3月期決算の1692社について、日本経済新聞社が集計した結果では、全体の半数を超す企業が増益になる見通しです。
トヨタ自動車など主力製造業は円高で収益が落ち込み、利益総額が前期の10%下回る見通しですが、内需型のサービス業や新興国需要を取り込んだ企業は好調を維持する見通しです。
2012年3月期に経常最高益を見込む企業は以下の企業です。 【内需好調】オリエンタルランド、ヤマダ電機、ソフトバンク、亀田製菓、ブックオフコーポレーーション 【新興国需要】ファナック、ユニ・チャーム、丸紅、日揮 【市場占有率が高い】東レ、日本電産、クラレ、ツムラ
オリエンタルランドは、東日本大震災後に一時休業しましたが、地方客の掘り起こしや東京ディズニーシード開業10周年イベントの効果で「入園者は9月に前年並みに戻りました。経常利益は4%増の550億円と、4期連続の最高益になりそうでです。
ユニ・チャームはインドネシアやタイでの紙おむつの販売が伸びています。ファナックは中国を中心に工作機械をコンピュータ制御するNC装置が好調です。いずれも経常最高益を更新する見通しです。
クラレは液晶ディスプレイの偏光板部材「ポバールフィルム」で世界のシェアの8割を握ります。
このような企業の状況なのですが、世間の不況感はなんなのでしょうか。しかし、上記の分類を見ると、①内需好調、②新興国需要、③市場占有率が高いというように、強みを持っていることがわかります。「強み」を持っている企業はまさに「強い」ということなのでしょう。
一方、自動車、電機は収益が悪化しています。典型的な輸出産業からなのでしょう。だから、TPP早期参加ということになるのでしょうか。
とはいっても、自動車と電機の日本産業に占める位置は重要です。その裾野の広さ、系列、関連企業、下請企業のことを考えた場合従業員数の占める人数も多く、日本の基幹産業です。これらの産業の競争力、再生は必須の課題だと私は思います。