東京教組(東京都公立学校教職員組合)

教職員のセーフティーネット“東京教組”

最高裁判所の解釈改憲

2013年09月06日 | インポート

Saikousaibansyo01
 9月5日、「君が代」不起立で処分された10人の最高裁判決があった。
 金築裁判長から「主文 本件上告を棄却する。上告費用は上告人らの負担とする」の一言で、5人の裁判官は退廷。ものの1分で終わった。
 判決文も身もふたもないもので、
「1.上告理由のうち憲法19条違反を言う部分について」と題し、
「原審の適法に確定した事実関係の下において、本件職務命令が憲法19条に違反するものでないことは、当裁判所大法廷判決の趣旨に徴して明らかというべきである。」
「2.その余の上告理由について」と題し、
「論旨は、違憲及び理由の不備をいうが、その実質は事実誤認若しくは単なる法令違反をいうもの又はその前提を欠くものであって」
「よって、裁判官全員一致の意見で、主文の通り判決する。」
たったこれだけ。補足意見も反対意見もなかった。
 判決後の記者会見で吉峯弁護士は、
「起立斉唱行為が思想及び良心の自由の間接的な制約となることを認めつつ、思想及び良心の問題を『必要性及び合理性』という緩い基準で、しかも何の説明もせずに用い、判断することは憲法学会ではありえないこと。厳格な基準を用いることが通説だ。司法が政府に追随するがゆえに、結論先にありきの判決なのだ。」と批判した。
 今、自民党は「日本国民は、国旗及び国歌を尊重しなければならない。」とする憲法草案を提案している。
 しかし、1999年「国旗国歌法」が成立した当時、小渕首相は、「国旗の掲揚等に関し、義務付けを行うことは考えておりません」と答弁。有馬文部大臣も「教員に対しても無理やりに口をこじあける、これは許されないと思います」と強制しないことを明言している。
 国旗・国歌法の制定時に官房長官を務めていた野中広務は「起立せなんだら処罰するなんてやり方は権力者のおごり。教職員を処分してまで従わせようというのは、国旗・国歌法の制定に尽力した者として残念です」と述べている(2011/6/28朝日新聞)。
 最高裁の判決は、憲法19条(思想・良心の自由)をなし崩す解釈改憲判決だと言ったら言い過ぎだろうか。


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1 コメント

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自殺した中学生。学校でいじめの状況証拠があって... ()
2013-09-07 15:37:29
自殺した中学生。学校でいじめの状況証拠があっても因果関係は認められず。理不尽。所詮国と教育は一蓮托生。自業自得では?
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