させてしまった俳優もいましたが
事務所も辞めさせられちゃったみたいですね。
表向きは契約満了とか言ってますけど
どうみても今回の一件の責任をとらされましたよね。
これが事務所を辞める為の計算だったらすごいんだけど。

あと本谷さんが結婚したそうで祝いたい気持ちはあるんですが
私生活が充実すると創作活動が停滞するタイプの
人のように思えて、実は複雑な気分です。

話は戻って、会場は三軒茶屋のシアタートラムで
渋谷から田園都市線に乗っていくんですが
東急東横線の直通運転で改札が変わったせいか
今までより歩く距離が長くなってしまい、いい迷惑です。

発売日初日に予約したので1番前の列のセンターエリアという
いい席だったんですけど、隣にデ・・・もとい恰幅のいい男性が座り
それだけなら良かったんですけど、
この人の体臭のきつさと言ったら
2、3日風呂に入っていない位のひどさでした。
おかげでミニタオルを鼻に当てながらの観劇で
これでつまらなかったら目も当てられないなぁと心配していましたが
7点差を引っくり返した中畑ベイスターズ並みの大逆転でした。


あらすじ
2008年。アマチュア天文家の二階堂は小さな隕石を拾う。
その隕石は見る者を夢中にさせ、思考を奪い、恐ろしいほどの幸福感をもたらした。
それから一年後、あらゆる都市に巨大な柱が降り注いだ。
それは人々にあきれるほどの祝福を与え、静寂のうちに支配した。
2096年。高知県。山間の町、風輪町。柱によって世界は大きく変わった。


おそらく今年NO.1の内容で
ここ数年で観た中でも1、2位を争うほどの面白さでした。
人に幸福感を与え、思考停止させる「柱」は
言わば見る麻薬なようなもので
これを目にしてしまうと他の人から起こされない限り
死ぬまでその状態のままでいてしまう。
ここで考えさせられるのは、
過酷な現実と幸福な夢の中で生きるのとどちらが幸せかということです。

「マトリックス」でも、コンピューターによって作られた仮想現実の世界と
荒廃した現実の世界のどちらがいいか
人によって分かれるかと思うんですが
今の世の中、夢の中や仮想現実を選ぶ人が多いでしょうね。
そもそも死ぬまで自分の意識から一生逃れられないのだから
現実だろうが偽りだろうが、
自分が幸せを感じられればどちらでも構わない気もします。
劇中でも重い病気を患っている人が
自ら柱を見ることを選ぶシーンがありますが
気持ちは理解できます。

この柱というのが人口が多い都市に落ちる性質があるようで
そのことに気付いた山田が風輪町で
農業を中心に自給自足できる基盤を整えていきます。
そうすると遊牧民のように他の土地から人々が流入していきます。
しかし受け入れられる人数は決まっており
他の土地へ行くよう拒絶するようになります。

これはアメリカの人気ドラマ「ウォーキング・デッド」でも
見られるシーンで、こちらのドラマでは
主役のグループが生き残る為、その侵入してきた人間たちと闘い続けるわけですが
このお話では、風輪町を他の人間に託して
また次の土地を開拓し、そこが自立できれば
また次の土地へ移る、という生き方を選択します。

侵入してきたリーダーの池田成志さんがイライラさせる役柄で
最初は絶対に追い出すんだろうな、と思っていただけに
この選択には意表を突かれましたが
冷静に考えればこの方法はベストと思われます。
何かに囚われたり、しがみついたりするっていうのは
何事においても不幸の元なんでしょうね。
先祖代々の土地だとか言って、それにこだわる人が多いけど
そもそもその土地は本来、人間のものでも何でもないんですよね。

進化の結果か
柱を見ても何も感じない人間が現れはじめて
彼らは「見える者」として特別な能力を持った人間となります。
その中のある者は周りの人から気味悪がられて
追われるようにこの町に逃げてきたものがいたり
親からも拒絶されるものもあります。
この見える者を使って、現在の状況を打破しようとする人もいますが
これはアメコミの「X-MEN」とよく似ています。

特殊能力を持った者(ミュータント)が
一般社会から恐れられて迫害される、
能力の優劣よりもマジョリティかマイノリティかが重要という図式は
共通のものがあります。
自分なんかからしたら特殊能力を持っていたら
すごくいいだろうなぁと思うんだけど
現実に手にしてしまうと苦労の方が増えるかもしれません。

客演は池田さんだけで、他はイキウメの劇団員の方々で
プロジェクションマッピングを使った演出も効果的で
しかも5000円以下という値段設定で
相当おススメできる舞台です。

色々考えさせられる内容ながら
説教臭くなることもなく、笑わせる場面も多くて
とても充実した2時間でした。
5年ほど前に「散歩する侵略者」というお芝居を観に行ったことがあり
それがあまり面白くなかったので
この劇団の舞台を避けてきたんですけど
もったいないことをしました。
次回以降はもちろん観に行くつもりです。

葛城事件

2013年04月20日 15時27分50秒 | 演劇
昨日は「葛城事件」というお芝居を観に行きました。
一昨日行った「二都物語」とは180℃趣きが違う作風です。
劇場は「スズナリ」で、過去何度か行っている場所なので
時間をあまり気にしないで向ったら
下北沢駅の地下化工事とかで
今までとは丸っきり違っていて
何だかいつもと違う改札口へ出てしまったようで
すっかり迷子になってしまいました。

駆けずり回ったあげく、何とか見覚えのある場所を見つけ
10分前に会場に到着しました。
中に入るともうほぼ満員で
隙間をかき分け席に着くと
持って帰るフライヤーと置いて帰るフライヤーの
仕分けもできないまま、開演を迎えました。

女性客が7割~8割を占め
何でか分からなかったんですけど
新井浩文目当てのようでした、
終演後も出待ちみたいに人がたくさん残っていたし。
有名人も何人かいて、
荒川良々とめちゃイケに出ていたヨモギタ君は
自分でも分かりました。

プレビュー公演扱いということもあり3300円と
それでけでもお得感あふれる価格なんですが
鈴木砂羽、新井浩文とテレビでもおなじみの両名が
出演するとあって、通路を埋めるほど満員なのは当たり前で
この倍の値段でもこの収容人数なら余裕で埋められたと思います。
演出の赤堀さんが挨拶文に、客演に対する複雑な胸中を書かれていましたが
この値段設定はそれに対する意地のようなものを感じました。
(有名人が出演するとすぐに値段に跳ね返る!)

砂羽さんは生で見ると、テレビで見るよりも断然綺麗で
ちょっとびっくりしました。
20代の頃よりも30代の方が魅力的になった
稀有な女優さんの一人で
これから増々、良くなっていくんじゃないですかね、
でもバラエティにも適応できるから
そっち方面の露出が増えていくのでしょうか。

新井浩文は数年前は映画とかWOWOWのドラマとかのイメージが強かったけど
よく見かけるようになりましたね。
最近といえば二階堂ふみとの交際も報道されていました、
その二階堂ふみが出演する「不道徳教室」も観に行きたいのですが
こちらはチケット代が高いので様子見です。
彼の役どころは幼稚園児を8人殺した容疑者、葛城稔役です。
言うまでもなく池田小学校の事件をベースにしていて
彼が死刑されるまでの物語です。

もちろん殺人を犯すのは単純に悪いことだし
何の言い訳にもなりませんけど
彼の言う、このまま何もない人生を送る位なら
このような人目を引く事件を起こして
ある種の注目をあびる生き方をしたい、
という主張はあながち分からないでもありません。
特に現代のような閉塞的な状況では
そう思う人がいてもおかしくありません。

こういう事件が起きると、心の闇だとか本当の理由だとか
色々調べるけど
お腹が減ったから食べる、
眠いから眠る、位の感覚で
むかつくから殺す、程度の単純な動機でしかないと思うんですけどね。
矯正なんかは絶対無理ですから
残念ですが死んでもらうしかないですよね、現実的には。
ベストは他人を殺す前に自決してもらいたいです。

この稔と獄中結婚する星野順子役は安藤聖さんです。
個人的には安藤さんが出ているだけでも
かなり嬉しいのですが
この順子というのが一番理解できない人でした。
実際に彼女のように死刑囚と獄中結婚する人っていますけど
稔に被害者遺族に対して贖罪させようとさせます。
そもそも贖罪させることに意味があるとも思えません。

不慮の事故などで殺めてしまって謝るのは分かりますが
意思をもって殺した相手に謝られても
怒りが増すだけでとても許せる気分になんかなれません。
それならば憎みきった方がいいような気がします。
順子は死刑廃止論者でもあって
その理由もよく理解できませんでした、
まぁ自分が死刑賛成派だからそれは仕方ありませんけど。

稔の父親、清は家族というものに対する思いが人一倍強く
それが崩壊するということは
本質的な己の人生の崩壊でもあります。
自分が親になってこんな子供が生まれてきたらと想像すると
とてもじゃないけど欲しい気にはなりません。
子供がしたことで自分には関係ないと
良心の呵責がないような性格なら逆に楽なんでしょうけど
稔の母親、伸子のように完全にボケちゃう方がむしろ楽です。

とにかく色々考えさせられる内容で
かといってシリアス一辺倒というわけではなく
むしろ笑わせる箇所が多いので
その値段の安さも加味しておススメな作品です。
しかし下ネタが多いので注意してください。

二都物語

2013年04月19日 17時07分00秒 | 演劇
昨日、舞台「二都物語」を観に行きました。
会場は東急シアターオーブです。
渋谷駅から直通でヒカリエに繋がっていて
そこの11階にありました。
ヒカリエ事体、はじめて訪れましたが
おしゃれさんが好きそうな感じです。

場内は真新しくて、椅子も程よい大きさで席間もあり
すわり心地も良かったです。
16列目とあまり前の方ではありませんでしたが
ステージ全体を捉えるにはいい場所でした。
欲を言えばもっと前の方が良かったのですが。
何より感心したのは音響の良さで
他の会場と比べて、排気量の違いみたいなものを感じました。
こういう大掛かりな作品を生かすには欠かせない要素です。

お客さんはアラサー、アラフォーらしき女性が多く
ジャニーズの力はさすがに大きいものです。
価格設定からしてS席10500円ですから
それ相応の経済力がないと中々難しいですしね。
ジャニーズ関係の舞台でいいところは
カーテンコールでスタンディングオベーションするところで
これは出演者の人も気持ちがいいだろうし
こちらもいい気分になれます。

原作はフランス革命を背景にしていますが
こちらは邪馬台国時代を背景にしています。
話的にはよくありそうな話でしたが
それは後からつくられた作品が
この原作を参考にしているからなのでしょう。
革命を起こした方が
それまで独裁していた側のような行動(武力での制圧や処刑など)
をとってしまう連鎖状態、
人種問題や血縁関係の複雑さなど
現代社会でも未だ解決できていない事象がテーマになっています。

そういうお堅い原作物にも関わらず
内容は分かりやすく、面白くなっていました。
ただ一つ、主人公のスクネが処刑されるシーンで
結構簡単に処刑されてしまって
あそこはもっと溜めをつくって
わざとらしい位にクライマックス感を出しても
良かったんじゃないかと思います。

主役はSMAPの草薙君で
これが予想以上に上手く感じました。
これまで何度も舞台を経験していたのは知っていましたが
ここまでしっかりとした演技ができるとは
思っていませんでした。

感情をむきだしにして大声で早口になる場面では
聞き取りにくいところが何回かありましたけど
セリフを噛むこともなく、安心してみていられました。
舞台上でも当たり前ですが存在感もあり
さすが長年、トップアイドルとして君臨しているだけはあります。

脇を固めるメンバーも豪華で
大杉蓮、高橋恵子、小澤征悦、橋下じゅん、皆川猿時、市川しんぺーと
舞台慣れしている人たちばかりで
こちらも安心感がありました。
それぞれに見せ場がちゃんとあり
みんな機能していました。
他の出演者も結構出番が多くて
全体で作られている感じがしました。
その中でも須藤理彩はいい味出していました。
いつからかこの人、犯人役とか憎まれ役とか
悪役ばかり演じるようになりましたね。

そして何と言ってもヒロイン役の堀北真希は素晴らしかったですね。
今、連ドラで主役をはれて、舞台もできる若手の女優さんってあまりいない中、
彼女はとても貴重な存在です。
演技は下手うまな感じがしますが
彼女の最大の長所はぶれなさ加減だと思います。
くれぐれもスキャンダル騒動などに巻き込まれないように
してもらいたいものです。

帰りにも彼女がCM出演している
森永アロエヨーグルトのプレゼントがあり
ちゃんと保冷剤も入っていて
会場を後にしました。

マウストラップ

2013年03月17日 23時09分07秒 | 演劇
オンラインチケットのeプラスで
「得チケ」というお得な情報をメールで送ってくれて
一昨日それを眺めていると
「マウストラップ」という舞台が
8900円→3000円になっていて
試しに席を照会してみたら11列目の席が残っていて
勢いに任せて購入ボタンをクリックしていました。

アガサ・クリスティー原作で
何でも映画・テレビなどの映像化が許されていない作品らしく
舞台でしか見られないお話だそうです。
ミステリーは全般的に好きなので
まぁ大丈夫だろうと思っていました。

会場はブルーシアターという六本木にある劇場で
元はブルーマンシアターだったところです。
仕事の関係で前を通ることはあったのですが
中に入るのははじめてです。
HPで見る限り、豪華そうなイメージでしたが
中に入るとそれは真逆でした。

仮設で建てたもののように
トイレも台数が少なくしょぼく感じました。
会場内は椅子自体はしっかりしたものですが
前の席との間隔がせまく
ろくに足を組むことにも難儀します。
それと傾斜が緩くて
前の人の頭がちょうど目線の位置に来てしまい
ステージが見えにくいったらありゃしません。
これは完全に設計のミスだと思います。

開演前のアナウンスをキャストの夏樹陽子さんが行っていて
いつもそれを行う劇場のスタッフの人とは
一線を画すものでした。
とにかく聞き取りやすくて録音だったのでしょうが
声質が全然違います。

舞台は途中休憩を含めて3時間弱という長さで
前半は登場人物の紹介な部分が多くて
結構退屈しました。
正直、これは失敗したかなぁと後悔しかけましたが
休憩を挟んだ後半は
物語も動き、ミステリーならではの容疑者との駆け引きもあって
面白くなりました。

結末は話さないでください、と言われたのでしませんが
まぁ真犯人はあそこにいた半分以上の人が想像していたような人でした。
また2時間ドラマのようにラスト数分で
新事実がどんどん出てきて
どうなんでしょうね。
その割には結末は案外あっさりしていて
もうちょっとどんでん返しがあった方が良かったです。
そういえば三田佳子らしき人が観に来ていました。

キャラメルボックス「キャロリング」

2012年12月05日 20時03分58秒 | 演劇
今日はキャラメルボックスの「キャロリング」を観に行きました。
キャラメルボックスは1998年の冬公演の「My Belle」に
ローソンチケットの特集で行き当たりばったりに行ったら面白くて
それから数年は毎公演観に行っていました。
その内に他のお芝居を見に行くようになり
足が遠のいてしまい、3年前の「容疑者Xの献身」を除くと
(あれはキャラメルボックス的には特殊な公演でしたので)
ほぼ10年ぶりの観劇となりました。

小説家の有川浩がこの舞台の為に書き下ろしたとのことで
この人の作品は「阪急電車」しか読んだことがないんですけど
何かの雑誌に、夫婦揃って作品に注文をつけてくる、
という記事を読んでなんか好きになれないでいましたが
パンフレットとか読む限り、そんなに嫌な人のようには
感じれなかったので、今度は他の作品も読んでみようかと思っています。

まずは腹ごしらえで餃子の王将に寄り
チャーハン大盛りと餃子を食べました。
最近半月に1度位、無性に食べたくなり
胃腸の調子がいいときに決まって頼むメニューです。
チケットはハーフプライスという当日半額のチケットを
ぴあで買って、1階の後ろの方でした。
そのぴあが入っているパルコは
平日のバーゲン前で軒並み暇そうでした。

そこから劇場のサンシャインに向いましたが
サンシャイン通りにROUND1が出来ていてびっくりしました。
池袋の遊戯施設は西口のロサ会館が定番で
そのイメージが高校時代から染みついているので
とても違和感があります。
サンシャインではおなじみの噴水広場では
天井から落ちてくる水がハート型になったり☆になったり
結構綺麗で最後まで見てしまいました。

クリスマスの東京を舞台に、倒産することになった会社の社員たちが、
一人の少年のために奮闘するというストーリーで
この会社の社員の大和と柊子の二人が主役です。
この二人、婚約寸前までいきますが
あることをきっかけに別れてしまい
それでも同じ職場で働きつづけて仲が悪いわけでもなく
現実はそうはいかないよなぁと
まず一つ目のつっこみどころでした。

柊子役は前田綾さんで、自分の感覚だと
どちらかという3枚目的な笑いを取る方の役だったので
純粋なヒロイン役というのはもったいないような気がしました。
今はこちらの配役の方が多いのでしょうか。
逆にそのお笑い担当は岡内さんが演じていて
やっぱり逆でも良かったのかなぁと思ったり思わなかったり。

大和というのが幼い頃、父親がDVで両親に対していいイメージを持っていなくて
それが基で子供も嫌いなのですが
務めている会社が子供服を作る会社で
ここもだったらこの職種を選ばないだろうと
2つ目のつっこみどころです。
(一応、社長が親代わりで入社させたみたいな理由があります)

この会社で託児所(?)みたいな仕事をしていて
預かっていた航平の両親が離婚寸前で
航平が父親に会いに行くのを手伝う(母親が二人が会うのを反対している)
ことから様々なハプニングに巻き込まれていきます。
航平の母親はキャリアウーマンで旦那がそれに引け目を感じることが
不仲の原因でしたが
自分だったら奥さんが生活するのに十分なほど働いてくれたら
言うことないのにって絶対に上手くやっていく自信があります。
結局、こういうことでダメになる旦那は
仕事というものに対して期待というかこだわりみたいなものを持っているんでしょうね、
生きていく為のお金を稼ぐだけの手段だと割り切れていれば
奥さんのわがままも仕事と一緒で我慢できるものです。

航平と母親のシーンで苗字が変わることを告げるセリフがあって
彼は嫌がりますが、自分もこれは嫌です。
とはいっても苗字が変わること自体よりも
母親の苗字がダサくてカッコ悪いという理由です。
氷室とか伊集院とかなら変わっても全然かまいません。
あと結婚する前に子供が生まれることを「おめでた婚」って言ってましたけど
キャラメルボックスっぽいなぁと思いました。
「できちゃった婚」って響きがちょっと卑猥ちゃ卑猥ですもんね、
でも「ソープ」っていうセリフはこの劇団にしてはちょっと過激に感じましたね。

キャラメルボックスって確固たる固定ファン、しかも女性が多くて
宝塚的なところがあると思うんですね、
本当のキスシーンもないみたいな。
そこがいいところでもあり
でも他に刺激的なお芝居を観てしまうと
そこが甘すぎに感じてしまう部分が正直あります。
今回も最終的に悪人は出てこないし
人間の業みたいなものをもっと出せそうなお話だけど
綺麗にまとめて食い足りない部分もありました。

まぁでももっと汚い話が観たければ
他の劇団の芝居を観に行けばいいわけで
会場にいた大部分の人たちはこれを求めて来ているわけですからね、
随所随所の泣かせる場面で
鼻をぐしゅぐしゅさせている人が多数いることからも
それが分かります。

他のキャストではレイ役の原田さんがチョイ役の割には
存在感があってこれから期待できそうでした。
でも西川さんや坂口さんとかが出てないのは寂しいですね。
古参メンバーが勢揃いする公演があったら
また観に行こうかと思います。

夢の城

2012年11月17日 22時55分31秒 | 演劇
ポツドールという劇団の「夢の城」という舞台を観に行きました。
題名だけをきくとディズニーランドのシンデレラ城を
連想してもおかしくありませんが
それとは180度違ったお話です。
お話といってもセリフのない無言劇です。

会場は池袋の東京芸術劇場 シアターウエストで
リニューアルしてからは最近よく行きます。
整理番号順の入場で
50番位だったので真ん中の方は結構埋まっていたので
無理せずに端っこの方にしました。
とにかく衝撃的なステージで
もしAKBのメンバーがこの舞台を見ていた、と分かっただけで
ヤフーニュースに載りそうなそんなレベルです。

ワンルームマンション(おそらく12畳程度)を
窓ガラスから覗いているようなステージで
万年床にゴミも散らかり放題、
壁にはグラビアだのなぜか江頭2:50のポスターなどが貼っており
ゴミだめのような部屋です。
そこに男子5名、女子3名が生活している1日を
ただ眺めるだけです。

セリフがないので物語らしい物語は一切ありません。
この男女が織りなす暴力・SEX・排泄・食事・睡眠の様子を鑑賞しますが
これがまた大変なことになっています。
まずみんな井出らっきょ、かと突っ込みたくなるほど
裸になりたがります、
それも男に限らず女子もです。

SEXシーンも疑似ですが(そりゃ当たり前)
挿入していないだけでパッと見はしているようにしか見えません。
もちろん前バリもしてなくて
ヘアも性器も丸見えです。
よく分からないのですが
ストリップでもないのに公共の場でこんなに見せてもいいのか戸惑いました。
自分が出演者の親だったら
直視していられそうもありません。
あとここまでお互い見せ合って
楽屋ではどんな感じなのか気になりました。

さすがにこれを見ても全然興奮はしないのですが
なにしろどんな顔してこれを見ればいいのか
個人的には笑いたかったのですが
中盤になるまで笑い声もなかったのでそれもできず
かといって真面目な顔して見るものでもないし
変な意味で自分を試されている気がしました。

そんなわけではじめの内はこんな奴らみたいには絶対なりたくないなぁ
って嫌悪感がものすごくあって
何を表現したいのか理解できませんでしたが
後半に差し掛かるに従って徐々に印象が変わってきました。
あくまで個人的な見解ですが
結局、人間なんてここで描かれている人たちと
五十歩百歩だろうということです。

ひどい生活ぶりだなぁと笑っていましたが
翻って自分の生活をあのように映し出されたら
まぁそんなに変わったものでもないだろうなぁと、
いくら綺麗に着飾ったところで
食って寝てテレビ見てゲームして
その繰り返しをしているだけの時も多く
それを幸せに感じている自分も存在しているのに気づかされます。

最後に客電が点灯すると
それまであんな恥ずかしいことしちゃってって
笑っていた自分たちがステージ上の窓ガラスに映って
そんなもんを喜んで見ていたお前たちが一番恥ずかしいよ、
と言われているような気がしました。
カーテンコールはありませんでしたが
あったら逆にどんな風に迎えればいいのか照れくさいので
これでいいと思います。

外国でも上演したらしいですけど
向こうの人はどう思うのかなぁ、
やっぱり日本人は変わっているって思われるんだろうなぁ。

第3回ブス会 『女のみち2012』

2012年10月13日 18時12分35秒 | 演劇
何とも感想の書きづらい作品で
なんせ舞台がAV撮影の舞台裏を描いているもんで
まぁAVあるあるみたいな感じでしょうか。
元芸能人のAV出演や復帰する女優さんの内情やら
おそらく日本人男性の誰もが
おもわず笑ってしまう描写が満載されていました。

今流行りの潮吹きに関しても
もはや大道芸で、あんなの誰が興奮するのと言った素朴な疑問から
三十路前後で復帰した女優さんを
劣化して悲しい、っていう掲示板の書き込みを
気にしているところなど
現実に則した話題なども中々上手いなぁと思いました。
潮を吹く為に、ポカリと水を大量に飲んで
水分をチャージするシーンが一番面白かったです。

とにかくこれを観たって何の教訓もならないし
後で深く考えさせられるものでもないですけど
ただ単純に笑えるお芝居っていうのは結構好きです。

たぶんエロって面白いんですよね。
芸人で下ネタを嫌う人がいるけれども
あれは技術なくても簡単に笑いが取れやすいことが
分かっているからだと思うんですね。
人間が恥ずかしいと普段隠していることを明るみに出すっていうことは
それだけである種の快感が得られるし
イケないことを共有している感覚にもつながります。

大体、SEXに纏わることって
客観的にみたらひどくマヌケだったりするんじゃないですか、
いくら絶世の美男美女同士でも
やっている姿は滑稽だったりします。
現代はSEXなしでも子供が作れる時代になってますから
それはそれでどうなんだろうと思いますが。

あと、女性同士が陰口を叩きあう、っていう構図が好きなんだなぁって
これがどんな舞台を観てもそう感じます。
基本、女性同士って人の悪口なんて絶対言いません、
みたいな顔を平気でしてたりするのに
腹の中では様々な感情が渦巻いてたりしていて
それをユーモアある感じで話すのは楽しいです。
かといって現実社会でそういう人たちが好きなわけでは
全くありませんし、迷惑だったりすることの方が多いです。
あくまでフィクションの中だから
他人事で楽しめるのでしょう。

劇団、本谷有希子「遭難、」

2012年10月04日 20時40分54秒 | 演劇
今回の舞台は2006年に公演されたものの再演となります。
当時、本谷さんのお芝居を見るのが2回目となるこの舞台にはいたく感動して、
未だに一番好きな舞台であり
再演に関しては普通に楽しみにしていました。

キャストもここ最近続いていた
ゴールデンタイムのドラマに出演しそうな女優を
主役にすることもなく
玄人好みのものでそこにも期待していましたが
開演1か月前に主演の黒沢あすかが病気の為、
降板することになったと発表があったときには
さすがにテンションが下がりました。
しかも代役を男性が務めると知ったときは
正直、不安すら覚えました。

そこらへんの話は後半書くことにして
会場のシアターイーストは池袋の東京芸術劇場にあり
先月、リニューアルしたばかりです。
基本的に黒を基調とした色使いで
トイレの便器まで黒になっていました。

椅子はあまり高級感はなく肘掛けも細くて
しかも椅子事体の横幅も広くないので
隣にちょっと太った人が座ったら
すごく気になりそうです。
(今回は幸いに両側とも割と痩せた人でした)
それと舞台セットの特性上、
自分の視点からは死角になる部分が割と多く
センターエリアの5列目前後が
一番見やすいと思います。


あらすじ

放課後の職員室。
教師達が談笑しているところへ一人の保護者(片桐はいり)がやってくる。
その保護者の息子は数週間前に自殺未遂をはかり今も意識不明の生徒で、
母親はそれを担任の責任だと言い張り、こうして毎日学校に乗り込んでくるのだった。
「息子が書いた相談の手紙を隠蔽したはず」とつめ寄られ、
本当に知らないと泣き出してしまう江國先生(美波)をかばう
もう一人の教師、三里(菅原永二)だったが、
実は人格者と評判の彼女こそ、
誰にも知られてはならない秘密を隠しているのだった……。
裏を持つ人間がどんどんと状況に遭難していくさまを描くシリアスコメディ。


まず美波が自殺した生徒の母親にいじめられる役をやっているのが
意外でした。
どちらかというとSっ気が強そうな女性に見えるので
典型的なマゾ体質のこの役で大丈夫かなぁ、と
序盤は感じていましたが
SとMは表裏一体で、この江國先生っていうのも
そういう部分が強いので
後半は割と違和感なく見れました。
でも前作で感じたような
善人が過ぎてそれにイライラするところが減ったような気がして
それは残念でした。

攻める方の母親役の片桐はいりさんは
かなり適役でした。
古田新太さんもそうですけど
もう出てくるだけでこの人で笑うんだろうなぁっていう
無言のメッセージみたいなものが伝わってきて
ずるいなぁとも思ったりするわけですが
こういうのって作ってできるものじゃないから
一種の才能ですね。

石原先生役の佐津川愛美は
先日まで梅ちゃん先生でノブの彼女役を好演していましたが
実力に比して一般的な知名度が低いですね。
30歳を過ぎてから評価されるタイプのように思います。
前回はこの役を吉本さんが務めていましたが
今回も中々良かったと思いますが
もっと生徒に人気のある里見先生を嫉妬するような
真面目一本やりなキャラクターを強めに出しても良かったです。

そして里見先生役の菅原永二さんは
もちろん彼に落ち度はありませんが
この短い期間でよく仕上げてきたと讃えたい気持ちですけど
やっぱりこの役は女性でないと
伝わってくることがズレるように感じます。

色々ボロが出て自分の責任回避の為に
他人を責めるのが女性のヒステリーさが出ていて
面白かったんですが
今回はそれがただの弱さのように感じてしまい
そうすると意味がだいぶ違ってきてしまいます。

里見先生には生身の人間ではなくて
あくまでモンスターでいてもらいたいのです。
それはラストシーンにも表れていて
前回は最後の最後で小馬鹿にしたような笑いで
この人、全然反省していないなぁ、っていうのが良かったのに
今回は反省しているようにしか見えなくて
ひどくがっかりしました。

里見先生は自分がこんな行動をしていまうのが
学生時代に自殺したことのトラウマのせいにしたいのですが
それを解消させるチャンスがあっても
もしそれで原因がなくなってしまったら困るから
それを拒否する場面があります。
自分に都合の悪いことは
他に原因をつくると自分が楽になれます。
数年前からどんなことでもトラウマを主張する人が増えましたが
カリスマ同様、そんなに簡単なことで使っていい言葉とは思えません。

今日は終演後に劇中の音楽を担当している
何とかっていう二人組が
アフターイベントとして数曲演奏していました。
それが終わり、横のドアからロビーに向かう途中で
美波と佐津川愛美と鉢合わせになり
どうも本当はそこから出てはいけなかったようです。
二人とも舞台上でみるより更に美形でした。

阿呆の鼻毛で蜻蛉をつなぐ

2012年09月27日 13時56分06秒 | 演劇
昨日、お芝居を観に行きました。
eプラスの得チケというメールサービスで
この公演の紹介があって
代金が5500円が3000円と値下げされていて
吉本さん、加藤さんが出ているんで
そんなに難解な話でもないだろうと
あまり何も考えずに購入手続きをしていました。

アミューズの若手俳優が中心キャストらしく
客席には若い女性がたくさんいらっしゃいました。
たたブラックな内容だったので
その方々のニーズに合ったものではなかったように思います。

地球が水没して破滅するという妄想に憑りつかれた青年が
中年女性を連続殺人していく群像劇で
かといってそんなに重い内容ではなく
サスペンスとコメディの間にあるようなお芝居でした。
犯人だけでなく、それを追う刑事や父親、周りの人々全てが
心に闇を抱えていて
話が進むにつれてそれが浮き彫りになっていきます。

ラストは非現実的なあることが起きて終了しますが
これは「マグノリア」という映画のラストを思い出しました。
この映画ではなぜか大量のカエルが空から降ってきます。
昔はこういうありえないことが起きる結末は好きではありませんでしたが
この頃はあまり抵抗がなくなってきました。

劇中で父親は息子が人殺しをしていることに気づきますが
警察に引き渡したりはしません。
もしこのケースのように自分の子供が殺人をしているのに気付いたとき、
どのような対応を取るのか考えると
ほとんどの親は全く疑われていなかったら
隠す人が多いように思います。
子供本人が罰せられるのは当然ですが
親族関係も無関係ではいられません。

子供はいませんが想像すると
とりあえずそれ以上、被害者を増やすことを避けなくてはなりません。
その為には子供を殺さないとならないのかなぁと頭では思います。
しかし実際にその立場に立ってしまったら
やはり隠蔽する方向に進んでしまうような気がします。

この日はアフタートークが用意されていて
この舞台を演出した河原さんと映画監督の園子温監督の
30分間のトークショーでした。
業界の裏話があって
河原さんは、舞台で病気を理由に途中降板があったときは
演出家と上手くいっていなかったことがほとんどだ、とか
園子温監督は、映画の撮影で見切りをつけた役者には
できるだけ後ろ姿だけを撮影する、といった話は面白かったです。

正直、5500円だったらどうかなぁと思うんですが
3000円なら楽しめたかなぁといった感じです。

ウサニ

2012年08月25日 23時30分47秒 | 演劇
特に一押しの役者さんが出演しているわけではないんですが
どんなもんかヤフオクを調べていたら
定価以下でも結構いい席が出品されていて
結果的に2500円(定価8500円)で15列目という
かなりお買い得に手に入りました。

会場のル・テアトル銀座はたしか2回目かなぁ、
銀座の土地代のせいでしょうか、
面積の割に席をつめこみ過ぎの印象で
背もたれが狭くて、ちょっと太った人が隣にくると
相当厄介そうです。
今日は片方の席が空いていたのでラッキーでした。
椅子事体も座りにくいし、
あまりお客さんに優しくない劇場ですね。

劇場に行く前にせっかく有楽町に来たので
ソニービルに寄りました。
夏恒例の沖縄美ら海水族館フェアを開催中で
玄関前に巨大水槽が鎮座しており
サメやウツボ、熱帯魚がお出迎えです。
8階に上がるとホールで
巨大スクリーンに4Kハイビジョン撮影した沖縄の映像を流していて
これも10分程度ですがかなり見応えあります。

さて舞台の話に戻しますと
とりあえず起こる出来事をダイジェスト版で書きます。

・コーゾーが母親の死をきっかけに、父親と一緒に母の故郷で苺栽培をはじめる
・苺が美味しくならないので、コーゾーが苺の妖精を探しに行く。
・苺の妖精を連れ帰り、妖精がウサギのぬいぐるみに乗り移り、ウサニとなる。
・ウサニから想いを寄せられるが、突然現れたレーコに心奪われ
関係を持ってしまう。
・そのレーコはかつてコーゾーの父と関係を持っていて
コーゾーの父が息子に嫉妬して、レーコを殺してしまう。
・レーコを殺したのがウサニと勘違いしたコーゾーが
ウサニを焼却炉で焼き殺してしまう。
・誤解に気付いたコーゾーの気がふれる
・レーコがゾンビとなって生き返る。
・レーコが生き返ったのはウサニが乗り移ったからで
コーゾーと愛を確かめ合う。

観に行った人のブログをみるとあまり評判は芳しくなかったのですが
自分は結構楽しめました。
ウサニが都合のいい女で、レーコが愛人の三角関係だと
捉えると分かりやすいと思います。
ウサニは魔法で苺を美味しくしてくれるのは
貢いでいる女を示していて、
愛情を求めますが、コーゾーにつれなくされます。
妖艶なレーコにメロメロで、SEXに溺れるさまは
世にいる不倫カップルと変わりません。
このレーコを演じたのが高岡早紀で
現実を投影したキャスティングになっています。

レーコとウサニが死んだら、今度はウサニが恋しくなるのは
体の関係より心の関係が勝ることを示しているのでしょうか。
劇中では、恋から倦怠を経て愛に変わるという言い方をしています。
ヨーコに惹かれるのは、入れ物(外見)に惹かれているのであって
中身を愛しているわけではないとウサニに看破されますが
まぁこれは永遠のテーマでしょうね。
例えば今愛する人の顔が所謂ブサイクに変わって
絶対心変わりしないかって言われたら
自信ないですしね。

レーコが自分のことをコーゾーには話さないのは
全てを知ってしまうと飽きられるから、って言っていて
これも分かる気がしました。
自分自身、好きになった人のことを
あれもこれも知りたい方ではなくて
特に嫌だなと感じるようなことは知りたくない方です。

あと「子供をつくる以外のSEXはみんな変態」っていうセリフがありましたけど
かなり同感です。
愛情がないわけじゃないと思うけど
なんていうか男女ともSEXするための免罪符として
使われているような気がするんですよね、
綺麗事言ったって、要はやりたいだけだろう、って。

ウサニ役がWキャストで今日は真野恵里菜でした。
なので彼女のファンと思わしき男性がたくさんつめかけていて
おそらく自分もその一人と思われていたことでしょう。
「S●X」とか「チン●」とか言わされていて
アイドルとしては攻めている内容で
コーゾー役の溝端淳平と抱き合ったり、軽いベットシーンがあるから
彼女のファンはどう感じるんですかね。

同じ女性キャストでも村の中学生役の子が
妙に上手いなぁと思って帰ってから調べたら
「鈴木先生」の生徒役で出ていた子でした。
こちらも15歳なのにきわどいセリフ言わされて
でもセリフ回しは主役の2人よりも優れていました。

温水さんはコーゾーの父親役で
出番はあまり多くありませんでしたが
さすがの存在感をみせていました。
しかし笑わせるシーンはほとんどなく
その役を担っていたのが山本耕史でした。
舞台経験が多いせいか余裕を感じるほどで
台本通りなのかアドリブでやっているのか
分からないところが何個かあり
それが外れなくウケていました。

今日は真野恵里菜の千秋楽だったせいか
(全体的な千秋楽は明日)
カーテンコールのときにはスタンディング・オベーションとなり
彼女が特別に挨拶をしていました。
全体的には楽しい舞台でした。

新・幕末純情伝

2012年07月21日 22時00分46秒 | 演劇
モデル業界のことはよく分かりませんが
桐谷美玲はエビちゃん以来の存在だと思っていて
そんなわけで彼女が出演する舞台を観に行きました。
「新・幕末純情伝」は故つかこうへい氏の代表作で
一応、今回は3回忌特別公演という位置づけになっています。

つかこうへい氏は北区で劇団を持っていたのに
あまり観に行ったことはなくて
せっかく近所で小西真奈美やら黒木メイサやら出ていたのに
もったいないことしたなぁという残念な気持ちが強く
無くなってしまって今となっては
仕方ないことなんですけど。

会場のシアターコクーンは記憶にない位、久々に入りましたが
劇場としては相当いい部類に入るのではないかと思いますが
今回は1階のバルコニー席だったこともあって
ステージまでの距離を短いんだけど、段差が少ない為、
前の人の頭が視界に入り
邪魔になることも多々あったのは残念です。

途中途中で挿入歌が挟まるのですが
それがJ-POPばかりで
特にクライマックスの「Calling」が10分位リピートされて
感動というよりちょっと可笑しくなりました。

幕末も含め、歴史には興味ないので
登場する人物(桂小五郎、勝海舟、坂本竜馬、新撰組)の
本当の関係性がよく分からなく
どこまでがフィクションなのか判断することはできませんでしたが
まぁそこらへんは適当に受け流してみました。

前任者の石原さとみや鈴木杏の方が
絶対的に演技は上手かったのだと思います、
観ていてハラハラする部分もあったし
棒読みチックなところもありました。
が、結構なセリフ量にも関わらず、かむところがなく
それは予想外でした。
予想外といえば、下ネタも結構多くて
「短小」とか言わされたり
夜這い掛けられそうになったり、胸をわしづかみにされたり
キャラクターにないものを演じていました。
見た目よりも芯は強いのかもしれません。

それにステージ上での存在感は確かにありました。
演技は練習すればそれなりに上手くなるかもしれませんが
こういう雰囲気みたいなものは
生まれついてのものなので
さすがにテレビに出ているだけのことはあります。

何よりこの仕事を引き受けたこと自体、相当評価できます。
儲かるわけでなく、大変なことの方が絶対的に多く
前述したとおり、身体を張るシーンも多いし
目に見えて評価のあがる仕事でもないと思うんですよね。
ものすごい甘ちゃんかもしれませんが
この舞台に立っただけですごく偉いと思います。
エビちゃんや押切もえのように
30代を過ぎて消えることがないように
いい準備が出来ているんじゃないかって
頑張ってもらいたいです。

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