TSUNODAの経営・経済つれづれ草

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トヨタ自動車が「カイゼン」活動を業務と認定する

2008-05-22 06:29:24 | 経営全般
 トヨタ自動車が生産現場の従業員が勤務時間外にグループで取り組む「カイゼン」活動について残業代を全額支払うことを決めました。従来は月2時間までとした残業代の上限を撤退しました。労働組合も了承しており、6月1日から実施します。

 トヨタ自動車が「業務」と位置づけるのは、生産現場の従業員がグループ単位で改善提案に取り組む「QCサークル活動」です。「QCサークル活動」は従業員のアイデアや知恵を引き出す「カイゼン」活動を支える中心的な取り組みで昭和41年から取り組んできています。しかし、最近では若手中心に就業時間外の自主活動を強制と受け止める社員も多くなり、末端の従業員の参加意識も薄れてきていたようです。

 グループまとめ役の資料作成作業が重荷になりことが多く、昨年、過労死した堤工場の元従業員も休日に自宅で資料作成をしていました。11月の名古屋地裁判決では明確に「QC活動は業務」と判示しました。この問題は国会でも取り上げられました。このような状況を踏まえて天下のトヨタ自動車が「カイゼン」活動を業務と認めたのです。

 トヨタの「カイゼン」活動は昭和41年から実施してきたことですが、大半の従業員は当初から業務と思っていたのではないでしょうか。時間外に自主的に会社のために活動する人はそうは多くないと私は思います。正社員のリストラや採用抑制を進める一方で派遣社員や契約社員といった非正社員で埋め合わせるといった企業のなりふりかまわない状況に対して、従業員も本音を出してきたのだと私は思います。この状況に対して新聞記事ではトヨタが「カイゼン」は業務と認めたことに「労働組合」も了承したとはどうゆうことでしょうか。了承もなにもないと思います。

 企業によりかかっていれば悪いことにはならないというのは今では幻想です。私たちはもっと本音を出していかなければ泣きを見るのは「従業員」である私たちなのではないでしょうか。

 



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