日本の近代シリーズ(中央公論新社)の「政党から軍部へ(北岡伸一著)」を読みました。
この本は、400ページほどあります。内容が濃く、読み応えがありました。1924年から1941年までを記載しているのですが、政党政治が崩壊し、軍部独占時代への歴史が書かれています。
この時代の政党は、政友会と憲政会という2大政党の時代ですが、両党が政局にあけくれていたことがこの本でわかりました。
さて、この本の付録は、平岩外四東京電力会社相談役(2000年当時)と著者の北岡氏の対談が掲載されています。平岩氏は東大卒業後、東京電灯(東京電力の前身)に入社したのですが、すぐに戦争に行きます。満州、そしてラバウルに行きます。
対談の中で、この戦争について2つのことを思ったと平岩氏は述べています。一つは、実に実に、下手なことをやったということ、第二に、どうして現地のことがこんなにわからなかったんだろうということです。どうして参謀本部が現地の声に耳をかたむけなったのか、企業でも現場の声を知らずに何かすると失敗しますと述べています。
現在の東京電力のことを考えると、なんとも皮肉な巡り合わせの発言だと私は思います。
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