お腹がすかなくても
何かを食べ
何かを飲んで
ぶくぶくと太り
高尿酸血症になり
糖尿病になり
脳卒中になり
眼底出血をして
目が見えなくなり
それでも懲りずに
薬を飲んで
酒を飲んで
死にたくなくて
いくらかの
気持ちの中で
いのちを
長らえたくて
死にたくなくて
朝になれば歩いて
帰ってくればまた
それが罪滅ぼしのように
また食べている
それが私
お腹がすいたら
食べるのならわかるけど
食べないと
飲まないと
心地よく眠れないなんて
どこかが
病んでいる
それが私
スーパーに行けば
何でも売っている
自分で栽培しなくても
自分で育てなくても
自分で殺さなくても
それを見て
まるで
自分がこの世の王様のように
今日はこれを食べようなんて
そういうことがどこの家庭でも
まかり通って
まずいと思えば
そのまま残して
米粒一つも
残した魚も
肉も
野菜も
ただ捨てられて
ごみ処理業者が
処理してくれるから
何の飢餓感もなく
何の苦労もなく
生活が保障されているような
そんな錯覚に陥っている
心の中に
生きていくための
自覚もなく
脂肪だけを
身にまとい
幸せそうな顔をしている
そんなわたし
罰当たりの
わたし
