飛行機に乗っている。修学旅行中らしい。仲間がおおぜいいる。ぼくはそのうちの一人であり、同時に飛行機の乗員でもある。
飛行機は機内に燃料タンクがあり、ぼくはエンジンに付属する小タンクに大きなタンクからガソリンを、と言うよりもシンナーのような透明な冷たい液体を移す作業をする。大きなタンクは小タンク4回分の容量があり、途中の中継地に停まっている間にすでに2回目を移した。目的地まで足りるかどうか分からない。あと一回寄港するから補充できるかもしれないが、ここと同じようにできないかもしれない。そうなると計算上は足りなくなって墜落する危険がある。
不安になって仲間に「急いで先生を呼んできてくれ」と頼む。先生はなかなか来ない。飛行機は離陸の準備を始めた。
やっと先生がやってくる。話を聞き、点検して、「大丈夫、足りるよ。出発して構わない」と言う。うれしくなって「出発だー」と叫ぶ。
ゆっくりと動き出した飛行機の窓から外を見ると、デッキに仲間の生徒が一人いる。必死に手を振っている。彼はお調子者で、有頂天になって出発を知らせに外に出たらしい。
「大変だ。一人外にいる。飛行機を止めて。止めて」と叫ぶのだが、誰も聞いてくれない。「誰々ちゃんが乗っていない」と言いたいのだが、その仲間の名前を度忘れしてしまって出てこない。「止めて止めて」と泣き喚きながら暴れていると、「気が狂ったんじゃないか」と思われたらしく、みんながぼくを押さえつけようとする。
飛行機は速度を上げてゆく。もうすぐ離陸だ。押さえつけられながら「友達を置きざりにしていく罰に、事故が起きるぞ」と思う。ほどなく、離陸した飛行機は大爆発を起こして空中分解した。