富山マネジメント・アカデミー

富山新聞文化センターで開講、教科書、参考書、講師陣の紹介、講座内容の紹介をいたします。

「博士号」の仕組みとその価値

2016年05月21日 | Weblog

TMA講師代表:個人研究

日本銀行の政策委員の2名が、学歴詐称ではないかと、疑われている。

まず、率直に申し上げたい。小生も博士号を保有している。博士論文の要旨もネットで公表されている。正式には、「博士(大阪大学、文学)」である。得をしたことは、ほとんどない。が、民間企業で働いたとき、大阪大学からの学位なので、北陸の大阪大学OBには親しくして戴いた。しかし、それは大阪大学ブランドの価値にすぎない。「博士号」を取得しているか、否かは、実は、メディア、出版会では、全く関係がない。日本銀行の規定で、「博士号」の所有者に限定した文言があるなら、かの2人は、学歴詐称となる。

大学院の博士後期課程のゴールは、① 単位を修得しないで退学する、② 単位取得して満期退学する ③ 単位取得後に決められた年限以内に博士論文を提出し、博士号を授与される「課程博士」で完了する ④ 旧制度の「論文博士」の所得者である。小生の場合は、①と④である。だから履歴書には、文学修士と書いて、富山大学の就職した。④の博士号の取得は、50歳である。

②の人が、「〇〇博士」と自己申告の履歴書の記入すると、学歴詐称として法的な制裁の対象となる。第三者が、まちがって単位取得者を「博士号」の所有者として、ホームページに載せたとすると、それは人事の事務のミスである。博士号には、授与の番号が個別に振り当てられているから、発行機関で確かめられる。

さて、④の論文博士だから、③の課程博士とは格が違いという気持ちは全くない。問題は、その博士論文そのものの価値である。その評価である。それと、使用言語である。翻訳されて、その分野の研究の聖地での評価である。幸い、上海の華東師範大学の客座教授という名誉称号を得た。

けれども、大事なのは、「博士号」取得後の生き方である。小生は、奨学金、研究費、人件費など、国からの補助金、「りそな銀行」からの研究助成など、積算すると1億円に相当する支援を受けている。なんとしても、その金額では及ばないにしても、納税者の主体である民間企業に恩返しをしたいと思っている。学歴詐称も悪いが、それ以上に、自分だけの能力で学位取得したと思い、社会に還元しない生き方の方がはるかに難病である。小生は日銀の岩田某氏には何のご縁もないが、社会貢献はゼロとか、マイナスとは思わない。問題は、彼の学説が人類社会に貢献できているのか、否かである。国際学会で評価されていない日本の大学のアカデミズムの価値観で、日銀の岩田某委員を虐めるのは、品が悪すぎる。

以下、6月21日に公表された事実確認です。

 日本銀行は21日、岩田規久男副総裁と桜井真審議委員のホームページ上の経歴を修正したと発表した。ともに東大大学院で博士号がないのに「博士課程修了」と記載しているのはおかしいと国会で指摘されたのを受けて、「博士課程単位取得退学」に直した。

 文部科学省の省令では、必要な単位を取得し、博士論文の審査や試験にも合格することが「博士課程修了」の要件だと定めている。


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富山県の優良な金融企業

2016年05月21日 | Weblog

TMA講師代表:個人研究 

最近、就活の世界では、最優良の北陸銀行の評判が悪い。それには、このブログに一端の責任があると思う。しかし、就活生が楽して、老後も安泰な、安定した優良企業にさえはいれば、もうけものという親の不勉強の影響を受けているからだ。親の世代は、終身雇用、安定した年金の制度の恩恵を受けているから、優良企業へのもたれかかりが楽だ、得するという人生観に満たされている。

そこで、県内かせいぜい金沢くらいに店舗のないT銀行とか、D銀行の人気が強まっている。信金は、銀行よりレベルが低い、と思っているのも、T銀行、D銀行の人気を高めている。まず、北陸銀行は、幕末から蝦夷の地の移住し、殖産に励んだ「越中組」が、北海道で成功したので、北海道に大きな営業資産がある。そのため、北海道の銀行と提携し、持ち株会社である「ほくほくフィナンシャル」の参加にある。ランクは、メガバンク3行、りそな銀行の次の都市銀行という格の違いがある。単体の北陸銀行の保有している預金残高は、T銀行、D銀行とは、桁数が違う。

さて、ここで問題です。富山県の人口は、統計学からすると近い将来のは80万人に20%減少します。このような厳しい経営環境に耐えられるのは、経営資源である金融機関としての格付けと内部人材を伸ばす人事部の力です。T銀行、D銀行は、地域金融の限定すれば、経営者は優良ですが、表に出にくい本店人事部の総合力では、格段の差異があります。

最近、T銀行、D銀行は、株式市場に上場しました。流通する株式の総数が少ないので、高い水準で取引されています。それに反し、「ほくほく」は130円台に低迷しています。それで、T銀行、D銀行の就活生の人気は高いのですが、少し勉強している人ならば、株式の上場は現在の経営陣には、多額の利益を生み出すのですが、将来的には、企業買収の対象として、まな板に載せられたことになります。つまり、ごく最近、T銀行や、D銀行に入行したひとが、役職の年齢の達したとき、買収される側の銀行になるわけです。その時、預金残高、融資残高の大きい方が小さい方を吸収する構造になります。だから、例えば、富山大学の経済学部の就活生なら、T銀行、D銀行はレベル的には手ごろなのですが、30年後、50年後となると、県域内の銀行は企業買収の対象となりやすい銀行でもあるわけです。すると、県内金融に貢献したいとなると、信用金庫が最適となります。金沢星稜大学は、信金への就業をとても重視しています。男子学生は、北陸銀行ではムリなので、男子にも信金への就業を勧めておられます。北陸銀行は、金沢大学からの採用に全力を尽くされています。銀行は、行内の派閥が学閥の同窓会の形をとるので、富山大学経済学部の男子は、全国どこにもある信金に注目するべきでしょう。

TMAの富山大学寄付講座では、富山信金、高岡信金をお招きします。5月25日、6月1日に、経営陣の講義があります。中小企業の支援に特化した地域金融機関である信金こそ、国策としての地方再生の要となります。


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