夢発電所

21世紀の新型燃料では、夢や想像力、開発・企画力、抱腹絶倒力、人間関係力などは新たなエネルギー資源として無尽蔵です。

POEM / 自由への一歩

2009-05-03 15:38:20 | 創作(etude)
 「自由への一歩」

 桜の花びらが
 強風で
 吹き飛ばされ
 津軽の
 ぶんぶという
 凧が長い足を
 振り回しながら
 旋回している

 ぼくは
 きょうこの場所で
 補助輪をはずして
 はじめて
 自走の日だ
 お母さんもこのぼくの
 荷台をつかんで
 必死の形相だ

 ぼくは
 補助輪も
 お母さんのささえも
 きょうついに振り切って
 このペダルを
 力強く踏み出すんだ
 ぼくの願いはただひとつ
 自由という名の自転車乗りだ

 「いち、にぃ、のぉう、さん!」
 ぼくはついに
 大地から足をけって
 ペダルを踏んだ
 ふらふらと
 蛇行しながら
 でも思いは一つ
 ペダルを回し続けることだ

 するとやにわに強風が
 僕の背後から
 ぼくを押しながら
 「ぼうず、えらいぞ」と
 耳にささやいた
 ぼくは今スピードを手に入れた
 お母さんの見守るはずの後ろなど
 決して振り返らないんだ

 自由だ!
 ぼくの自由が
 ペダルにある
 ぼくの冒険の道が
 ハンドルにある
 あの川で魚取りもできる
 あの森で虫取りもできる
 万歳!ぼくの出発の日だ
 
 

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2 コメント

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嬉しいです (補助輪)
2009-05-04 23:21:17
人から見たらどうでも良いことかも知れませんが、世の中にはそのようなことがたくさんあるのだと思います・・・。
雨が降っても、暗くなっても頑張る息子に私はこの上ない根性をもらいました。
出来ないことが出来るようになった喜びを私はこれからいろいろなことに生かして行きます
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補助輪さんへ (なりたはるみ)
2009-05-05 06:22:26
 コメントありがとうございます。
 お子さんのチャレンジのお話を伺って、ふと幼少期の自分を思ってみました。
「見守る」ということは、簡単なようでとても根気の要ることなのかもしれませんね。母はいつも自分の失敗を、黙って見守ってくれました。とてもありがたかった。不器用な自分が地域の中で巻き起こす、さまざまな事件や事故、騒ぎ。私の代わりに陰で、謝っていたのだそうです。
 後年母が兄嫁に語った子育て像は、「子供の頃の自由奔放さは、いい大人を創る。それを私は、はるみから教えてもらった」と。
 お母さん、お子さんとともに、ご自分も育ってください!
 
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