レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

近づく晩夏の「やれやれ、またかいな」

2024-08-06 18:49:32 | 日記
こんにちは/こんばんは。




清涼感アップ用ピック
Myndin er eftir Matt_Palmer@unsplash_com


またまた中途半端な間隔での更新となってしまいました。二週間の夏休みが終わるタイミングで書いています。

毎年書いていることをまた繰り返してしまいますが、八月のアイスランドは -特にレイキャビク界隈では- 盛りだくさんの行事で埋め尽くされています。

まず、8月1日には新大統領のハットラ・トマスドティールさんが就任しています。割りと静かな就任式で、あまり大騒ぎはなかったですね。

第一の週末であったこのウィークエンドはThodhatidショウズハウティーズという「野外ワイワイどんちゃんパーティー」がヴェストゥマンナエイヤルという島(正確には諸島)で開催され、万単位の人が参集しました。

今年は天気に恵まれていたようなので、皆さん楽しまれたことでしょう。以前にはこの祭りの最中に、特に酔いに任せたレイプ暴行事件が多発することが話題になり、注意喚起されたのですが、最近はあまり耳にしないような気がします。改善されたのやら、気にしなくなったのやら。ちょっと心配。

同様の野外パーティーは、全国あちこちで開催されます。ちなみに第一の週末は月曜日まで祝日で、パーティーも足掛け月曜までとなります。




こんな感じのヴェストゥマンナ島のフェス
Myndin er ur Eyjafrettir.is


その翌日の火曜日から、即Hinsegin Dagarヒンセイイン・ダーガーという第二週末にかけてのお祭りが始まります。これは俗に言うGay Prideというイベントです。

Hinseginという言葉は、こちらではよく使われるもので、要するにLGBTqの人たちを指すものなのです。私自身も「雰囲気的」に使ってしまってることが多いのですが、Geminiのサジェスチョンに従ってLÓA Language Schoolというサイトで調べてみました。

すると「HINSEGIN: 『異なる』しかし、異性愛者や一般的な性と性別の定義に当てはまらない人々のための包括的な用語でもあります。これは(英語では) queerと訳されますが、queerはhinseginという言葉よりも急進的で政治的なイデオロギーを表します。他に適切な言葉がないため、この投稿ではqueerを使ってhinseginコミュニティを指します。」とのこと。

このイベントは、三十年近く前から企画開催されていたもので、1999年以降は毎年レイキャビク市で持たれるようになりました。当初はゲイの人たちの権利の拡張を訴える機会でしたが、最近ではもう少し包括的になりLGBTqの人たちや、はっきりしなくとも「ちょとフツーでない」人たちのことも含むようです。「『フツー』ってなんや?」という紳助さんのCMがかつてあったような。

とにかく、これも万単位での人出となります。




Gay Prideパレードからの一コマ
Myndin er ur Hinsegindagar.is


第三週は今年は何もなくて、次の第四のウィークエンド。レイキャビクではMenningarnottメンニンガーノホトというカルチャーナイトのイベントが持たれます。夜だけではなくて、朝からレイキャビクマラソンとかが始まります。

あと、この辺りから「晩夏」の気配かなー?

というわけで、八月はワサワサした時期となります。加えて夏休みが終わり、みんな仕事に戻ってきます。ことらでは学校は八月中旬から新学年、仕事も九月から新年度みたいな区切りですので、八月はなんというか、「本番前」みたいなソワソワ感もあります。

私自身は究極の引き篭り老人ですので、このようなお祭り騒ぎにはほとんど関わりなくチョーゼンとしていますが、それでもこの「ソワソワ感」は周囲から伝わってくるので、多少は巻き込まれてしまいます。

特に今年の場合は、教会関係で特別なことがありソワソワ感を増幅しています。それは9月の1日にGudrun Kals Helgudottirグビューズルン・カルス・ヘルグドティール牧師が新ビショップに就任する式があるからです。

ビショップはそうコロコロ変わるわけではありません。現ビショップのアグネスさんが就任したのが、確か2013年。だから十一年振り?大体十年から十五年くらい周期での交替が普通でしょうか?





カルチャーナイトからのスナップ
Myndirnar eru ur Visir.is/SteingrímurDúi


ですから、外国からの来賓も多く、結構大きなイベントになります。やれやれ、お金と人力の無駄遣い。というのはワタシの正直な感想。今のこの現実の中で、他にすべきこと、お金を注ぎ込むべきことは山とある気がするのですが。

そういう点で、下々とトップに温度差があるのは、残念ながら教会でも一緒です。ついでにビショップの選挙の際には、候補者はみんな「庶民の味方」なのですが、いざ選ばれると「天上人」と化すのも世の常と同じです。

まあ、その点に関しては、今のアグネス監督はそんなに舞い上がらずに地に足が着いていたと思います。世間的にはあまり人気がないアグネス監督なのですが、私は高得点をあげます。

で、そのグビューズルン新監督の就任式に先立つ一週間、つまり八月の最後の週には、Kirkjudagarキルキュダーガル「教会デイ」というイベント週が、全教会をあげて持たれれます。

その中で、私の関係しているInternational Congregartionも、やれ礼拝担当だとか、やれMalstofaマウルストーバ(レクチャーと討論を合わせたようなミニシンポジウム)だとか、いろいろ役割を当てがわれているのです。

移民、難民に関係していますとね、こういう機会には「マルティカルチャー」的な装飾として頻繁にお呼びがかかるのです。

ビショップの選挙期間中にも、複数の候補が私たちの集会を「教会の取り組んでいる良い働き」の例として挙げてくれました。そういう際には「都合の良い」存在なのです。




カルチャーナイト、締めの花火
Myndin er ur Visir.is/VILHELMUR


昔、「遠すぎた橋」という第二次大戦ものの映画で(A Bridge Too Far 1977)、ショーン・コネリー演じる連合軍の空挺隊将校が、いつものように難しい作戦の特攻隊役を言いつけられて「やれやれ、またかいな」と呟くシーンがありました。

それを聞いたエドワード・フォックス演じる上官が「やれやれ、またボヤキか?」とやり返し、「お前の隊を任命するのは、第一に戦闘能力がまずまずの域に達しているのと、加えてイギリス軍将校にしてはみすぼらしいからだ。

万が一、武運つたなく敵に捕まっても『そこらのおっさんだろう』ということで釈放される可能性が強いからな」と冗談で返しました。

このシーン、なぜかとても心に残っていて、よく思い出します。よく呼び出される、使われることが、単に「都合の良いから」だけなのか、他に「本当に質が良いから」という部分があるのか、そこが問題になるのですが...

まあ、いずれにしても、役割をあてがわれた身分としては、「都合が良い」以上に「質が良い」ことを示すべく努力しなくてはならないわけです。

というわけで、夏休みも終わり「やれやれ、またかいな」の世界へと舞い戻る時が来ました。日本の皆さんは、まだお盆がこれからですね。引き続き、熱中症、ゲリラ豪雨等にお気をつけてお過ごしくださいますよう。


*これは個人のプライベート・ブログであり、公的なアイスランド社会の広報、観光案内、あるいはアイスランド国民教会のサイトではありません。記載内容に誤りや不十分な情報が含まれることもありますし、述べられている意見はあくまで個人のものですので、ご承知おきください。


藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com

Church home page: Breidholtskirkja/ International Congregation
Facebook: Toma Toshiki

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2 コメント

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Unknown (kuwasan)
2024-08-08 22:47:25
カルチャーナイトの花火、チョルトニン湖に映えてきれいですね。ちょっと日本の花火と色合いが違いますか?私の街も競馬場や競艇場で花火大会があって、この頃は結構洋風⁈な花火になってきているようですが。空気の違いもあるんでしょうか。こちらは気温だけはまだまだ盛夏、夜も32℃です。
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ブログ当事者 (Toshiki Toma)
2024-08-09 05:13:50
>kuwasan さんへ
>カルチャーナイトの花火、チョルトニン湖に映えてきれいですね。ちょっと日本の花火と... への返信

コメント、いつもありがとうございます。
こちらの花火は、大晦日の新年祝いが昔から華やかだったので、「冬のもの」感がありましたね。
カルチャーナイトが夏花火の走りだと思います、こちらでは。
デザインの違いとかもあるでしょうが、それよりも「夏の夜」の雰囲気がやはり日本とは違います。いい悪いの問題ではなくて。

夜の30度越え。残暑お見舞い申し上げます。m(_ _)m
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