Gledilegt sumar! グレージィレクト・スーマル!
夏だ〜!!
「楽しい(喜びのある)夏を!」という夏の始まりに交わす挨拶言葉です。先の木曜日から、アイスランドは「夏」となりました。毎年、四月の第四木曜日が「夏の第一日目」と定められており、国民の祝日にもなっています。
実際には日中気温がまだ10℃に届かないような日々ですので、気温的には東京とかの半分にも至っていません。それでもとにかく、たとえ冷え込もうが、雪が降ろうが、四月の第四木曜日からは「夏」なのです。
凍てつく夏 古の知恵では想定内
前々回にも触れましたが、アイスランドで季節を測るメジャーは、日の光であり気温ではありません。このことに慣れる、というか学ぶまでには何年もかかりましたよ。(*^^*)
さて、アイスランド語について、もう少し付け加えておきたいと思います。前回は、アイスランド語と移民をめぐる議論に関して、アイスランド語を学び使う「はず」の移民・外国人居住者の意識の変化が十分に考慮されていないのではないか?というようなことを述べました。
今回は、もう少し枠を広げて、必ずしも移民・外国人居住者だけではなく、アイスランド人自身にも関わる変化についても考えてみたいと思います。
まず、現在のアイスランドで、アイスランド語の地位というか「ありよう」にいの一番の影響を与えているのは、今やこの国の基幹産業となった観光業です。
2008年秋のリーマンショックに続いた経済破綻からアイスランドを救ったのは、下落したアイスランド・クローネと、それを逆手に取った攻めの観光政策 –安くあがるアイスランド観光– でした。
経済破綻のアイスランドの救世主となった観光業 国主導のキャンペーン
Myndin er ur old.inspiredbyiceland.com
以来、あれよあれよという間に観光業は大きく膨らみ、毎年記録を更新する観光客ラッシュとなり、同時にお金をこの国にもたらしてくれました。
それに伴い、外国人観光客を「おもてなし」する側のアイスランド人も、多少国際的センスを身につけ?英語等で受け答えすることへのアレルギーを克服していったようです。っていうか、「結局、金がものを言うか?」みたいな。
この点については、四年くらい前に書いていますので、そちらも読んでいただけると幸いです。
今はこっちが案じている アイスランド語の将来
観光業のように、直接外国人を相手にするビジネスの場合、どうしてもアイスランド語以外の言語が、そこに入いり混んでくるのは避け得ません。入り込んでくるだけではなく、支配的になってきます。日本でも、この十年くらいで、やたらに中国語が見に入るようになってますよね。こういう事実が、アイスランド語の地位を押しやり始めているように思われます。
これと並行して、さらに大きな生活の分野で生じている変化も考える必要があります。それはIT技術のおそろしく早い進歩です。
旅行関連でいうならば、例えばスマホの翻訳アプリ。出た当初は使い物にはならなかったのですが、今や、メジャーな言語ならこれもかなり使えるものになっていますよね。観光客の人には重宝するツールでしょう。
私自身が使うもので、さらに出来が良くなっていると思われるのは、Google translation のような、書いたものの翻訳ソフトです。つい数年前までは、例えばアイスランド語を日本語に変換すると、ものすごい「テンネン」訳が出てきて笑わせてくれました。
ところが今では、例えばアイスランド語で書いたものを英語にした場合、かなり完成度の高い訳文が出てきます。ところどころチェックして、直せばそのまま英文として使えるような。(もっとも私レベルの英語ではありましょうが) これは、かなりありがたい進歩です。
試験的に前回のブログをGoogleで英訳
ちなみに、この西街ブログのある回を、英語に訳してみたのですが、きちんとした英語にはまだまだ先があるようですが、それでも大方の意味はきちんと伝わる英文が出てきました。
それを見てちょっとヤバッと思いましたよ。このブログ、どうせアイスランド人にはわからないから、とかなり気楽に悪口も書いています。どこかのヒマ人が英語に訳して読んだりするかもしれません。気をつけないと。
Facebookでの翻訳機能も含めて、日常生活の中での通訳・翻訳関連のお助けアプリや機能はかなり進化してきています。これも、ここで生活する外国人に強い影響を与えるものです。
良くいえば「お助け」ですが、悪くいえば「わざわざ勉強しなくたっていーや」という気にさせる「誘惑」でもあります。
さらにITが進化して、本当に「翻訳こんにゃく」のようなものができるなら、確かに外国語の学習は無用になるのかもしれません。が、まだそこまではいってないですから、例えば、アイスランドでこちらの人と会話をしたいのなら、言葉の勉強は必要だと思います。
そのようなIT技術の進化の中で、アイスランド語の将来を本当に心配している人たちがいます。以前に見たニュースだったので、ちょっとどこのどいう人たちであった正確なタイトルとかを覚えていないのですが、IT関連の人たちでした。
彼らの言うには、「アイスランド語を将来的に維持していくためには、日々新しく開発され、世界に広まっていくアプリ・ソフトの波に、アイスランド語が付いていくようにしなければなりません」
例えばお馴染みのSiriですが、日本でも答えてくれますし、英語でも何種類か選べますよね。でもアイスランド語はありません、まだ。となると、例えばアイスランド人の若者がSiriを使うときには、英語かなにかを使うことになります。
そういうことが、すべてのソフトやアプリについて当てはまっていくわけです。若い世代のITとの密着度は「切っても切れない」域に達していますので、当然若者たちが「アイスランド語を使う」部分が、「日常生活」から減っていってしまっていることになります。
Siriはまだアイスランド語ができませ〜ん!
確かこの点に関しては、アイスランドの教育関係者も承知をしていて、ITソフトへのアイスランド語のアクセスを可能にする努力を、特別に助成しているはずです。これはちょっと未確認情報、確かではありません。m(_ _)m
ちなみに、アップルユーザーの私ですが、iPhoneやiPadではアイスランド語が選べます。キーボードなどでも、始めからアイスランド語のものが用意されています。
これらも、考えてみれば大した努力だと思うんですよね。目一杯勘定しても、三十万強の需要しかないマーケット用に仕様しているわけですから。こういうの、アップルが率先してやっているわけがないから、こちらの省庁からお願いするか、お金を出しているのではないかと想像するのですが... これも未確認です。
と、いうわけで、現在は「アイスランドではアイスランド語を話しなさい」と言っているだけでは話しは終わらないのでした。
試しに、Siriに“Speak Icelandic” と言ってみたら、“I can’t speak Icelandic yet” と可愛いBritish Englishの女の子Siriは答えてくれましたよ。Yetというからには、将来はその気があるのかしら?
*これは個人のプライベート・ブログであり、公的なアイスランド社会の広報、観光案内、あるいはアイスランド国民教会のサイトではありません。記載内容に誤りや不十分な情報が含まれることもありますし、述べられている意見はあくまで個人のものですので、ご承知おきください。
藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
Home Page: www.toma.is
Facebook: Toma Toshiki
夏だ〜!!
「楽しい(喜びのある)夏を!」という夏の始まりに交わす挨拶言葉です。先の木曜日から、アイスランドは「夏」となりました。毎年、四月の第四木曜日が「夏の第一日目」と定められており、国民の祝日にもなっています。
実際には日中気温がまだ10℃に届かないような日々ですので、気温的には東京とかの半分にも至っていません。それでもとにかく、たとえ冷え込もうが、雪が降ろうが、四月の第四木曜日からは「夏」なのです。
凍てつく夏 古の知恵では想定内
前々回にも触れましたが、アイスランドで季節を測るメジャーは、日の光であり気温ではありません。このことに慣れる、というか学ぶまでには何年もかかりましたよ。(*^^*)
さて、アイスランド語について、もう少し付け加えておきたいと思います。前回は、アイスランド語と移民をめぐる議論に関して、アイスランド語を学び使う「はず」の移民・外国人居住者の意識の変化が十分に考慮されていないのではないか?というようなことを述べました。
今回は、もう少し枠を広げて、必ずしも移民・外国人居住者だけではなく、アイスランド人自身にも関わる変化についても考えてみたいと思います。
まず、現在のアイスランドで、アイスランド語の地位というか「ありよう」にいの一番の影響を与えているのは、今やこの国の基幹産業となった観光業です。
2008年秋のリーマンショックに続いた経済破綻からアイスランドを救ったのは、下落したアイスランド・クローネと、それを逆手に取った攻めの観光政策 –安くあがるアイスランド観光– でした。
経済破綻のアイスランドの救世主となった観光業 国主導のキャンペーン
Myndin er ur old.inspiredbyiceland.com
以来、あれよあれよという間に観光業は大きく膨らみ、毎年記録を更新する観光客ラッシュとなり、同時にお金をこの国にもたらしてくれました。
それに伴い、外国人観光客を「おもてなし」する側のアイスランド人も、多少国際的センスを身につけ?英語等で受け答えすることへのアレルギーを克服していったようです。っていうか、「結局、金がものを言うか?」みたいな。
この点については、四年くらい前に書いていますので、そちらも読んでいただけると幸いです。
今はこっちが案じている アイスランド語の将来
観光業のように、直接外国人を相手にするビジネスの場合、どうしてもアイスランド語以外の言語が、そこに入いり混んでくるのは避け得ません。入り込んでくるだけではなく、支配的になってきます。日本でも、この十年くらいで、やたらに中国語が見に入るようになってますよね。こういう事実が、アイスランド語の地位を押しやり始めているように思われます。
これと並行して、さらに大きな生活の分野で生じている変化も考える必要があります。それはIT技術のおそろしく早い進歩です。
旅行関連でいうならば、例えばスマホの翻訳アプリ。出た当初は使い物にはならなかったのですが、今や、メジャーな言語ならこれもかなり使えるものになっていますよね。観光客の人には重宝するツールでしょう。
私自身が使うもので、さらに出来が良くなっていると思われるのは、Google translation のような、書いたものの翻訳ソフトです。つい数年前までは、例えばアイスランド語を日本語に変換すると、ものすごい「テンネン」訳が出てきて笑わせてくれました。
ところが今では、例えばアイスランド語で書いたものを英語にした場合、かなり完成度の高い訳文が出てきます。ところどころチェックして、直せばそのまま英文として使えるような。(もっとも私レベルの英語ではありましょうが) これは、かなりありがたい進歩です。
試験的に前回のブログをGoogleで英訳
ちなみに、この西街ブログのある回を、英語に訳してみたのですが、きちんとした英語にはまだまだ先があるようですが、それでも大方の意味はきちんと伝わる英文が出てきました。
それを見てちょっとヤバッと思いましたよ。このブログ、どうせアイスランド人にはわからないから、とかなり気楽に悪口も書いています。どこかのヒマ人が英語に訳して読んだりするかもしれません。気をつけないと。
Facebookでの翻訳機能も含めて、日常生活の中での通訳・翻訳関連のお助けアプリや機能はかなり進化してきています。これも、ここで生活する外国人に強い影響を与えるものです。
良くいえば「お助け」ですが、悪くいえば「わざわざ勉強しなくたっていーや」という気にさせる「誘惑」でもあります。
さらにITが進化して、本当に「翻訳こんにゃく」のようなものができるなら、確かに外国語の学習は無用になるのかもしれません。が、まだそこまではいってないですから、例えば、アイスランドでこちらの人と会話をしたいのなら、言葉の勉強は必要だと思います。
そのようなIT技術の進化の中で、アイスランド語の将来を本当に心配している人たちがいます。以前に見たニュースだったので、ちょっとどこのどいう人たちであった正確なタイトルとかを覚えていないのですが、IT関連の人たちでした。
彼らの言うには、「アイスランド語を将来的に維持していくためには、日々新しく開発され、世界に広まっていくアプリ・ソフトの波に、アイスランド語が付いていくようにしなければなりません」
例えばお馴染みのSiriですが、日本でも答えてくれますし、英語でも何種類か選べますよね。でもアイスランド語はありません、まだ。となると、例えばアイスランド人の若者がSiriを使うときには、英語かなにかを使うことになります。
そういうことが、すべてのソフトやアプリについて当てはまっていくわけです。若い世代のITとの密着度は「切っても切れない」域に達していますので、当然若者たちが「アイスランド語を使う」部分が、「日常生活」から減っていってしまっていることになります。
Siriはまだアイスランド語ができませ〜ん!
確かこの点に関しては、アイスランドの教育関係者も承知をしていて、ITソフトへのアイスランド語のアクセスを可能にする努力を、特別に助成しているはずです。これはちょっと未確認情報、確かではありません。m(_ _)m
ちなみに、アップルユーザーの私ですが、iPhoneやiPadではアイスランド語が選べます。キーボードなどでも、始めからアイスランド語のものが用意されています。
これらも、考えてみれば大した努力だと思うんですよね。目一杯勘定しても、三十万強の需要しかないマーケット用に仕様しているわけですから。こういうの、アップルが率先してやっているわけがないから、こちらの省庁からお願いするか、お金を出しているのではないかと想像するのですが... これも未確認です。
と、いうわけで、現在は「アイスランドではアイスランド語を話しなさい」と言っているだけでは話しは終わらないのでした。
試しに、Siriに“Speak Icelandic” と言ってみたら、“I can’t speak Icelandic yet” と可愛いBritish Englishの女の子Siriは答えてくれましたよ。Yetというからには、将来はその気があるのかしら?
*これは個人のプライベート・ブログであり、公的なアイスランド社会の広報、観光案内、あるいはアイスランド国民教会のサイトではありません。記載内容に誤りや不十分な情報が含まれることもありますし、述べられている意見はあくまで個人のものですので、ご承知おきください。
藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
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