レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

アイスランド コロナ制限全廃と復活の趣味の料理人 

2021-06-27 00:00:00 | 日記
こんにちは/こんばんは。

気がついたら夏至を通り越していました。もうかいな?という思いがしてしまいます。ここのところ、夕方以降の外出をしない生活でしたので、あまり明るい夜を満喫する機会もないままできてしまいました。

これから一日一日と暗くなっていくのか、と思うとなんかがっかりしますね。

まずニュースです。アイスランドでは、昨年三月以来、コロナ対策として様々な集会規制や、ソーシャルディスタンス、マスク着用義務等のルールが据えられてきました。

それが、昨日の土曜日以降、すべてのルールが撤廃されました。制度上は、というか、ルール的にはコロナ前の生活へ戻ったわけです。




制限全面撤廃について語るカトリーン首相
Myndin er ur Visir.is


ここ十日間以上、国内では新規感染者ゼロが続いているのですが、制限全面解除の主たる理由は、十六歳以上の住民の九割が、少なくとも一回のワクチン接種を終えたことによります。

ただし、国外からの入国に際してはまだ規制がありますので、もし日本からいらっしゃる方がありましたら、勘違いされませんようお気をつけください。

周囲の人たちはみんな喜んでますが、私はまだまだです。コロナの危険度を決めるのはワクチンの効果や実際の状況であって、政府の宣言やルールの有無ではないですからね。ぬか喜びはご免。

ところで、先週は、新しく着任された鈴木日本大使が、わざわざ私のいる教会までご挨拶に来てくださいました。大使館のスタッフの方から事前にお電話をいただいた際に、こちらから出向けますけど、と申し出たのですが「いや、大使はみなさんのところでお会いしたいようです」ということでした。

鈴木大使はとてももの腰のやわやかい方です。統計データには表れない現地事情を収集中のご様子で、アイスランドの小説や書物を読み、果てはこのブログにまで目を通してくださったようです。畏れ多いことです。

その翌日にはグビューズニ大統領への信任状の奉呈式があり、私もお招きいただいていたのですが、残念ながら時間の都合がつかず失礼していまいました。大使のこれからのご活躍、ご健勝をお祈りします。




グビューズニ大統領と会見する鈴木新大使
Myndin er ur Facebook Embassy of Japan in Iceland


さて、先ほど「ここのところ、夕方以降の外出をしない」と言いましたが、実際は「ここのところ」ではなく、私はもともとアフター5に外を出回るようなタイプではありません(学生〜サラリーマン時代はまったく別の話しでしたが)。 趣味もそんなにないし。

ワークホリックというのとは別の意味で「仕事が最大の趣味」なのです。若い頃から教会の活動が楽しみだったので、趣味が仕事になった、というパターンです。サッカー大好き少年がプロになるのと同じパターンじゃないかな?と自分では勝手に思っています。

ですから、その他の趣味というものが貧弱。最近の趣味らしきものというと、自宅筋トレ、料理、それから「ネット視聴」でしょうか。ネット視聴というのは、例えばポリスもののTVや、B級映画、日本のお笑いバラエティ、Youtube等々の視聴のことです。あまり生産的ではない活動。

かつては、これに詩を読んだり創ったり、という崇高な趣味があったのですが現在はまったくその「気(け)」もなし。

まあ、とにかく基本的にそのようなツマラな〜いオトコなのですが、加えて複数の物事に同時に集中するということが苦手なヒトなのです、ワタシは。ですから、仕事というのは基本的にいつもありますので、それに加えて、例えば筋トレを一所懸命するとします。すると料理には注意が向かなくなります。

逆に料理に夢中になると筋トレはおろそかになります。ネット視聴は集中力を必要としないので、いつでもある程度は周辺にあります。そうですね、Youtubeなんかは筋トレや料理のモチベーションになる側面もありますね。

で、ここ二、三週間は私の趣味の重心は、筋トレから料理にシフトしています。Youtubeでいくつか面白いチャンネルに行き当たったのがその理由です。

ちなみに、ワタシは神学校在学中(27-31歳)に料理を始め、以来、自分の食事はだいたい自分で作ってきました。ただし、子供たちが成人して家庭を離れてからはだんだんと料理らしい料理をすることは減っていきました。

皆さんご承知のように、料理関係のYoutubeチャンネルというのは、筋トレと同じく、天の星の数ほどもあります。筋トレやフィットネス系、あるいは料理というのは、何度もその同じ動画を見させる性質がありますので -作り方とか- 再生回数を稼ぎやすいということもあるのでしょう。

私が最近よく見て参考にしているのは、銀座のイタリアンのシェフ青池さんがコロナ禍での危機に始めたチャンネル「Aosトラットリア」と、あとは超人気の「料理研究家リュウジのバズレシピ」です。その他、あちこちをちらほら。










チャンネルを見続ける理由、基準というのは、人それぞれ違うのでしょうが、私の場合は、まず食材がこちらで手に入るものの割合が多い、ということがありますね。

Aosの場合は、イタリアンということもあり、この点はクリアしていることが多いです。リュウジさんの方はその限りではありませんが、レシピの数が圧倒的に多いのでこれも大丈夫。食材が手に入らないものはスルーします。

見続ける基準の第二は、レシピが難しすぎないこと。手順と時間が、実行可能な範囲でないとダメですね。この点は、両者ともよく心得ていると思います。あえて名前はだしませんが、某有名ホテルのフレンチのシェフとかのチャンネルでは、この点ハードルが高かったりします。




Aosで見て最近作った「サーモンのトマトケッカソース」


第三の基準は - 実際はこれが一番大切な基準かもしれませんが- トークが面白いことですね。面白いというのは、「笑える」ということではなくて、見ていて楽しいということです。

Aosの青池シェフは、とても「フツーの優しいおじさん」感が強く、もとより好感が持てるのですが、高校時代からの友人というヤスイさんという方が話しの聞き手に回っていて、その会話が面白いのです。ちなみにヤスイさんは声のみ参加で、お顔は登場しません。

察するにヤスイさんは制作関係のお仕事らしいのですが、銀座で三つの店舗を展開していた青池シェフが、コロナ禍で全店舗を閉めざるを得なくなった時期に、Youtubeでの活路を開くお助けマンとなったようです。

仲が良いのが見て取れるのが、エクストラで嬉しくなる部分です。必ずしも当たり前のことではないですからね。

リュウジさんの方は、テレビとかにも出ているようですし、かなりのパーソナリティですね。(*^^*) ただ、レシピは相当に役立つものが多いです。なんというか、実際に家庭内で作るのに適したものが揃っているのです。

というわけで、最近は料理趣味が復活しているのですが、この大前提となるのが、息子が居候中であるということです。私は自分のために調理することはあまりなくなっていました。ひとり身で「料理休業」が長かったのです。

息子が居候中は、なんでも食べてくれるので、また料理のしがいが出て来ました。文字通り「ワタシ作る人、息子食べる人」です。




リュウジさんのチャンネルで見て作った「(ポークの)エアーズロックカレー」


この料理復活の余波で、キッチンも多少リフォーム?しました。まあ、ズボラで調理器具も、保存用の容器やスパイス等も、ごちゃごちゃに積んであったのですが、これらをすべてきちんと整理しました。

料理というのは、かなりクリエイティブだし、実生活に喜びをもたらすし、さらに健康管理にも繋がるので、趣味としてはグレードが高いですね。私も料理中は、厳しい難民の人たちの問題とかを頭からしばしシャットアウトすることができます。

唯一の欠点は、食材購入に費用がかかるかも、ということかなあ。作る側の意識にもよりますが。あとは、食べ過ぎの危険もありますね。食べる側の意識にもよりますが。(*^^*)

梅雨、その後の暑い時期。食生活が乱れやすい時期と思いますので、美味しく、安く、栄養バランスも良い、楽しい食生活をキープしてくださいますよう。


*これは個人のプライベート・ブログであり、公的なアイスランド社会の広報、観光案内、あるいはアイスランド国民教会のサイトではありません。記載内容に誤りや不十分な情報が含まれることもありますし、述べられている意見はあくまで個人のものですので、ご承知おきください。

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夏 安堵と心配の情景

2021-06-20 00:00:00 | 日記
こんにちは/こんばんは。残念ながら、日中気温が10度に届かない「寒い夏」になってしまったレイキャビクです。五月のあの気温はどこへいってしまったのか?太陽はどこへいってしまったのか?というレイキャビクなのです。

先の木曜日は6月の17日でしたが、この日はアイスランド共和国の独立記念日で祝日でした。昨年はコロナの影響で、集会場は五百人が上限だったのですが、今年はさらに厳しくなり、三百人まで、とされています。

かなり状況は良いのですが、迂闊に緩めすぎると... という昨年の教訓がありますので、これは理解できます。




まだまだ用心深く行われた独立記念日の式典 大統領、首相、ビショップらの要人
Myndin er ur Frettabladid.is/Valli


もっともコロナについては着実に快方へ向かっています。独立記念日時点では、十六歳以上の住民のうち、52,1%の人が二回の接種をおえています(Jansenの場合は一回)。一回接種の人(私も)は28,8%となりました。

これに加えて、すでにコロナに感染して抗体ができている、という人が2,2%おり、トータルすると十六歳以上の住民の八割強がコロナに対しての、それなりの対応ができていることになります。

というわけで、ソーシャルディスタンスは2メートルから1メートルへ縮小。スーパー等のお店、あるいは職場でのマスク着用義務もなくなりました。まあ、ワタシはそれでもマスクを使っていますが。できる用心はした方がいい。

海外からのツーリストの皆さんも戻りつつあります。WOW Air が潰れた後にできたPlay航空。いつかブログでご紹介したことがありますが、そのPlay Air機も、ようやくアイスランドへお目見えしています。初商業フライトは今週の木曜日の24日に予定されているそうです。

Come out and PLAY with us!


観光業界の偉いさんが先日「夏以降は私たちは数千という単位で人を雇うことになるでしょう」と話していました。

多くの失業中の人は、状況が回復すれば元の職場へ戻る、という約束をもらっています。早くそうなることを願います。




やっと本物がやって来た Play機
Myndin er ur Frettabladid.is/Anton_Brink


さて、六月中旬というこの時期は、アイスランドでは夏休みへの入口の時期となります。前にも何度か触れたことがありますが、こちらでは夏休みはみんなが一ヶ月、ガッツリ取ることが当たり前になっています。

私が働いている教会という職場環境は、さらに特殊なものがあり、活動期がはっきりと「夏」と「冬」に区分されます。宗教的観点からすると、非常に不思議な現象で、神様の働きに夏も冬もないだろう、と思いますよね、普通は。

私もそう思いましたし、今でもそう思います。ですが、皆がバケーションへ行ってしまう、という現実に見合った活動をデザインする時、どうしても教会の活動にも「ハイ・シーズン」と「ロー・シーズン」ができてしまうのです。

ハイ・シーズンは冬、ロー・シーズンは夏というのが、教会の定番です。ですから、今くらいから、私の周囲にいるご同業の牧師さんたちは夏休みへ入っていきます。

私の居候先のブレイズホルトゥス教会の牧師さんは、独立記念日から、八月の第一の週末明けまでバケーションに入りました。長っ!

対して、私の方はまだ夏休みの計画とかは何も決まっていません。これ、毎年のことなのですが、私の職務に関しては、夏は閑散期ではなく、むしろするべきことが多いことがしばしばなのです。

というのは、私はこの五、六年の間、難民申請者の人たちとの集会、あるいは支援活動に携わっています。本当は私は「移民」の人たちへの働きをする役割なのですが、「緊急性」「システムの盲点」の故に、難民申請者への働きを優先することのなっていたのでした。

そして、難民申請者の流れに夏休みはないのです。っていうか、むしろ夏は流れが盛んになるのです。




難民申請者のギリシャへの送還に反対する集会 今月始め


昨年は例外で、コロナ故に国境を越える人流は減少しました。それでも昨夏のコロナの谷間(感染者数が減少し、国境を越えた行き来が許された時期)には、ひと月で千人を越える難民申請者がやってきました。

そして今、それから八から九ヶ月後になり、申請者の人たちが次々と「国外退去」の通知を受ける時期になっているのです。

参考のために、今年2021年になってからの難民申請状況を見てみると、申請者数はトータルで151人。少ないですね。これは十一月以降のコロナの逆襲により、ヨーロッパ全般で、また国境管理が厳しくなったからです。

そして2021年での申請結果です。この中の過半数は昨年以降に申請されたものの結果ということになります。申請結果が出るまでには、数か月から一年以上かかるのが普通ですので。

細かい説明は省きますが、結果総数は403、そのうち滞在許可は60、拒否が343となっています。

で、難民申請者に関する事柄は、私の職務に関わるものでもありますの、これらのすべてが、なんというか真剣に考えるべき事柄であるのですが、そのうちのいくつかのケースが、より身近なものとなります。

それは、これらの拒否を受けた総数の中には、私のお世話する教会の集会の出席者も含まれているからです。

今、ざっと周囲を見回すと、小さな子供ふたりを含む十人ほどが強制送還待機の状態にあります。これらの人たちは、たまにではなく、毎週集会に参加している人たちです。

私のところの集会は、もともとそんなに大きなものではなかったのが、コロナの影響をもろに受けて、この春に通常の集会ペースに戻ってからも平均二十人強くらいの状態です。

そういうサイズの集会で、半数が「送還待ち」というのは、正直ヘビーなものがあります。

もっともこれは、今に始まったことではなく、そもそも集会の始まり時には100パー、そういう状況の人たちばかりでした。この仕事に携わる限り、避けて通ることはできない現実なのです。




教会の集会 ソーシャルディスタンスは尊重


最近は、送還反対のプロテストなどに「じゃま」されないように、当局は強制送還を事前通告なしの抜き打ちで行います。つまり、今週教会であった人が、次の日曜日にはいない可能性が常にあるのです。

そういうことがあるので、この時期に「夏休みじゃ」といって、集会をお休みにすることがとても難しくなるのです。

統計上では10人として表される数値は、実際には生身の人間です。毎週会っていれば、当然人間同士の心情が通うようになります。この「送還待ち」の状況は、私や集会の協力者の人たちにとっても、心安らかになれない時期となります。

それでも、私たち教会にいる者たちは「頼るもの」がありますので、まだ救いはあります。「送還待ち」の人たちのすべてがそうとは限らないでしょう。

というわけで、コロナが収まりつつあり、国民生活が生き返り始めたのは大きな安堵なのですが、その一方では心にヘビなー事柄も再活性化してしまっているのが、この夏ということになります。それに、もうちょっと「暑さ」が欲しい。

ところで、先日本のニュースで、ミャンマーのサッカー代表が来日して帰国する際、ひとりの選手が出国間際に難民申請をしたということを聞きました。

日本の当局がきちんとこの人の話しを聴き、正しい判断をしてくれることを願います。


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レイキャビクからすぐそこ 新「混浴」露天スパ!

2021-06-13 00:00:00 | 日記
こんにちは/こんばんは。レイキャビクでは、相変わらず梅雨のような雲の多い日が続いてしまっています。「奇跡の五月」の勢いはもうありませんが、それでも、文句を言うほどでもないなあ、という感じです。

さて、今回はアイスランド観光呼び込みです。

いやいや、そういうわけではないのですが、珍しく私自身が「行ってみてもいいかなあ」と思うような新観光スポットが登場したので、それをご紹介したいと思うのです。

「行ってみてもいいかなあ」と思うだけで、まだ実際に行ったわけではありませんのでご承知おきを。ブログでご紹介する「ために」出かけていく、というような献身的なブロガーではないのでした。

その新スポットですが、有名なブルーラグーンという野外スパのミニ版ともいえるもので、Sky Lagoonといいます。以前、テレビのニュースでオープン間近のニュースを横目で見たのですが、温水プールが海に直に隣接して作られていて、プールに入りながら、大洋のパノラマを一望できるような施設です。




Sky Lagoonの露天温泉プール
Myndin er ur Visir.is


その時は「オラには関係ないな」目線で見ていたので、場所はどこか南海岸の方だろう、と決めてかかっていました。

ところがどっこい、後からわかったのですが、場所はレイキャビクの隣りのコーパボーグルという町の西端で、すぐそこなんです。レイキャビク西街の我が古アパートからでも、車で十五分もかからないでしょう。

これにはびっくりしました。その今Sky Lagoonがある場所なのですが、以前は古びたガレージや廃工場のような建物があったところで、まったく「オシャレなスパ」などとは結びつかないイメージの環境だったのです。

でも、考えてみると、確かに地理的にはアドバンテージのあるところです。海に向かえば右手にレイキャビクの街。中央の遥か向こうにはスナイフェットゥルスネス氷河。左手には今話題の噴火中の火山。それに大統領の公邸も視野に入るはずです。

Sky Lagoonの実際の動画はこちら


これはアイデアの勝利だな、と場所を確認した時に思いました。でもいったいどのような施設なんだろう?と思い、もう少しネットで情報を漁ってみました。

確かにオシャレなスパです。まずは海に隣接して75メートルの温水プールがあるとのこと。プールといっても競泳式のではなく露天風呂的な。で、温水はどうやら天然の温泉のようです。




気持ちよさそう!
Myndin er ur Frettabladid.is/Valli


ブルーラグーンも野外温泉なのですが、あそこのは確か水は温めていたような記憶が。Sky Lagoonの方は「地熱からの温水」となっていますから始めから熱いのでしょう。

この大プールというか、露天風呂というか、は写真で見る限りはとても魅力的です。念のため、こちらでは温泉はプールの延長なので水着着用です。「混浴」であってもぬか喜びされませんよう。(*^^*)

施設の建物は草葺のような部分が多用され、アイスランド中世紀の雰囲気を模して建てられたとか。室内には、オーシャンビューが目前に広がる大ガラス壁をもつサウナ風呂があるとのこと。その他は、多分食事もできるバー、エステ関係のお部屋もあるようです。

気になるのは値段。安くはないですよ、ここでは。アイスランドではすべて高くつきます。水と空気以外は。

入場料金にはふたつのコースがあり、安いのはPure leidin ピュア・レイジィン。「純粋な道」とか「コース」「方法」という意味で大人8.500クローネ。

お高い方はSky leidin スカイ・レイジィンで13.500クローネ。5.000クローネアップ。

じゃあ、その中身は何なのか?ということですが、ピュアの方は入浴料、水着等の貸し出し、タオル、それから「七ステップのリチュアルへの参加」とあります。

ん?リチュアル? 

まあ、それは後で見るとして、スカイの方の内容。ピュアに含まれるものすべてに加えて、シャワー付き個室ロッカーの利用と合わせてスキンケアのエステが付くようです。まあ、エステだけでも5.000クローネくらいの付加価値はあるのでしょうね。

それはそうとして、サービス内容にあった「七ステップのリチュアル」とはいったい何なのでしょうか?

どうやら、このリチュアルはSky Lagoonを満喫するための手順というかガイドのようです。

1. 野外風呂でのんびりしなさい。
2. 冷たいポットに飛び込みなさい。十二世紀から使われているものを思い起こしながら。




レイクホルトの「スノリの湯/水場」
Myndin er ur Wikipedia.org


この「冷たいポット」とはホットポットの逆バージョンで、Reykholtレイクホルトというところにある有名なSnorralaugスノラロイグ「スノリの湯/水場」というものにインスピレーションを得たものとのこと。「スノリの湯/水場」は十二世紀からある古い名所です。

3. サウナで眺望を楽しみなさい。

要するに冷水に飛び込んでから、サウナに行けということですね。普通はサウナに入ってから、雪の中へダイブするんじゃなかったっけ?ロシアとかフィンランドでは?

4.  冷たい霧の中でクールダウンしなさい。

そういうミストが出る設備があるようです。




これも眺望が良いサウナ室
Myndin er ur mbl.is/Eggert_Johannsen


5.  備品の(硬い)スポンジ(状のもの)で肌をゴシゴシこすって洗いなさい。
6. スチーム室に座って深呼吸しなさい。

そして最後、

7.   身体をよーく濯いできれいになり、また露天風呂に戻りなさい。

この七ステップがSky Lagoonのリチュアルだそうな。

自分が未体験なので、これが良いものか物足りないものなのかは言えません。
m(_ _)m

ただ、先日の教会の集いの際、あるメンバーの男性ががここへ行ってきたそうで、「ファーザー(ワタシはファーザーと呼ばれています)、高いけどそれでも行くべきだ」と言っていました。その人は別にヤッピーでも何でもない、フツーの人なので、多分本当にいく価値のあるところなのだろう、と思います。

断っておきますが、別にSky Lagoonから謝礼をもらっているわけでも、ただ券をせしめたわけでも、友だちが働いているわけでもありませんからね。まったくの部外者です。

というわけで、場所もレイキャビクから市バスで行けるところですし、もしこちらにいらっしゃるご予定の方がありましたら、ぜひご検討を。

リンクを貼っておきます。行かれる方は予約(ネットから)もお忘れなく!
それから、入場の際に「西街ひとりブログで見た」とひとこと言ってください。「だから?」と言われるでしょう。(*^^*)

Sky Lagoon 公式ホームページ

レイキャビク観光推進課 営業担当 トーマでした。m(_ _)m


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教会美術とOne Pieceの出会うところ ハナハナの実?

2021-06-06 00:00:00 | 日記
こんにちは/こんばんは。レイキャビクはここ一週間ほど、梅雨のような灰色の日が続いています。六月なりましたから「奇跡の五月」は当然終わりましたが、「奇跡の六月」となって復活して欲しいものです。

気温は10〜12度くらいまで上がっていますので、屋内にいると、時折蒸し暑くなり汗が滲んできます。日本の皆さんからすれば「それでも夏なのか?」でしょうが、これでさえワタシ的には地球温暖化を体感する思いです。この時期に汗ばむなんて、ここ十年間くらいの現象ですから。

さて、今日は芸術についてです。




除幕式の様子 左側の紳士がビリーさん
Myndin er ur kirkjan.is/Hreinn_H.


なーんちゃって。(*^^*)  実はちょっとご紹介してみたいアート作品があるのです。私が居候しているレイキャビクの東地区にあるブレイズホルトゥス教会に、先日ある芸術家の人がご自身の創作作品を献品してくださったのです。

この方はWilly Petersenビリー・ペーターセンという七十歳前後の男性で、時折りブレイズホルトゥス教会のメサ(礼拝式)に参加されてきたようです。私は個人的には存じ上げていません。名前から察してデンマーク系の方?

五月の16日の日曜日のメサの中で、除幕式が行われました。文字通りの「除幕」で、それまでは幕に隠されていて、どのような作品であるのか私も見たことがありませんでした。

現れたのは「手」がいっぱい。木彫りの「手」が教会を形作っている、という風の作品です。

このブレイズホルトゥス教会の内部は、木材が多用されている北欧風(なのかなあ?)の作りなのですが、それに合わせて考えられたようです。

使用されている木材は、色々あって、燻したオーク、松の木、マホガニー、チーク、ライム(シナノキ)、樺、普通のオーク等々だそうです。面白いのは、ビリーさんご自身は木彫りを勉強したわけではなく、本来の専門は金属細工とのこと。

芸術作品というのは、あまり説明とかするようなものではないのかもしれませんが、ビリーさんご自身の説明が教会のサイトに載っていましたので、それもかいつまんでご紹介させていただきます。




“Hendur Guds” by Willy Petersen


まず、木彫りの作品であることは、ブレイズホルトゥス教会の内部の雰囲気にマッチするものと言いましたが、さらにこの教会の外形も作品の中に用いられています。

木彫りの「手」が形作る三角形状の形は、実はブレイズホルトゥス教会の外形を模したものです。この教会は、別名「インディアン・テントの教会」と呼ばれ、ネイティブ・アメリカンが使う円錐形のテントの形をしています。

モンゴルの遊牧民の人たちが使うテント、と言った方がピンとくるかも。

三角形の底辺は、弓状に曲がっており、これは「大地」をイメージしています。この「手」が形作る教会はこのブレイズホルトの教会であると同時に、地上のすべての教会を表すものなのです。




「インディアン・テント」教会


上部の小さなサークル、あるいはリングは「永遠」「始まりと終わり」を表しています。ちょっとキリスト教的な話しになりますが、キリストの言葉に「私はアルファであり、オメガである」というものがあるのです。

そのリングからみっつの手が伸びて、他の手を掴んでいますが、これらは「父なる神」「イエス・キリスト」「聖霊」という神のみっつの位格のシンボルです。

「手」の色は多様ですが、これは着色したものではなく、木の素材を使い分けることによって様々な色を集めたようです、表していることはもちろん、肌の色はいろいろでも人は皆でひとつだ、ということです。

作品のタイトルはHendur Guds ヘンドゥル グビューズス「神の手(複数)」。“Hands of God”ですね。




中央のリングは「永遠」のシンボル
Myndin er ur Kirkjan.is/Hreinn_H.


この作品で私が気に入っている点は、「神の手」というものが小さな手の繋がりによって表されていることです。普通「神の手」とかいうと、巨大な手のひらみたいな譬えが多いのです。みんながその上に乗っかっているような。

それが間違いとかいうことではないのですが、小さな手の繋がりだと、私たちのアプローチが変わってくる点もあります。

巨大な手だとしたら、私たちにはどうしようもない、それこそ手の届かないところのものとなりますが、小さな手の繋がりということになると、そこには人間の手も入り込めるのではないか、という視点が生まれます。




「大きな手」よりは「小さな手の繋がり」
Myndin er ur Kirkjan.is/Hreinn_H.


これは、牧師としての立場から言わせてもらうと、かなり大切なことです。神の働き、というと普通すぐに説明のつかない奇跡のようなことを思い浮かべるものなのですが、実際には神は人を通して働かれることの方が多い、と私は考えています。

もちろん、私たちが神のようになるわけでも、神のような能力を授けられるわけでもありません。私たち凡人ができることは、いつでも限られた小さなこと以上ではないことでしょう。ただ、それでもそれらが集まってくると、結果として予想もできなかった大きな良い変化をもたらすことがあります。

私はそれは「奇跡」だと思います。もちろん、人の手による努力の集まりですから、超自然的なものではありませんし、すべて説明できます。理屈上も辻褄の合うことのはずです。にもかかわらず、そのように小さな努力が集まって、思いがけないことが起こる。そういう風に全体がまとまることが奇跡なのです。

私は自分の職務で、難民の人たちとの関わりが多くあります。その中で、そのような奇跡を何度も目撃する機会がありました。それぞれに説明がつくことなのですが、その度に「奇跡」を感じました。説明ができない超常現象という意味での奇跡ではなく、「神の働き」の現れとしての奇跡です。

そういうことのいくつかは、以前に書いたことがありますので、そちらをご覧いただければと思います。

アイスランド 2015クリスマス·ストーリー

アイスランドな夏 難民の女の子と野外誕生日会 (1)

アイスランドな夏 難民の女の子と野外誕生日会 (2)


現代社会には「神の働き」を私たちの日常の努力から切り離してしまう傾向があると思います。そういう中で、このビリーさんの作品は、なんというか「神の働きは私たちの日常の中にある」という大切なことを忘れないようにする「モニュメント」みたいに思われます。

ただ、飾ってあるバックの壁がいまいち安っぽくて、残念だな。もう少しきちんとしたディスプレーにしてもらいたいと思います。




ロビンちゃんの「ハナハナの実」の技
Myndin er Pintest.jp


それから秘密ですが、この作品を初めて見たときに私の心に浮かんだのは、実は全然キリスト教的なことではありませんでした。

「おっ! 『ハナハナの実!』」

そうです。ワタシの第一印象はOne Pieceに出てくる愛しのニコ・ロビンちゃんの必殺技「ハナハナの実」なのでした。これはビリーさんには絶対言わない、よ。(*^^*)


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