レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

運転免許ー七十歳まで無条件?

2012-10-21 05:00:00 | 日記
前回は路上でのカルチャーショックを少し述べましたが、今日は少し遡って移住先での運転免許の話しです。

アイスランドでは昔(私が移住した20年くらい前)は、移住者の運転免許の認定に関しては寛容であるというか、きちんとした規約がありませんでした。
私は日本から国際免許証を持参し、それをもとにして二年間有効のアイスランドの免許証をもらいました。

ところが、周囲の人が「アイスランドでは免許は期限が過ぎてもずっと有効だよ」と言ったので(ひとりふたりではなくて)、それを信じた私はそのままほったらかしにしておきました。もともと東京出身の私は運転なんて必要悪でしかなく、その当時の運転好きの奥さんにお任せ、という状態でした。

ところがその奥さんとのお別れが具体化してきて、また自分で運転をすることが避け得なくなってきました。で、当局へ行って聞いてみると「あなたの先の免許は既に失効している。申し訳ないがもう一回筆記及び実技の試験を受けてもらわなくてはならない」「複数の人が更新しなくてもいいと助言してくれたのだが」「誤った情報を与えられたことには同情するが、いかんともしがたい」

全体の流れとしてむしろ納得できたので、再試験です。いつぞややった交通教則の試験を今度はアイスランド語でです。英語という選択もありましたが、この時はむしろやる気満々でアイスランド語を選びました。もちろんちゃんと勉強しましたよ。結果はほぼ満点で筆記合格。免許事務所の女の子が「えーっ?アイスランド語でやったのー?すごーい!」と黄色い声。「ピース ・オブ ・ケーキ」と天知茂。

実地試験も受けましたがこちらの方がもっと簡単。というわけで、晴れてアイスランド共和国の運転免許を、国際免許からの書き換えではなくいただきました。1999年のこと。そして有効期間は....2028年。何とほぼ30年間。というか、発行された免許は当事者が満70歳になるまで有効なんです。これが、「免許更新必要なし」とアドヴァイスしてくれた人たちの論拠でした。

と、言うわけで今でも13年前に手渡された免許証を持って歩いています。さすがにプラステイックは摩り切れ始め、13年前の若き私の顔写真は霞の向こうに消えつつあります。

一度取ったら70歳まで有効の運転免許。論理的であるようでいて、ないような... うーむ、アイスランド的瞑想のための課題です。

でも70歳どころか80過ぎても運転してる人もいるなあ。ああいう人は免許の更新をするんだろうか?....70歳になったら??
解決するまでにまだ16年のゆとりがあります。(*^^*)


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左見て、右見て、また左

2012-10-19 05:00:00 | 日記
アイスランドはもちろん他のほとんどの国と同じく車両の右側通行です。当然左ハンドルです。始めは戸惑うこともありましたが、だんだんと慣れてきました。始めの頃よくやった失敗は、例えばウィンカーを使おうとしてワイパーを動かしてしまう(位置が日本と入れ替わっています)。

牧師研修生の頃、名古屋の牧師さんでアメリカ在住が長かった方が運転中に突然ワイパーを使い始め「あれ、またやった」とぼやいていましたが、そのわけが分かるようになりました。

次によくやったのが、運転席へ入ろうとして無意識に助手席側へ歩を進めてしまうこと。身に付いた習慣とはなかなか消えないものです。

あと、時々やってしまうのが左車線へ進入してしまうことです!これは危険です。「時々」は不正確ですね。実際にやってしまったのは三回だけです(十分にヤバイ?)。やりそうになったことはさらに数回あります。

ただ実際に危険なことはありませんでした。なぜかというと、左に入って行ってしまうような時は、例外なく周りに何の車も走っていないような状況なのです。「右も空いてるよ。左も空いてるよ。さあ、どっちがいい?」というような環境の時に「無意識に」左に行きそうになるのです。周りに一台でも車がいれば、そのような勘違いは起こりません(って、自慢にもならないか?)。

もうひとつ危険な勘違いがあります。信号のない十字路で自分が優先権のない場合、自分の右方向から来た車がウィンカーで左折を表示します。この時に「おっ、OK」と思って出て行こうとしてしまうことです。

日本ならOKなんですよー。でもこっちでは対向車は自分の前を通り越してから左折に入ってくるのですから、もちろん曲がり終えるまで待っていなくてはなりません。これも視覚が勝手に判断して動き出してしまう例ですね。これはアブナイです。

そんな私でも最近は慣れてきました。横断の原則、「右見て、左見て、もう一回右見て」も「左見て、右見て、もう一回左見て」に見事に調教しました。おかげで日本へ帰った際は随分危ない思いをすることもあります。

結局、切り替えがスムースに行かない私の性分なのでしょうね。その自覚があるのでもう日本では運転しません。って、言うか免許もうないし。こちらに住んでいる邦人の方で、帰国の際にレンタカーを乗り回している人がいます。ああいう人は大したものです。脱帽。

何年か前に、日本に長年いた英国人の牧師さんにアイスランドでお目にかかりました。話しの流れで「日本では運転していたのですか?」と尋ねると、「はい、毎日」「大したものですね」「ありがとう」

でも、よく考えたら英国人が日本で運転するのは本国と全く同じじゃないか。褒めて損しました。(^_-)☆


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Imagine

2012-10-17 05:00:00 | 日記
今日はささやかながらとっても楽しい体験をしました。以前頼まれてジョン・レノンの「イマジン」の最後の二行だけを日本語に訳したことがあります。頼んで来たのは近くの小学校の音楽の先生で、なんでも子供のコーラスが「イマジン」を色々な国の言葉で歌うのだそうです。

いつか君も おいでよ
世界を ひとつにしよう

と、いうのが私の訳でした(「ひとつになる」というニュアンスの方がふさわしいとは思ったのですが、字数を合わせられなくて)。

今日の昼過ぎにその音楽の先生から「歌い方(発音と区切り方)がよくわからないから、お手本用に録音させて欲しいのだがいいだろうか?」と電話がありました。近くの学校だし、ちょうど手も空いていたのでこちらから出向く、ということにしてすぐに行ってみました。

学校へ着くと音楽室から「イマジン」が聞こえてきます。ドアを開けて中に入ると20人ほどの子供たち(10歳くらいかなあ?)が練習していました。みんなニコニコして迎えてくれて、日本人に日本語を指導?してもらえるのがうれしいようです。

そういう笑顔を見るとこちらもうれしくなります。音楽の先生が声も(これは電話でも分かりましたが)容姿もきれいな方だったのでますますうれしくなりました(こっちの方が主だったかも (*^^*) )。

本当はちっちゃな録音機にひっそりと吹き込むつもりで来たのですが、成り行き上、みんなの前で歌うことになってしまった。まあ。いいや。別にそれくらいは恥ずかしくないし。

で、それから20分ほどの間、言葉の区切り方を示したり、発音を少し直してあげたりすると、あっと言う間にきちんとした日本語のコーラスになりました。大したものです。

「コーラスのメンバーは全部で78人います。今日はその中の一部だけ」と先生。「まだ日は決まっていないけど、隣りの教会を借りてコーラスの発表会があるんです。よかったら来てください」
はい、はい、いいですね。是非とも。

ちなみにレイキャビクの海岸に浮かぶ超ミニサイズの島、ヴィゼー島には「ピースタワー」という天に向けてビームを照射するオブジェがあります。ヨーコ・オノさんの作品なのですが、彼女はアイスランドを気に入ってくれていて、最近は毎年やって来ています。

今年も一週間くらい前に来氷し、10月9日のジョンの誕生日に行われた点灯式(夏期はずっと明るいので灯りは消してしまいます)を主催されていました。今年はジョン・レノン平和賞というアワードの授賞式もレイキャビクであり、なんとレディ・ガガも来たんですよ。

話しが逸れましたが、今日のようにささやかな日本文化紹介?のお手伝いをするのは楽しい役得です。日の丸かざしての大きなイベントもありますが、こういう何でもないお手伝いの方が意外性があって面白いかなあ?

子供たちのコーラス、頑張って欲しいですね。v(^_^)
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温泉名人

2012-10-15 05:00:00 | 日記
温泉名人Wさんのお話しの続きです。

温泉名人は先の土曜日の日本語教室に見学に訪れ、中学科の子供達に旅先での経験談等を話してくれました。もともと外国で日本語を学んでいるその国の人たちと話しをすることに興味があるとのこと。観光よりは、教育、経済、そして温泉というような柱をもとにして国々を回っているそうです。

当然のことながら、名所巡りでは得られないような、その土地での生活習慣や人々の考え方、日本に対するイメージなどについての体験が蓄積されていくとのこと。

中学科の子供達に話してくれたことの中に、例えばイランでの体験がありました。Wさんもイランに関しては始めちょっと怖いような身構える気持ちがあったそうですが、実際に行ってみると実に気さくな良い人たちばかりだそうです。国境から街まで車に乗せてもらったそうですが、それも小さな車に大の大人がすでに四人も乗っていたにもかかわらず、皆がギューギュー詰めになってまで四時間の行程に加えくれたとのこと。

その後もバスに乗れば運賃は払わなくていいと言われたり、ヒッチハイクで手を挙げればものの十秒で止まってくれる、といった具合で全てヒッチハイクで国中を巡ることができたそうです。

もちろんこれは誰に対しても、というものよりは親日感情が強いことの現れだそうです。イランでは「おしん」とアニメの「一休さん」が人気の番組なのだそうです。これはビックリですね。

そのように日本に親しみを感じてもらっている割には、私たち日本人はあまりイランのことは知らないのではないでしょうか?私自身、1979年のホメイニ革命以来、イランにはイスラム原理主義と戦争というイメージが脳裏に強く焼き付いてしまっていることを認めないわけにはいきません。昨今の核開発を巡るニュースでもあまり肯定的な印象は持てないようです。

しかし、そのような時こそ、私たちが報道で知る国の政策や政治家の弁舌と、実際のその国の個々人がどうあるかは、同じ国の二つの違う側面であり、かつ往々にしてその二つの間には相当な距離があることを思い出さなくてはいけないのではないかと考えます。

誤解のないように言っておきますが、私はイランは実は良い人ばかりで何の問題も存在しない国だ、と考えているのではありませんよ。イランには色々な問題が確かにあるのだろうと思います。ただ、一国を語る際にはもっと様々な側面を考慮しないと、「イラン人はみんな嫌いだ」と言ったような短絡的で偏見に満ちた態度に陥ってしまうのではないか、と思うのです。

Wさんの見聞録ではイランの人たちはみんなピクニック好きなんだそうです。「毎日、夕方からでも家族でピクニックシートを持って公園へ行ってピクニックですよ、大勢の人が」ヒゲはやして無表情なイラン人男性の強面イメージからは全く想像もつかない生活ぶりでは?

なかなか自分で行き見る機会のない国々のことを教えてくれる温泉名人。自分の体験をシェアし、意見も述べてくれ、かつこちらの言うこともきちんと聞いてくれる青年です。決して当たり前ではないですね。私にとっても一期一会的な良い出会いをありがとうございました。

無事に旅を続けられご家族の待つホームへと戻られますようお祈りしています。

温泉名人Wさんの世界一周ブログはこちら。是非ご覧下さい。

世界八十八湯温泉道 世界一周 極楽エクスプローラーの旅
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日本/アイスランド 温泉の効用

2012-10-13 05:00:00 | 日記
世界一周旅行をしている日本の青年Wさんが今週はアイスランドに来ており、お話しをする機会を持ちました。旅に出てすでに一年半が経過しており、この後アメリカ大陸を上から下へ抜けて帰国の予定とのこと。壮大な冒険です。

Wさんは別府の出身だということで「温泉名人」でもあるのだそうです。「温泉名人」とは別府の温泉を巡って八十八のスタンプを集めるといただける名誉ある称号。四国のお遍路さんを模しての温泉PRのようです。
別府には2.400もの源泉の湧き出口があり、温泉旅館の数も2.000軒に達するとのこと。泉質も実に多種に渡るようです。

アイスランドにも温泉はたくさんあるのですが、日本との違いはアイスランドでは温泉はどちらかというとプールの延長線上にあり、水着を着用して入ることでしょう。で、Wさんに他の国ではどうなのかを聞いてみました。すると、一般にヨーロッパを中心にして水着着用の国が大半のようだ、とのこと。

ちなみに、日本の温泉(お風呂感覚)に近いのはお隣の韓国、そして意外な伏兵ロシアの隣りのグルジアだそうです。

ところでアイスランド人は、温泉とは異なりますが、プールへ行くのが大好きです。日参するお年寄りも少なくありません。大体ひとつの町にはひとつのプールがあります。地熱を利用しての温水(これも温泉の一種)を混ぜてあるので、冬でも利用できます。

もちろんそれでも水は冷たいですよ。あまり暖かくしてしまうと肺に負担がかかって競泳のような激しい泳ぎはできなくなってしまうのだそうです(これは別の人から聞いた耳学問です)。

で、少し泳いで寒なった時に入るホットポットがいくつかプールサイドに並んでいます。普通は直径二、三メートルくらいの円形のもので、7、8人が円になって腰掛けられるように設計されています。さらにプール毎に多少違いはありますが、35度、38度、40度のように湯温が選べるようになっています。

私は泳ぎは得意でないので、プールに行くともっぱらこのホットポット漬けになります。面白いのはこのホットポットは温泉に通じるものがあり、ここに入っているとのんびりしてきて、誰とはなしにお話しをするようになることです。もちろん知り合いではなくとも。

私のようなあからさまな外国人に対しては「ターラルズュー イースレンスク?(アイスランド語は分かるか?)」から入ってくるのが常套です。「どこからきたのか?」「長いこと住んでいるのか?」そして必ず来るのがアイスランド人のお気に入りの質問:「アイスランドが好きか?」

前回、アイスランド人が移民を含む外国人に対して英語で話したがる、ということを書きましたが、よく考えてみるとホットポットは別ですね。大体アイスランド語で話しかけてきます。まあ、お年寄りが多いからかもしれませんね。いずれにしてもホットポット内はいつも平和かつ友好的です。

温泉名人のWさんや大学の日本語の先生方(邦人とアイスランド人)とも話題になったのですが、お風呂の中には全ての肩書きや世俗のしがらみを持ってこれないこと、逆に自分の素をさらしてしまうこと、裸では喧嘩すると誰にとっても分が悪いこと等々があいまって、自然と隣りと友好を築こうという気になるのではないでしょうか?

だったらひとつ提案があります。日中韓首脳会談を別府温泉で湯船につかりながらやってください。国を率いる立場のお方々こそ肩書きや面子を置いて湯船に入り、それぞれの国民にとって一番大切なものを見極めてもらいたいと思います。

「尖閣・竹島問題、湯船会談で和解方向へ」成功すれば別府温泉外交として歴史の教科書に残るかも、ですね。

温泉名人Wさんの世界一周ブログはこちら。是非ごらんください。
世界八十八湯温泉道 世界一周 極楽エクスプローラーの旅
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