NPO法人土と風の舎

埼玉県川越市を拠点に『人と自然と地域をつなぐ』を合言葉に、園芸福祉活動をしています。

河越産物

2017-01-30 22:28:39 | えとせとら
今を遡ること200年余。享和元年(1801年)に川越鍛治町(現在:幸町)の名主中島孝昌により「武蔵三芳野名勝図会」が編纂された。この書は近世川越の地誌で内容・体裁ともに最大のもので上中下巻で構成されており、下巻には「河越産物」として川越の名産品が次のように記されている。

索麪(ソウメン)、甜瓜(マクワウリ)金真桑・銀真桑、黄巻(モヤシ)、独活(ウド)、崑崙瓜(ナスビ)今福紫瓜、小麦、金時豇豆(キントキササギ)、崙山蒟蒻(ロンサンコンニャク)、絹平、生絹(キギヌ)、白菅織、真綿、白布、小倉縞、佳文席(ハナゴザ)、醤油、紫、柴胡(サイコ)、桔梗(キキョウ)、乾枝柿(ホシエダガキ)、藕(レンコン)、初蕈(ハツタケ)、鰷(アユ)入間川、鯉、鮒、鰻驪(ウナギ)、鰌(ドジョウ)

江戸時代の川越の名産と言えばまず挙げられたのが、小麦と素麺だったようだ。川越でとれる小麦は色白で上品。奈良の三輪素麺にも多く用いられていたとあり、「凡小麦ハ海内一也」と記されている。
今この現代に当時の小麦で索麵をつくってみたいとは思うが・・・。子孫でいいので育ててみたいものである。

「武蔵三芳野名勝図会」のデジタルタイブラリーはこちら


生物多様性とその保全

2017-01-29 09:47:18 | えとせとら
1月27日(金)川越市南公民館にて県政出前講座「生物多様性とその保全について」が開催されました。講師は埼玉県環境科学国際センター 自然環境担当 三輪誠さんです。

生物多様性とは、一言で言うと「すべての生き物の間に違いがある」ということ。具体的には
①種の多様性
②種内(遺伝子)の多様性
③生態系の多様性
以上3つの多様性をいいます。
種の多様性とは藻や菌などを含め様々な種類の生物が生息すること。種内の多様性とは種を構成する遺伝子が多様であること。生態系の多様性とはは森、林、川、海など生物が生息する環境が多様であること。を指します。
私たちはこの生物多様性が保たれていることで様々な恩恵を受けています。空気・水などすべてのいのちにとって欠かすことの出来ない基盤の維持、食べ物・燃料・医薬品、祭り・工芸などの豊かな文化、災害の防止など、人間の幸福は生物多様性に支えられていると言っても過言ではありません。
ところが現在この生物多様性が脅かされています。その要因は大きく分けて4つあると言われています。
①開発など人間活動による影響
②人間の働きかけが減ることによる影響
③外来生物など人間が持ち込んだものによる影響
④温暖化など地球環境の変化による影響。
生物多様性を保全していく取組は難しそうに感じますが、ちょっとした工夫や心がけで私たちに出来ることはたくさんあります。
・樹木を植えるときは、もともとその地域に生えていたものを使う
・外国から持ち込まれた動物を飼うときは、最後まで面倒を見て決して野外に放さない
・出かけた時はゴミを捨てずに持帰る
・むやみに野草を採ったり傷つけたりしない
・野生動物にエサを与えない
・河川や森林などでは、決められた場所以外に車を乗り入れない。
などなど。当たり前のことを守ることが生物多様性の保全につながっていくんですね。

埼玉県では平成20年に「生物多様性保全戦略」を策定し生物多様性の保全に取り組んでいます。詳しくはこちらをご覧下さい。