人生はどうしてこうも起伏があるのだろう。「盤石」という言葉と「脆弱」という言葉がまるで反対であるように、大きな違いがそこにある。石橋を叩いて橋を渡ろうとしてはいても、結果的に橋脚が傷んでいる場合だってあるのだから。
起伏や穴ぼこがあるのが人生なんだって思えば、怖いものなどないのかもしれない。それにしても、スタートラインを走りだして、最初に靴紐を踏んづけて自分で転んでしまうようでは、事前準備が十分とはいえないのだろう。
写真は十和田市立美術館の屋外展示場の「蟻」で、巨大な赤蟻である。
蟻のようにチームがそれぞれの役割を認識しながら、てきぱきとこなしていくことができたらどんなにいいだろうとふと思ったりする。蟻は新任者研修なんてやらないのに、どうしてお互いのやるべきことを認識し、連携できるのか。DNAのなかに精密な設計図があるのだという。このDNAをすべての動植物が持っているのだということを考えれば、私たち人間のDNAは少し欠陥が多過ぎやしないかとふと思う。
蟻の世界に反逆者が出た、などという話は聞いたことがない。