レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

スキールン − 名付けと洗礼

2015-01-25 05:00:00 | 日記
一週間ほど前の土曜日に、久々に洗礼式を執り行う機会がありました。洗礼式はアイスランドではわりと日常的なイベントですので、この機会に取り上げてみたいと思います。

その前に「洗礼式とはなんぞや?」という方も多いでしょうから少し説明。洗礼式はキリスト教の祭儀のひとつで、英語ではBaptismと呼ばれ、人をその原罪から清めるための儀式です。この洗礼式を受けるとキリスト教徒とされます。

ですからキリスト教徒の家庭で生まれた赤ちゃんや、大人になってからキリスト教に入る人がこの洗礼式を受けることになります。(教派によっては赤ちゃんの洗礼式はしないところもありますが、そこまでは深入りしません)

洗礼式は基本的に「一度きり」の儀式で、アイスランドでは赤ちゃんの時に受けるのが圧倒的な割合です。(ちなみに非キリスト教国の日本では成人になってからの洗礼式の方が多いですね)

アイスランド語ではSkirn「スキールン」といいます。「きれいにする」というまんまの意味ですが、こちらで面白いのはこの洗礼式の際に赤ちゃんに命名するのが習わしになっていることで、リチュアルの中に (牧師)「この赤ちゃんは何と名のることになっていますか?」(親)「XXXです」とちゃんと組み込まれています。人によってはスキールンとは「命名式」のことだと勘違いしていることもあります。

アイスランドでは家族が一族の中の誰かの名前をもらって赤ちゃんに継承していく習わしが強いので、時々「誰の名前をもらうか」が興味の対象になることがあります。そのためその洗礼式のその場まで「ヒ・ミ・ツ」ということもあります。

以前担当した洗礼式で、赤ちゃんのパパの両親が離婚していて、息子夫婦と確かあまり良い仲でなかったのだろうと思いますが、そのパパのお父さんの名前を赤ちゃんに付けることが式の中で明らかになって、当のお父さんが感激していたことがありました。

洗礼式はまず無条件に喜ばしいお祝いの式です。なにしろ赤ちゃんが主役ですから。ところが私は牧師であっても「特別職」にあるため(その説明はまたの機会に)、なかなか洗礼式をする機会が回ってきません。仕事上の仲の良い同僚の赤ちゃんの時ぐらいがせいぜいです。

というわけで、先日の洗礼式はほぼ一年ぶりでした。大きな教区の普通の牧師さんなら年間六、七十はあると思いますが。なんと慎ましいワタシ。

今回の赤ちゃんの両親は別に友人ではありませんでした。ふたりともアイスランド人なのですが、パパが「キリヤマファミリー」というわりと人気のバンドのメンバーで、日本になにか関心があるようです。「日本人」ということで以前一度だけ録音の際にナレーションを手伝ったことがあるのです。それでなにか「ひいき」にしてもらったみたいです。当日知ったのですが、ママの方は大学の神学部にいるそうで。

さて、当日は土曜日の午後でした。寒いけど静かな気持ちの良い日で、式は赤ちゃんの自宅でもたれました。半地下にある普通の大きさのフラットに、親戚友人等が...子供も全部合わせたら四十人くらいはいたのではないかと思います。相当ひしめき合いましたから。

居間の一角に小さなテーブルを用意。クロスをかけてから綺麗なガラスのボウルに冷たくない水を入れ、その脇にキャンドルを二本。反対側のテーブルには、式後のお茶用にケーキ類が何種類も置かれます。加えてママのお父さん(赤ちゃんのおじいちゃん)が前日からラム肉スープを用意したそうで、いい匂いが充満しています。

このサイズの居間(ダイニングと連結)に四十人が入ると、さすがに暑いです。かつ酸欠の心配が... 

短い挨拶をして、皆で子供用の讃美歌を歌います。それから式のリチュアル。名前を聞いた後、赤ちゃんの頭にボウルから手で水をすくい「父と子と聖霊のみ名によって」三回「チャポッ」とやります。さすがに赤ちゃんはびっくりして普通は泣きだすのですが、今回はしぶとい子で持ちこたえました。(^-^;

ちなみに教派によっては「深礼」といって体全体を浴槽のような桶に沈めることもあります。一度だけ立ち会いましたが(ロシア正教会)赤ちゃんパニックで大泣きでした。「チャポッ」のルター派でよかった...(*^^*)

そしてお祈りの後、パパのお父さんがギターを弾き、誰だか身元の知れなかった若い女性(多分ママの姉妹)が楽しい歌を披露。そして最後にもう一度皆で讃美歌を歌って式は終了。全部で二十分くらいのものです。




家庭での洗礼式 この式で命名もされます


その後は皆がスマホ片手に名前付きになった赤ちゃん群がり、しばしして落ち着くとお茶会が始まります。牧師さんはこういう時、そそくさと退散はできませんのでお茶会に交じりますが、なんたって勝手知ったる一族郎党の中で、こちらは知己がほとんどないのですから話し相手を探すのにも苦労します。

こういう時、アイスランド人はほとんど気配りというものを知らないので、下手をすると三十分ひとりでポツンとしているようなハメに陥ることさえあります。

今回はポツナンとしていたおじいちゃんを捕まえて話しを始めましたが、赤ちゃんの曾おじいちゃんだということ。そこまで老けて見えなかったので歳を訊くと「七十四歳」とのこと。その歳で「曾おじいちゃん」?二十五で子供ができて、その子が二十五で子供を作り、さらにその子が二十五で子供を作れば成り立つか? あり得ますね、ここなら十分。

洗礼はきちんと役所に届けるので書類があるのですが、そういえば立証人としてサインした赤ちゃんのおばあちゃん(ママのお母さん)はワタシより五歳も下だった...

久々の洗礼式でしたが思わぬ発見にいささか複雑?な心境となりました。いやいや自分に孫がないことじゃないですよ。赤ちゃんのおばあちゃんが自分より若いことです。(*^^*)

家庭でのスキールンとは大体このようなものです。今回のはわりと平均的家庭バージョンでした。

それにしてもこういう席でラム肉スープが出るのはめずらしいんじゃないかなあ?立ちながらスープをいただくのはなかなか難しかったですが。おじいちゃんが二日ががりで作ったんだから文句はいえません。

赤ちゃんよ、元気で育てよー!!


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ヘロー&グッドバイのしのぎ合い

2015-01-18 05:00:00 | 日記
今日は先の十六日のモルグンブラウジズ紙からふたつのトピックです。まずは恒例の観光関連。

観光局のハルドール・アリンビャルトナソンさんの話しによると、2014年にアイスランドを訪れた外国人は2013年に比べて31%も増加しました。ところがホテルの宿泊数の伸びは24%にとどまっています。

「調べたのですがふたつの理由があります。ひとつはホテルではない個人宅などに宿泊する人が増えていること。ふたつ目は特に冬場の旅行期間が以前より短くなっていることです」とハルドールさん。

ウェッブサイトにはairbnb.comという個人の住居への宿泊を斡旋するものがあり、アイスランドでは千人(千件)が登録されているそうです。また料金を取らない仕組みのcouchsurfing.orgにも八千弱の登録があるとか(これは「世界で」かもしれません。アイスランド国内では多すぎる気がします)。

観光局のリサーチによると、これらの「個人宅宿泊者」が全体の9%にも上るのだそうです。ほぼ一割ですよね。百万人が来たとしたら十万人です。これはバカにできない。

で、このシステムを利用するのは主に34歳以下の比較的若くまた収入が低い世代で、学生に限っていうと一番利用されている宿泊形態だそうです。これは筋が通っていますよね。

さらに南・中央ヨーロッパからの利用者がアジアからの利用者の二倍以上なのだそうです。これも割りとナットク。

旅行の長さに関しては、二年前には夏季のハイシーズンで平均6,6泊だったものが昨年は6,1泊に短くなっています。さらに冬場のローシーズンでは3〜4日の週末に合わせた旅行が増えてきたとのこと。

今、観光客を当て込んでホテル建築をあっちでもこっちでもやってますからねえ。レイキャビク郊外を運転していたらほんの短い区間で大型クレーンが八台も立っていました。これらのホテルを満杯にするには、パイ全体を大きくしないといけないのでしょうが、そうなるかどうか。シンパイです。ホテルではなく、パイが大きくなりすぎることの方ですが。

ところで昨年の外国人観光客数は「初めて百万人台に乗った」と報じられていたのですが、年を超えて正確な数が出たらこれが997.556人で、僅かに百万人に欠けていたことが分かりました。

「みんなショックだったんですけどね」とハルドールさん。「でも豪華観光客船できた人たちが104.516人いましたので、これを加えると百万人を越します」えっ?船できた人たちは観光客じゃないの?「ツーリストとは最低一泊をその国で過ごす人のこととして考えられています」船に宿泊している皆さんは勘定されないようで。

もうひとつのトピックは服飾業界についてです。というか服飾の販売業についてです。

ビフロスト大学の商店リサーチ所(変な名称ですが、要するに「販売するところ」のリサーチです)のエミル・カルスソンさんの話しでは「毎年クリスマス時期は服飾の売り上げが伸びるものなのですが、昨年は対前年比が実数で3,6%、インフレとかを考慮すると1,5%の減少となっています」とのこと。




服飾販売の低迷を示すチャート Morgunnbladid(16.1.2015)より


付随していたチャートを見ても、確かに服飾(Fot:緑線)はここ三年間横ばいのままです。電化機器(Raftaeki:水色線)、家具インテリア(Husgogn:紫線)に比べると違いは明らかです。ちなみに赤線(Afengi)はアルコール類、青線(Dagvara)は日用品のことです。

この状況の背景にはふたつの理由があります。もっともこのふたつは互いに関係しています。ひとつ目は税金です。服飾や靴には一率で24%も消費税がかかります。昨年までは25,5%だったのが年明けから1,5%下がりました。しかしそれでも高いのです。

大きなスーパーとかへ行っても一般に服は「ものすごく」高いです。ものの質も考慮すると、例えばユニクロなどとは「月とスッポン」と言ってもいいでしょう。ちなみに私もユニクロで買いだめします。日によっては着ているものがユニクロ尽くしのこともあります。(*^^*)

というわけで「大して品もよくないのにやたらに高い服をアイスランドで買うよりは...」とクリスマス前などにはアイスランドの人たちは大挙してボストン、ロンドン、グラスゴーなどへ「お買い物ツアー」に出ていってしまうのです。これは一時期盛んだったのですが、また拍車をかけて盛り上がってきているそうです。これが二つ目の理由です。

ついでにこれに付属して、ふたつ目半の理由。ネットで海外から服を購入する人も増えていることです。ネットで購入されるものの支払いの20%が服飾品だそうです。買主は主に若い世代の女性だとか。

要するに値段が高いということが問題なのです。

この状況に危機感を募らせているのはSVTH(商店及びサービス業協会)という商工会議所のような団体です。責任者のアンドリェス・マグヌスソンさんの話しでは「衣服や靴を販売する商店はまだ恐慌後の低迷から立ち直っていないのです」

「政府にはこれまでもずっと主張してきているのですが、衣服や靴に対しての24%の課税がお客さんを遠ざけているのです。税の軽減は絶対に必要です。服飾販売業界は世界的に見てしのぎ合いが厳しい業界なのです」

財務大臣のビャルトゥニ・ベネディクトスソン氏もその点は認めているような発言をしています。「国際間での適正な競争を可能にする環境を作らないといけない」とどこかで述べたようです。イギリスでは服飾品は課税が20%ですが、子供用の衣服にはまったくの非課税になっているそうです。そうですよねえ、少なくともパンツや靴はどう考えても生活必需品ですから、11%課税の品目に入れてもらわないと...

アイスランド国内に16店舗の販売網を持つNTCという会社の経営者スヴァヴァ・ヨハンセンさんは関税の引き下げの重要さも指摘します。「アジアで生産される基本的に生産費の低い衣料品は、一度ヨーロッパに入ってからアイスランドへ輸入されます。関税のためにもともとの安さが失われて競争力をなくしてしまうのです」

スヴァヴァさんの会社では中国に生産拠点を作ったそうで、そこからの製品はアイスランド−中国間の自由貿易協定により非関税で入ってくるので、ずっと安く販売できるのだそうです。

というわけで、アイスランドへ来てくれる人を巡ってもいろいろな利益が絡み合っていますし、逆にアイスランドからボストンやロンドンに買い出しに出かける人も大勢あるということで、大きな目で見れば「世界はひとつ」に向かっているということでしょう。

日本もアイスランドと自由貿易協定を結んでくらないかなあ。トヨタ車が安くなってくれるんだけど...マイ・カローラは夏で九年目に入るし買い換えたいんだけど、高くて無理じゃ...


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DV アイスランド大衆紙の行方

2015-01-11 05:00:00 | 日記
今まで何度かDVというアイスランドの新聞について触れたことがあります。昨秋くらいからこのDV内にちょっとした内乱が起こっておりニュースネタになっています。実は私個人にとっては残念な方向に向かっているニュースなのですが。今回はこのDVについてです。

DVについて触れる度に注付けしてきましたがこのDVは家庭内暴力とは関係ありません。(^-^; 私自身も「もとは何なんだろう?」と疑問に思いながらもそのまんまにしてきました。調べてみるともとの言葉はDagbladid Visirターグブラージズ ヴィーシルというものでした。ターグブラージズは「日刊紙」ヴィーシルは「(時計の)針」のことです。

何となく噛み合わない感じがするタイトルなのですが、それもそのはずでこのDVはもともとヴィーシル、ダーグブラージズというふたつの新聞だったものが1981年に合併してできた新聞なのです。

ヴィーシルの方は1910年の創刊ということですから、かなり老舗紙だったんですね。ダーブラージズの方は1975年の創刊です。

私がアイスランドに移った時にはもうDVになっていましたので、合併によって何がどう変わったのかはまったく分かりません。ただ昔から(つまり私が覚えている頃からということです)相当な「大衆紙」でした。つまりどぎついタイトルと大きな写真を掲げて、無からスキャンダルを作り出す、という手合いの新聞でした。

教会関係者からもよく犠牲者?が出て、覚えているのは「牧師、フェルミング(献信礼志願)の子供を殴る」だとか「牧師、フェルミングの授業で自慰を奨励」とかです。前者の方は詳しく知りませんが、後者の方は「性的な関心を持つことを罪悪とは考えないように」という今日では非常に普通のことを言っていただけ、と「犠牲者」から聞きました。

ここは小さい社会ですので、誰でも新聞の取材対象に容易になり得ます。私も何度もDVと話しをしたことがあります。言葉尻を取られないように気を使いましたが、なぜか私には好意的に接してくれて、昔からあまり迷惑を被ったことはありません。

そのDVは2006年の始めに事件を起こします。ウェストフィヨルドの町の小学校の男性教諭が、教え子の男の子二人に性的ないたずらをした、と一面記事で報じたのです。この教諭はその日のうちに自殺してしまいました。家庭のあった人でした。さらにいうと、いたずらの事実はなかったようです。

この事件に起こった一般市民が三万人の署名を集めて、DVに紙面作りのポリシーの再考を求めました。さすがに当時の編集者たちは職をさることになりました。

少し時が経って経済恐慌の後、2010年にレイニル・トロイスタソンという人がDVの新しい筆頭オーナーになり、同時に編集長も勤めるようになりました。
この人の下でDVはかなりそれまでとは異なる新聞になっていきます。

何人かの若い記者たちは、誰か専門家に話を聞くだけ(ここでは非常に一般的な取材の仕方)ではなく、自分たちで調べて学んで書く、ということを精力的に実施し始めました。

そういう風な仕事をする人材というのは、当然ものの考え方もしっかりしているものなのでしょうか、取材視点がいつの間にかすっかり異なったものになっていました。

私は何度も取材協力してきましたが、特にそれまでは「嘘つき、犯罪者」の同列に並べられてきた感のある難民申請者の問題について、非常に親身に、かつ詳細に報道してくれるようになりました。これは社会的な力も発言の機会もない難民申請者にはとても大きな支えとなりました。




内務大臣ハンナ・ビルトナの辞任を報じるDVネット版


その関連で一年あまり前に、ある難民申請者の個人的な情報がマスコミに流れる、という事件がおこりました。ある難民申請者が国外退去させられることになり、それに反対するための集会が予定されていたのですが、「その人物はヒューマントラフィックの容疑がかけられている」という情報が各マスコミに「タレコミ」されたのです。

この情報が報道されたのは反対集会予定日の朝で、当然集まってくる人は激減してしまいました。私はその反対集会を持った側のひとりだったのですが、「容疑」を「有罪」と断定するようなタレコミに頭にきたのは事実です。

そしてその後、この暴露は個人機密の暴露以外の何物でもないことに人々が気付き始め、今度はそのことの方が「漏洩事件」としてニュースネタになりました。漏洩元はどう考えても難民申請を扱っていた内務省か警察関係でしかあり得ない気がしたのですが、それをDVのふたりの若い記者、ヨハンとヨウンが執拗に追い回しました。

「やっとプロのジャーナリストがアイスランドにも生まれたか」と思いましたが、このふたり、昨年の取材ジャーナリズム大賞を受賞しました。当然だと思います。

そして昨年秋に内務大臣の個人的秘書が個人情報を漏洩したことを認め、続いて内務大臣も辞任せざるを得なくなりました。ジャーナリズの勝利です。

ところが、です。

同じ頃からDVの親会社の売買が進行し、進歩党(という名前の保守党)に関係のある人物が筆頭オーナーになってしまいました。直後に編集長の据え換えがなされ、進歩党の面々が新たに編集デスクに座るようになりました。

この新しい経営及び編集陣のポリシーは目に見えて「進歩党権益の保護優先」のものになっています。これはヨハンやヨウンのように前編集長の下で育ってきた記者たちには受け入れがたいものでした。そしてもはや時間の問題だたのですが、先週になってまずはヨハンが、ついでヨウンが辞表を突きつけてしまいました。

残念ですが、DVの「本物マスコミ時代」は終わってしまったようです。

先に書きましたが、私の仕事の上でも良いバックアップであったので、私にも痛いことです。ヨハンとヨウンの二人には、若いし才能とやる気があるのだから、なんとかこれまでのように社会正義を求める職が与えられること、あるいは創り出してくれることを願います。

グッドラック! 運よりは努力を示した彼らにはふさわしくないでしょうが。

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アイスランド 行く年2014 来る年2015

2015-01-01 03:00:00 | 日記
大晦日となりました。もっとも日本で半日近く早く年が開けるので、多少話が食い違うところです。一年で一番「九時間の時差」を感じる日がこの大晦日〜元旦の移り変わりの時です。

クリスマスから年明けのこの時期にはブログのアップも不規則になってしまっていますが、ご容赦! m(_ _)m

さて年の瀬のこの時期になっても、ダウンタウンに出向くと多くの日本人のツーリストの方を見かけます。もちろんジロ見したり話しかけてお邪魔したりはしませんが、この寒い中をすごいなあ、と思ってしまいます。

今年はアイスランドへの外国からのツーリスト数が初めて百万人を越えたとニュースで報じていました。人口の三倍以上のツーリストの方がいらっしゃったことになります。

観光業が潤うことは国としても喜ぶべきことなのでしょうが、ツーリストの急増に周囲の環境が追いついていないことへの批判はあちこちから聞かれます。何度かブログで書いたことがありますが、私もそのような意見を持っています。

それに対抗して?か、アイスランドエア ・ グループの経営開発部長のハルドール ・ベンヤミン ・ソルベルクスソン氏が講演した際に観光産業振興についての「正しい視点」を主張した、と新聞で報じていました。以下は氏の主張です。

「年間でのツーリスト総数は問題ではありません。夏のハイシーズンには一日あたり四万五千人のツーリストがアイスランドに滞在しています。ですが年平均では一日あたり一万人に過ぎません。

それに対して夏には二万人のアイスランド人が外国へ休暇に出かけています。だから差し引きをすれば国に滞在している人の数の差は相当少なくなります。

ここ十年間でツーリストの数は一日あたりで三万人増加しました。しかしアイスランドの人口の自然増は同じ時期で三万六千人なのです。つまり、アイスランド自体の人口増加の方が、観光客の増加よりも大きいわけです。

諸施設の不足(ホテル、レストラン、トイレ等々)が言われていますが、それにしてもずーっと不足しているわけではなく、一日の中でも時間帯によるものがほとんどなのです」

なるほど、面白い説ですしこれはこれできちんと聞くべき視点でしょう。微妙にズレている気がしなくもないですが。

アイスランド人は「定住者」なわけですから、基本的にはシステムの中に組み込まれています。ツーリストの場合は滞在中の居住施設などすべてを提供しなくてはならないわけで、基本的に必要になるものが違うわけです。だからツーリスト数から出かけていくアイスランド人の数を引くのはまったく無意味だと思うのですが。(^-^;

それでも人口の自然増の方がツーリスト増よりも大きい、というのは正しい指摘なのでしょう。住居不足をすべてツーリスト増のせいにするのは見当違いであるようです。

「行く年」を振り返るラジオの番組などでもこの「ツーリスト増」は大きなトピクとして勘定されていました。

もうひとつ「行く年」の振り返りニュースからご紹介しますが、これは誰が見ても良いニュースでしょう。それは交通事故で亡くなった方の数が過去十年で最低に納まったことです。

2014年に交通事故で亡くなった方の数は四人でした。2006年には三十一人、翌年には十五人、2009年には十七人、昨年十四人という数と比較してみると、ずっと犠牲者が少なくなったことは喜ぶべきことでしょう。

もちろん、四人の方が亡くなっているわけですから、そのことを忘れてはいけませんが、いろいろな事故予防の努力が実を結んだという側面に関しては評価しないといけないと思います。

さて「来る年」の2015年ですが、まずもって生活必需品の付加価値税が元旦より4%上がって11%になります。いきなり〜?ですよ。もっとも当初政府案では13%へ6%アップでしたから、反対の声によって多少上げ幅が小さくなってはいます。

それでも食材や毎日のものの増税ですからねえ、どのくらいの負担感覚になるのかまだ想像の域を出ません。私のように子供が大きくなって、自分で食べるものも少なくなっていく者にはともかく、小さい子供さんが三人、四人といる家庭では影響が大きいことは確かでしょう。




大晦日恒例のレイキャビクの花火 西街の自宅より


そんなこんなですが、私個人の生活に限っていえば「行く年」2014年は嬉しいことの多い年でしたし、「来る年」2015年もそれに続いてくれることを願います。

世界に目を向けると...おおよそ「良い年だった」ということはいつでもあり得ないのでしょうね。これは人間世界の宿命なのかもしれません。でも「宿命だから」といって匙を投げてしまってはいけないですね。「少しでも」より良い年になってくれるよう祈ります。そして良い年にするために、少しでもできることは一緒にやっていきましょう。

「行く年」にブログを覗いていただいてありがとうございました。「来る年」もよろしくお願いします。新年がみなさんにとって平和で暖かい年になりますように心よりお祈りいたします。

レイキャビク西街より 
Toshiki Toma


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