東京教組(東京都公立学校教職員組合)

教職員のセーフティーネット“東京教組”

ぼく、いいもの いっぱい

2014年06月25日 | インポート
Photo 東京教組の仲間でもある善元さんが素敵な絵本を出版した。「ぼく、いいもの いっぱいー日本語で学ぶ子どもたちー」(善元幸夫編著・子どもの未来社)外国から来た子どもたちと出会い、子どもたちの思いとまっすぐ繋がり、子どもたちの綴った詩を絵本にしたものだ。例えば、
ぼくの未来 スポット(タイ 9歳 男)
きのう ぼくは にほんごで
べんきょう しなかった。
せんせいが かなしい かおに なった。
どうして? ぼく わるかったです。
にほんごが できない。 おもしろくないです。
せんせい ごめんなさいです。
ぼくは おおきくなったら
タイに かえるか
わかりません。

はえのこと ケスヤ(タイ 9歳 男)
はえが ころんでた。
ろうかで あしを うごかしてた。
はねが うごけない、
しんだら やだった。
だって かわいそう、
ぼくは たすけた。
えんぴつで たすけた。
はえは そとへ とんでいった。
いい きもちだった。


善元さんは、あとがきに「『万葉集』を紡ぐ子どもたち」と題して次の文を寄せている。
 教師になりたてのころ、先輩の先生から教えていただいた言葉があります。「どんな子どもでも、子ども一人ひとりの悩みや、思いがある。教師は、それを知ることからはじまる」。

まさに、教育の原点であり、私たちが常に自らに命じなければならない課題だろう。なぜ、万葉集かについて、次のように綴っている。
 子どもたちにはもうひとつの故郷が海外にあり、そこでは自分の国の言葉を使います。しかし日本では、家の外で母語や母国語がなかなか使えません。日本語の言葉の数も、日本で生まれた子どもよりもずうっと少ないので、日本にきてからの子どもたちは、自信を失ってしまうことも多くあります。
 しかし、そうした子どもたちが発した言葉や文の中には、強い言霊があるような気がするのです。私は、「自分だけの言葉」を生みだした子どもたちを賞賛し、それを生きるうえでの自信にしてほしいと願います。
 ここで紹介した子どもたちの言葉や文から、やさしさ、たくましさ、ユーモア、そんなことをお伝えできたなら幸いです。この本は、未来の子どもたちに伝える現代の「万葉集」なのです。

 子どもたちの思いへの想像力がなければ、子どもの悩みや思いを知ることはできない。教室の姿だけでなく、家庭での生活の様子、家族、故郷の友達との想い出など,ひとつ一つ丁寧に子どもの声を聴き、想像力を働かせることでこの絵本はできたのだと思う。もう一つ、子どもの言葉を紹介する。
ぼくは かんにほんじん
ロンイー(韓国 9歳 男)
にほんの おとうさんと
かんこくの おかあさんと であって
ぼくは うまれました。
キムチと おなじです。
だから ぼくは かんにほんじん(韓日本人)です。
いいものが いっぱいあると おもいます。

サンシュユ


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