レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

レイキャビク 地域の個性?

2014-01-30 05:00:00 | 日記
前回、アイスランドでの住宅様式について書きましたが、ちょっと訂正です。アイスランドの住宅様式ではなく「レイキャビク周辺」と言うべきでした。農村地域では一軒家が普通ですし、それも酪農などをしている場合には町中とは明らかに異なる住居形態ですね。失礼しました。田舎の様子についてはまた機会をみて...ということで。悪しからず。

さて、同じく前回のブログに関連して、知り合いの大学の先生から質問を受けました。ご自身、レイキャビクに半年ほど滞在されていた方です。

「レイキャビクに住んでおられる皆さんは,どういう「理由」で住むエリアを選んでいらっしゃるのでしょうか。中心部は価格が高いでしょうから「価格」(対年収比?)がまず考慮されることは想像できます。でも,同じような価格の場合に,次に何が重要となるのでしょうか? 

レイキャビクには地下鉄や鉄道はなく(バスはありますが),主たる交通手段は車ですよね。日本のように「駅から歩いて,あるいはバスで何分」「最寄り駅から渋谷まで何分」とかいう物差しはないわけです。周囲の「環境」でしょうか? 市内では「工場」「町工場」のようなものをあまり見かけませんでしたので,具体的には何が「環境」にあたるのかも,興味津々です。海が望めるとかでしょうか。とりあげていただければ幸いです」

と、さすがに滞在経験者的な鋭い突っ込みですので、ご説明したいと思うのですが、これは私が周囲で見たり聞いたりしていることを基にしての個人的推察です。決してアンケートの結果ではありませんので、ご了解ください。

さてレイキャビクですが、厳密な行政地区としてのレイキャヴィク市には十二万弱の人が住んでいます。ですが一般にレイキャビクという場合には(特に外国人との関連では)その周辺の町々を含みます。そうしますと人口は八万増加し、約二十万となります。Tokyoが東京都より大きいのと同じです。



レイキャビクの郵便番号の区域割り クリックすると拡大されます
Myndin er úr Siminn.is


さてそういう周辺までを見回してみると、大体レイキャビクはみっつの区域に分かれるのではないかと思います。まずは昔からの旧市街地を中心とする区域です。郵便番号では、101、103、104、105、106、107、108,そして隣町のセルチャルトゥナネス(170)くらいまででしょうか?

続いては旧市街を取り囲む新興地域。郵便番号の109、110、111、112、113に隣町のコーパボウグル(200)です。

そして第三が郊外地区で、これは車がなければ生活できない地域です。まあ、偏見かもしれませんが。

さて不動産の価格というのは確かに地域によって差があります。が、その前にまず郊外と市街地で比べると、大きなガレージ付き、庭付きの一軒家に大きな犬を連れて住みたい、という人はやはり郊外へ行くでしょう。市街地とでは物件の絶対数が違うと思います。

次に周辺の新興地区ですが、これには正直ふたつの種類があります。ひとつはヤッピー的なのりのちょっとスノッブな?(失礼)地域でグラーバボウグルやグラーバホルトなどです。

もうひとつはブレイズホルトなどのどちらかというと安い集合住宅が多くある地域で、実際この地域では移民の割合が多いことが指摘されています。(ただ、移民の割合は市街地の真ん中でも高いので、これはあくまで事実の中のひとつ、ということに過ぎません)

これらの地域から市街地へ出るには車またはバスが必要になります。ヤッピー地区の人はもちろん車ですが、ブレイズホルトで車を持たずバスで通っている人を何人か知っています。バスに乗ってしまえば二十分で市街地へ着きますが、やはりチョト面倒くさいかな?

最後は市街地ですが、このエリアの賃貸アパートの値段を見ますと、やはり他の地域よりは高いです。私は家探しを手伝うこともよくあるのですが、私の場合には、手伝う人の多くが車を持っておらず、かつ大学に関係していることが多いので、どうしても距離的に近い場所、ということでこの市街地が第一希望になってきます。

あとは趣味の関連でプールの近くを希望とか、市街地でも夜静かなところとかで希望が分かれていくようです。もちろん、住居そのものがどのような家屋かということも大きなポイントです。

レイキャビクは車社会で、車があることが生活の前提のようになっています。車があれば、あとははっきりいってそれぞれの好みの問題かと思います。どこへ出るにも車でなら三十分で十分でしょうし、静かな郊外がいいか、賑やかな市街地がいいかは各人のライフスタイルいかんでしょうね。

車がない場合には、どうしてもバスの路線の利用に便利なことが大切になってくると思います。特に冬場は違いが出ます。

一般的に言って、人気の地域は市街地の真ん中、郵便番号101の地域とアイスランド大学周辺の107地域でしょうか?私の古アパートは101、私のオフィスは107にあります。という、結局自慢話でした。(*^^*)


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アイスランド住宅様式の色々

2014-01-27 05:00:00 | 日記
今回はアイスランドの住宅についてちょっとだけ書いてみます。実はこのところアイスランドでの一番HOTな話題は住宅問題です。

2008年の経済恐慌により多くの人が銀行預金をなくしましたし、その一方でアイスランドの通貨が下落しました。通貨の下落は輸入品の多いアイスランドの生活物資の価格を軒並み押し上げましたし、外貨建てでローンを組んでいた人たちにはまさに悪夢でした。ローンが何倍にも膨れ上がってしまったからです。

結果、家のローンの支払いが滞ってしまう家庭が続出しました。となると家の抵当を取られてしまい家の明け渡し、という事態がそこここで起きてしまったわけです。

その反面、長い間の持ち家政策の結果、アイスランドでは賃貸住宅というものが全く発展しないままになっていました。家を明け渡したら最後、借りる家がない、ということが今まさに起っているのです。

住宅がないわけではないのに、工場を安ーく改築したような殺伐としたアパート(というよりは収納庫)に多くの人が住まわされています。

この住宅問題、きちんしたことを書くにはそれなりに勉強しないといけません。かなり複雑で政府の施策や市場がどうなっているのかなど、良く分からない点が多々あります。

というわけで、住宅「問題」を扱うのはまたいずれ、ということでご勘弁ください。今日は住宅問題ではなく、どんな住宅の様式がここではあるか、といういたって日常的なことをお伝えします。

実は先日テレビの「世界行ってみたらほんとはこんなトコだった!?」のマレーシア編を見ていると、あちらの建て家住宅が紹介されたのですが、それが二軒続きのものでした。つまりひとつの建物が右と左でそれぞれ独立した住居になっているわけです。

レポーターの江種ディレクターがそれを見て「長屋ダー!」と驚いているのを見ましたので「ああ、そういう点もそういえば違うんだなあ」と気づいたわけです。というのは、この長屋式の住宅、アイスランドでも非常に一般的だからです。

余談ですが同番組のコロンビアの回でしたか?レポーターがタクシーの助手席に乗り込むのをスタジオのゲストが不思議がっていましたが、これもアイスランド(と多分北欧全般)ではタクシーは助手席から乗り始めます。実際、助手席が最高席と見なされているようです。

さて住宅です。最高峰はもちろん一軒家です。レイキャビクの中心部よりは郊外へ出て行ったほうが大きな一軒家というのは多いと思います。

そしてその次が今言った長屋式の住宅です。これは横に細長く多分四軒連続くらいまではそんなにめずらしくないと思います。アイスランド語では「ラーズフース」Radhusといい「列家」を意味します。住宅がつながっている分大きいですから、裏庭などが共同で大きいものだったりすることもあります。「列屋」での問題は特に聞いたことがありません。

この住居の配分?を左右ではなく上下にしたものが「ハイズ」Haedと言います。「階屋」のような意味になります。つまりひとつの住宅の一階がひとつの住居。二階が別の住居のようになっています。これに半地下に一世帯(キャトゥラリKjallari)、屋根裏に一世帯(リースRis)がついていることもよくあります。もちろんそれぞれの住居に独立の出入り口があります。

ハイズは大体二階建てかあっても屋根裏までですね。多分住居の高さ制限があるからだろうと思います。半地下と屋根裏はやはり値段が安くなり、学生とかあまり生活に経済的ゆとりのない人が買ったり賃貸したりすることが多いようです。

ただ「階屋」には問題がひとつあります。一家族がパーティー好きでどんちゃん騒ぎなどをする時には、その他の世帯はたまったものではありません。これは「列屋」ではあまりトラブルにはならないと思いますが、「階屋」では相当数のトラブルがあります。私も悩まされたことがあります。悩ませたことはありません。まあ、一二回はあるかも...

最後のタイプはアパートというかマンションというか、集合住宅です。「フョルビーリフース」Fjolbylishusといい、意味は「多世帯屋」です。日本と違うのはほとんどのアパートでは二重ドア式になっていることです。つまり誰かを訪ねる場合、玄関ホールに入ると入居者の名前と呼び出し用のブザーおよびインターコムがあります。そこで相手を呼び出して内ドアの鍵を開けてもらうわけです。鍵はそれぞれの住居から遠隔で開けることができます。

ちなみに私の住んでいるのは小さい古アパートで四階建て。各階に二世帯ずつ入っています。私は四階で、さらに室内の小さな螺旋階段を上がると屋根裏部屋がついています。

「住めば都」ならぬ「住めば御殿」ですかねー。気に入っています。(^_-)☆


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ぢつと手を見る...

2014-01-23 05:00:00 | 日記
はたらけどはたらけど猶わが生活
楽にならざりぢっと手を見る

言わずとしれた石川啄木の一首です。私の教会のオフィスのデスクの上に辞書や専門書に交じって何冊かの詩集が置いてあります。その中の一冊が「啄木のうた」という小さめの本です。

確かこれは八王子の本屋さんで買った記憶があります。私は特に啄木の信奉者ではなかったのですが、もともと詩歌は好きですし「手元に日本の庶民派の歌集があってもいい」という気まぐれで買ったというように記憶しています。

ところがこの小本、読み始めると素晴らしいことが分かりました。有名な「一握の砂」からの抜粋歌集なのですが、豊かな生活感があり、また「ある時代の日本の生活はこうだったんだろうなあ」と思わせる歌が満載されています。

非凡なる人のごとくにふるまえる
後のさびしさは
何にかたぐへむ

人がみな
同じ方角に向いて行く。
それを横より見ている心。

人といふ人のこころに
一人づつ囚人がいて
うめくかなしさ

気の変る人に仕えて
つくづくと
わが世がいやになりにけるかな

ここで改めて記す必要もないでしょうが、啄木についてはうろ覚えという人もあるでしょうから、少しだけかいつまんで。啄木は1886年に岩手県で生まれました。旧制中学時代に妻となる節子と出会い、十九歳で結婚しています。

虚弱な体質で徴兵免除になるほどでした。札幌へ出てから小樽、釧路と新聞社を転々としましたが、生活は苦しいばかりだったようです。1910年、二十四歳の時に二人目の子供(長男)が生まれましたが、僅かな日の後に長男は亡くなってしまいます。

そして同じ年に「一握に砂」が出版されますが、その翌年には肺結核になってしまいます。そしてその翌年の1912年、若干二十六歳で亡くなってしまいました。亡くなってから第二の歌集「悲しき玩具」が世に出ます。妻の節子も啄木の一周忌を迎えた後に同じく肺結核で世を去っています。

というように石川啄木といえば「貧しさと病気」に呪われたような一生だったイメージが強くありますし、歌も「貧しさ」というモチーフの上に詠まれているのは確かな感じです。

ただそれでも「暗すぎて嫌」とはならないのは、そんな自分を突き放して笑っているかのようなユーモアがそこここに出てくるからではないでしょうか?「悲劇は喜劇だ」という格言を思い起こします。

すっぽりと蒲団をかぶり、
足をちぢめ、
舌を出してみぬ、誰にともなしに。

或る時のわれのこころを
焼きたての
麵麭(パン)に似たりと思ひけるかな

ふるさとの山に向ひて
言うことなし
ふるさとの山はありがたきかな

正直言って、啄木の実際の生活がどのようなものであったのか、私には想像するのも難しいことです。私自身が本当の貧しさというものを味合わずに育ってきた世代です。

それでいながら、というかそれだからこそ?啄木の歌には大切にしなければならないものを感じてしまいます。

変な話しなんですけどね、日本でなく、アイスランドに住んでいて浮ついた繁栄に右往左往している私や周囲の人々にとって大切な何か、という気がしてしまうのです。きっと「ぢつと手を見る」ことなのではないかと...

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アイスランドの日本人コミュニティ

2014-01-20 05:00:00 | 日記
先週の週末の土曜日にはこちらの邦人の方々が集まっての新年会が持たれました。ただ宴会ではありません。小さな子供さんも来ますので午後の早い時間から夕方までで、参加者はそれぞれの家庭で一品持ち寄りになります。

アイスランドに住んでいる日本人はそれほど多くはありません。2013年の統計局のデータを見ると日本国籍者は六十三人となっています。もっともここには大使館に赴任されている四名の方々は含まれていないと思います。(何か外交関係の取り決めのようなものがあるようです)

加えてここにはアイスランド国籍を持つ人は含まれません。前にも書いたことがありますが、アイスランド在住の邦人の大きな特徴は、邦人同士のカップルが極端に少なく(大使館関係の方を除くと二組のみ)、ほとんどの方がアイスランド人の配偶者を持っています。ということは子供たちのほとんどが「ハーフ」であり、アイスランド人として勘定されます。

ですから子供たちを含めると多分百五十人から百八十人くらいでしょうか?これは各家庭に子供さんが二人としての計算ですが、当てずっぽうの域を出ていません。悪しからず。

もっとも二代目になるとどれくらい日本人としての自意識を持つかというのは個人差がありますので、特に成人したあとでは密接に邦人との関係を保つかどうかは各個人によります。

また、もちろん日本人でも他の邦人とは関わりたくない、という人もいます。さらに邦人コミュニティに加わっている人たちの中でも、みんな中が仲良しというわけではありません。私自身、肌が合わない人もいますし、そこまでいかなくても「一緒にいても楽しくない」と感じてしまう人もいます。

それでも人数が少ない、という自覚があるせいか、特に波風も立たずにほんわりとまとまっています。先日の新年会も恒例になっており、毎年一月には皆集まってきます。




日本人は食べることが好きだ、といつも感じさせられる持ち寄りの集い


「ほんわりとまとまっている」と言いましたが、それは例えば「日本人会」というものがあって会長さんがいて、役員がいて、というわけでもないのです。実はある時期きちんと組織化して三役を置いて、銀行口座も開いたらどうか?という議論もあったのですが、実現はしませんでした。

私自身、その案には反対でした。余計な役とかを作ると必ず悶着が出てくると思ったからで(今でも同じ意見ですが)、適当にまとまっているならそのまんまで行くのが一番だと思います。

その代わりというわけでもないのですが、私が作った方がいいのではないかな?と思ったのは「共同購買会」でした。これは日本の食材などは共同して注文することによって、個々人で購入するよりも効率よく低価格で入手できるのではないか、と考えてのものでした。

実際何人かの人とも相談して、ある食材販売店のオーナーとも話しをしていたのですが、その最中に東北大震災が起きてしまい、それどころではなくなってしまいました。

震災後も一年くらいは、邦人の有志でなんやかんやと震災からの復興支援の活動がありましたので「共同購買会」計画は頓挫したままでした。落ち着いた頃には、日本からネットで簡単にいろいろ購入できることが分かってきましたので、「共同購買会」構想そのものが色褪せてきてしまった感があります。

ここ数年間は「日本語教室」が定期的に集まるという性格もあって、日本人コミュニティの中でも力強い核になってきています。子供たちに日本語を教えるというだけでなく、親同士の悩みの交換やその他の情報交換などにも役だっているようです。

そんな風にほんわかまとまっている氷島の邦人コミュニティなのですが、ワタシ的には気をつけなくてはならないことがあります。居心地がいいので、ついつい日本の人と費やす時間が多くなってきてしまうということです。

自分で決めてアイスランドに生活に来ているのですからね。居心地がいいからとか、楽だからとかいって日本人コミュニティに根をはやしてはいけないですね。自戒。


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「男女平等世界一」の一断面

2014-01-16 05:00:00 | 日記
アイスランドを始め北欧国では女性の権利が相当拡充されてきていることはご承知のことと思います。世界経済フォーラムの昨年の男女平等ランキングでの一位アイスランド、二位フィンランド、三位ノルウェー、四位スウェーデンは一昨年のマンマです。日本は四位後退して136ヶ国中105位と史上最低に終わりました。

アイスランドの女性の進出に関しては一昨年にも書いたことがありますので、そちらもよかったら読んでみてください。

オンナは強...くなった...

ところが、それではアイスランドは女性天国かというとどうもそう簡単にはいかないようです。そのひとつの証左となるニュースがこの月曜日に報じられていました。アイスランドの会社の役員数における男女比に関してのリサーチの結果なのですが、ちょっとご紹介してみたいと思います。

まず端的に結果です。女性役員は全体の僅か23.1%で、男性役員の半分にも満たないとのこと。「男女平等世界一」にしては情けないのでは...?

ニュースによるとアイスランドには33.000弱の会社が登録されています。この中にはもちろん、義足製造で有名な「オッシュル」やコンピューターゲームの「CCP」などの大きな会社も含まれていますが、大半は日本でいうところの「有限会社」、すなわち会社の所有者が資金を調達し、株式などによる市場からの資金調達はできない会社です。

家族で会社を立ち上げよう、などという場合に一般的な形で、要するに規模が小さめの会社ということになります。(日本ではもう有限会社というものは法律上なくなったそうですね。知りませんでした。恥...)

さて会社を登録するには役員名簿が必要条件となっています。そこで役員はどの会社にもいます。役員名簿は普通「メイン」の役員に加えて「控え」の役員が添えられます。今回のリサーチによりますと、「メイン」の役員は全体で50.000人ほどいるのだそうですが、そのうちの38.600人が男性。女性は11.600人。大体3:1くらいでしょうか?

それに対して「控え」の役員は全体で33.000人ほどで、そのうち女性が14.000を占め、これは全体の51%と過半数を制しています。つまり女性は「メイン」ではなくて「控え」の方に人気があるということです。

専門家のコメントによると「小さな会社では所有者(出資者)がそのまま役員になることが多い。だからこれまでの会社設立の経緯などからして、やはり男性の所有者が多く、それが統計に現れている」とのこと。

実はこの役員の男女格差は今初めて分かったことではないので、昨年の秋にはこの格差是正のための新しい法律が発効しました。その法律では「従業員数が五十名以上の会社では、女性の役員数が全体の40%以上になるように努める」ことを定めています。

2012年の女性役員の割合は22%でしたので、昨年の23%はかろうじて1%はアップしたことになります。でもこのスピードで伸びていくと、男女差が同等になるにはあと三十二年かかるというのが専門家の弁です。

それでも専門家はめげているわけではなく「新法の目指しているのは小さな会社ではなく、経済をリードしているような大きな会社を念頭に置いている。そういう会社では同族以外の役員を迎えているのが普通で、そういう部分から格差が小さくなっていけば、社会全体への波及効果が大きい」とのこと。

ちなみに業界別に男女格差を見てみると、一番格差が少ないのがサービス関連業で、ここでは唯一女性役員が54%と男性役員を上回っています。続いて教育関連業では女性役員が37%とまあまあ新法の基準に近くなっています。

さらに保健衛生関連業で36%、宿泊飲食業で31%と続きます。

逆に役員の男女格差が大きいのは何でしょうか?金融保険業では女性役員は17,6%に過ぎず(やっぱり金に群がるのはオトコか?)、運輸保管業では15,5%、建築業で13,8%となっています。

そして最大格差は女性役員数7%余り、つまり九割方がオトコ役員なのですが、砂利や石材などの採掘業だそうです。
まあ、何となく男っぽい?業界では役員男女格差も大きいようで、何となく納得はできますよね、これは。(何が男っぽく何が女っぽいかとは、むやみに口にしない方が無難です。(*^^*))

というわけで、「男女平等ランキング世界一」というのも無条件に賞賛できるものではないようです。もっとも「男女平等」という目標に向かってはきちんと努力していること、そしてこれまでの努力が実を結んでいることはたしかですので、「それ見たことか」とバカにするのもハズレでしょう。

それでも「男女平等とはなんぞや?」という根本的な問題はいつまでも存在するでしょうから、議論もいつまでもしなくてはいけないのだろうと思いますが。


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