東京教組(東京都公立学校教職員組合)

教職員のセーフティーネット“東京教組”

いじめと体罰

2013年01月04日 | インポート

Photo ビンタが学校・軍隊で日常的に行われていたとき、大人たちは軟弱な子どもたちに「大和魂」を教えるためだと肯定していた。こうして、少国民は育てられ、戦争に駆り出され、アジアの民をいじめた。

 いじめ防止には、「怖い武道家の先生」が必要という政治家が現れた。

 本当の武道家だったら即座に否定するだろう。それは武道の侮辱、歪曲であるし、そんな役割を課せられた武道家の教員は、体罰を強要されるようなもので、たまったものではない。

 この発言をしたのは、12月27日に文部科学副大臣に就いた谷川弥一衆院議員。新聞報道によると、谷川氏は、「『いじめたら怒られる。それを理解してもらうには怖い先生が学校にいないとダメ』と述べ、『武道家。一番いいのはボクシングだと思うが、空手、剣道、柔道、プロレスも入るかな』と格闘技を列挙。『いないなら警察OBを雇う』と続けた。党内では賛同が得られていないと前置きしつつ、『なりふり構わずやるべきだ。いまから関係者の説得に入ります』」などと熱弁を奮ったという。いじめは、どの学級にも起こる可能性があり、「恐怖教室」をつくることは、より陰湿ないじめを生むばかりか、子どもの心を閉ざし、その発達を蝕む。

 いじめたら怒られることを子どもに理解させるのは当然だが、「怖い武道家の先生」は必要ない。先生の怖さは武力でも暴力でもないのだ。

 教室で、教員が子どもたちと触れ合う時間を増やすこと。子どもとの信頼関係を基礎に、家庭や地域など子どもたちを取り巻く環境にも働きかけること。など、いじめを子どもたち自身が乗り越える力をつけることが教職員の仕事だ。

どうして、教員に体罰を強要するような発想になるのか、副大臣には考え直していただきたい。

          (陸軍幼年学校跡・新宿区)


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