レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

「いやあ、人生は絶え間ないチャレンジですなあ...」の回

2023-06-10 01:26:44 | 日記
こんにちは/こんばんは。

前回、この春に経験した私の担当している教会からの礼拝のラジオ放送についての顛末をご紹介しました。書きたいことはまだまだあったのですが、そこまで仔細に描写していくとキリがなくなりそうだったので、かなり割愛しました。

ただ割愛組の中にも「これは別の脈絡の中で書いておかないと」と思えるものがあったので、今回はそのことをご紹介します。それはアイスランド語の学習に関することです。




清涼感アップ用ピック1
Myndin er eftir Shadman_sakib@unsplash_com


ラジオ礼拝の中でのお話し(教会では「説教」と呼びます。キリスト教の講話のようなもので、聖書の説明やキリストの教えについて語るものです)は、私が担当しました。

ラジオのリスナーのほとんどは高齢者のアイスランド人と推定されましたので、この部分を英語にすることは無理がありました。ちなみにRUVのラジオの放送の中で、例えば外国人のゲストが英語で話しをすることはもちろんあります。

そういう際には、まず英語の語りが始まり、その二、三秒後にその語りの音声が低くなり、アイスランド語のナレーションがそこに被さってきます。これは定番の「ラジオ版翻訳」のパターンなのですが、これでは「ナマ感」が損なわれてしまうので、ラジオ礼拝には不向き。

あとは英語で話した後でアイスランド語の訳を繰り返す、あるいはその逆、ということもメニュー上にはあります。ですが経験から分かっていることは、この仕方では十分(じゅっぷん)の話しが二十分に、十五分の話しが三十分になってしまうこと。これもラジオには不向きです。

と、いろいろ考えながら議論したのですが、最終的には「じゃあ、アイスランド語のみで」ということに落ち着きました。もともとアイスランドのラジオだし、別に大それたことをしているわけではなかろうと...

ただその結果として、話者となる私にはそれなりの負担がかかります。公共の電波に乗るわけですから、ある程度しっかりした内容のお話しを編まないといけませんし、しかもそれをアイスランド語でしなくては。

アイスランド語は知り合いの女性牧師の方に校正してもらい、さらにアニー牧師にお伺いをたてながら二度目のチェックしてもらいます。ここまでは前哨戦。本番は原稿が確定してからの「読み」です。




道端の綺麗な花 本文とは無関係
撮影byミー


あ、そうそう。こういう手順は別の今回が特別なことではなく、アイスランド語でお話しをする時には -教会の説教であっても他の種類のスピーチであっても- いつも繰り返しているものです。

読みの練習は、原稿に鉛筆で区切りをつけたり、強調点をマークしたり、難しい発音の単語がある場合にはそれを特に練習したりしながら進めます。

大体、いつもは二十回の音読をすることにしています。これって結構の労働になります。15分のお話しを十回読むと150分、二十回で300分かかる単純計算。5時間の作業ですね。それを、チェックしたり発音を繰り返したりしながら進めるので、丸一日以上は必ずかかります。

今回もそのようなマニュアルに乗っ取って作業を進めました。ただ、前回アイスランド語で説教をしたのは、コロナの時期を超えて五年くらい前になります。難民の人たちとの英語での集会を2015年に始めてからは、そちらに手一杯で、普通のアイスランド語礼拝に参加する機会が減っていたのでした。

とにかく準備が終わり、礼拝を録音することに。まあ、つつがなく終わり一安心。音楽とかを含めて、全体がとても良い雰囲気で進んだので、録音終了時にはかなり「ヤッター!」感がありました。

録音から四日目の4月30日の日曜日に、この礼拝が「生放送」のようなテイで流されました。

聞き終わりました。全体としては期待通り、生き生きとした雰囲気が伝わってきて良い礼拝だったと思います。ただし、ワタシはがっかりしました。ワタシのしょうもないアイスランド語に... (泣... ... )

理解できないわけではないのです。聴くに耐えない、ということもないのです。ただ、なんというか... あれは「アイスランド語ではない」ということ。

私がアイスランド語で担当したのは、聖書の中の福音書と呼ばれるテキストの朗読、次いで使徒信条と呼ばれるキリスト教の内容の凝縮版のようなものの唱和のリード、そして説教でした。

このうち、聖書朗読と信条のリードはまったく問題ないのです。良くなかったのは説教部分だけでした。




清涼感アップ用ピック2
Myndin er eftir Jonathan_ybema@unsplash–com


どういうことが原因でアイスランド語らしく聞こえなくしているのだろう?ということを考えながら何度もネットで聴きかえしました。(ネットでは一年間アクセスが可能です。ただし国外からはアクセスできません、残念ながら)

問題はですねえ、個々の単語の発音ではなく、まとまったスピーチとしてのリズムなんです。「リズムなんです」っていうか、「リズムがないんです」ということです。このリズムは各々の単語のどこにアクセントを置くか、つまり語の強弱やトーンにも関係しています。平均的日本人はどうしても、すべてを平坦にフラットに発音してしまう癖を持っています。強弱をつけた発音は練習、いや訓練しないと身につきません。

またリズムのなさは、いかに私が普段からアイスランド語のきちんとしたスピーチを聞いていないか、ということにも由来します。聞いていないから頭にモデルが入ってこない。頭の中に「モデル」がないからイメージがそもそもないんですよね。

このことについては、以前書いたことがあるのですが、どこかに埋もれてしまい発見できません。

これはですねえ、例えば英語だとすると、誰かしらあこがれる俳優とか映画のシーンがあるじゃないですか。それが、頭に焼き付いて気づかずうちに「モデル」になるんですよ。「ボンドみたいに喋ろう」「スティーブ・ジョブズみたいにスピーチしよう」とか。そういうモデルが、アイスランド語に関してはないのです、私の頭の中には。

まあ、それはそれとして、今回の説教。良い内容だったのに、このプレゼンではワタシは「F」を付けます。Fall - 落第。アニー牧師をはじめ、周囲の人たちは「そんなに自分に厳しくしなくても、ちゃんと理解できたし」とか言ってくれますが、ワタシ、最近ここに来たわけではないですからね。30年以上ですよ。




何事もチャレンジが必要 スマホのゲームも...


はっきりしたことは、自分の力ではこれ以上にはなれないということ。誰か専門科で、発音やイントネーションを矯正できる人に付いて、教えてもらわなければ先には進めません。

とうわけで、今年の夏用の課題ができました。アイスランド語スピーチの改善。内容ではなく、発音とプレゼン。このままでは終わりたくない。

ちょっとだけ付け加えておきますが、これ英語でも大切な問題だと思います。英語学習のYoutubeを時々見るのですが、英語でも英語のリズムというものがあり、それによって、単語同士の発音が同化したり、消えてなくなったりするから、このリズムを習得することはとても大切なんだそうで。


気になる方は「だいじろー Daijiro」さんのチャンネルへ。

これはホントだと思います。この点のアイスランド語版がワタシの課題なのです。チャレンジ!  まだ続くんかい... (^-^;


*これは個人のプライベート・ブログであり、公的なアイスランド社会の広報、観光案内、あるいはアイスランド国民教会のサイトではありません。記載内容に誤りや不十分な情報が含まれることもありますし、述べられている意見はあくまで個人のものですので、ご承知おきください。

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Making ラジオ礼拝

2023-06-03 22:50:38 | 日記
こんにちは/こんばんは。

気がつけば六月と化していました。もうあと三週間もするとJonsmessaヨウンスメサとも呼ばれる夏至になります。日が長くなる頂点に達するわけですが、アイスランドではレイキャビクのような南部にあってもこの時期は既に「暗闇」はやって来なくなっています。

私の好きな時季で、いつもならもう少し楽しんでいるはずなのですが、今年はそれにすら今まで気がつかずに過ごしてきました。なんでかな?高齢者の常で、早く就寝するようになってるのかも?




清涼感アップ用ピック
Myndin er eftir André_filipe@unsplash_com


さて今回は、ブログのお休み中にあった出来事を思い出話し的にひとつ。それはラジオ放送用の日曜日の礼拝(教会での集会のことです。カトリックでいうところのミサと考えてください)についてです。

アイスランドは伝統的にキリスト教文化の国なので、毎日曜日の午前11時から礼拝の様子がラジオで放送されてきました。某国営放送RUVのライブ配信です。

ちなみに、周囲のスカンジナビア諸国では、ラジオだけでなくテレビでも礼拝が放送されているそうです。アイスランドではテレビ放送はクリスマスだけですね。それに「生」ではなくて収録済みのもの。

ラジオでの礼拝は、以前は普通の礼拝に放送用のマイクを設置し、長ーいケーブルを楽屋のような準備室を通して外まで伸ばし、そこにスタンバイしている器材満載のバンに繋げていました。

ところがコロナによって、変化が生じました。しばらくの間日曜礼拝そのものがクローズドになってしまいましたから。それでも日曜礼拝は必要、とRUVは判断。いや、むしろコロナのような時期こそ礼拝の放送は、とりわけ外に出られない高齢者の方々に望まれているものだろう。

とうわけで、その時期は(集会制限に引っかからない)少人数での礼拝を平日に録音し、それを日曜日に流す、という仕方になりました。

ところが、これに味を占めたのか、はたまた「この方が楽だ」と発見したのか、以来コロナ収束後も日曜礼拝は「実は平日の録音」で流されるようになりました。




ラジオ礼拝の録音開始前の様子


どこの教会の礼拝が流されるのか、ということはRUVと教会の担当部署が事前に連絡を取り合って予定が組まれます。アイスランド全国を回るようになっています。

私自身はこれまで二回、ラジオで流された礼拝のお話しを担当したことがあります。生(ナマ)。ですが、特定の教会に属さない形での「特別職」である私は、自分自身の集会からのラジオ放送は経験したことがありませんでした。

それが八年前くらいから始めた「難民の人と共にする祈りの会」が、だんだんと定期集会としてまとまってきて、今では普通の教会のようになっていることが認知されたのか、今回ラジオ放送のスケジュールに組み込まれたのです。だから、まあポジティブなことなのでしょう。

実際には、このスケジュール編成に関わっている人たちの、いろんな損得計算が背後にあるのですが、教会のイメージダウンになるので、まあいいや... (^-^;

スケジュールが決まったのが二月の後半くらいで、礼拝の放送は4月30日、録音はその四日前の4月26日ということになりました。礼拝の録音とは、実はそれほど普段と変わるものではなく、ただクワイヤはきちんと練習してくるのと聖書朗読担当の人がよそ行きの声で読み上げるくらいのことです。フツーは。

ただ、私と同僚のアニー牧師が担当しているインターナショナル・コングリゲイション(「難民の人と共にする祈りの会」から発展)はフツーではないのです。

まず第一に私たちの礼拝では原則英語。必要に応じてペルシャ語とかの通訳をつけることもあります。第二にクワイヤという贅沢なものがありません。加えて讃美歌はオルガンではなくピアノの伴奏で歌います。

ラジオ、という媒体を鑑みると、このふたつは検討を要するトピックです。おそらく聞き手の90%くらいはアイスランド人、しかも高齢のアイスランド人と推測されますので、英語オンリーでの礼拝は無理があります。




ブレイズホルトゥス教会のクワイヤ


大体RUVには昔より基本方針があり「すべてのプログラムは美しいアイスランド語によって構成されなくてはいけない」となっています。この方針は戦中くらいからの「アイスランド語保護」を目的に作られたものですが、その後、移民を遠ざける「悪法」と化した一面もあるのでうが、それはまたの機会に。

また、ラジオ礼拝を構成するメインのパーツは、実際は音楽です。オルガンの演奏とクワイヤのコーラス、時には独唱やバイオリンやフルートなどの奏楽も加えて録音用プログラムを組む教会が多いのです。

というわけで、三月から四月にかけての二ヶ月で、このふたつの課題をいかに克服するかを考え、ベストな礼拝プログラムを組み立てることになりました。

まずは音楽関連。私たちのオルガニストのアルニーさんは、私たちが間借りしているブレイズホルトゥス教会のオルガニストでもあり、そこのクワイヤの指揮者でもあります。そこでブレイズホルトゥス教会のクワイヤにまずもって「助っ人」依頼をし、快諾してもらいました。

讃美歌はいつもの通り英語のものをピックアップし、クワイヤの皆さんには英語でのパフォーマンスを練習してもらうことに。ピアノの伴奏だけでは、ちょっと耳に寂しいということで、コントラバスの奏者の方も特別に依頼。

あ、そうそう。英語の讃美歌のひとつには、イラン由来のものがあり、これは英語半分、ペルシャ語半分で歌うことに。私たちの集まりでは以前より使っていた曲なのですが、今年発行された国民教会の「新讃美歌集」にも納められています。

音楽以外のプログラムは、聖書朗読や信条などあらかじめきちんとした英語版を準備できるものとお話しはアイスランド語とし、教会の祈りは集会のメンバーから募って、ドイツ語、ペルシャ語、日本語、タミル語等を交えたマルチ言語ですることになりました。英語は全体をカバーするというか、あちらこちらで必要十分的に挟んでいきます。

というようにして、準備には予想外の手間暇がかかりました。特にクワイヤの皆さんはかなり長時間の練習をしてくれたようです。感謝。




RUVの番組紹介より
Myndin er ur RUV.is


4月26日の礼拝の録音は無事終了し、30日の日曜日の午前11時からRUVによりアイスランド全土へ流されました。評判はかなり良かったです、ありがたいことに。普段から慣れ親しんでいる国民教会の礼拝からはかなり異なったものであったことは確かだと思います。

おそらく通常のラジオ礼拝では、担当の教会が普段の礼拝に多少お化粧を施し着飾らせて臨むような感じでしょう。今回の私たちの場合は、普段の礼拝からは70%くらい変化した「新プログラム」でしたし、「やらせ」といえば「やらせ」だったかもしれなかったですね。

でも、それくらいのダイバーシティのアピールはないと困るのですよ、教会には。

あ、そうそう。礼拝の中の説教(キリスト教的な講話と思ってください)は、私がアイスランド語で担当したのですが、これはこれでいろいろとお話ししたいことがあるので、別の回に改めて「じっくりと」書いてみたいと思います。「苦闘記」ですよ。(^-^;


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ミニ夏休み  マイ自由研究

2023-05-26 23:21:59 | 日記
こんにちは/こんばんは。

前回書きましたように、レイキャビクでは先週EU議会の首脳会議が開かれ、ものものしい警戒体制が引かれる一方で、お祭り騒ぎの感がありました。今週は後遺症というか「祭りの後の静けさ」「倦怠感」のような空気が漂っています?

って、いうのはワタシだけかもしれません。確かに私は今週は気が抜けています。ですがそれはEU首脳会議の後遺症なのではなくて、この一週間私はミニ夏休みなのです。




清涼感アップ用ピック1
Myndin er eftir Andrzej_kryszpin@unsplash_com


「この時期に丸一週間休みとは、なんと怠惰なことよ!」と思われる方もありましょうが、それは社会全体の仕組み、文化、生活習慣等々と切り離して論じることはできず、別に個人の徳・不徳に帰せられるものではありません。

こんな注釈をわざわざ付けるには理由があって、実はこれを書き始めたそばから、日本のニュースで「教員の行き過ぎた時間外労働」についてレポートしていたからです。

ある教員の方の話しでは、残業と臨時労働が絶えることがなく、月150時間にも達しているとか... しかも残業手当というものは、時間に関係なく月に均して給与の4%と定められているそうな。これが「低賃金、働かせ放題」の元凶という批判も強いそうで。

そういえばしばらくの間「サービス残業」という無給の残業がはびこっていたようですが、これは今でも続いているのでしょうか?

労働観とか、働き方というものは、世界のいろいろな地域で違うものだと思いますし、一概に「良い」「悪い」と決めつけることはできないでしょう。私に限っていえば、日本とアイスランドしか知りませんが、まあ違いが相当あることは事実だと思います。




本文とは無関係 近所のカトリック教会 見え方がカッコ良い?
撮った人 ワタシ


なんとなく「モグモグ」口調ですが、大雑把にいって労働条件とか環境については、日本は改善すべき点が多いと言わざるを得ないでしょうね。女性の労働条件や昇進機会とかも含めてです。その反面で、日本人「一般」の勤労意欲と仕事に向き合う姿勢は優れているものが多々あると考えます。

「一般」とはなんぞや?というのが確かにありますが、これは私の独善と偏見で「一般」だとみなすものです。例えば、町の商店主の人たちが、ウクライナ問題の影響で小麦を始めとする原材料の価格が上げっているにもかかわらず、小売価格の値上げを避けるべく、経営を切り詰めていく努力をする、みたいなことがあります。こっちではさっさと値上げしますよ、際限もなく。

話しがずれました。話しの正道は私が今週はミニ夏休みだということです。なぜこの時期に少々早めのミニ夏休みなのか?というと、疲れたからです。年末年始以来、ほとんど休みなくやってきたので多少の休みが必要。

教会の牧師職というのは -これは日本とアイスランド双方に共通することだと思いますが- 仕事のOn/Offが極めて不明瞭な仕事です。はたして仕事中なのか、オフなのか、その牧師さん自身が自分の中で線引きをするしか決まりはない、と言っても差し支えないでしょう。

自分自身が一番例に挙げやすいのですが、私の場合は毎日曜日は労働日です。土曜日はほぼ例外なく日曜日の準備というものがあります。この点は多くの牧師さんに共通。




本文とは無関係 先日の教会での披露宴の飾り付け キレイ!
撮った人 ワタシ


よって、教会内では月曜日が振替休日というかOff dayとして認められています。でも実際には、そんなことを知らない教会外部の人たちは月曜日を「待って」連絡してきます。(週末に連絡するのは良くないと思っているからか、週末は自分たちにとって都合が悪いからか?)

連絡を「しかと」(死語か?)することもありますが、それがそれで後味が悪いもの。というわけで、月曜日を「Off day」とするために変な努力が必要になったりします。

それに関連して、ちょっと補足しておきますが、レイキャビクの教会の多くには、二人以上の牧師さんがいます。そういうところでは、ひとりの牧師さんが隔週で日曜日の礼拝を担当します。つまり平均月二回の礼拝。二人合わせて。毎日曜の礼拝をカバー。

この場合、当然、非番の日曜日の次の月曜日が振替休日になる必要などないはずなのですが、それでも「お休み日」として認められているのです。つまり、礼拝担当でない週末は、土・日・月の三連休。

贅沢のように思えるのですが、実際には多くの牧師さんが、土曜日や礼拝担当ではない日曜日でも、洗礼式や結婚式を執り行うことが多いので、そういうことを引っくるめて「月曜休日」が定着しているようです。(その陰で週末三連休を楽しんでいる輩も少なからずいます)

日常の仕事外時間というものも曖昧になります。非常によくあるのですが、ある人が相談事があるので会いたい、と連絡してきます。「水曜日の午後3時はどうですか?」とか答えます。すると「仕事があるので、5時以降でないと行けません」

5時以降はこちらが仕事時間外になるのですが、普通そういうことには考えがまわらないようです。(^-^; まあ、実際に融通をつけやすいのはこちらの方なので、こういう場合は大体受け入れるようにしています。




清涼感アップ用ピック2
Myndin er eftir Shawnanggg-aLTMjX79Dpw@unsplash_com


というわけで、とにかくワタシはミニ夏休み最中です。やっぱ、気が楽。

何をしているか?というと、今回はまずいろいろと調べ物に時間を費やしています。何の調べ物か?というと主にサプリメントです。

今年は「筋トレ」熱が復活して、ここ一ヶ月はほぼ週6で一時間から1時間半の筋トレに励んでいます。ですが「高齢者ゾーン」に入ってきているので、やはり生理学的に成長ホルモンとかは低レベルになっていますから、補えるものはサプリで補わなくてはなりません。

幸か不幸か?世は筋トレ、フィットネスブームで、サプリは周囲に五万とあります。何が信用できて、何が本当に効用があるのか?どれだけの期間、どのように摂るべきなのか?

というようなことを、Youtubeを駆使して調べ漁っているわけです。まあ、これはこれで時間がかかりますが、はっきり言ってこれも筋トレのお楽しみの範疇です。

ついでに言うと、お金も相応にかかります。あれもこれもと手を出した結果、思いがけない出費になってしまいました。これも勉強のうち。始めのうちはそういう経験も必要でしょう。

なんというか、女性の皆さんが、なぜあれほど多くの化粧品や美容品に囲まれているのかが、多少理解できるような気になっています。またひとつ、人生の謎が解明されたかな?歳を重ねているのも無駄ではないようです。(*^^*)


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広島サミット レイキャビク・サミット

2023-05-18 19:53:32 | 日記
こんにちは/こんばんは。




清涼感アップ用ピック
Myndin er eftir Rolabds_varsber@unsplash_com


日本では明日(19日)より広島でG7サミットが開催されるということで、各国要人の来日に備えてものものしい警戒が始まっていると、日本からのニュースをネットで見ました。

会場となるグランドプリンスホテル広島を中心として、交通規制等が始まっているそうで。このホテルは広島市内の陸続きの宇品島というところにありますが、サミット期間中、島への上陸?立ち入りは識別証を持つ人に限られます。

ただ、宇品島には千五百人ほどの住民があるということなので、その方々は当然しばらくの間の行動制限を強いられることになりますね。ニュースのインタビューでは島の焼肉屋さんは営業休止にしたとか。ご主人は「外はものものしいから、なるべく出かけないようにします」と話していました。

商いへの影響も含めて、近隣の皆さんには迷惑な部分も出てくるのは、ある程度は避け得ないですね。その反面「これぞ、ご当地アピールのチャンス!」と目論んでいる皆さんもあると報じられていました。

期間中、バイデン大統領を含めてG7各国首脳が広島原爆資料館への訪問し、実際に被爆者の方の声を聞くことも予定されているそうです。こういう世界情勢の中で、少しでも流れを良い方向へ押し戻す力となってくれることを願います。




レイキャビク・サミットの会場 ハルパ
Myndin er ur Visir.is/VILHELM


実は、ここレイキャビクでも、この火曜日と水曜日に欧州議会の指導者会議が開催されました。レイキャビク・サミットとも呼ばれてたですね。アイスランドは昨年の9月に、加盟国持ち回りの議長国の任を担っており、今回の欧州サミットのホスト国となったのです。

これは、この国としては相当に大きなイベントというか大役であり、はっきり言って大騒ぎでした。なにしろ欧州議会参加国46のうち、44の国の首脳やその名代(みょうだい)がやってきます。

フランスのマカロン大統領、イギリスのスナク首相(まだ名前を覚えてませんでした(^-^; )、ドイツのシュルツ首相、イタリアのメロニ首相等々も参加。広島サミットと被ってますね。ゼレンスキー大統領も来るのでは?と噂されていました。

会場はレイキャビク市のまさにダウンタウンにあるHarpaハルパという多目的イベント館。私の西街の古アパートから歩いても12、3分のところです。そこを会場とするということは、宇品島と同じく、そこを中心として色々な規制が張られることを意味します。

会議開催の前日の月曜日から、あちこちで道路が封鎖され始め、ダウンタウンを走る市バスも臨時に路線を変更しました。こういう点では、日本と違い、何がどのように変更されるのかの情報がなかなかはっきり出てこないのがアイスランド。バス通勤者としては大いに迷惑。気配り:アイスランドのマイナス10点。




黄色が車両制限区域 オレンジが侵入禁止区域
政府提供資料


次いで火曜日からは、ダウンタウンの中心部は車両通行禁止。歩行者は入って行けますが、車両はダウンタウンにあるお店等への物品の搬入車も含めてNO。当然のことながらいくつかの店主はニュースのインタビューで不満を表明していました。

車両通行禁止区域の中の、さらにハルパ近辺の中心地域は一般人侵入禁止。別に見には行きませんでしたが、相当な「ものものしさ」だったようです。なにしろ、セミオートマシンガン装備のスワットのようないでたちの警察がそこかしこに巡回しているのですから。

パッと見上げると、なんとハルパの屋上にはスナイパーまでスタンバイ! これはアメリカやテレビ・映画ではいざ知らず、ここアイスランドでは「非日常」の光景です。ちなみに、ワタシが実際にスナイパーを見たわけではなくなく、ニュースで見ただけです。

あ、そうそう。パッと見上げたついでに触れておきますが、当然ドローンの飛行も禁止です。飛んでいるドローンはすべて警備用のもの。ウクライナ戦線の状況からドローンが相当な脅威になる兵器であることがわかってきましたからね。

さて、こうなると疑問が出てきます。これだけの警備を本当にアイスランドの警察機構で賄えるのか?いい質問です。なにしろアイスランドの警察官は全国合わせても七百人程度。答えは「全然足りない」。






見上げればコワッ!
Myndir eru ur Mbl.is/Kristinn_Magnusson og Visir.is/VILHELM


一月くらい前に記事があって、数も記載されていたのですが、取っておくのを忘れました。で、数の詳細はきちんと書けませんが、何百人の単位での「助っ人」ポリスが主にスカンジナビアの兄弟国から馳せ参じてきました。

アイスランドの警察の中でも、スワットのメンバーとかは重火器の扱いも訓練済みでしょうが、数はめっきり少ないはず。となると、ノルウェーやデンマークからの歴戦の強者たちのプレゼンスは頼もしい限り。

なんていうと、「タカ派」のように聞こえますが、以前とは違い、アイスランドでもマジなテロ事件はもう「ない、ない」ではすまされない時代となってきました。それは、かなりのアイスランド人も感じていることでしょう。

これだけの重火器付きの「ものものしさ」。以前ならもっと抗議の声が上がっていたはずですから。やれやれ、良いことなのやら、悲しいことなのやら...

無事に終わる、ということに着眼するならば、レイキャビク・サミットは大過なく終了しました。ゼレンスキー大統領は訪アせず、ネットの大スクリーン越しにスピーチをしていました。

会議そのものの内容には触れません。大きな割合が、ウクライナ支持とロシアへの賠償請求の問題に費やされたようです。もちろん、それ以外にも各国の利益に関わる問題も扱われました。




立派になった?カトリーン首相
Myndin er ur Visir.is/VILHELM


特にアイスランドは、EUが画策している「飛行機税」に神経質です。これはCO2対策などで、欧州各国が「飛行機に変えて陸路を」という考えを推し進めるために、空路に対しての課税することにしたのですが、ほとんど空路しかないアイスランドにとっては死活問題で、この課税を逃れる「例外国」となる交渉を続けています。

今回の会議で、少なくとも向こう二年間の「猶予」は勝ち得たようです。アイスランドに3点。

会議が終わってのアイスランドの首脳陣の会見や、関係者のインタビューとかを見ていると、なんか学園祭が終わった後の、あの雰囲気。「一緒にやれて、楽しかったわ〜!」やっぱり祭りだったのかなあ。まあ「政治」は「政(まつりごと)」かあ。

カトリーン首相も、ホスト国の長として、各国要人たちに笑顔を振りまきながら世界のトップ政治家の仲間入りをしていました。見ていて複雑な気分。人権意識の高い若手政治家から、プロの政治家としては成長したのは確か。同時に「政治家になっちゃった」感。こいつ、魂、売りやがったな...  って。


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「ダルビッシュ、最高!」

2023-05-13 22:22:30 | 日記
こんにちは/こんばんは。

GWも終わり、日常に再アジャストされた頃ではないかと想像します。まだすっかり払拭されたわけではないとしても、久しぶりにコロナの影が薄くなった連休、十分に楽しまれたでしょうか?

私の方も、四ヶ月余りのお休みの後で、またブログ定期更新に再アジャストを試みています。




清涼感アップ用ピック1
Myndin er eftir David_becker@unsplash_com


さすがに四ヶ月何も書かないでいると、「あれも」「これも」とその間に目前を通り過ぎていったことが自然とリスト化されてきてしまいます。

例えば、年末から始まって長期居座った「寒波」。この冬に限って言えば言葉通りの「アイスランド」でした。確か三月は過去四十四年間の観察記録の中で一番平均気温が低い「三月」となりました。にもかかわらず、レイキャビクでは雪はまったく降らず。

それに、明るい話題ではなかったですが、トルコ・シリアでの大震災。アイスランドからもレスキューの医療協力隊がすみやかに合流し活動していました。

あとは日米ともプロ野球の開幕。教会ではそれと前後しての聖週間と復活祭。ラジオ用メサの収録、もっとプラベートなこと(かつ、どうもいいこと)では、最近お気に入りのRKK熊本放送の番組「水曜だけど土曜の番組」について、とかとか。

プライベートというか、私の個人生活のレベルでは、あとケトジェニックダイエットの再開と、同時並行の筋トレの進捗状況。バス通勤を始めたことのプラスマイナス、ホラン千秋ちゃんはカワユイのかうざいのかなど、ブログ題材は十分に堆積してくれたようです。

というわけで?今回はWBCです。「古ー!」「もういいかげんにしゃべり尽くしたぞ」とお思いになるでしょう。私も一応ニュースやネットをフォローしていますので、それはわかります。しかし、私も一言言いたい。

「ダルビッシュ、最高!」

WBCを通して、ダルビッシュが(このブログでは、人の名前は呼び捨てにせず「さん」とか「氏」をつけるのが慣わしなのですが、わざとらしくなるのでここは敬称略です) いかにチーム優先を貫き、自身の成績よりはチーム力のアップに尽力していたかは、もう十分に賞賛されたと思います。

「ダルは変わった」「ダルは成長した」など皆が言っていましたよね。チーム内最年長選手ということの自覚からか、あるいはトップ選手としての自覚からか、若い佐々木選手に新しい球種を伝授したり、馴染めずにいた若い宇田川選手を積極的に引き込もうとしたりしたことが報道されていました。




日本チーム最年長プレーヤーとなったダルビッシュ
Myndin er ur SanDIegoUnionTribune_Eugene Hoshiko / Associated Press.web


開幕前や、開幕以降の試合後のインタビューなどを見ていても、(私の見た限りでは)いつも、丁寧に聞き手が理解できるような形で話をするよう努めていた感があります。優等生。

ついこの間(って、五年ほど前)、このブログで書いたことがあるのですが、私は以前はあまりダルビッシュに好感をもっていませんでした。それがある機会に、私が相当に偏見をもってダルビッシュのことを見ていたことに気付かされ、そこから一変してファンとなったのでした。

還暦 ダイエット ダルビッシュ


「ダルが変わった」「成長した」というのは確かでしょうが、今、急に変わったというわけではなく、少なくとも十年くらい前、渡米した後から変わっていったのではないかと思いますし、おそらく今の奥様の影響も多大なのでは?と想像します。

これ以上は他者のプライバシーの詮索になっちゃいますよね。ですが、ダルビッシュのようなスター選手がどのように語り振る舞うかは、いやでも周囲に影響を与えますし、プライベートの域を超えてく面はありますよね。大谷さんが、その面でもいつも注目されているじゃないですか、アメリカのメディアでも。




ダルTシャツ いっぱいあります(*^^*)


さて、今回のWBC報道は二月中から三月いっぱいにかけて続いていたと思います。その中で、特にこのダルビッシュの年長選手たるリーダーシップに関心を引かれたわけです。

前回書きました通り、この期間私自身は「引退カウントダウンの時期に入った自分の立ち位置」みたいなことを再考している時期でした。自分の意識としては「まだまだ40歳(気分)」でありながら、客観的に状況が「もうすぐ窓際」となっている現実の間にどのように橋掛けをするか、ということでもありました。

それでダルビッシュの後輩選手たちへの献身に触れた時「ああ、なるほどなー」と感じ入ったわけです。ダルビッシュも「現役選手年齢軸」で考えるならば、私と同程度の道標に差し掛かっていましょう。

そういう中で、彼は自分の試合成績に集中することだけでなく、敢えて若い世代へのサポートに労力を費やしたわけです。WBC優勝後の会見で言ってましたよね、栗山監督: 「ダルにはすまなかったと言いたいです。彼は自分のことをする余裕がなかった」

まあ、私も「次の世代を考えて仕事を設計しないと...」ということは、一応何年か前から考えに入れてはきました。でも、それは「この仕事が後まで継続されるように」という観点からではあっても、具体的な「佐々木」「宇田川」というような個々人への配慮には至っていなかった気がします。

抽象的な「次世代への継承」とか「若手育成」ではなくて、実際にそこにいる若い同労者たちへの、具体的なサポートについて考え、従事しないといけないんですよね。「いけない」というよりは、「そうありたい」と言うべきなのかも。

そのことに思い当たってから、ずいぶんと「引退までカウントダウン状況の中での立ち位置探し」に進捗がありました。直属のボスは、長年の友人で十歳も若い女性牧師なのですが、その人にも話しをし、これからはそういうことにかなりのウェイトを置いて仕事のプランを建てるから、と伝えました。




清涼感アップ用ピック2
Myndin er eftir Tom_vining@unsplash_com


四月の末に「シノッド」と呼ばれる教会会議があったのですが、そこでも「移民・難民への/との活動」の説明は同僚のアニー牧師に顔となってもらいました。もちろん、責任を押しつけただけではなくて、準備は一緒にし、フォローのスタンバイもしていましたよ。若手に押し付けて、失敗させて「そら見ろ」とかはサイテーですからね。(^-^;

ただ、ここで気をつけなくてはいけないのは、「自分は終わったんだ」というふうにならないことです。若手に責任を委譲していく中での、一番危険なトラップは「終わった感」に浸り始めることだと思います。感情的には、どうしてもそういう部分は出てくる気がします。

でもまだ、そこまで終わってないから。

それを防ぐには、まずもって自分自身を大切にすることだと思います。これは多岐に渡り、私自身は健康管理(特に筋トレと食事管理)に熱を入れています。これはまた別の回でじっくりと。

そして、自分の仕事を大切にすることですね。きちんと準備をし、良い「結果」を出すことは絶対必要だと思います。牧師のような仕事の場合、何が「結果」なのか?ということは、必ずしも自明のことではないのですが、でも多くの場合、牧師自身は「結果」が何であるのか、各人は知っているはずです。

というわけで、今回は無理やりスーパースターのダルビッシュの生き様を、かけ離れた世界にいる自分の生活と結び付けてしまいました。ダルビッシュファンの皆様、ご容赦。m(_ _)m でも、これも「ダルビッシュ最高!」の一表現です。


*これは個人のプライベート・ブログであり、公的なアイスランド社会の広報、観光案内、あるいはアイスランド国民教会のサイトではありません。記載内容に誤りや不十分な情報が含まれることもありますし、述べられている意見はあくまで個人のものですので、ご承知おきください。

藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com

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