東京の学習院大学で開催された「平成21年度キャリア・コンサルタント全国大会」に参加しました。
この大会は、午前と午後の部の二部構成でした。私は午前の部の基調講演と、シンポジウムに参加しました。
基調講演は、桐村晋次法政大学院経営学科教授の「元気な人と組織を創る」というテーマの話でした。
この基調講演はよかったです。以下レジメの引用とその感想です。
1 キャリア・コンサルティングの人間観
・日本人は能力は学歴に関わらず均質的に高い。
→日本の発展は、人の能力の高さに負うところが大きい。技術立国と言われてきたが、現場立国」である。
・従業員は現在職場で発揮しているより、はるかに高い潜在能力を持っている。
→10人の職場で2人召し上げられ、8人になっても仕事をこなしてしまう。また、職場のエースがいなくなって大変なことになると思われるが仕事が回っていく。
2 個人と組織の新しい関係づくり
・従業員は、職場の人間関係を大切にし、仕事と勤務先に誇りを持ちたいと願っている。 →派遣社員や臨時職員も正社員と同様に仕事と勤務先に誇りを持ちたいと願っている。そんな組織にしていかなくてはならない。
・従業員の育成歴の多様化に配慮した、企業の人材育成の実践
→従業員は様々、その個人管理を考慮した人材育成が今後は求められる。
・日本人の特徴に適合した評価システムの合意形成を
→成果主義が1990年代後半に導入されたが上手く行かなかった。
・従業員あっての経営者、管理者であることを忘れてはいけない
→ある社長が言った言葉が忘れられない。「管理者の給与が減っても生活に困らないが、子育ての30、40代の社員に給与が減ってしまっては大変である。その層の人の給与はさげるなよ」
3 「育て、育てられ」「支え、支えられ」の連鎖の再生
・他者の成長に手を貸すことで、自分が育ち、育てられることによって、人と人とのつながりが信じられるようになる
→競争に勝つ人だけが誌組織を創っているのない。一人として無駄にしない組織であったことが日本企業の強みであった。
・若者が活躍する組織は発展する
→若者が元気のない組織は将来はない。若者は既成の概念を打ち壊していけるのは、守りに入った中高年にはできないことである。
・社会人のの能力開発の柱は「自己啓発」・・・「自律・自立」がキャリア形成支援の基本
→工場現場では、マニュアルを自分で作成していた。それが自分の血肉となった。
4 上司の指導と支援
・対面関係を大切にする
→基本は対面で相手を見て話し合うこと。メールでは相手の表情は見えない。
・誰もが「今日は自分が主役」と思える日を作る
→組織のだれもが主役となることが組織を活性化させる
・指示よりも「君の考えは?」
→自主性を大切にすることで人は伸びる
・成長しているという喜びを感じる仕事の割り当て・・・職務充実と職務拡大
→職務充実と職務拡大を意識した仕事を割り当てる
5 自己効力感を高める
・自分自身が意味のあることをしているという実感を持つ・・・「一歩前身大成功」 →成果のみを期待するのでなく、人の成長期待する
・「ありがとう」「ご苦労さま」が言える人間関係を保つ
→組織は人と人のつながりによって支えられ、成り立っている
・機会をつかまえて、変身(脱皮)を試みる・・・「機会脱皮」
→人間がだれでもが成長を願っている、その可能性に信頼を
今のサラリーマンは役職のロールプレイをしている。社長は社長の、部長は部長の役に応じて演じている。そのため本来の「自分の意見、考え」がなくなってしまっている。この発言、私はすごく納得しました。
東京まで行ってこの講演を聞けてよかったです。