富山マネジメント・アカデミー

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ブラック企業とホワイト企業に分ける思考のお粗末さ

2016年05月23日 | Weblog

TMA講師代表:個人研究

このごろ、企業をホワイトとブラックとに2分割して、レッテルを貼る風潮がはなはだしい。まず、2分法の思考は、大学教授としては、学生に教えてはならない思考法である。現代科学は、複雑思考が要求される。また、伝統的な儒学では、中庸が求められる。右の極端と、左の極端を避け、「ぴったり適切」なポイントが中庸である。それはさておき、白か黒か、これで企業を見分ける方程式を東大教授が編み出したらしいが、深く考えられない学生には、単純な判別という安易な判断で十分だと錯覚させる。

例えば、伊藤忠に勤務し、外国為替相場の係わる企業資金の管理を担当すると、夕方に出勤、午前に帰宅という夜間勤務が強いられる。では、伊藤忠はブラックといえるのか?

労働条件の良しあし、労務管理の適正さは、各地にある労働局がデーターを把握し、極端な事例は淘汰される。労働条件だけで考えるのは、学生アルバイトの思考法に過ぎない。大学教授も、学生アルバイトの経験はあるが、企業での就業経験をもつ方は、極めて少ない。だから、学生のアルバイトが抱く企業観は、学生アルバイトの労務を要する極めて限られた職種、そのような分野の企業にすぎない。

ホーム・ページに掲載されている情報から、経営学の基本的な実践者である企業か、どうか、それを判別するには、読み取る側に学力と技術がいる。それが読み取れない学生は、自分の頭のなかがブラック・ホールだと言われても仕方がない。

あとは、有価証券報告書を自分でネットで探せる知識だ。そのうえで、企業の自己資本利益率を分析すればよい。こうした頭脳がクリアーな学生に入社希望される企業には、きちんとした未来への設計図がある。

 


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