レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

ケト再挑戦の夏

2023-06-23 17:36:43 | 日記
こんにちは/こんばんは。

今年も夏至を超え、ヨウンスメサを迎える時期となってしまいました。これからの半年はだんだんと暗くなっていく毎日なのか、と思うと残念なものがあります。

ほとんど暗くならない毎日の「はず」なのに、なぜか今年はその明るさが実感されないままきてしまっています。スカッとした晴れが少ないからかな... ?

ヨウンスメサ 夏至の祭り

White Night 白夜 Midnight Sun






我が西街古アパートからの深夜の眺望


前々回の更新で、今、私がやっているダイエットの進捗状況について書こうと思ったのですが、きちんとした段取りを考えずに書き始めたため、まとまりない話しになってしまい、ダイエットについてはほとんど触れずに終わってしまいました。

というわけで仕切り直しです。

今年の目標のひとつが「準」高齢者としての「美ボディメイク」(笑うな!)になりましたので、いくつかの取り組みをしています。ダイエットはその一部で、体重を落とすことよりは「美ボディメイクのための食事管理」ということの方がメインの目標です。

美ボディのための主たる努力は筋トレにあるのですが、その筋トレが波に乗ってきた三月あたりから、食事についても考えが及び、4月15日からケトジェニックのダイエットに入いりました。

だから、今は二ヶ月と一週間くらいになりましたねぇ...  ケトジェニックについては、かなり流行っているので説明は不要でしょうが、よく知らない、という方は前に書きましたブログの方も覗いてみてください。


ダイエットは宗教だ「転び」ケトジェニストのつぶやき

還暦 ダイエット ダルビッシュ


ケトジェニック・ダイエットは、簡単に言うと「低糖質・高脂質」の食事法です。これに「高タンパク」を加えることもあります、特に筋トレ従事者の方々は。

私がケトをするのは今回が二回目。一回目はすでに五年も前のことになります。その間にコロナの期間があるために、時間がワープしてしまった感があります。前回もそこそこうまくいったのですが、脂質を摂り切ることができず中途半端になってしまいました。

高脂質に恐怖があったのは、その頃の筋トレ(この時期もやっていました)がそれほど気合いが入ったものではなくて、摂った脂質を消費する自信がなかったからだろうと(今では)考えます。

その点、今回はばっちり。がっつり「脂質来い!」でやっています。その反面、糖質制限のケトですから、4月15日以降、ごはん茶碗一杯、パン一切れ、ラーメン一すすりすら口にしていません。別に大丈夫です。鉄の意志の男。




実際の食事から 鶏むね、タマゴ、ブロッコリー


実際に食べるものは何か?というと、炭水化物を避け、肉、魚、葉野菜とかが主食となります。ですから食費はかなり嵩(かさ)んできます。ケトの弱点のひとつです。私個人の体感では、食費は普段の二倍くらいになってるかも。まあ、私は普段は貧乏飯というのがあるからかもですが...

ケトの弱点のふたつめは、ケトの主役たる「ケトン体」という物質が身体内で活性化しているかどうかをどうやって確かめるか?ということです。

糖質を一定限以下に押し下げると、ケトン体という物質が生産され、これが体内の脂質をエネルギー源として消費するようになります。普段は糖分がエネルギー源なのですが、別の回路にスウィッチするわけです。これがケトダイエットの真髄。

ケトン体がある限り、脂質を多く摂っても心配する必要はありません。ですが、もしケトン体生産に至っていないのに脂質を取り込んでしまっていたら... というのがケト実践者の悪夢です。

五年前には簡単な尿検査キットくらいしか実際的な確認の方法がなかったのですが、五年間は技術進歩には十分な時間なのでした。今ではケトン体測定器なるものをAmazonとかで簡単に購入できます。

簡易のアルコール検出機と同じで、息を吹き込むとケトン体の量を測定してくれます。ケトン体とはアセトンの仲間なので、息の中のアセトンを観測して数量化するのだそうです。私の持っている測定器では、15 〜25あればケトン体「ばっちりレディ」となります。




ケトで必須アイテム 呼気式ケトン体測定器


これらの弱点の反面、ケトにはふたつの利点があります。第一に、そんなに何を食べようか?と考えなくていいのです。炭水化物(糖分)さえ摂らなければ「あとはご自由に」っていうような感じですね。

卵は毎日いくつか食べますが、その他に「今日は魚」「今日は肉」みたいな感じで気楽に食べられます。もちろん、食べたものの記録は付け、カロリー、摂ったタンパク質、糖質、脂質の量もある程度の正確さで把握しています。

利点の第二は塩分を多めに摂っても良い、ということ。ケトで糖質の取り込みが少なくなると、体内のグリコーゲンの量がグッと減ります。グリコーゲンとは糖分に結び付いたエネルー源です。

グリコーゲンが体内に保管される時には、必ず水分と抱き合わせで保管されるのだそうです。だから、グリコーゲンが空になると当然体内の水分も減る。そこでバランスを保つためには、塩分を補強して水分を多く溜めておく必要があります。

塩分も水分と結び付いています。塩分濃度が高くなりすぎないように、ですね。また言わずもがなですが、塩分は血圧とも結び付いています。塩の摂りすぎは高血圧のもと。

私は塩分お構いなし、という食生活の故に血圧が高くなっていた時期がありました。そのことをホームドクターに指摘されて以来、日毎の塩分摂取は6グラム未満という制限をかなりきちんと守っています。

これが結構メンドイのですよ。ほとんどの食品、食材には塩が含まれています。一日6グラムなんてあっという間ですよ。塩分制限だけで、結構なダイエットになります。

ケト期間中はこの塩分規制に、そんなに神経質になる必要がありません。バンザイ。(*^^*)




ワタシの二日前の体重


さて、体重は始めた時点で70〜72キロだったのが、今は67,4から67,9くらいになっています。二ヶ月ちょいで2,5キロくらいの減少ですね。まあ、体重減という点では順調?かな。ズボン(という言い方は古いか?)もしくはパンツ、あるいはトラウザーなんかはかなりウエストがゆるゆるになってきました。

ただ体重を落とすのが本目的ではありません。「余計な体脂肪を減らす」という点では、体重減もありなのですが、「筋肉量をアップする」ということが同時目的ですので、そちらが達成されるならば体重はそんなに減るものではないのです。だから、現時点では筋肉は全然増えてないということか?... (^-^;

ケトダイエットは六月いっぱいまで続けるつもりです。当初は七月半ばまで三ヶ月するつもりだったのですが、順調にきているので前倒しにします。その後二ヶ月はカロリーのゆるやかな上限だけ決めて、普通の食生活にします。

ハードなボディメイカーの人たちは、ケトの後で「ローファットダイエット」という食事法をとるのが普通です。低脂肪での食事法ですね。フィジーク(ボディビルの一分野)の選手の方とかは、「鶏肉の皮は取る」「揚げ物は食べない」「焼き物の油は最小限の量を塗る」みたいな努力を真剣にします。

私は別にフィジークの大会に出場するわけではないので、そこまではしません。普通に食べるつもりです。そういう時期を二ヶ月続けたら、またケトに入ります。同じくらいの期間。

そしてクリスマスに入る前から、また普通の食事に戻って年末年始まで。というのがプランです。

こういうような食生活管理はなかなかいいですね。カロリー制限だけ、塩分制限だけ、というようなダイエットばかり考えてきましたが「制限」よりは、何を「今」は「選択」するかということに焦点を当てることができると思います。

ケトとローファット、あるいは単に食べすぎない時期をローテンションすることで、夏休みや、クリスマス、お正月等に苦しまなくて良い食事管理も可能になります。今年はこれで一歩前進、です。


*これは個人のプライベート・ブログであり、公的なアイスランド社会の広報、観光案内、あるいはアイスランド国民教会のサイトではありません。記載内容に誤りや不十分な情報が含まれることもありますし、述べられている意見はあくまで個人のものですので、ご承知おきください。

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17. juni - ソイチャンディ・ユニ アイスランドの独立記念日

2023-06-18 04:46:51 | 日記
こんにちは/こんばんは。

前回のブログでは「月並み」としてスルーしてしまったソイチャンディ・ユニのアイスランド共和国の独立記念日。

普通、こういう機会にはブロガーはいそいそとカメラやビデオ(いずれにしてもスマホ一台か?)を持ってでかけ、読者の皆さんのために写真や動画を提供するものだろう?という陰の声はもちろんありました。

時間もあったし、天気も暖かい一日だったので、ほんの一時間ほど街中を覗いてきました。歩いて十分くらいのところ。市庁舎に隣接するTjarnin テャルニン「池」を囲む公園のようなスペースが、家族向けに子供用のサービスを提供していたので、そちらの方へ行ってみました。




池の東側に広がる公園を池を横断する橋より展望


私も自分の子供がたちが小さかった頃は、毎年参加していたのですが、その時期が過ぎるとほとんど関係なくなってしまいます。

まあ、人が多いのにびっくりしました。さらに外国人が多い。(お前もだ)

この日のプログラムは、午前中のパレードから始まって、国会議事堂(アルシンキ)前の広場での、大統領や首相が参列する公式イベントや、その他にも夜半までいろいろなプログラムが市中、市外または各地方でも行われます。

スナップを何枚かご紹介しますが、これはこの池の周りで、私が小一時間の中で見た限りのものからのスナップです。ご了解を。











池を横断する橋の上では、なぜかクラシックなアメ車の展示もやっていました。














2022年から23年の一年間で、また移民数が一万人も増えました。そういうことも影響しているのだろうと思いますが、このようなお祭りが以前と比べて国際的というか、楽しくなってきているような気がします。まあ、それはいいことでしょうね。(*^^*)

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「裾野から山を描写しようとするとこうなる」の回

2023-06-17 06:28:54 | 日記
こんにちは/こんばんは。

今日は土曜日ですが、フツーの土曜日ではなく「ソイチャンディ・ユニ」の土曜日です。「ソイ」ですが大豆とは関係ありません。「ソイチャンディ」とは17日のことです。そして「ユニ」は英語のJuneで六月のことです。今日は6月17日の土曜日なんですね。

大切なのは6月17日の方で、土曜日の方は本当はどうでもいいのです。つまりはアイスランド共和国の独立記念日が今日なのです。Til hamingju ティル・ハーミンギュおめでとうございます!




17. juni 祝独立記念日
Myndin er eftir Frugal_flyer@unsplash_com


ということで、そういう月並みな話題はこれで終わりとして先へ進みましょう。物足りない方はこちらの古い回を参照してみてください。

ソイチャンディ・ユニ 6月17日 

月並みでない話題とはワタシのダイエットです。「月並みでない」というのが、月並み「以上」なのではなくて月並み「以下」月並みにも至っていない気はしますが、これはタイトルにもあるように「日誌」ですのでご理解を。

今年はですね、これまでのところかなり健康な年と化しています。健康というのはつまりヘルスケアな日々となっているということです。

で、要するにダイエットがひとり歩きしているわけではなく、ダイエットというよりは「食生活管理」に熱心になっているという方が正解。そして、それは積極的に身体を使う筋トレにつながっています。

筋トレの目的は「美ボディ」を造ることで(笑うな!)、ボディシェーピングに取り組んでいるのです。なぜ、ボディシェーピングかというと、ここで今年の年次目標のようになってしまった「ちょっと立ち止まって、自分の今あるを見直してみる」ことが関係してきます。

単純にいいますと、現役生活の終着駅が見え始めてきた頃になって、「今までちょっとやってそのままになっていたことをきちんとやり直してみよう」みたいな気になったのです。

新しいことにチャレンジするのも良いことですが、今まで何十年も生きてきて特に興味もなかったのに、ここにきて急に面白い、なんていうものはそうは転がっていません。

むしろ、いままで関心があってちょっとかかわったけど十分には取り組まなかった、ということをおさらいする方が理にかなっているような気がしたのです。その結果として「自分自身の最高バージョン」ができればいいかな?と。




清涼感アップ用ピック1
Myndin er eftir Square_lab@unsplash_com


「美ボディ」はその中のひとつのトピックなのですが、前回書きましたような「アイスランド語をもう少しマシなものにする」というのも、この線にそったものです。

他に「英語もっときれいに喋れるようになる」というのも実は目標のひとつになっています。まだこれからいくつかそういうトピックが追加されてくることと期待しています。

多分、料理(作る方)とか、もしかしたら詩作なんかも復活するかも...

で、美ボディメイキングに戻りますが、そのための筋トレがあり、それに関連して食生活管理があります。ダイエットというのを「体重を落とす」という意味に理解するならば、それは実は食生活管理の一部でしかありません。

美ボディメイキングは痩せることとはちょっと違い、ワタシはもう少しでかくなりたいのです。って、でかくなりたいなんて六十半ばの爺様が言うと滑稽かもしれませんが、要するにしっかりと筋肉を回復していきたいのです。

筋肉というのは、たとえ六十代でも、七十代でも、訓練によって強くなります。これは科学的にも立証されていることで、筋肉の働きというのは、私たちが普通に思い込んでいるよりはずっと加齢に左右される部分が少ないのです。

もちろん、若い世代に比べて成長の度合いはぐっと少なくなります。成長ホルモンの分泌がどんどん減っていきますからね。そういうことから、サプリの助けを借りる必要があるわけです。

そしてここに「サプリ」という実に面白い世界が連結してくるわけです。最近私が没頭していた世界です。へへ、面白いですよ、サプリって。インチキだらけで。




清涼感アップ用ピック2
Myndin er eftir Seonyong_im@unsplash_com


えーとですねぇ、ダイエットについて書こうと思っていたのに、全然違う展開になってしまいました。なぜダイエットをしているのか?ということを説明するために、一度一番の出発点に戻らざるを得なくなったようです。

なんというか、裾野の方から山を描写しようとしてしまったための混乱ですね。悪しからず。

つまりは現役生活の「終活段階」に入ったワタシは、最高バージョンの自分を仕上げたいと願い、その中のトピックのひとつが「美ボディ・メイキング」で、その幹から「筋トレ」「食生活管理」「サプリメント充実」のような枝が分かれているわけです。

そして、これらのひとつひとつの枝について、結構面白い発見と体験があるのでした。チョー個人的な「ワタクシ」話しなのですが、それでも皆さんと繋がる部分もかなりあるのではないか?と考えます。

しばらくは、こういう線でお話しを続けさせていただきます。もちろん、その合間合間に突発的なトピックが挟まることはあると思います。

あと一週間で夏至だあ!なんという速さ...


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「いやあ、人生は絶え間ないチャレンジですなあ...」の回

2023-06-10 01:26:44 | 日記
こんにちは/こんばんは。

前回、この春に経験した私の担当している教会からの礼拝のラジオ放送についての顛末をご紹介しました。書きたいことはまだまだあったのですが、そこまで仔細に描写していくとキリがなくなりそうだったので、かなり割愛しました。

ただ割愛組の中にも「これは別の脈絡の中で書いておかないと」と思えるものがあったので、今回はそのことをご紹介します。それはアイスランド語の学習に関することです。




清涼感アップ用ピック1
Myndin er eftir Shadman_sakib@unsplash_com


ラジオ礼拝の中でのお話し(教会では「説教」と呼びます。キリスト教の講話のようなもので、聖書の説明やキリストの教えについて語るものです)は、私が担当しました。

ラジオのリスナーのほとんどは高齢者のアイスランド人と推定されましたので、この部分を英語にすることは無理がありました。ちなみにRUVのラジオの放送の中で、例えば外国人のゲストが英語で話しをすることはもちろんあります。

そういう際には、まず英語の語りが始まり、その二、三秒後にその語りの音声が低くなり、アイスランド語のナレーションがそこに被さってきます。これは定番の「ラジオ版翻訳」のパターンなのですが、これでは「ナマ感」が損なわれてしまうので、ラジオ礼拝には不向き。

あとは英語で話した後でアイスランド語の訳を繰り返す、あるいはその逆、ということもメニュー上にはあります。ですが経験から分かっていることは、この仕方では十分(じゅっぷん)の話しが二十分に、十五分の話しが三十分になってしまうこと。これもラジオには不向きです。

と、いろいろ考えながら議論したのですが、最終的には「じゃあ、アイスランド語のみで」ということに落ち着きました。もともとアイスランドのラジオだし、別に大それたことをしているわけではなかろうと...

ただその結果として、話者となる私にはそれなりの負担がかかります。公共の電波に乗るわけですから、ある程度しっかりした内容のお話しを編まないといけませんし、しかもそれをアイスランド語でしなくては。

アイスランド語は知り合いの女性牧師の方に校正してもらい、さらにアニー牧師にお伺いをたてながら二度目のチェックしてもらいます。ここまでは前哨戦。本番は原稿が確定してからの「読み」です。




道端の綺麗な花 本文とは無関係
撮影byミー


あ、そうそう。こういう手順は別の今回が特別なことではなく、アイスランド語でお話しをする時には -教会の説教であっても他の種類のスピーチであっても- いつも繰り返しているものです。

読みの練習は、原稿に鉛筆で区切りをつけたり、強調点をマークしたり、難しい発音の単語がある場合にはそれを特に練習したりしながら進めます。

大体、いつもは二十回の音読をすることにしています。これって結構の労働になります。15分のお話しを十回読むと150分、二十回で300分かかる単純計算。5時間の作業ですね。それを、チェックしたり発音を繰り返したりしながら進めるので、丸一日以上は必ずかかります。

今回もそのようなマニュアルに乗っ取って作業を進めました。ただ、前回アイスランド語で説教をしたのは、コロナの時期を超えて五年くらい前になります。難民の人たちとの英語での集会を2015年に始めてからは、そちらに手一杯で、普通のアイスランド語礼拝に参加する機会が減っていたのでした。

とにかく準備が終わり、礼拝を録音することに。まあ、つつがなく終わり一安心。音楽とかを含めて、全体がとても良い雰囲気で進んだので、録音終了時にはかなり「ヤッター!」感がありました。

録音から四日目の4月30日の日曜日に、この礼拝が「生放送」のようなテイで流されました。

聞き終わりました。全体としては期待通り、生き生きとした雰囲気が伝わってきて良い礼拝だったと思います。ただし、ワタシはがっかりしました。ワタシのしょうもないアイスランド語に... (泣... ... )

理解できないわけではないのです。聴くに耐えない、ということもないのです。ただ、なんというか... あれは「アイスランド語ではない」ということ。

私がアイスランド語で担当したのは、聖書の中の福音書と呼ばれるテキストの朗読、次いで使徒信条と呼ばれるキリスト教の内容の凝縮版のようなものの唱和のリード、そして説教でした。

このうち、聖書朗読と信条のリードはまったく問題ないのです。良くなかったのは説教部分だけでした。




清涼感アップ用ピック2
Myndin er eftir Jonathan_ybema@unsplash–com


どういうことが原因でアイスランド語らしく聞こえなくしているのだろう?ということを考えながら何度もネットで聴きかえしました。(ネットでは一年間アクセスが可能です。ただし国外からはアクセスできません、残念ながら)

問題はですねえ、個々の単語の発音ではなく、まとまったスピーチとしてのリズムなんです。「リズムなんです」っていうか、「リズムがないんです」ということです。このリズムは各々の単語のどこにアクセントを置くか、つまり語の強弱やトーンにも関係しています。平均的日本人はどうしても、すべてを平坦にフラットに発音してしまう癖を持っています。強弱をつけた発音は練習、いや訓練しないと身につきません。

またリズムのなさは、いかに私が普段からアイスランド語のきちんとしたスピーチを聞いていないか、ということにも由来します。聞いていないから頭にモデルが入ってこない。頭の中に「モデル」がないからイメージがそもそもないんですよね。

このことについては、以前書いたことがあるのですが、どこかに埋もれてしまい発見できません。

これはですねえ、例えば英語だとすると、誰かしらあこがれる俳優とか映画のシーンがあるじゃないですか。それが、頭に焼き付いて気づかずうちに「モデル」になるんですよ。「ボンドみたいに喋ろう」「スティーブ・ジョブズみたいにスピーチしよう」とか。そういうモデルが、アイスランド語に関してはないのです、私の頭の中には。

まあ、それはそれとして、今回の説教。良い内容だったのに、このプレゼンではワタシは「F」を付けます。Fall - 落第。アニー牧師をはじめ、周囲の人たちは「そんなに自分に厳しくしなくても、ちゃんと理解できたし」とか言ってくれますが、ワタシ、最近ここに来たわけではないですからね。30年以上ですよ。




何事もチャレンジが必要 スマホのゲームも...


はっきりしたことは、自分の力ではこれ以上にはなれないということ。誰か専門科で、発音やイントネーションを矯正できる人に付いて、教えてもらわなければ先には進めません。

とうわけで、今年の夏用の課題ができました。アイスランド語スピーチの改善。内容ではなく、発音とプレゼン。このままでは終わりたくない。

ちょっとだけ付け加えておきますが、これ英語でも大切な問題だと思います。英語学習のYoutubeを時々見るのですが、英語でも英語のリズムというものがあり、それによって、単語同士の発音が同化したり、消えてなくなったりするから、このリズムを習得することはとても大切なんだそうで。


気になる方は「だいじろー Daijiro」さんのチャンネルへ。

これはホントだと思います。この点のアイスランド語版がワタシの課題なのです。チャレンジ!  まだ続くんかい... (^-^;


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Making ラジオ礼拝

2023-06-03 22:50:38 | 日記
こんにちは/こんばんは。

気がつけば六月と化していました。もうあと三週間もするとJonsmessaヨウンスメサとも呼ばれる夏至になります。日が長くなる頂点に達するわけですが、アイスランドではレイキャビクのような南部にあってもこの時期は既に「暗闇」はやって来なくなっています。

私の好きな時季で、いつもならもう少し楽しんでいるはずなのですが、今年はそれにすら今まで気がつかずに過ごしてきました。なんでかな?高齢者の常で、早く就寝するようになってるのかも?




清涼感アップ用ピック
Myndin er eftir André_filipe@unsplash_com


さて今回は、ブログのお休み中にあった出来事を思い出話し的にひとつ。それはラジオ放送用の日曜日の礼拝(教会での集会のことです。カトリックでいうところのミサと考えてください)についてです。

アイスランドは伝統的にキリスト教文化の国なので、毎日曜日の午前11時から礼拝の様子がラジオで放送されてきました。某国営放送RUVのライブ配信です。

ちなみに、周囲のスカンジナビア諸国では、ラジオだけでなくテレビでも礼拝が放送されているそうです。アイスランドではテレビ放送はクリスマスだけですね。それに「生」ではなくて収録済みのもの。

ラジオでの礼拝は、以前は普通の礼拝に放送用のマイクを設置し、長ーいケーブルを楽屋のような準備室を通して外まで伸ばし、そこにスタンバイしている器材満載のバンに繋げていました。

ところがコロナによって、変化が生じました。しばらくの間日曜礼拝そのものがクローズドになってしまいましたから。それでも日曜礼拝は必要、とRUVは判断。いや、むしろコロナのような時期こそ礼拝の放送は、とりわけ外に出られない高齢者の方々に望まれているものだろう。

とうわけで、その時期は(集会制限に引っかからない)少人数での礼拝を平日に録音し、それを日曜日に流す、という仕方になりました。

ところが、これに味を占めたのか、はたまた「この方が楽だ」と発見したのか、以来コロナ収束後も日曜礼拝は「実は平日の録音」で流されるようになりました。




ラジオ礼拝の録音開始前の様子


どこの教会の礼拝が流されるのか、ということはRUVと教会の担当部署が事前に連絡を取り合って予定が組まれます。アイスランド全国を回るようになっています。

私自身はこれまで二回、ラジオで流された礼拝のお話しを担当したことがあります。生(ナマ)。ですが、特定の教会に属さない形での「特別職」である私は、自分自身の集会からのラジオ放送は経験したことがありませんでした。

それが八年前くらいから始めた「難民の人と共にする祈りの会」が、だんだんと定期集会としてまとまってきて、今では普通の教会のようになっていることが認知されたのか、今回ラジオ放送のスケジュールに組み込まれたのです。だから、まあポジティブなことなのでしょう。

実際には、このスケジュール編成に関わっている人たちの、いろんな損得計算が背後にあるのですが、教会のイメージダウンになるので、まあいいや... (^-^;

スケジュールが決まったのが二月の後半くらいで、礼拝の放送は4月30日、録音はその四日前の4月26日ということになりました。礼拝の録音とは、実はそれほど普段と変わるものではなく、ただクワイヤはきちんと練習してくるのと聖書朗読担当の人がよそ行きの声で読み上げるくらいのことです。フツーは。

ただ、私と同僚のアニー牧師が担当しているインターナショナル・コングリゲイション(「難民の人と共にする祈りの会」から発展)はフツーではないのです。

まず第一に私たちの礼拝では原則英語。必要に応じてペルシャ語とかの通訳をつけることもあります。第二にクワイヤという贅沢なものがありません。加えて讃美歌はオルガンではなくピアノの伴奏で歌います。

ラジオ、という媒体を鑑みると、このふたつは検討を要するトピックです。おそらく聞き手の90%くらいはアイスランド人、しかも高齢のアイスランド人と推測されますので、英語オンリーでの礼拝は無理があります。




ブレイズホルトゥス教会のクワイヤ


大体RUVには昔より基本方針があり「すべてのプログラムは美しいアイスランド語によって構成されなくてはいけない」となっています。この方針は戦中くらいからの「アイスランド語保護」を目的に作られたものですが、その後、移民を遠ざける「悪法」と化した一面もあるのでうが、それはまたの機会に。

また、ラジオ礼拝を構成するメインのパーツは、実際は音楽です。オルガンの演奏とクワイヤのコーラス、時には独唱やバイオリンやフルートなどの奏楽も加えて録音用プログラムを組む教会が多いのです。

というわけで、三月から四月にかけての二ヶ月で、このふたつの課題をいかに克服するかを考え、ベストな礼拝プログラムを組み立てることになりました。

まずは音楽関連。私たちのオルガニストのアルニーさんは、私たちが間借りしているブレイズホルトゥス教会のオルガニストでもあり、そこのクワイヤの指揮者でもあります。そこでブレイズホルトゥス教会のクワイヤにまずもって「助っ人」依頼をし、快諾してもらいました。

讃美歌はいつもの通り英語のものをピックアップし、クワイヤの皆さんには英語でのパフォーマンスを練習してもらうことに。ピアノの伴奏だけでは、ちょっと耳に寂しいということで、コントラバスの奏者の方も特別に依頼。

あ、そうそう。英語の讃美歌のひとつには、イラン由来のものがあり、これは英語半分、ペルシャ語半分で歌うことに。私たちの集まりでは以前より使っていた曲なのですが、今年発行された国民教会の「新讃美歌集」にも納められています。

音楽以外のプログラムは、聖書朗読や信条などあらかじめきちんとした英語版を準備できるものとお話しはアイスランド語とし、教会の祈りは集会のメンバーから募って、ドイツ語、ペルシャ語、日本語、タミル語等を交えたマルチ言語ですることになりました。英語は全体をカバーするというか、あちらこちらで必要十分的に挟んでいきます。

というようにして、準備には予想外の手間暇がかかりました。特にクワイヤの皆さんはかなり長時間の練習をしてくれたようです。感謝。




RUVの番組紹介より
Myndin er ur RUV.is


4月26日の礼拝の録音は無事終了し、30日の日曜日の午前11時からRUVによりアイスランド全土へ流されました。評判はかなり良かったです、ありがたいことに。普段から慣れ親しんでいる国民教会の礼拝からはかなり異なったものであったことは確かだと思います。

おそらく通常のラジオ礼拝では、担当の教会が普段の礼拝に多少お化粧を施し着飾らせて臨むような感じでしょう。今回の私たちの場合は、普段の礼拝からは70%くらい変化した「新プログラム」でしたし、「やらせ」といえば「やらせ」だったかもしれなかったですね。

でも、それくらいのダイバーシティのアピールはないと困るのですよ、教会には。

あ、そうそう。礼拝の中の説教(キリスト教的な講話と思ってください)は、私がアイスランド語で担当したのですが、これはこれでいろいろとお話ししたいことがあるので、別の回に改めて「じっくりと」書いてみたいと思います。「苦闘記」ですよ。(^-^;


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