日々の記憶
建築家 筒井紀博のブログ
KIHAKU's blog



すこし前の話になるが、フォトグラファー高田洋三氏の個展に招待を受けた。
高田さんはツツイのホームページにも載っているSLOW houseの竣工写真を撮ってくれた人物でもある。
今回の個展は青森の六ヶ所村に存在する、閉じた世界のなかで植物を育て、酸素や水や栄養素を循環させ2人の人間が実際に生活を営む生態系研究施設「ミニ地球」を高田さんが撮影したもの。
彼の作品は白、空、緑のコントラストが非常に美しいモノが多い。
そして今回も興味深い作品がいくつも展示してあった。

そんな彼とギャラリー内でコーヒーを飲んでいると、とある女性が・・・。
個展を見にきているお客さんのようだ。
高田さんは彼女に作品の説明をするため、会場内を案内し、ツツイの元へ戻ってくるとニヤニヤしている。

高田「いやー、初めてサインをねだられてしまいましたよー」
ツツイ「へー、すごいじゃないですかー!」
高田「ツツイさんはねだられたことあります?」
ツツイ「う、、な、無いですよ・・・」
高田「なんならサイン、してあげましょうか?」

うぅ、完全に勝ち誇った表情を浮かべている高田氏。
ちょっと羨ましかった。

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華門楽家は3社の施工会社に相見積を依頼し、パートナーを決める。
そして今日がその図渡しの日。

実施設計図と共に見積の要項などをお渡しするのだが、今回は施主からの手紙も添えられた。内容は今回の自宅への思いと見積に参加していただくことへの感謝が綴られている。
このような施主からの手紙というものはツツイも初めて。
今まではツツイと施主の連名で要項の最後に感謝を記載している程度だったのだが、今回は施主直筆のサインと共にA4にびっしりと。

各施工会社はその手紙を受け取ると、やはり皆、はじめての経験らしく笑顔で受け取っていた。

見積をする労力は、これはなかなか結構大変な作業なのである。
一般の羊羹切りタイプのマンションのような見積であれば、それは簡単に見積も取れてしまうだろうが、我々のような職種の人間が描いた図面の見積をとるのは一苦労。
まずはその空間構成を理解し、分解して数量を拾って行かなくてはならない。

そして今回のように3社に依頼するとどうしても最終的に発注できるのは1/3になってしまう。
これは仕方のないことで、我々の職種でも同様なことがある。
例えば今回のようにコンペだと当選するのは1社のみ。他の設計事務所は一銭にもならないわけだが、まだコンペならそこから落選しても学ぶべきことは大きい。(正当なコンペであれば)
タチが悪いのは付き合い上、出さなくてはならない企画書など。
ほとんど実現する可能性の低いプロジェクトであっても、やるからには全力で取り組む。
そしていざプレゼンすると
「こんなにすごいの作ってきたんだ、できたらすごいねぇ~」
と一言。
それ以降、なんの音沙汰も無し、、、なんてこともある。
(最近ではこの手の仕事は極力断るようにしているのだが)

しかし仕事に忙殺される日々が続くと、ついつい他人への感謝を疎かにしがちになってしまう。
今回の施主から施工会社への手紙はそんな大切な気持ちを改めて認識するきっかけになった。


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ひさびさの更新になってしまった。
というのも、華門楽家の実施図面、最終の追い込み段階だったのである。
そして昨日、無事、全ての実施図面を描き終えて、施主に説明を行った。

打ち合わせ場所は施主宅近くのファミリーレストラン。
実施図面の説明、今後の流れなどなどザーッと打ち合わせを済ませ、ご主人の一言。

「では本日の本題に入りますか」

取り出したるはプラスチックケース2つにペン入れ、もといルアーホルダー。
いよいよ釣り談義である。
実は打ち合わせ後、ツツイのデビュー戦に備えてポパイにてルアーを購入する約束をしていたのだ。
ツツイ一人では心許ないので師匠に同行していただくことにした。
一通りルアーの説明を受け、いざショップに出陣。

遠目に見て釣具のソレとわかるショップ。
広大な駐車場にはすでに数台の車が駐車されている。
(中には釣り用の舟を載せている車も)
いざ店内に進入してみると、ひ、広い!!
しかもこのポパイはルアー専門店!
入り口すぐ横が今回の目的のトラウトコーナー。
が、壁面一面に埋め尽くされたルアーの数をみても
どこから見てよいのやら。。。
まずはご主人に付き添って頂き、店内を一周。
安ければロッドなどの購入も考えたが、1本2万円とか!!
こりゃー断念。
最初は施主に一式お借りすることにした。
そして一周した後、再度、トラウトコーナーへ。
そのおびただしい数のルアーを前に立ち尽くしているとご主人

夫「まずは目を閉じて感じるんです」
つ「は、はい」
夫「そしてルアーが呼んでいるのを感じ、そこへ向かってください」
つ「・・・」

と、そこへ奥様が1つのルアーを持って駆けつけた!

妻「これ!(ルアー)、呼んでたよぉーーー!」
夫(ニヤ)「うむ」
妻「ツツイさん、魚の気持ちになって!」
つ「は、はい!」

とは言っても何も感じられない。。。
仕方なく、とりあえずはスプーンを数種類チョイス。
そしてミノーを見ていると・・・

「ボクハココダヨ・・・」

ん!?聴こえた!!?
見るとそこには「チャビー」と名付けられたルアーが。
(写真左下の黒くて小さなタイプ)

さっそく師匠に見て頂くと
夫「うむ、これはいいかも!」
妻「へー、釣れそうだねー」
とお墨付きをいただき、即決。

他にもいくつか購入。
デビュー戦は5月中の予定!!
場所は鹿留パインレイク!!


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最近ではシックハウスの問題や住宅の密集に伴う火災の問題などで住宅の設備機器にかかるコストが増加している。
このシックハウス対策として、建築基準法に盛り込まれたのはまず建材について。
クロルポリホスの使用禁止とホルムアルデヒドを含む建材の使用面積制限。

よく言われるF☆☆☆☆建材は、ホルムアルデヒドに関するもの。
しかし化学物質は何もホルムアルデヒドだけではないし、新築と共に家具などを購入されると、まだまだホルムアルデヒドが大量に使用されているコトが多い。
これらの対策として、24時間換気の設置義務も発生している。
ようは居室部分に常に空気の流れを持たせるために小風量の換気設備を設置しなくてはならない。
各電機メーカーがこの換気設備をこぞって販売しているのだが、これがなんとも頂けないデザインが多い。すっきりと美しく見せようとするとダクト方式を選択し、さらに給気口(第三種換気の場合)も工夫して室内側の見栄もよくすることは可能だが、それには当然コストがかかる。

さらに最初に触れた火災に関して。
これも昨年6月の消防法改正で住宅用火災警報機(写真)の設置義務が公布された。
東京都では昨年10月から施行されている。
この住宅用火災警報機も頂けないデザインなのである。
しかもタチの悪いことに天井面(もしくは壁面)の中央付近につけてくれと言われる。

想像して欲しい。
夜、寝室で寝るとき、天井を間接照明で照らし、そのボーダーレスな天井を見ながらゆっくりと眠りにつく・・・と!そこにポコッと飛び出た物体が!なにやら刺々しい容姿で、まるで巨大な機械の中にはびこる悪性腫瘍のようだ。

もちろん機能性を考えるとそれを部屋の隅の見えない部分に追いやるようなことはできないのはわかる・・・。
であれば、もう少し人様に見せても恥ずかしくない容姿にしてほしいのだが。
最近では電化製品などでも著名なインダストリアルデザイナーを起用して美しい製品が増えている。是非ともこの24時間換気設備と住宅用火災警報機も美しい容姿をもった製品を「早急に!」販売してもらいたい。
どうです?三菱さん(父が三菱なので・・・)あたり、ツツイにやらせてみませんか?

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筒井紀博空間工房の打ち合わせコーナーには椅子が3脚ある。
実はコレ、全て頂きモノである。

まずは写真中央の椅子、これは世界のアンドー(安藤忠雄)がデザインした椅子である。
実はこれ、ツツイの両親が20歳の成人の際にお祝いで贈ってくれた品(強請った訳だが)。
座り心地はさておき、なんとも美しいシルエットのハイバックチェアである。
特別目立った存在をする訳でもないのだが、この椅子が置かれることによって、その空間に品が漂う。

残りの二脚はイームズのサイドシェルチェアの色違い(白+黒)。
これは以前勤めていた平野事務所のスタッフ達がツツイの独立祝いに贈ってくれたモノ。
座り心地も良く、空間が引き締まるシルエットをもつ椅子である。

しかし最近では4人で打ち合わせする機会も増え、その度に奥からワークチェアの
イプシロンを運んできている。

そろそろ4脚目の椅子が欲しい。

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