レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

いやでも「日付変更線」を考える一日

2022-12-31 23:55:32 | 日記
新年、明けましておめでとうございます。
旧年中の御厚情に心より感謝申し上げ、また皆様の新年の御多幸をお祈りいたします。





日本の皆様には、嘘偽りなくそのようにご挨拶させていただくのですが、こちらアイスランドでは実はまだ2022年の大晦日です、という毎年恒例の「大晦日・新年の九時間差リンボーホール」にはまっています。

つまりは日本が列島を挙げて「ハッピーニューイヤー!」の雄叫びを上げる時間は、こちらではまだ大晦日の午後3時、というわけです。

日本の方は、おそらくそんなに自覚される機会はないかもしれませんが、日本は世界の中でも「時の最先端」を走っているグループで、日本より早い時間を保っている国というのは、ニュージーランドとか、オーストラリアの東部、さらには人が住んでいるかどうかは知りませんが、ロシア帝国の東の端っこの方くらいのものです。

グーグルしてみたのですが、南太平洋のど真ん中あたりにあるキリバスという人口十万人の島国が、世界の日付変更線の最先端にある国だそうで、そこでは日本時間よりもなんと五時間も先を行っているのだそうです。




日付変更線
Myndin er ur Social-line.com


乱暴な言い方になりますが、実際に日付変更線の近くに住んでいる人々はごく少ないのです。これは別に偶然そうなったわけではなく、もともと「陸地のない海の上に日付変更線を引こう」という意図の下でなされたこととのこと。

日付変更線という言葉は、誰でも聞き覚えのあるものでしょうが、実際にどこにどんな形で引かれているのかをじっと見つめたことがある方は少ないことでしょう。もちろん、本当に線があるわけじゃないですよ。観念的な線です。

改めて眺めてみると、日付変更線って上から下へ引かれた真っ直ぐの線ではなく、あちこちが凸凹で異様に折れ曲がっています。なぜでしょうか?

大海原の真ん中で、どこにも陸地がないように見えても、実際には無数の島がそこかしこに浮かんでいます。

多くの島は「島々」としてひとつの国、領土に属しているものですから、その「島々」を分割する形で日付変更線が引かれてしまうと、同じ国の中にふたつの日付が存在してしまうことになります。

それでは実際の生活上での不便を生じることになりますので、そういう「島々」が一括して日付変更線の右か左かに入るように、線を折り曲げる工夫がなされたのです。




雪景色のレイキャビク マイナス8度の中でのお散歩


「同じ国で日付が異なることは、アメリカとかでもあるじゃん」という風にお考えになる方もありましょう。東部標準時と西部標準時では、東部が三時間先を行っています。だからニューヨークが新しい日に入った時、ロサンジェルスはまだ前日の夜の9時。確かに同じ国内でふたつの日付。

余談ですが、この東部–西部の三時間差は、ワタシ的には結構大きかったりします。ヤンキースのホームの試合の多くはアイスランドの時間の夜11時(NY時間の夜7時)に始まります。その時間ならなんとか半分くらいは視聴可能。

ですが、我がダルビッシュや大谷さーん! のホームゲームは、サンディエゴとロスになりますので開始が夜中の2時(LA時間の午後7時)とか。これはさすがにライブ視聴不可なのでした。

それはさておき、四、五時間の差であるならば同一国内でも許容範囲内であるというか、それなりに無理なく対処していけるものなのでしょう。

ですが、僅か3キロしか離れていないこちらの島とあちらの島の間に日付変更線が引かれてしまうと、「あっちは1月1日のお昼なのに、こっちは12月31日のお昼」みたいな違いになってしまうわけです。これは確かに不便ですよね。

この不都合を回避するために、日付変更線間際にある、主に五つの群島について調整なされました。上の方から、米露間にあるダイオミード諸島、同じくアリューシャン列島、ずっと南下して先に触れましたキリバス共和国、さらにその南のサモア諸島、そして最後がニュージーランドの一部であるチャタム諸島です。

日付変更線は、この五つの修正の故に五箇所ではっきりと凸凹することとなりました。




凸凹をはっきりとさせた地図
Mynin er ur chirilabo.com


面白いのは、この日付変更線、別に国連とか国際日付管理センター(そんなもんあるかい?)のような公的な機関が管理しているものではなく、変更線付近の国々が自由裁量で設定、変更しているのだそうです。

この辺の知識はネットからの受け売りです。興味がある方は、こちらを覗いてみてください。結構「へえー!?」ですが、考えているうちに頭が混乱してきたりもします。(^-^;

ちりらぼ: 【解説】日付変更線がいびつな理由(時を歪めた島々5選)


さて、そのような遥か彼方の太平洋のど真ん中に、北から南まで(頭の中で)引かれた日付変更線。その影響が、ここ北大西洋の隅っこのアイスランドまでやってきており、ワタシは毎年大晦日に、一方では日本人として「明けましておめでとう」と言い、同時にアイスランド住民として「まだ大晦日だよん」という九時間を楽しむことになるのでした。

ちょっとグーグルしたら、意外と面白かったので、すっかり「日付変更線」の話しになってしまいました。本当は「2022年の振り返り」でもしようかと思っていたのですけどね。

まあ、ワタシの振り返りなんぞよりは、日付変更線のトラビアの方がまだ多少役に立つか?(^-^;




お散歩Pic2


末筆になってしまいましたが、今年(2022年)もブログを訪ねていただきありがとうございました。

ウクライナ危機、イランでのプロテスト、イエメンでの飢餓等々、世界は重く暗い問題に満ち満ちていますが、それでもなんとか良い方向へ向かおう、という気概だけは世界中が持っていて欲しいと願います。

新年(2023年)が、皆様にとって幸多き一日一日の集積となりますようお祈りさせていただきます。


*これは個人のプライベート・ブログであり、公的なアイスランド社会の広報、観光案内、あるいはアイスランド国民教会のサイトではありません。記載内容に誤りや不十分な情報が含まれることもありますし、述べられている意見はあくまで個人のものですので、ご承知おきください。

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「生きてます」

2022-12-29 21:37:06 | 日記
こんにちは/こんばんは。

前回の更新より一週間以上間が開いてしまいました。その間クリスマスもあったのですが、今年はクリスマスのご挨拶もないまま過ぎてしまいました。すみません。m(_ _)m

実はクリスマスの一週間ほど前からインフルエンザにかかってしまい、頭は痛いは寒気はするはで、あまりハッピーではない状態に陥ってしまっていました。

最悪だったのは、18日の日曜日の教会の礼拝をドタキャンしなければならなかったこと。土曜の夕方から発熱して気分が悪くなったのですが、あいにく相棒のアニー牧師もその数日前からインフルエンザ。

しかたないので、土曜の夕にSMSその他で「明日の日曜礼拝はキャンセル」をお知らせ。これは私ら牧師連にとっては滅入るできごとです。




寒さ増強用ピック 氷の洞窟
Myndin er eftir Mark_Olsen@unsplash.com


私は移民と難民の人たちのための特別職にありますので、日曜日の定期的な礼拝の責任を持ち始めたのは、そんなに昔ではない八年足らず前からになります。その八年弱で礼拝が「意図に反して」中止になったのは三回。

「意図に反して」というのは正確な言葉ではないかもしれませんが、要するにコロナの時期の集会制限による礼拝中止は除いてということです。あれは「計画的中止」ということで。

「意図に反しての中止」の一回目は四年くらい前で、これは悪天候の警報が発令され「不要不急の外出は控えて」というお達しが出されたためでした。実際に危険でしたし。これは「自然の猛威」に属することなので降参するしかありません。

二回目は今年の夏にコロナに感染した時。この時はまだ夏休みが抜けきらない時期だったので静かなものでした。そして、今回三回目。まあクリスマスではなかったのがまだラッキーだったのかも。

発熱した日の土曜日(17日)は38,7度まで熱が上がったので、夕方の6時半に早々と「お休みなさい」途中何度か目は覚めましたが、基本寝続けて起きたのはなんと日曜日の午後1時でした。18時間睡眠か?




珍しく「寒い」レイキャビク
Myndin er ur Vedur.is


ワタシ、この夏までの二十年以上、インフルエンザで寝込むことなど一度もなかったのです。それが、夏のコロナの後、寝込みはしませんでしたが咳が止まらないインフルエンザにかかって、抜けるまでにかなりかかりました。

そして、今回。なんていうか、コロナのおかげで体内のアンチ・ウイルスシステムが変化してしまったのかなあ?と多少心配。

さらに、今回の体調不良の間、アイスランドはずーっと寒波中なのでした。寒波はまだ続いています。前回のブログの時点で「12月8日からずーっとマイナス気温」だったのですが、それがそのまま今日まで延長されています。

週間予報を見ても、気温がプラスに転じるのは元旦の昼あたりの数時間のみの予測。しかもレイキャビク限定。

レイキャビク界隈では、降雪そのものはたった二日程度だったのですが、このマイナス気温のおかげで降った雪がすべてそのまんま残っています。「寒そうに響くけど実はそんなに寒くないレイキャビク」では珍しい事態なのです。

ネットでニュース番組を見ていると、流れてくるニュースは日本でも寒波と大雪。北米でも寒波と大雪。どこもかしこも雪、ゆき、ユキ、ですね。自分がどこに住んでいるのか、一瞬混乱してしまいそうです。




スキー場にだけ雪が足りない、という珍事
Myndin er ur Visir.is


ところが不思議なのですが、レイキャビクから車で三十分ほどの近場のブラウフャットゥルという山のスキー場ではなんと雪が足りずにオープンできないというニュース。あり得るか?という感じです。なんでもトラックでレイキャビク近郊から雪を運び、今日木曜日になんとかオープンするとか。不思議なこともあります。

というわけで、今回は普段にも増して中身のないブログになりましたが、「生きてます」というメッセージと思ってください。(^-^; 気にしてくれる方があれば幸い。(*^^*)

ちなみに「生きてます」は先日の「世界の何だコレ!?ミステリー4時間SP」に出てきたフレーズですから。

皆様におかれましても、くれぐれもインフルエンザ、コロナ等に注意をされ、また、雪に埋まったり、落雪を頭に受けたり、転倒したりされませぬよう気を抜かれずに、良い年の瀬をお過ごしください。


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アイスランド冷たいようで温かい

2022-12-17 22:49:16 | 日記
こんにちは/こんばんは。




雪が窓辺に積もった西街の古アパート


クリスマスまであと一週間となり、私たち教会労働者たちは繁忙期に入っています。私自身は「移民牧師」という特別職におり、職務内容の大方が人との面談やサポートだったため、初めのうちは「クリスマス?うーん、そんなに関係ないよ」という感じでした。

それが七年ほど前に5-6人で始めた「難民の人たちと共にする祈りの会」が、順調に?発展したこともあり、今では私が責任を持つ集会とかも、普通の教会並みになってきましたので、やはりクリスマスは「クルシミマス」的になりました。

ちなみにこの「クルシミ...」は新学校時代の同世代の牧師先生の言葉です。(^-^;

忙しいと何が起こるかというと、周りで起こっていることが頭に入ってこなくなることです。最近のニュースは、アイスランドのことも、日本のこともあまり把握しておりません。

ただ、それでも十二月中に、「積雪量新記録」とか「寒波到来」とかニュースでいっていたように記憶しています。ネットで確かめようとしたのですが、さらに今週も寒波らしいですね?ホワイトクリスマスも列島縦断的に可能性があるとか。




ホワイトクリスマス、来るかな?
Myndin er ur weathernews.jp


コロナの時期に気がついたのですが、日本とアイスランドってかなり出来事がシンクロすることがあるんですよね。例えば、こちらでコロナ感染者が再増加すると、日本でも再増加したり、こちらで火山が噴火すると、日本でも噴火したりとか。

今回もそのようなシンクロ現象で、日本で寒波到来がニュースになっていたその時期に、こちらも寒波到来でした。っていうか、まだ「寒波」中。

今年の秋は寒さが降りてこず、十一月の末まで私は半袖のシャツを使っていました。それが12月の8日の木曜日の朝、いきなりマイナス6度かなんかに下がったのですが、それ以来ずーーーーーーっとマイナスです。それも結構なマイナス。

週間予報を見ても、まだまだマイナスの生活が続くようで。それでも、ここまでは寒いだけで好天の日が続き、風も雪もありませんでした。ところがおとといの金曜日の夜から、風もでてきたし雪も降り始めました。土曜の昼時点では、それなりに積もってます。積雪は今シーズン初めてですねー。

多少の時期のズレとか、程度のちがいはあるにしても、毎年冬には寒くなります。暖かい、寒い、は別にそんなに問題はありません。レイキャビクでは暑すぎることはまずないですし(元へ。「絶対」ない)、寒いと言ってもせいぜいマイナス10度くらいのもの。釧路や旭川のような「極寒」とまではいきません。




マイナスの日々が続く週間予報
Myndin er ur vedur.is


そういえば、二日ほど前に八王子の知り合いのご婦人が送ってくれたのですが、
12月16日付朝日新聞川柳欄にこのような作品が載ったそうで。

アイスランド冷たいようで温かい

作者名不明ですのでクレジット付けられません。悪しからず。m(_ _)m

これ、その通りで、気温に関していえばアイスランドの人が暮らす地域はそんなに厳寒の地ではありません。中央部の山岳地帯は別ですよ。あそこは別の世界。

さてこの寒波で、人々の日常生活にも影響がではじめています。私も最近、同じ教会内でオフィスの交換があり、大きな窓というかガラスの壁?のあるオフィスに座ることとなりました。

明るくていいのですが、意外や寒さがガラスを通して侵入してきます。サムッ! 仕方なく教会内に放置してあったファンヒーターを回して凍え死にを免れています。




寒いです、マイ新オフィス


それはともかくとして、アイスランドの、レイキャビクを含む特に南部では、地熱を利用した温水を家屋の暖房に使用しています。これはかなりすぐれたシステムで、例えば我が西街の古アパートにも、ストーブやファンヒーター等の暖房器具はありません。

温水が循環するヒーティングシステムが作り付けになっており、それで十分なのです。スイッチOnOffの必要もないので、二十四時間温まります。

この温水は、暖房用だけではなく、例えばお風呂ですとか、キッチンのお暖かいお湯用にも使われます。もっとも鉱質が含まれているため飲食用には向かず、キッチンでの使用は皿洗い用とかに限定されます。その分、お風呂では温泉気分になれますが。

そころがです。お湯は無尽蔵にありますが、給水能力には限りがあります。これは初めからお湯なのではなく、地下水を地熱によって沸騰させているものです。レイキャビク辺りの温水は(熱湯ですが)、かなり離れたシンクヴェットリ国定公園の方からパイプラインで運ばれていきます。この間、温度がまったく落ちないのが自慢の種。




初積雪です。我が家の裏側の光景


それをレイキャビクの大きなタンクに一度溜め込んだあとで各家庭に給湯されていくことになります。というわけで、水資源はともかくとして、それを沸騰させ、移動させ、配給するプロセスには処理の限界があります。

しかもこのシステム、なんと1930年くらいから使われているものです。以降、改良、拡大されてきているのと信じますが(信じたいですが)、近年の移民の増加による人口増は想定外のはず。

そうなると、寒くなって、皆が一斉に家庭の温水ヒーターの目盛を上げたり、バスタブ使用が増えたりすると、お湯不足になる可能性があります。

そこで、日本で夏にある「給水制限」よろしくレイキャビク等でも「給湯制限」が話題になっています。

すでにレイキャビク近郊のセルフォスなどでは、公営プールがクローズドになりました。こちらのプールでは温水を利用しています。ホットタブはもちろんのこと、普通の競泳用のプールの水もお湯との混合です。もちろん、水ですけどね。あまり温かくなりすぎると、スイマーの肺に良くないのだそうです。

レイキャビクには八つの公営プールがあります。高齢者の方で毎日通う人も多く、プールはこちらでは庶民の必須スポットなのです。それが、市の「給湯制限」計画のため、三つのプールをクローズにするという話しが持ち上がりました。

反対の声も多く、話しだけでまだ実施はされていないと思います。ネットで調べた限りでは、プール側は何もアナウンスしていません。ワタシはプールなんて全然用なし派なので、どうでも良いのですが、もしクローズになってしまったら、従業員とかはどうするのかなあ?給料、もらえるのかなあ?と本筋から外れた方面で心配。




これは西街の人気の公営プール サウナ付き
Myndin er ur sundlaugar.is


アイスランド冷たいようで温かい

気温に関してはその通りですが、社会の人と人との関係についてですと、とりわけ国や市の公権力の庶民に対する態度について言うならば、「そんなに温かくはないな」と感じている人は多いはずです。

プラスもマイナスもありましょうが、アイスランドの社会は着実に変化しています。フツーの先進国の方向へ。

この辺りのことは、また機会を見ながらご紹介していきます。政治がらみの話しになりますのでね。気が向かないと、お話しする気になれないのでした。(^-^;


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アズベンタの風物詩 ヨーラグルッグ(スパイス入り赤ワイン)

2022-12-10 21:50:39 | 日記
こんにちは/こんばんは。

アズベンタ(英:アドベント 日:待降節)真っ只中が続いています。レイキャビクは先週の木曜日から急に寒くなりました。木曜の朝、起きてなんか寒いかな?と思ってスマホで天気のアプリを見てみるとなんとマイナス6度。いきなり〜!?です。

以来、今日に至るまでずーっとマイナスをキープしてくれています。ただ天気は良く風もそれほどないので、不快な天候ではありません。太陽が運転中に目の前に来ない限りは、ですが...




アズベンタの風物詩のひとつ、カセドラル前のオスロ・ツリー


さて今回は久しぶりにアイスランドの文化についてです。日本の年の暮れやお正月と同じように、こちらでもヨール(クリスマス)やアズベンタのような、歴史のある社会にドップリと根を張った伝統はもうそれ自体が「文化」です。

そしてその大きな文化伝統から、無数の「派生文化」が生まれてきています。アズベンタに関してですと、例えば12月12日からやってくる13人のヨーラスベイナー(一種のサンタクロース)とか、カセドラル(Dom教会)前のクリスマスツリーのオスロツリー等がすぐに頭に浮かびます。

ちなみに、このオスロツリー、以前は大きな木のないアイスランドへの、森の国ノルウェーはオスロからの本当の贈り物でした。ですが予算難のためとかで、数年前に打ち切りになってしまい、現在ではアイスランド産のもみの木になっています。

それでも「オスロ・ツリー」の名は残されています。ツリーそのものよりは「オスロ・ツリー」の名前の方が「伝統」になったようです。

さて、今回ご紹介したいのはJolagloggヨーラグルッグというドリンクです。まあ、赤ワインなのですが、いろんなスパイスとかを加えて温めたホットドリンクになっています。

このヨーラグロッグそのものは、スカンジナビアをはじめドイツとかでもフツーにあるもので、どこまでかは分かりませんが広くヨーロッパに存在する風物詩であるようです。

いつぐらいから、どのようにして始まったものなのか、グーグルしてみたのですがはっきりとした説明は見つかりませんでした。悪しからず。m(_ _)m




ヨーラグルッグ
Myndin er ur Stutentabladid.is


アイスランドに限って言いますと、これはアズベンタ限定のドリンクです。どういう状況で供されるかというと、かなり曖昧な説明になってしまいますが、例えば職場などで、アズベンタに入った時期にコーヒーブレイクの時間とかに準備されていたりします。

あるいは、レストランとかでもカクテル代わりに供されていると思います。ワタシ自身あまり社交家ではないので、実際に体験したことはないのですが、ホームパーティー(この時期にあるとして)でも出されるでしょうね。

初めて味わったのは、上の子供が幼稚園にいた頃ですのでもう二十五年くらい前になります。幼稚園にお迎えに行ったのですが、そこで保護者用にヨーラグルッグが振舞われていました。

一口飲んだ時には「なんだ、こりゃ?」と思いました。まずはお燗した赤ワインのようで「こういうの、いいのか?」と思いましたね、世間知らずのワタシは。加えてワインが口に入る前から伝わってくる強烈なシナモンの香り。オエッ! が正直、第一の感想でした。

スウェーデンとかで食べる、ご飯に牛乳とシナモンを混ぜて煮たライスプディングがあるのですが、あれを想像させてくれました。

ただ、ライスプディングはいまだにオエッですが、こちらのヨーラグルッグの方は、慣れてくると意外に癖になってしまうようです。飲み慣れてくるとそれなりに美味しいし、むしろ普通の赤ワインを飲んだ時に物足りなく感じてしまうような...

一応レシピ的なものをご紹介しておきます。簡単です。すぐにできます。美味しいか、オエッか?それはあなた次第です。




このくらいのお鍋で作りましょう
Myndin er ur Visir.is


材料
皮剥きしたオレンジ 1個
砂糖 100cc
水 200cc
ナツメグ 大さじ1/2
シナモン 2スティック
赤ワイン 一本
好みで、ウォッカ、ジン、ブランディとかを少々

作り方
まず、大き目の鍋にオレンジ、水、スパイス類、砂糖を入れて強火にかける。沸騰し始めたら中火にし、十五分ほど煮る。
弱火にしてから赤ワインとその他の好みのリッカーを投入。温まったらいただく。

これは、標準的なレシピで、これじゃなきゃダメ、とうものではありません。専門家曰く、ヨーらグルッグのレシピは各家庭によって異なる、そうです。これも伝統の一部。いくつか他のレシピも覗いてみたのですが、もっと多種のスパイス(八角とか)を入れる方も多いようです。

それから、専門家曰く「赤ワインは安物で十分」と。納得。




これはお手軽レディーメイドのもの


ワインを入れてからも強火で煮てしまえばアルコールもその分飛んでしまうでしょう。それでも、これが幼稚園でお迎えの保護者に出された、というのがいまだに腑に落ちません。みんな車で来るんだし、弱いとは言えアルコール飲料。

ノンアルコールのワインだったのか、これでもか!と煮込んだ末のものだったのか、はたまた「いいじゃないの、アズベンタなんだから」という当時のいい加減なアルコール意識だったのか...

おそらくは最後のが正解ではでは?と思うとちょっとコワイかも。

難しくはないレシピですが、それでも面倒臭いという人のために、今ではレディーメイドのヨーラグルッグも売られています。季節限定。私も購入していますが、これはデンマーク産でアルコール分は8%。結構人気があるらしく、早い時期に売り切れになってるみたいです。

ワタシはこれをフツーの赤ワインと半々に割っていただいています。寒い夜には暖まっていい感じです。ぜひ、一度お試しあれ!

とはいえ最後に市民の義務的にひとこと。弱いとはいえアルコール。ドライバーに提供するのはやめましょう。飲んだら乗るな 乗るなら飲むな、です。


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サムライ・ブルーの「侍」

2022-12-04 00:52:33 | 日記
こんにちは/こんばんは。




清涼感アップ用ピック
Myndin er eftir Nicolas_J_Leclercq_Va@unsplash.com


師走に入りました。ですが今「走る」という漢字を見ると「師が走る」よりは「ボールを追いかけて走る侍ブルー」ことの方が頭に浮かんできますね。ドイツに勝ち世界を驚かせ、コスタリカに負けて「ああ、そんなもんだろう」と思わせてからのスペイン討伐。すごいです。

私自身は今回のW杯にはあまり心を持っていかれていませんが、それでもサッカーそのものは好きですし、日本チームが活躍してくれるのは嬉しく思います。

ああ、ついでにスペイン戦の日本の2点目がラインを超えていたのではないか?とずいぶん文句が出たようですね。これは日本の報道番組でもきちんと解説してくれたようで、もう問題にはならないでしょう。

ラインを3D的に拡張していってボールのイン、アウトを検討するというのは、サッカーではあまり馴染みのないことかも。伝説の1966年決勝イングランドvs西ドイツ戦のような事例ももちろんありますが。

ただ、これってアメリカン・フットボールでは毎試合出てくるお馴染みの案件です。タッチダウンはゴールエリアに張られている見えない平面にボールの先端が一ミリでも入れば良いので、この点はいつでもピリピリと注目されています。




スペイン戦の後、世界の誰かからの新日の丸の提案 ウハッ (*^^*)
Myndin er ur Youtube channel 佐倉あましん


ところでW杯ですが、今回の活躍の様子と、それから毎回ロッカーをきれいに清掃して帰っていく様子が報道されたりしたことも影響しているようで、私の周囲のアイスランド人の人たちの中に「日本サポーター」がずいぶんと増えてきているように見受けられます。

「サムライ・ブルー、Frabaerフラウバイル(素晴らしい)!」

そんなことばを何度か聞いているうちにフと気がつきました。サムライはなぜ「侍」という漢字なのだろうか?と。

「人」に「寺」ですよね。だったらまず頭に浮かぶのは「師走」の「師」、つまりはお坊さん。「侍」はお寺の住職さんを意味するのが適当ではないかと考えました。

で、ちょっとグーグルしてみたわけです、「侍」という漢字の由来を。

人偏は「人」で正解。右側の部分、つまり旁(つくり)は「寺」ですが、これも「土」と「寸」とに分かれますよね。そして「寸」は「手」を意味するものだそうです。そういえば習ったことがあるような、ないような。

そして「土」の部分ですが、これは実は「土」ではなく、「之」(し)という字の変形。「之」は象形文字で、足の先から進んでいく様を描き「足」を意味するのだそうです。それで「寺」とは「手と足を動かして働く」ということが根本にあるのだそうです。

そこから「寺」というのは始めは昔の「役所」(みんな、せっせと働くから?)を意味した言葉でした。中国で漢の時代には、鴻臚寺(こうろじ)という役所があり、ここが特に僧や他の外交使節などの接待や交渉にあたりました。鴻臚「寺」とはいってもお寺のことではありません。

そこから先はちょっと不明ですが、というか私の怠慢で調べきれていないのですが、この役所が時代の流れの中で「仏教寺院」を指す言葉になっていったようです。

さて「侍」に戻りますが、これは「人」の側(かたはら)で手足を動かして働く人 – つまりは「接待係」「世話係」の人を指すものでありました。ここまでくると、それが後に日本では主人に使える「サムライ」となったことは容易に想像できますね。

ここまで書いてきた漢字の由縁は、すべてネットからの受け売りです。本来は文末はすべからず「...ということです」「...らしいです」で結ぶべきですが、そうするとくどくなるのではしょりました。悪しからず。m(_ _)m




新日の丸の提案その2 ウッハッハ (*^^*)
Myndin er ur Youtube channel 佐倉あましん


まあ、そうしてみると「侍」は「手足を動かして働く人」と言えなくもないですから、サッカーの選手にはもってこいの漢字かもですね。この人偏が「人に仕える」の「人」なのか、「働く人」の「人」なのかにもよりますが...

漢字の成り立ちというのはそれなりに面白いものがありますね。実はこの「侍」について考えた直前には「忙しい」の「忙」という漢字について考えていました。

「師走(というよりアズベンタですが)は忙しいですね。「忙しい」とは漢字では「『心』を『亡くす』と書きます。忙しいからこそ、「心を亡くさない」ように気をつけましょう」とかなんとか教会でお話しをしようと考えていたのでした。

こういうのって、日本人には当たり前のような説明でも、こちらでは意外と新鮮なものだったりするのです。

というわけで、今回はレイキャビクにもアイスランドにも関係のない漢字の話しに終始してしまいました。そういうことも(よく)あります。

今週もサムライ・ブルーの健闘を祈ります。皆様も師走の忙しさの中で「心を亡く」されませぬよう、息抜きを忘れずにお過ごしください。


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