レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

いつもスイカをくれる掃除のおじさん

2022-07-22 20:50:09 | 日記
こんにちは/こんばんは。

前回、三月に始まったウクライナからの難民の人たちへのさまざまな支援活動のうち、私自身が関わっている、子供たちのデイケアセンターのことを紹介しましたが、まだまだ書ききれないことがあったので、今回はその続きを書いてみたいと思います。




清涼感アップ用ピック
Myndin er eftir Francesco_Ungaro@unsplash.com


前回書きましたように、本当の「デイケア」を提供しているわけではなく、原則としては保護者同伴が必要です。「保護者」とは、ほとんどが母親か祖父母になりますが、ひとりの保護者が複数の子供の責任を持つことによって、互いに自由になる時間ができるように助け合っているのです。

センターのオープンは、平日の午前10時から午後3時まで。子供三十人に保護者十人が集まるとしても、ランチやおやつ、コーヒーの提供や、片付け等々の世話をしてあげるヘルパーが必要となります。

その部分を、アイスランド在住のウクライナ人、教会等からのボランティアの人たち等がカバーしているわけです。

始まった当初は、まったくの手探りでの運営でしたので、それなりに時間と労力、集中力を必要としました。利用するウクライナの人たちも、アイスランドに来たばかりで、その意味で「手探り」状態。

幸いにも、その時期はボラの数も多かったため、乗り越えることができました。約五ヶ月が過ぎた現在では、手探り状態を脱し、多くの面で運営の仕方は合理化・効率化し、まとまってきました。

例えば、新しい人が来た場合でも、こちらの様子に通じてきた、以前から滞在している人たちが、その人たちの世話をしてくれます。さらに全体的に子供たちへの監督や気配りにも慣れてきた感があります。




これは週一のプログラム「みんなで編み物」


運営がスムーズになる一方で、サポートに来るボラの数は減ってきました。それは理解できますよね。平日の日中に、何ヶ月もボラを続けるのはそう簡単なことではないでしょう。

というわけで、定期的に必ず参加しているサポーターは、こちらに在住している若いウクライナ人の夫婦といく人かのアイスランド人、そして私だけになっています。

私の場合は、純粋なボランティアではありません。仕事の一部ですから。それでも、「この活動に毎日参加しろ」という命令が来ているわけではなく、自己判断で続けていますし、もともとの職務はそっくりそのまま残っていますので、全体として仕事が増えています。手当も付きませんので、「ボラ的」な部分はあります。

さて、今現在は、私は午後一時半くらいから始めて、三時半くらいに閉園後の掃除を完了するところまで詰めるようにしています。

私の役割も、かなり出来上がってきていて、第一に皿洗いを含むキッチン関係。ついで拭き掃除、掃除機等の清掃の手伝い。この間に、子供たちの使ったおもちゃの片付けが入ることもあります。これが意外にも膨大なお仕事... (^-^;

これは偶然そうなったわけではなく、子供たちの監督とケアをするにはやはりウクライナ語ができないといけません。だからウクライナ人ボラや保護者はそちらが主な役割。皿洗いやゴミ出しにウクライナ語は不要、ですがゴミの分別等の知識は必要、とうような常識的な役割分担。






上 この程度はまだまだ序の口
下 We LOVE スイカ!


あと、エクストラな役割は、週何回かスイカを買って行って、子供たちに食べさせてあげることです。意外な発見。ウクライナ人はスイカ大好きなのです。メロンも喜びますが、スイカはダントツ人気。

喩えは悪いですが、レイキャビクの池のアヒルたちにパンをあげる時みたい。スイカを持って部屋に入ると、子供たちが周りに群がってきます。歓声を上げながら。大きなボウルいっぱいのスイカ、三分ほどで完食となります。

六月の終わりまでは、数少ないウクライナ人の壮年男性とこれらの役割を一緒に分け合っていました。難民のひとりなのですが、すっごく一生懸命働く人で、四歳の娘さんと一緒にセンターに通っていました。

英語がほぼダメなので、詳しい事情は知らないのですが、多分、戦争開始時に国外にいたか、非常に早い時期に出国したのでしょう。「自分は国外にいる」という意識のせいで、あれだけ一生懸命に働いていたのだろうと想像しています。

この人とは、言葉はなかなか通じないものの、毎日同じ作業をしている中で、かなりの「相棒」になりました。七月始めに、ポルトガルに逃れていた奥さんともうひとりの娘さんと、こちらで合流。

嬉しい限りなのですが、それによって住居探しや、職探しに奔走することとなり、センターでのお助けはできなくなってしまったのです。




中央、赤シャツの男性が私の「相棒」

その他にも、顔見知りになったお母さんたちもありますが、名前とかはほとんど知りません。このセンター、以前書きましたように、女性と子供が大半。ですから、万が一にも変な誤解を招かないよう、なるべく馴れ馴れしい態度は取らないように気をつけています。

そういうわけなので、毎日のように通っていても、そんなに個人的に親しくなった人はいません。大方の人は私の名前も知らないでしょうし、おそらく「よくスイカを持ってきてくれる掃除のおじさん」なのだと思います。確かにそうですね。

このボランティアなのか仕事なのかはっきりしない活動。八月の終わりまでは続けるつもりでいます。九月の新年度からは、レイキャビク市がきちんと予算をつけて、幼稚園なり、市が責任を持つデイケアセンターなりを開くはずなのです。疑わしいけど。

教会は当初から関わってきましたし、それまでは誰かしらがきちんと関わっていくべきだと、自分では考えています。




スイカを持ってきてくれる皿洗いのおじさん


でも、自分がこのセンターに通い続けている一番の理由は、そこにいるのが好きだからだと思います。別に個人的に誰かと仲良くなる、というようなことではなくても、ウクライナ難民の人たちが、そこで互いに助け合い、支え合っているのを見ることができるのは、「当たり前」のことではないと考えています。

東日本の大震災の後でもそうでしたが、自然災害や戦争等のとんでもない災厄の中にあっても、というか「中にあるからこそ」現れる人間の強さ、連帯、美しさというものがあるじゃないですか。

恵まれた状況では、「自分」をついつい優先させてしまう人間のエゴがあります。それが、集団的な困難、危機の中にあると、文字通り「One for all. All for one」がエゴを超えてくるのです。

残念ながら、困難が収束しまた恵まれた環境に戻ると、エゴが再び優勢になってしまうのが人の常のようではありますが。




弟の手洗いを助けるお兄ちゃん

それでも、この「人の美しさ」を目撃し、きちんと心に留めておくことは、牧師としての私にとってはかけがいなく大切なことなのです。なぜなら、この「美しさ」こそ、本来、神が人に与えた祝福だと信じているからです。

その祝福が、困難の中にある時ほど、より鮮明に現れるとしたら、それが人の世の罪深さなのでしょう。ですが、そのような祝福が「確かにある」ということが大切なのです。

そのような大切なものを、このデイケアセンターで私は見出していました。だから、手当云々に触れましたが、そんなものは本当はどうでもいいのです。「いつもスイカをくれる掃除のおじさん」はすでに十分な報酬をもらっているのでした。


*これは個人のプライベート・ブログであり、公的なアイスランド社会の広報、観光案内、あるいはアイスランド国民教会のサイトではありません。記載内容に誤りや不十分な情報が含まれることもありますし、述べられている意見はあくまで個人のものですので、ご承知おきください。

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夏のお仕事 減ったり増えたり「いい塩梅」

2022-07-16 23:03:31 | 日記
こんにちは/こんばんは。

七月も中盤となりました。日本では、夏そのものはとにかくとして、夏休みはまだこれからがピークだと思いますが、アイスランドではすでに夏休みの「真っ只中」という感があります。

六月始めのような「スーパー・サニーデイ」は少なくなってしまいましたが、それでも気温はそこそこを保ってくれており、毎日11〜15度くらいはあります。面白いもので、この時期の11〜12度は六月始めの11〜12度よりも暖かく感じます。「大地が温まっているから」というのがワタシの自論。

六年くらい前に、ユニクロでサマージャケットを買いました。確か一着3800円。ヤス! だったので三着お買い上げ。日本のサマージャケットって、裏地もなく本当に夏用じゃないですか。買ったものの、アイスランドではあまり使う機会がなく、毎年一、二回の着用でした。

それが、今年の夏はほぼ毎日使っています。だから、「ワタシの気のせい」ではなく、実際に暖かくなっているのだと思います。




清涼感アップ用ピック
Myndin er eftir Yves_Alarie@unsplash.com


さて、そのような「夏休み、真っ只中」の私の周辺状況は、というと、例えば私のオフィスのあるブレイズホルトゥス教会では、毎水曜日のお昼の「祈りの時間」以外は活動休止中。この祈りの時間は主に近所の高齢者が集まるもので、アイスランド人の牧師さんが担当しています。

私たちの英語の礼拝は、毎日曜日に継続していますが(それでも七月の最後の二回の日曜日はお休み)、なんというか、周りがみんな夏休みだと、ブレイズホルトゥス教会で私がせねばならない仕事も少なくなります。

ただ、難民の人たちの個別のケースのサポートは依然としてありますので、そのような仕事は必要に応じてこなしますが、「毎日オフィスにいなければならない」というような形ではないのです。

これは、まあ楽になっている面。

「みんな夏休み」のおかげで、逆に仕事量が増える面もあります。私の場合、それはウクライナからの難民の人たちへのサポート、もう少し特定すると、子供たちのデイケアセンターでの「お助け」活動です。

どういうものであるのか、順を追ってご説明したいと思います。

もう何度も書きましたが、ウクライナからの難民の人たちへのサポート活動は、社会全体の中で様々な形でなされています。通訳、生活物資の配給、難民認定がおりた後の住居や仕事探しの手伝い、等々。

その中のひとつが小学校就学前の年齢の子供たちのデイケアセンターです。小中学校の年齢の子供たちは、割と滞ることなくこちらの学校へ編入できます。

ですが、幼稚園というのは –特にレイキャビクでは– 実はすでに「キャパシティ不足」がここ数年指摘されており、アイスランド人の子供でさえ、相当長い期間の待ち時間を強いられているのです。

ですから、ウクライナ難民の子供たちも、同じように待たされることになります。




ウクライナ難民の子供たちのデイケアセンターのあるフィラデルフィア教会
Myndin er ur Visir.is


が、ここでひとつ問題があります。ウクライナからの難民の90%は女性と子供です。つまり、お母さんたちのご主人、子供たちのお父さんは、原則として故国に残って戦っているわけです。

もし、小さな子供たちが、毎日自宅にいなくてはならなくなると、お母さんたちは自分達の難民申請に関する手続きや、その後に続く様々な実務をこなすのが難しくなります。

そこで、小さな子供たちを預かるデイケアセンターを開設しよう、ということになったのです。実際は当初はウクライナの子供用の幼稚園にしたい、という希望がありました。

子供たちにウクライナ語を教えたり、将来はウクライナに戻ることを前提とした教育をしたい、という考えがあったからです。

ですが、これには認可の問題があり、すぐにはかなわず。つまり、幼稚園とするには、様々な施設条件、教師の数、衛生上の管理等々をクリアしないといけないわけです。将来的にはそちらを目指しますが、とにかく今は、デイケアセンターとすることになりました。

デイケアセンターといっても、基本的には子供を「預ける」ことができず、お母さんないし保護者が同伴しなくてはなりません。ですが、ウクライナの人同士が知り合いになれば、あるお母さんが代表して、何人かの子供たちの責任者となることは可能です。

こうして、保護者の人たちが、交代に子供たちの面倒を見ながら、互いの自由時間を確保してあげる、というシステムができてきました。開園時間は平日の午前10時から午後3時まで。

このデイケアセンターの計画には、私たちの教会も当初より加担してきました。センターは、フィラデルフィアという名前のペンテコステ派の教会に置かれています。私の所属する国民教会ではありません。

建物の仕様とか地の利とか、いろいろあってこの教会に白羽の矢が立ったのです。かなり大きな建物で、一時(いっとき)にいくつもの集会が同時並行に進行できます。






デイケアセンターとして使用している部分より 普段は日曜学校のスペース


その中の日曜学校が開かれているフロアを貸していただくこととなりました。もとより、子供用のテーブルや椅子、おもちゃ、本等が備わっていて、とても使い易いところです。

幸いにもフィラデルフィアの皆さんも良い理解を持ってくださり、非常に大きな自由を、私たちのデイケアセンターに与えてくれています。

で、もちろん、集まってくる子供たちの保護者以外に、専属でサポートする人たちもいます。基本ボランティア。集まる子供たちは、平均して二十人くらいで、保護者が十人くらいです。時にはそれ以上になることもあります。

それだけの人が、朝10時から午後3時まで過ごすとなると、ランチやおやつなど、結構の作業が付属してくることになり、どうしても食事の提供、皿洗い、掃除等々を面倒見るスタッフが必要になります。

以前よりアイスランドに移住していたウクライナ人の若夫婦が、このサポートスタッフの中心になってくれており、加えてあちこちから助っ人が馳せ参じていました。私自身もそのひとり。

ところが、始めのうちはともかく、一月二月(ひとつきふたつき)経つうちに、だんだんとボラは減っていきます。で、四月下旬の復活祭後からは、私の通う回数も増えていき、結局五月以降は、ほぼ毎日通う羽目となりました。

もっとも、開園時間中ずっといるわけではなく、だいたい昼の一時半くらいに行き、それから閉園して片付けと掃除が終わる3時半くらいまでの「お助け」となります。この時間帯が、一番「お助け歓迎」の時間なのです。




大変な状況の中での嬉しい時間 ハッピーバースデー!


そういう具合でいまだに続いているのですが、夏休みの中盤にさしかかるに従い、さらに「助っ人」数も減ってきました。そうなると一人当たりの仕事量が増加。結構忙しいです。

まあ、私の場合、他の仕事が減っている期間ですし、さらに言えば、私は純粋なボラではなく「ペイ」されている身ですから、別に文句はないです。むしろ、ウクライナの人たちとも繋がりができてきたり、いろいろ学ぶことができたり、子供たちの喜ぶ顔が見れたりと、嬉しくなる部分も大きいのです。

この、ウクライナの難民の子供を対象としたデイケアセンターでの活動。思ったより、たくさん書きたいことがあることがわかりました。長くなりましたので、今回はここまでとし、次回に続けたいと思います。

先ほど、大雨で各地で被害、というようなニュースを見ました。被災地の皆さんの無事をお祈りいたします。皆さんも気をつけてお過ごしください。


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いまさら〜!? のアイスランド語の試験

2022-07-09 00:00:00 | 日記
こんにちは/こんばんは。




くつろぎ感アップ用ピック1
Myndin er eftir Yves_Alarie@unsplash.com


最近、ブログの更新の仕方がとても不規則になっていました。毎週、大体金曜日か土曜日に書いていたものを、日曜日にアップしていたのですが、仕事や生活上のいろいろがあり、このルーチンの維持が難しくなっていました。

更新の不規則は、このマイナーブログを覗いて下さる奇特な皆様にはどうということではないでしょうが、実はむしろ、書いている私自身にとっての方に意味のあることなのです。

つまり、習慣化することで続けやすくなる、ということです。「ルーチン化」という言葉は、多くの場合ネガティブな響きを持っていますが、何かを継続して行う、という点においてはかなり有用なことだと考えます。

このブログを覗いてくださる方がいる、という稀有な事実と、このルーチン化の組み合わせにより?「西街ひとり日誌」も十周年までもう一息となりました。現在、ブログ開始から三千六百日とちょっと。

十年続いても、「更新したのはトータル三十回」とかいうのではあまり意味がないでしょうが、一応「週一」の原則で続けていますので、まあ「それなりに十年」としてやってください。




ブログの開始から3600日に到達 もうすぐ十周年
Myndin er ur Blog.goo.ne.jp


さて、今日は思いがけず空き時間ができてしまったので、この回を書いています。二、三日前にあるメイルが舞い込みました。アイスランド語の試験の結果の通知です。

実は、六月の始めにアイスランド語の試験を受けに行ってきました。というのは、アイスランドの市民権を申請しようかと考えており、この試験に合格していることが申請条件のひとつに数えられているからです。

市民権そのものについては、また別の機会に書いてみます。今回はこの「市民権申請の条件としてのアイスランド語の試験」がどのようなものであるのか?についてご紹介してみたいと思います。

まず試験の結果ですが、もちろん合格。この試験は「振り落とし」のためではなく、市民権の申請者が「生活上必要なアイスランド語を、ある程度習得していることの確認」を目的としています。

ワタシ、もう三十年もここにいますから、もちろんその程度のアイスランド語は大丈夫です。ですから、試験勉強とかしませんでしたし、試験前の緊張とかもありませんでした。

試験はMimirミーミルという、普段から移民のためのアイスランド語や、その他アイスランド人を対象とした様々な外国語、またはカルチャー関係の講座を催している私設学校で行われます。ちなみにMimirというのは、北欧神話の中の「知恵の神」のことです。




ちゃんと合格しました... よ


私が受けた試験は午前9時から正午までの三時間。午後にももう一回、(他の受験生用に)試験が予定されていました。私の受けた回には全部で三十人くらいがいましたし、数日に渡って試験が行われていたので、全部で三百人くらいは受験できたのではないでしょうか?そういうのが、初夏と秋の二回あるみたいです。

試験内容。四つの分野に分かれていて、「ヒアリング」「読解」「作文」「スピーキング」というお決まりの課題を与えられます。最後のスピーキング以外は、同じ場所で連続して行われ、係員ふたりが会場に付きっきりで、「こうして」「次はこのようにして」と指示を出します。

ヒアリングは、ある文章の録音を聞き、その内容に合った回答を選択肢から選ぶ、というもの。読解は、ヒアリングと同じようなことを、今度は与えられた文章を読んで行うものです。

このふたつは、チョー簡単で間違いようがなかったですね。このふたつが満点でなかったら、ワタシは罰ゲームとしてイカゲームを受けます。




清涼感アップ用ピック
Myndin er eftir Gabriel_Kuettel@unsplash.com


作文は結構面白いものでした。二問あり、一問目は与えられたイラストを見て「5センテンス以上書きなさい」というもの。イラストはあるデパート内とおぼしきもの。いろんな人が買い物したり、歩いていたり、というようなものです。

二問目は「アイスランドの天気について5センテンス以上書きなさい」というもの。

このふたつには十分時間を費やしました。別に「お母さんが支払いをしています」「子供たちが何かねだっています」みたいな文を五つ並べるだけなら、3分で十分でしょうが、なんというか、そういうのはダメなんですよ、ワタシ。

「書くなら、多少なりとも面白いことを書きたい」みたいなところで、変なスイッチが入ってしまいました。で、一問目はイラストの中央に犬が一匹歩いていたので、「これは不思議だ。デパート中を、どうやって犬が勝手に歩き回れるのか?飼い主はどうしたのか?」みたいなことを書いてしまいました。

天気と合わせて15分くらいかかったような。

そこまで終わった人から順に退出して、番号札を受け取り、次のスピーキングの試験へ。スピーキングは受験生ひとりひとり、別個の部屋へ呼ばれて面接官と相対します。

私は待ち時間なく、速攻で面接部屋へ。女性の試験官が待っていて、「あら、トシキ?」その方、五、六年前、アフガニスタンからの難民の父娘を支援する集いで協力したことがあったのです。

その際の顛末はこちら:アイスランドな夏 難民の女の子と野外誕生日会 (1)

アイスランドな夏 難民の女の子と野外誕生日会 (2)




くつろぎ感アップ用ピック2
Myndin er eftir James_Macgill@unsplash.com


こういうのは、アイスランドでは日常的に起こることです。その時点でもう合格させてくれることにしたみたいですが、一応試験もちゃんとやりましたよ、もちろん。

アットランダムに色々な写真を見せられて、それらについてコメントする、というものでした。5分で無事終了。

結局9時からの試験、9時45分には帰りの車の中でした。説明時間とかあったから、実質の試験時間は三十分以下だったと思います。

試験とか受けるのは、もう二十年ぶり以上のことだったと思います。ただ、今回感じたことは、意外にも?「結構良く考えられた問題」ということでした。きちんと「ある程度のアイスランド語の知識を確認する」という目的に沿っていたと思います。

もっと重箱の隅を突くような問題とか、引っかけ問題とかが出てくるのでは?と期待していたのですが、そういうことはまったくありませんでした。まだアイスランド語がよくできない人でも、自分の能力をきちんと示せる機会が与えられていたと思いますし、良くできる人もそのようなことを示せる仕組みになっていたといえるでしょう。

試験問題を作った人たちに拍手!なのでした。


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夏 リアル・ガチのレイキャビク

2022-07-04 21:33:43 | 日記
こんにちは/こんばんは。

しばらく前に「六月の始めだというのに、もう暑い」とか書きました。その六月の中旬から、今度は気温が低い日々が続いてしまい、六月の最後の週末前後では、気温が5-10度止まりに。

特に北部の町アクレイリでは「例年なら10-15度くらいになるのだけど、これは夏としては三十年来の寒さ」と気象局のエイナルさんも嘆く始末。




清涼感アップ用ピック1
Myndin er eftir Jonatan_Pie@unsplash.com


それでも七月になると、レイキャビクでは盛り返してきて先の週末は結構夏っぽくなりました。毎日というわけではないのですが、夕方の5時くらいから、パーッと晴れ渡って気温も上がる日が多いような気がします。

「5時過ぎから晴れたって、遅いだろう」と思われる方もありましょうが、こちらはこの時期日が沈みません(実際には沈みますが、沈まないに近い)ので、夜になってからプールに行ったり、ドライブに出かける人も多いのです。

さて、もういく日か前ですが、日本のニュースで「ガソリン代、ついに180円に!」というのを見ました。かなり深刻な影響を受ける人も多いそうですね。ガソリン価格をいかに抑えるかで、国会でも議論がなされているそうで。

ガソリン代はこちらでも上がっています。車は毎日使うものの、そんなに長距離の走行をしない私はそれほど頓着がなかったのですが、先日ガソリンスタンドに行って驚愕しました。

リッター349,9クローネ!!

今はクローネと円はほぼ1:1ですから、350円と考えて下さって結構。一月にブログで書いた時はリッター270クローネで、その時点の日本円換算で240円ほどでした。

それから半年でなんと350円にまで跳ね上がっているではないか! 三月以降忙しかったので、ぜーんぜん気が付かずにきました。




西街にある行きつけのスタンド 349,9kr!
Myndin er eftir ワタシ


ああ、そういえば四月の末に娘の披露宴があったのですが、その際に久しぶりに会ったアイスランド人の知り合いが「トシキ、EV車に買い替える予定ある?」とか訊いてきました。

ワタシの格好いいマツダCX -3はガソリン車なのですが、まだ買って三年目だし買い替えの予定はなし。その知り合い、ヨウンさん(「ヨン様」と呼ばれています)とは、時折車の話しをする仲です。彼も三年くらい前にホンダのCR -Vを購入したばかり。

私は自論で「EV車はあと二、三年のうちにスマホ的な勢いで発展するから、今はまだ買わないつもり」と答えたのですが、ヨン様は「ボクもそう考えてたけど、ここまでガソリン代が高騰すると、『今でしょ』みたいな気がしてきた。電気代、タダみたいなもんだし、年間で換算したら数十万の違いになるよ」

まあ、確かにそうですね。それほど遠出しない私でも、月に2万クローネ以上はガソリン代に支出しています。だから年間25~6万?経済的な観点からは、乗り換えた方が得でしょう。EVへの乗り換えの助成もあるみたいだし。

しかし、そこはロマンチストのワタシ。「車って、走ればいいってもんじゃないでしょうが?」みたいな? ワタシ的には、今ここで手に入るEVに乗り換えるつもりはありません。たとえガス代がかかろうが、「ガソリン車!」とエコロジストから白眼視されようが...




清涼感アップ用ピック2  群生ルピナス
Myndin er eftir Paco_Vaca@unsplash.com


ところで、ガソリン以外にも、物価一般が上昇しているのはアイスランドも同じです。っていうか、少なくとも北半球ではどこでも同じではないかと。

これは原因がかなりはっきりしていて、ロシアです。例えば食料品。広範な影響力を持つ原材料「小麦」の供給が減っているおかげで、すべからず食品価格が上昇しています。

アイスランドでは小麦の価格は半年で40%の上昇。っていうことは、パンやパスタ、ケーキ類の価格が上昇しますし、アイスランド人が愛してやまないドミノピザのデリバリーまで値上げ。

その他にも、ガスやオイルの供給減などが輸送代の上昇を引き起こしていますから、これはもうすべての物流に影響しますし、つまりはすべての商品やサービスの価格が上がることになります。

六月に統計局がインフレに関する指数を発表しました。それによると、一年前と比較してのインフレ率は8,8%。高いです。ところがそれだけではない。今年の始めとの比較では7,6%の上昇率なのです。

つまり、昨年夏から今年の始めまでは1,2%の上昇だったのが、今年になってから7,6%という駆け足上昇となったわけです。

日本でも「家計が苦しい」というニュースを今朝も見たばかりなのですが、こちらでもご同様です。私などは、もう子供も独立してますし、「自分だけ」の生活ですから、なんとかなりますが、今のこの状況で小さなお子さんたちがいる家庭は、結構苦労が多いだろうと察します。

しかし、それらの物価高騰を「はるかに」超えているのが不動産価格です。不動産に限っては、この一年間での上昇率がなんと20%。20%ですよ!




「少し落ち着け」用ピック
Myndin er eftir Sigurdur_Fjalar_Jonsson@unsplash.com


これが庶民がいぶかっている「限りなく黒に近いグレイ・ミステリー」なのです。日用品の価格上昇はわかります。上昇の原因との因果関係が理解できますから。でも... 不動産はなんで?

これだけ新しいアパートやマンション建てまくってるのに、他の中古物件が価格が下がるどころか、20パーのアップとは?

私の息子が、自分用の住居を探していたのですが、こういう例がありました。

あるアパートのフラット。売値が約5千万クローネ。1LDKタイプの独身または子供のないカップル用です。

すると不動産業者がオープンハウスと称して、ある日のある時間に興味のある人を集めます。そして、その場でそれぞれからの「オファー価格」を集め始めるのです。ようするに「セリ」ですよ。

こういう状況になると、基本的に物件が少ないので、どうしても「今」住居が必要な人は上乗せしたオファーをしてしまいます。そういうのが何回か積み重なって、結局売値は6千万に近かったとか。

これって、合法か?と思ってしまうのは私ばかりではないでしょう。しかも、ある物件の場合では、落札?したのは自分用ではなく、賃貸商売を目的とした人でした。

高い賃貸料を課して儲けている人たちは、すでにお金がありますから「セリ」に勝てるのです。そしてさらに儲けるのです。そして、本当に住居が必要な庶民が泣く羽目になります。

これもレイキャビクの現実だから...

なんとかしろよ、政治家!とは庶民の切実な声です。でも変わらない、なーんにも。だって、今の財務大臣のビュルトゥニ氏は「あっち側」、つまりボロ儲けする側の大将ですから。

これもアイスランドの現実だから...


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