東京教組(東京都公立学校教職員組合)

教職員のセーフティーネット“東京教組”

有名タレントの親は生活保護を受けてはいけないのか!?

2012年06月13日 | インポート
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 昨日の続きで、生活保護について都内の教員からこんな意見も届いた。
 以前、私の教え子の様子がおかしいので家庭訪問したところ、その子の家はガスも電気も止められて、風呂にも入れず、食ベるものにも窮している状態であった。なんでそうなるまで相談してくれなかったのかとも思ったが、教材費や給食費はしっかり納められていて、担任には迷感をかけたくないと思っていたのだろう。母ひとり子ひとりの家庭で、母親は仕事をしていると思っていたが、病気がちで仕事もあまりできず、パートの仕事なので収入もほとんどなく、家賃も払えていなくて、住んでいるアパートも出なければならない状況だった。とにかくなんとかしなくてはと、私の知人とも相談して、とりあえず生活保護を申請すること、生活保護をうける基準にそった家賃の部屋を探すことなど、あちこち走りまわった。生活保護の申請では、役所の窓口の担当の横柄な対応、差別的なものの言い方に疑問を感じた。母親一人のときは、もっと対応がひどかったようで、それもずっとあとから聞いた話だが、精神的に耐えられないような、家族のことから子育てのことまで言われたとかで、つらかったと言っていた。それでも粘り強く「お願い」してなんとか申請が通り、部屋も見つかって、とりあえずはなんとか生活できるようにはなった。
 生活保護が受けられず、「おにぎりが食べたい」と言いつつ亡くなった方の話などをニュースできくたびに、私はそのときのことを思い出す。
 生活に苦しい人が、自分ひとりで申請したとして、もしかして「冷たい」役所の担当者とやりとりする場面を想像したら、話すことや書類記入の苦手な人がその役人に対応できるかと言えば、いやになったり、面倒になったりすることは多々あるだろう。まして差別的な言い方をされたら、傷ついて次に窓口に行くことすらできなくなってしまうことは容易に想像できる。
 そんな状況がある中での、今回の騒動、何かまちがっていないだろうか。有名タレントだったら親の面倒をみなければいけないのか。反対に、子どもが生活苦だったら、親が面倒をみなければいけないのか。私の知っている「障害」者には、親から独立して生活保護を受けながら生活している人が何人もいる。
今回の騒動は、「不正受給」の名のもとにそういう「障害」者の自立をも脅かしている。そのタレントは「自分も病気をして・・・」と言っていたが、たとえ親子でも独立した一人の人間だとするなら、収入ある人の親や子が生活保護を受けてはいけないことはない。生活保護のどこを問題にするのか、もっとするべきことがあるような気がするのだが。
           (ローズゼラニウム)



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